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DAZN観戦 2022年J2リーグ第7節 ベガルタ仙台vs大分トリニータ

2022-03-31 18:09:21 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(3節・群馬戦、0-0)

<前節からの変更>

仙台=前節から中3日に加え、中山の負傷交代もあり4人変更。FWが中山→皆川、左サイドハーフが大曽根→加藤、センターバックの片割れが平岡→福森。そしてGKが杉本に代わり今季初出場となるストイシッチ。ベンチには、キムテヒョンが初めて入る。

大分=ルヴァン杯参加(前の土曜日)のため、仙台とは異なりリーグ戦は1週間ぶり。それでも町田の負傷交代もあり2人変更、右SHを町田→渡邉、FWを伊佐→長沢へと入れ替え。町田の代わりにエドゥアルド・ネットが初のベンチ入り。尚ルヴァン杯3節では、香川と伊東が途中出場(2人とも16分)した以外はスタメンで出場者は無し、スタメンだった坂・松本・中川・宇津元がベンチ入り。

スタメン

降格組の中では最も選手の流出が少なく、前年をベースにした戦いが行いやすいとされていた大分。
監督が交代した(片野坂知宏氏→下平隆宏氏)ものの、両名ともボールポゼッションを基本線とするのは共通しており、下平氏が一からサッカーを仕込む腹積もりだとしてもそれほど苦労はしないはず。

そんな思考から、自分は大分が降格組の中では第一昇格候補だと思っていましたが、開幕から5戦未勝利と最も長引いてしまう事となりました。
開幕前にいきなり、ウィルス禍に巻き込まれて1節が順延となってしまったのが不幸の始まりで、ルヴァン杯を含めた怒涛の連戦を強いられる立ち上がりに。
それでもようやく前節に初勝利を挙げ(琉球戦・4-1)、良い流れを持っての連戦となった今週。

4バックをベースとしつつ、4-3-3でスタートし、4-2-3-1を経て現在は4-4-2とオーソドックスなフォーメーションに落ち着いた大分。(前の試合・ルヴァン杯3節では3-4-2-1)
そのためフォーメーションの練度は仙台の方に分があったのか、試合開始から攻勢を掛けたのは仙台となり。
入りに左サイドでスローインによる漸進攻撃から左コーナーキックに持ち込むと、キッカー遠藤のニアサイドへのクロスを加藤がフリックし、中央で梁勇基(リャンヨンギ)がヘディングシュート。
ボールはゴールバーを直撃し、跳ね返りを富樫が詰めてゴールネットを揺らしましたが、梁のシュートの時点でオフサイドを取られてぬか喜びに。
フライングした仙台の本拠地・ユアテックスタジアムの音響が空しく響きました。

その後前半3分に仙台・フォギーニョが、4分に大分・渡邉がともにミドルシュートを撃ち合い。(前者はブロック・後者は枠外)
高い個の力同士のぶつかり合いという様相が描かれたものの、その結果大分が持ち前の、最終ラインからの組み立てで好機を作り上げていきます。

9分最終ラインから右へと展開し、伊東のロングパスを長沢がフリックし、敵陣で繋いだのち再度最終ラインへ。
サイドを移してから小林成豪が再びロングパス、跳ね返りを拾った呉屋がエリア内へ進入、シュートを放つもGKストイシッチが足で何とかセーブ。
3年前にJ2で22得点を挙げている呉屋、今季再びJ2へと戻ってきたとあってその存在は他チームにとっては脅威となり。

そして11分GK高木からの繋ぎで、再び右サイドから下田がロングパス、長沢の収めから呉屋→小林成と渡り。
エリア内左を突いた小林成がシュートを放ち、ニアサイドをぶち破りゴールに突き刺さり。
フィニッシュの撃ち合いの展開を制し、先制したのは大分となりました。

持ち前の主体的な攻撃を決め、尚もポゼッションが冴え渡る大分。
こうなると、攻撃では遠藤頼みの節がある仙台は苦しい展開を強いられる事になります。
それでも大分と同様、ボランチが一人最終ラインに降りてのビルドアップから反撃せんとする仙台。
17分には右サイドへ渡ったのち真瀬が裏へミドルパスと、先程の大分のような展開を見せると、奥へ走り込んだ皆川が跳び出したGK高木にチャージされて反則。
高木に警告が出され(その後のフリーキックからの攻撃はシュートにいけず)、以降の展開が有利に傾くかと思われましたが大した影響は無く。

ともに同じ形でのビルドアップと、まさに4-4-2同士のミラーマッチといった試合展開ですが、仙台はミスも絡み中々前へボールを運べず。
大分はロングパスを絡めた攻撃が実に組織的といった感じで、クリアされてもセカンドボールを拾って継続するシーンが数多。
2トップは長沢・呉屋のダブルポストといった布陣でしたが、長沢が浮き球を、呉屋が地上でのポストプレイと役割が分担されていた印象でした。
そしてシュートに結び付かなくてもCKに繋げ、攻撃を完結させていたのが優勢に映り。

立ち上がりとは一転し、双方フィニッシュが極端に少なくなり試合は進んでいきます。
次第に苦しくなってきた仙台は、再び前回観た際に顕著だった、遠藤が逆サイドへ張り出しての攻撃が目立っていく事となり。
幸い(?)、ドイスボランチ(梁・フォギーニョ)が敵陣では前に出ていくスタイルなので、2人が前線に参加した際は遠藤がボランチの位置に残っていましたが。

そして前半も終盤の45分敵陣右サイドで遠藤がボール奪取して好機、そのままクロスを上げ、クリアされるも真瀬が拾って継続。
パスを受けた遠藤が大分ディフェンスを振り切りつつカットインし、エリア内右からシュートを放ちますがゴール左へと外れ。
遠藤の個人技が生きて大分ゴールを脅かしますが、結局得点出来ないまま前半を終えます。

共に交代無く迎えた後半、最初(後半1分)に仙台が好機を逃すと、すぐさま大分が反撃。
空中戦から長沢の落としで攻撃開始し、右サイドから小林裕紀のクロスが入り、クリアボールを逆の左サイドで香川が拾ってさらに攻撃。
ここから下田が斜めの縦パスを連続で入れてエリア内を襲い、長沢のポストプレイがこぼれた所を呉屋が拾い、エリア内中央からシュート。
ゴール右へと突き刺し、持ち前の得点力をこの日も炸裂させた呉屋。

2点差とした大分、尚も敵陣でのボール奪取を連発して押し込み。
5分にはそこから渡邉がミドルシュートを放つ(枠外)など、大分が順風満帆に映る試合展開に。
対する仙台は、この辺りからSHを入れ替え、遠藤が左・加藤が右へと位置を移します。

本格的に左サイドでプレーする事となった遠藤の存在で、左からの攻撃をスムーズにさせる仙台。
高い位置を取れるようになった石原と、サイドに開いて絡む皆川のプレーもあり、奥からのクロスにまで持ち込めるようになります。
9分には、石原スルーパス→走り込んだ皆川マイナスのクロス→エリア内左で遠藤という流れでシュートに持ち込むも枠を捉えられず。
左が流動化すれば逆の右サイドも活き、17分には加藤と真瀬の関係性で奥を突き、加藤のクロスから富樫がヘディングシュートを放ち。(GK高木キャッチ)

12分以降、仙台の攻撃機会が10分も続く事となり、防戦一方となる大分。(14分に仙台は梁→鎌田へと交代)
次第に大分のビルドアップに対するプレッシングも冴え渡るようになりますが、22分にはプレスを嵌めて鎌田がパスカットに成功するも、腕に当ててしまいハンドの反則を取られ。
直後に大分も動き、長沢→伊佐へと交代します。

ペースが止まった仙台の隙を突くように、25分の大分は香川ロングパス→伊佐フリックで呉屋へと渡ったのち決定機に。
彼のスルーパスを受けた小林成がドリブルでエリア内中央へ持ち込み、左から追い越した渡邉へとラストパス。
そしてシュートが放たれ、ブロックでこぼれたボールを再度シュートした渡邉ですが、GKストイシッチのブロックに阻まれゴールは奪えません。

何とか3点目を防いだ仙台、直後に皆川→キムテヒョンへと交代。
FW→DFの交代で、その通りにフォーメーションも3-4-2-1へとシフトと、見た目上守備的の交代に映り。(3バックは右から若狭・福森・キムテヒョン)
しかしその効果はすぐさま表れ、28分最終ライン右から若狭が斜めの縦パス、富樫のポストプレイで浮いたボールを加藤が繋ぎ。
真瀬のヘッドを挟んで抜け出した加藤からエリア内右へ送られると、走り込んだ真瀬がスライディングでシュート。
ボールはループの軌道となり、GK高木の頭上を越えてゴールに吸い込まれ。
執念で1点を返した仙台。
3バックにした事で、5レーンにくまなく選手を置けるようになり、若狭の斜めのパスが活きる格好だったでしょうか。

尚も30分、敵陣深め右サイドで鎌田がボールカットして好機に持ち込み。
加藤の中央へのパスから富樫→遠藤→フォギーニョと繋ぎ、エリア内のフォギーニョが左へ叩いた所に石原が走り込んでシュート。
しかしゴール右へ外れ、同点の絶好機を逃してしまいます。

交代によりリズムを掴んだ仙台でしたが、それを失ったのもまた、交代で入ったキムテヒョンのミスプレーからでした。(31分に大分は下田・小林成→ネット・宇津元へと2枚替え)
自陣左奥でのスローインからラフに前に蹴り出さんとしたキムテヒョンでしたが、ミスキックで大分の敵陣深めでのスローインに変わり。(33分)
右サイドで長くパスを繋ぎ伊東の奥からのクロスに持ち込む大分、クリアした仙台でしたが、その後の大分の二次攻撃が若狭のハンドを誘発。
エリアからすぐ手前での直接FKに持ち込みます。
キッカーの位置にはネットと伊佐が立ち、ネットの左足でのシュートが放たれると、ゴールバー内側を叩いたボールはゴールネットに突き刺さり。
今季リーグ初出場のネットがいきなり結果を出し、再び2点差とした大分。

さらに37分の大分の攻撃、エリア手前で呉屋のパスを受けようとした渡邉が仙台・鎌田にスライディングで倒され反則。
またもエリアからすぐ手前で直接FKとなり、シュートにいったのは再びのネット。
しかし今度は壁に当たり、流石に2度目はモノにならず。

諦める事の無い仙台は、39分に最後のカードを切りフォギーニョ・石原→大曽根・内田へと2枚替え。(加藤がシャドー→ボランチへシフト)
左サイドを交代した事で、対する大分も、守備時に渡邉を一列下げての5バックシステムとする事で対処を図ります。
そして44分に呉屋・伊東→坂・松本へと2枚替えし、3-4-2-1へと移行して完全な5バックの体制へ。

これによりサイド突破もままならなくなり、アディショナルタイムは放り込みを仕掛けるしか無くなった仙台。
それにしてはDFを上げるという手法を採らず、ターゲットは富樫のみだったのには疑問が残りましたが。
結局1-3のまま大分が勝利に辿り着き、連勝を果たしました。

ここに来て故障者続出とウィルス禍に苛まれての連敗といった具合に、大分の出だしと類似した状況になってしまった仙台。
大分の苦境からの立ち直りを目の前で見せられる事となりましたが、その姿を未来への自身へと昇華させたい所でしょう。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第3節 AC長野パルセイロvsカマタマーレ讃岐

2022-03-30 16:02:15 | サッカー視聴記(2022年その他)

<長野スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 金珉浩
RCB 喜岡 CCB 秋山 LCB 池ヶ谷
RWB 船橋 DH 宮坂 LWB 水谷
IH 佐藤 IH 坪川
FW 宮本 FW 森川
<讃岐スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 高橋拓也
RCB 伊従 CCB 西野 LCB 遠藤
RWB 川﨑 DH 長谷川 LWB 臼井
IH 後藤 IH 中村
FW 松本孝平 FW 小山

松本がJ2から降格してきた今季、再度信州ダービーが行われる環境を手にした長野。
とはいっても目標がJ2昇格なのは不変であり、それを内外に強く示すべく、シュタルフ悠紀リヒャルト氏を新監督に招いたオフ。
同じYS横浜から3選手を獲得(池ヶ谷・船橋・佐藤)し、この日も揃ってスタメン起用するという具合に、その本気度とシュタルフ氏自身のサッカーの落とし込みのスピード感が伺い知れます。

開幕からフォーメーションを相手に合わせてチェンジし続けている長野、この日は3-3-2-2を選択。
折りしも相手の讃岐と同一のものとなりました。
アンカーの両脇という弱点を突かれ易いこのフォーメーション、特に付け焼刃なら尚更であり。
前半5分、後方でのパスミスがエリア手前へ転がると、讃岐・後藤がすかさず反応してペナルティアークからシュート。
しかしGK金珉浩(キムミノ)がキャッチ。

不安定さが顔を覗かせた長野ですが、続く6分には右サイドで船橋が目の覚めるようなミドルシュートを放ち。
GK高橋拓にセーブされて右CKとなり、キッカー宮坂はニアへ低いクロスを入れると、宮本が潰れて中央に来た所を坪川が合わせ。
混戦の中ボールがゴールへと転がり、セットプレーで先制点を挙げた長野。

長野は9分にも宮本が中盤でカットして前進、そしてスルーパスを森川へと通し。
しかしその刹那、抜け出そうとした森川が讃岐・西野と交錯して倒れ込み。
たまらず笛が鳴り、絵面的に讃岐の反則と思われた判定でしたが、長野の反則となってしまいました。

これで流れが変わったのか、その後は讃岐が攻撃権を握り。
長短のパスを絡めた上で、中村の突破力をアクセントとしつつ好機を演出していきます。
19分、中央で受けた中村が左へ向かってドリブル、遠藤とのパス交換を経て再度中央へ戻し。
伊従がエリア内へ縦パスを通し、受けた小山が右へ流れてシュートを放つもGK金がキャッチ。

しかし先程の反則から、それが一つのキーポイントとなってしまっていた試合情景。
25分に森川のドリブルが讃岐・西野に倒され、反則で今度こそ長野のフリーキックに。
右ハーフレーン・エリアからやや手前という位置で、キッカー宮坂はクロスを上げずにショートパス、森川のドリブルを使って左サイド奥へ。
そしてカットインを経てエリア内左奥からマイナスのクロスが入り、ニアサイドで受けた池ヶ谷がシュートしますが、GK高橋拓がセーブ。
防いだ讃岐がカウンターに持ち込み、小山がドリブルで中央を突き進む体勢に入りますが、中盤で讃岐・船橋にスライディングで倒され。
当然反則で、船橋に警告が突き出されますが、讃岐は納得出来ず(一発レッドを求めて)抗議するシーンも生まれました。
やはり両チームとも、判定にナイーブになっていたのでしょうか。

讃岐は前年観た際の、重苦しさ全開のサッカーという雰囲気は何処にも見当たらず。(せいぜい川﨑のロングスローぐらい)
今季は2試合で既に5得点と、攻撃サッカーに舵を切ったその成果も表れており、ようやく改革のレールに乗り上げたという印象でした。
開幕前にクラブは「2024年のJ2昇格」という目標を掲げたとの事。
俗にいう3年計画とされるものでしょうが、目先の結果へのプレッシャーから解放されたかのように、長野ゴールに迫るシーンを量産していたこの試合。

しかし成果はサッカーで表現できても、結果に結び付くかどうかは別問題。
32分に長野・吉岡のボールキープを小山が倒してしまい、再度長野のFK。
右サイド・エリアからかなり手前という位置で、キッカー宮坂はクロスを選択すると、クリア出来ずにボールは中央へこぼれ。
すかさず池ヶ谷がシュートを放ち、ゴールネットを揺らして2点目を挙げた長野。
セットプレーの守備の脆さを露呈してしまった讃岐、思わずGK高橋拓も失点後にポストを腕で叩くシーンが見られ。

それでも讃岐の攻撃は委縮する事無く。
34分には右サイドでのパスワークを経て、中央で受けた中村がドリブルからミドルシュート、ブロックされエリア内へこぼれた所を小山がシュート(ブロック)と攻め立て。

しかし再度セットプレーでゴールを脅かされる讃岐、39分の長野の左サイドからのFK。
キッカー宮坂は再びショートパスを選択し、森川がカットインでエリア内へ進入してシュート。
GK高橋拓がセーブするもその後の攻撃でCKを得て、CK攻勢へと移行する長野。(2本続くもシュートは撃てず)

何とか凌いだ讃岐でしたが、そのダメージからか43分についに決壊。
左サイドでの前進から宮坂がエリア内へミドルパスを送り、クリアされるもエリア手前の宮本の足下に収まってしまい、宮本がそのままシュート。
ゴール右へと突き刺さり、前半のみで3点目を奪いました。
この場面はセットプレーでは無かったものの、2点目のシーン然り、クロス・ロビングのクリアという所で甘さが見られた讃岐の守備。

3点差で突入したアディショナルタイム、点差を縮めるべく讃岐は尚も攻め込み。
右サイドから川﨑がエリア内へラストパスを送り、松本孝のシュートがブロックされるも尚も繋ぎ、再度川崎のラストパスから後藤がエリア内右からシュート。
しかしGK金のセーブに阻まれ、CKを得るもそこから逆に長野のカウンターに。
クリアボールを拾った森川がドリブルで一気に持ち上がり、エリア手前からシュートを放ちましたが、ここはGK高橋拓がセーブ。
目まぐるしい攻防を経て前半を終え、讃岐にまだやれそうな雰囲気が漂ったものの、スコアは3-0。

迎えた後半、スコア差もあり讃岐がボールを握る展開に。
そこからどう崩すかという難題を突き付けられる格好ですが、長野も隙あらば追加点を取りにいく意識は変わらず。

入りからの讃岐の流れが止まり、次第に長野がボールポゼッションを高め。
しかしそこを突く讃岐、10分に長野の右→左へのサイドチェンジを川﨑が出足良くカットし、パスを繋いで前進したのち川﨑の右からのクロス。
ファーで小山が右足アウトサイドでのボレーシュートを放ちましたが、ゴール上へと外れてモノに出来ず。
相手の前へのベクトルを逆利用できた讃岐でしたが、逃してしまったのは大きく。(直後に臼井→渡辺へと交代)

しかし失意する暇は与えられず、再び讃岐がボールを握って攻撃を展開。
押し込まれる長野は17分に交代カードを切り、船橋と佐藤に代えて三田とデューク・カルロス(出身は日本)を投入。
ドイスボランチの体制へとシフトし、中央を固めに掛かります。
<後半17分以降の長野> 3-4-2-1
GK 金
RCB 喜岡 CCB 秋山 LCB 池ヶ谷
RWB 森川 DH 宮坂 DH 坪川 LWB 水谷
IH 三田 IH デューク
FW 宮本
それでも守備時5-4-1というよりは、シャドーが前掛かりの5-2-3といった感じで、依然として4点目を狙いにいく姿勢が窺えました。

21分には代わって入ったデュークが推進力を見せ、左サイドを讃岐のアタックを受けつつもキープして前進。
その攻撃は実らずも、直後には森川が中央を前進してエリア内へ送り、受けた宮本が右へ叩いた所をシュートにいったのは三田。
枠を捉えられずも、遠藤にアフターチャージを受けた事で反則(遠藤に警告)・直接FKに移り変わり。
右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の距離で、キッカー宮坂は直接シュートを狙いますが惜しくもゴール上へと外れ。
前線をフレッシュにした効果が早速表れ、讃岐の反撃ムードを堰き止めます。

形勢不利な讃岐は22分、中村・小山→鯰田・青戸へと2枚替え。
それを受けて長野も24分に、宮坂に代えて住永と、中央に運動量を補填します。

讃岐はやはりボールポゼッションを高めての攻撃をするしかなく。
これ以降、右センターバックの伊従がサイドバックのように右に大きく開き、4バック(2CB)のような可変を取る場面も見られ。
そしてドイスボランチのように鯰田が降りて来るなど、ビルドアップに一工夫凝らすも、成果は芳しくなく時間が進んでいきます。

32分に最後の交代を敢行する長野、森川・宮本→東・佐野へと交代。
2人とも前線に入り(佐野が1トップ)、デュークが左ウイングバックへ回る事となります。(水谷が右WB)

マイボールの際はデュークを走らせるスルーパス中心の攻撃で、讃岐に押し込まれた陣地を回復していく長野。
点差的な余裕もあり無難な立ち回りに映ったものの、そこに落とし穴が待ち受けていたでしょうか。
36分、長野のスローインを直接讃岐・遠藤がカットして攻守交替、浮き球のパスを松本孝がヘディングで収めてのポストワークから右奥へ展開。
スペースへラフに送られたこのボールに、川﨑が猛然と走り込んでクロスを上げると、ファーサイドで青戸が合わせヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、ようやく長野ゴールをこじ開けて1点を返します。

この1点で士気を高め、さらに攻め上がる讃岐でしたが、その前掛かりの意識を突くようにその後決定機を作ったのは長野の方。
40分にGK金のパントキックを住永がフリックして攻撃開始、東→三田→佐野と前線3人がパスを繋ぎ、佐野のスルーパスに東が走り込み。
エリア内から東がシュートを放つも、GK高橋拓がセーブ。
尚も繋がんとする讃岐からボール奪取してターンを渡さない長野。
42分にはクリアボールを収めた佐野がスルーパス、走り込んだのは再び東でGKと一対一の状況となり、ペナルティアークからシュート。
左へシュートしてGK高橋拓の逆を突くも、ゴールポストを直撃してしまいモノに出来ず。

反撃どころか、4失点目の危機に苛まれてしまう讃岐。(43分に伊従→西本に交代)
劣勢の中、43分には自陣からのFKでも(GK高橋拓が)放り込みを選択、エリア内左へのロビングを松本孝が落とし。
これを渡辺がシュートに持ち込みますが、GK金がキャッチ。
直後に再び長野の攻撃が始まり、エリア手前での長野のキープに対し長谷川が反則を犯してしまい、判定に不服な態度を取った長谷川が警告を受け。
再びエリアからすぐ手前の長野のFK、キッカー住永のグラウンダーのシュート気味のクロスを秋山が合わせに走り込むという攻撃を展開するも、GK高橋拓が何とか抑え。

その後のATでも厳しい戦いを強いられた讃岐、結局それ以上スコアを動かす事は出来ず。
3-1で長野が勝利に辿り着き、昇格に向けて幸先良い滑り出し(2勝1分)となりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第6節 V・ファーレン長崎vsツエーゲン金沢

2022-03-29 16:01:44 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(2節・横浜FC戦、0-1)
※前回の金沢の記事はこちら(3節・町田戦、1-2)

<前節からの変更>

長崎=不調のチーム状況を受けてか大幅変更。クリスティアーノ山崎の2トップとして、都倉とエジガル・ジュニオをベンチへ留め置く。右サイドハーフに澤田が移り、左SHには今季初スタメンの米田。右サイドバックも高橋→奥井へ入れ替え。ベンチには飛び級でトップ昇格した安部が初めて入る。

金沢=左SBが毛利→長峰へとチェンジ、長峰は今季初スタメン。またサイドハーフは2試合スタメンを外れていた嶋田が復帰し力安と入れ替え、嶋田が左に入ったため平松が左SH→右SHへと移動。

スタメン

昇格候補と謳われながら、ここまで1勝2分3敗と黒星が先行し下位に低迷している長崎。
思えば前年も同じパターンで、監督交代を敢行(吉田孝行氏→代行で佐藤一樹氏→松田浩氏)してから調子を上げていったというシーズン。
その上昇機運に導いた松田氏も、今季低迷したとあっては、同じ手は打ちづらくなるものです。

その主要因としては、オフに獲得し戦力に加えたクリスティアーノの存在が挙げられるでしょうか。
前年までJ1でバリバリ最前線で活躍してきた助っ人ですが、年齢的に晩年を迎えたためか、カテゴリを一つ落とし。
その移籍先が前年4位の長崎だった事で、昇格への切り札的存在として持ち上げられましたが、いざシーズンが始まるとチームは機能不戦に。
特に4-4ブロックが基本の守備組織が持ち味である松田サッカーに嵌らないのが致命的で、前年の好調ぶりは影を潜めてしまった長崎。
それを受けてか、この日はポジションを右SHからFWに移される事となったクリスティアーノ。

試合が始まり、長崎はそのクリスティアーノにボールを託しつつ攻勢を掛けんとします。
FWというポジションでも、サイドに開いてボールを受けたのち、自身の突破力を盾にして攻撃リズムを与えんとするのは変わらず。
前半8分、左からのスローインを受けたクリスティアーノ、そのままカットインを経て中央やや左・エリア手前からシュート。
強烈なボールがゴール上を襲うも、枠の上へと外れ。

一方の金沢も、FWに豊田という実績・ネームバリューの大きな存在が構えるチーム。
9分には松田の右サイドからのミドルパスを豊田がスペースへと落とし、走り込んだ平松のクロスがブロックされて右コーナーキックに。
そのCKで、キッカー平松のクロスに庄司が合わせ、ヘディングシュートでゴールネットを揺らし。
しかし豊田がGK笠原をチャージ(跳び出しを妨害)していたとの事で反則となり、得点は認められませんでした。

クリスティアーノと豊田が、ともにチームの橋頭堡となる事を予感させる立ち上がりとなり。
しかし金沢はその後、意外にも自陣からショートパス主体での組み立てを敢行して好機を作っていきます。
特にゴールキックからでも短く繋いできたのは、前年までの金沢からすれば完全に予想外であり。
主に右サイドでの攻撃が目立った金沢ですが、好機に繋げるにはSBの松田にどう高い位置を取らせるかがキーポイント。
そのため左SHの嶋田が逆サイドへと張り出して攻撃参加し、人数を増やしてパスを繋ぐ事を基本線としていたこの日。
豊田のポストワークは確かに武器の一つですが、長い目で見ればやはり豊田に安定してエリア内でのフィニッシャーを務めてもらう方が得点への期待値は高まる。
そんな思考の下、彼をなるべく使わないボール運びに徹していたでしょうか。

方や長崎は、相変わらずクリスティアーノ中心の攻撃を仕掛けんとしましたが、金沢の激しいディフェンスの寄せに苦戦気味。
23分には松本大輔のチャージを足に受け、激しく痛み倒れ込んでしまうクリスティアーノ。
ベンチでは都倉のアップが行われたものの、ピッチ外での治療を経て何とか復帰します。
その後27分には逆に金沢・嶋田が、長崎・澤田のスライディングを受けて倒れ込む場面が。(1分程で起き上がる)
31分には豊田がスライディングで長崎・加藤大を倒してしまい反則、警告を受ける等、粗さが目立ち始めた試合様相に。

そんな乗り切れない流れの中、長崎は35分に山崎が加藤大のスルーパスに抜け出して左サイドでボールを持つと、先程のクリスティアーノのようにカットインから果敢にシュート。
しかし枠を大きく外してしまいます。
38分に今度は右サイドで奥井の縦パスを受けた山崎から、クリスティアーノがヒールパスで繋いだのち、澤田のリターンに走り込んでエリア内右からシュート。
しかしGK白井のセーブに阻まれ、見せ場は作るものの決められないクリスティアーノ。

終盤に今度はカイオ・セザールが足を痛めてしまうシーンが発生する(一旦ピッチ外に出るも復帰)など、激しいデュエルにナイーブになりがちな試合に。
そしてアディショナルタイムに、クリスティアーノを倒して反則を取られた金沢・藤村が、すぐさま納得いかない態度を示した事で主審に黄色い紙を突き出され。
荒れた試合を締めるための見せしめという感じの警告で、前半を終える事となりました。

後半の長崎の入り、中盤でのボール奪取から速攻気味にクリスティアーノに託そうとしますが、いずれも巧く繋がらず攻撃が途切れ。
逆にそこから金沢のカウンターを浴びる等、微妙な流れとなり。
金沢とは違い、ビルドアップの際もSBは上がらず、敵陣で攻撃を展開し始めてようやく攻撃参加するというスタイルが主流。
そのためどうしても前線の選手頼みになってしまう節がある長崎の攻撃。

後半11分、金沢のCKからの二次攻撃を凌いだ長崎はそこからカウンター、左サイドで拾ったクリスティアーノが右サイド裏へ一気にロングパス。
走り込んで受けた加藤大がエリア内右奥を突き、ファーサイドへクロスを上げたものの繋がらず。
手薄な場所へと出した加藤大と、中央に走り込んでいた受け手という意思疎通の不一致で逃してしまいました。

一方の金沢は、変わらず嶋田が中央ないしは右寄りへと張り出す形からの攻撃ですが、前半とは逆に左サイドから仕掛け。
12分には嶋田の縦パスを中央で受けた林から左へ展開、受けた長峰のクロスがクリアされた所を、嶋田がダイレクトで中央からシュートを放つもゴール上へと外れ。
16分に左サイドから嶋田のクロスが上がると、ファーサイド遠目で松田が折り返し、これはカットされるも豊田が奪い返して継続。
パスを繋いだのち今度は右手前から藤村のクロス、これもファーサイドに上がり長峰の折り返し、逆サイド奥へ上がったボールを豊田が落とし。
クリアでさらに浮いたボールを、林がヘディングシュートにいきましたがGK笠原にパンチングで掻き出され。
ターゲット役が次々に襲い掛かるも、何とか防いだ長崎。

先にカードを切ったのは金沢で、16分に嶋田→大谷へと交代。(平松が右SH→左SHへシフト)
その後20分に双方交代し、金沢が林→杉浦恭平、長崎が加藤大→大竹。

金沢は嶋田の流動的な動きを失う事となりましたが、その分ボランチの縦関係のポジション取りでカバーし。(松本大弥が前に出てボールを引き出す)
そして24分、そこが起点となりスコアを動かします。
敵陣左サイドでのパスワークから、長峰の縦パスを前に出ていた松本大弥がポストプレイ、受けた藤村が逆の右サイドへロングパス。
奥へ走り込んだ松田がダイレクトでクロスを送ると、ファーサイドで杉浦恭がスライディングで合わせ、ゴールにねじ入れ。
それまで頻繁に見せてきたファーサイドへのクロス→折り返しでのサイドを振る攻撃をさらに昇華させた形で、先制点に辿り着いた金沢。

この日もリードを奪われてしまった長崎、狼狽する暇は無く。
それでも再びクリスティアーノにボールを託さんとするも繋がらない、というシーンを頻発させるなど、動揺は隠せません。
それを見たベンチは28分に動き、3枚替えを敢行。
クリスティアーノを退かせるという決断を含めて2トップを一挙交代し、都倉とエジガルが投入されます。
その他、初のベンチ入りとなっていた安部も投入され(米田と交代、澤田が右SH→左SHへシフト)、一気に陣容を変えての勝負を挑み。

しかし依然として良い流れは生まれない長崎。
逆に金沢に中盤でボール奪取され、右サイドで松田や大谷に一気に前進を許すなど押し込まれ、反撃の機運は一向に高まりません。
そして35分に最後の交代カードを切る長崎、澤田→笠柳へと交代。
安部とは異なり前節が初のベンチ入りでしたが、初出場は共に同じ試合となったの安部と笠柳。

依然として金沢の攻撃機会が目立つ流れの中、38分には都倉狙いのロングパスがこぼれた所を拾った笠柳。
そして前進ののちミドルシュートを放ち、惜しくもゴール上へと外れたものの、重い雰囲気を吹き飛ばしに掛かるシュートを見せました。

40分に金沢も最後のカードを使い、豊田・平松→力安・小野原へと交代して大谷がFWへシフト。
直後の41分にフリーキックからの二次攻撃、右サイドで細かくパスを繋いだのち奥井がクロス、中央にこぼれた所を江川がシュート。(ブロック)
その後も金沢・杉浦恭にクロスからのシュートを許したり(44分・枠外)、カウンターで抜け出される危機も招く(45分・GK笠原跳び出して防ぐ)など、不安定な状況ながら同点にするべく攻め上がる長崎。

ATに突入してCKを得ると、GK笠原も前線に上がっての総攻撃。
2本目の左CKで、クリアボールを拾った笠柳がエリア内左で前進してグラウンダーでクロス、受けたエジガルが村松の繋ぎを挟んでの浮き球をバイシクルでシュート。
何とかシュートに持ち込んだものの、枠外に終わりやはり体勢は苦しく。
結局0-1のままスコアは動かず、金沢がアウェイの連戦で連勝を果たす結果になりました。

「動くべくか動かざるべきか」という瀬戸際に立たされたような長崎。
仮に動いたとすれば、2年連続での監督の途中交代という事となり、それも長期的に見ての転落を招く恐れも強く。前年の松本のように
個人的にはこの日見られた笠柳の積極性が、何かの糸口に繋がれば……と感じました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第6節 モンテディオ山形vs東京ヴェルディ

2022-03-28 16:17:27 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の山形の記事はこちら(4節・甲府戦、1-1)
※前回のヴェルディの記事はこちら(2節・栃木戦、3-0)

<前節からの変更>

山形=アンダー代表に参加の木村・半田に代わって、それぞれセンターバックに野田・右サイドバックに川井が入る。その他は変わらずも、ベンチメンバーには4人が新規で入り、その中には新外国人チアゴ・アウベスの名前も。(その他は小西・松本怜大・坂本)

ヴェルディ=こちらもアンダー代表参加の馬場(CB)・山本(アンカー)が抜けたが、それに併せて5人も入れ替えたスタメン。馬場→ンドカ・ボニフェイス、山本→加藤弘堅の他、GKが高木和→長沢・右インサイドハーフが石浦→阿野・センターフォワードが新井→佐藤凌我に代わり、佐藤凌以外は今季初スタメン。ベンチも控えGKに佐藤久弥が入った他、佐古・宮本・橋本と初のメンバーが名を連ねる。

スタメン

代表ウィークである今節、A代表だけでなく、アンダー代表(U-21)もドバイ・カップを戦うために召集され。
J2クラブ所属のメンバーも少なくなく、この試合の山形・ヴェルディでは2人ずつが招聘されチームを離れる事となりました。(なお山形・木村は前節退場で出場停止なため、どちらにしろこの試合は出れず)

その他の共通点としては、2チームとも監督が前年のシーズン途中に就任したという事でしょうか。
そのため前年のチーム作りは、前監督の引継ぎと言う意味合いが強くありました。
今季も山形・ヴェルディともにシステム的には変わっていないものの、オフを挟んだ影響は確実に出ているようで微妙な差異が見られ。

山形は前年の勝ちパターンである、先行逃げ切りの戦いが雲散霧消しかけている状態。
前節(仙台戦・2-3)のように、逆に先行されても撃ち合いに持ち込めているのは好材料でしょうが、成績的にもここまで1勝止まりと停滞気味であり。
一方のヴェルディは、ボールポゼッションが持ち味であったものの、今季はそれほど激烈と言う訳では無く。
ロングボールでの組み立てや、攻守の切り替えに重点が置かれてのチーム作りが果たされ、ポゼッションは前年までの名残の部分という感じ。
ただしそれによりチームバランスは着実に向上しており、それがここまで無敗(3勝2分)の好成績に繋がっているでしょうか。

試合が始まり、立ち上がりからヴェルディは裏狙いのロングボールを軸とする立ち回り。
ポゼッションによる攻撃は前半5分に敢行し、サイドチェンジも絡めてパスを多く繋ぐも、結局最終ラインに戻して作り直し。
しかしその直後にパスミスで山形・藤田に奪われてショートカウンターを受けてしまう(シュートまではいけず)という具合に、ボール保持に支障をきたしているような部分が散見されました。
左サイドに梶川が開き、左ウイングの杉本が中に絞るという可変を軸にしているようでしたが、中々うまい具合にボールを運べず。

そんな浮足立つヴェルディに対し、山形の7分の攻撃。
右サイドで川井が裏へロングパスを送り、受けた藤本を経由して山田康太にボールが渡ると、斜めへと前進してエリア内右からシュート。
グラウンダーのボールがゴール左を鋭く襲うも、ポストを直撃してしまい惜しくもゴールならず。
この目が覚めるような一撃を切欠にペースを掴む山形。
右SBに半田が不在なため「偽SB」的な攻撃は影を潜めたものの、逆に川井がシンプルに仕掛ける事で程よいギャップとなっていたでしょうか。

19分、中盤でボールの奪い合いが発生し、それにより激しいトランジションの末にヴェルディの攻撃に。
ンドカのボール奪取から加藤弘→加藤蓮と渡り、加藤蓮が長いドリブルを経て中央からミドルシュート。(ブロック)
持ち味である攻守の切り替えからの好機を生みましたが、こうしてトランジションの連続となれば、それだけ状況が不安定になるという事でもあり。
この場面はたまたまヴェルディサイドに針が振れたものの、安定性に欠ける風に映りました。

その不安は的中し、22分に野田が前に出て中盤で奪い山形の攻撃。
拾った藤本からエリア内右へスルーパスが送られ、走り込んだ國分からのグラウンダーのクロス、ヴェルディ・ンドカが滑ってブロックするもこぼれ球を藤本がシュート。
前に出たGK長沢がこれをブロックするも、左へこぼれたボールを山田康が詰めてゴール。
ショートカウンター気味に、2試合ぶりの先制点を挙げた山形。

その後もヴェルディのビルドアップは乱れがちで、山形はそれを執拗に突き。
27分に山﨑がボールカット、南からのスルーパスで川井が右サイドからクロスを入れるもブロックされてコーナーに。
そのCKから、クリアボールを拾った川井がシュートするも枠外に。
何とか山形の攻撃を切ったヴェルディでしたが、その直後にあろう事か、最終ラインで奪われてしまい再度山形のショートカウンター。
加藤大樹のボールカットから、山田康のパスをエリア内左で受けた藤本、ボールキープからの切り返しを経てシュート。
ゴール右へと綺麗に突き刺し、早い段階で2点目を奪いました。

2点差となり、その後ヴェルディは開き直るかのように果敢なプレッシングを掛けます。
敵陣でのボール奪取も何度か発生させるも、シュートに繋げる事は出来ずに時間は進み。
44分には再び激しいボールの奪い合いが発生し、こぼれ球を谷口が縦パスを送ってヴェルディの好機。
佐藤凌のポストプレイがこぼれた所を繋ぎ、阿野が右ハーフレーンで持ち上がってエリア内へスルーパスを送り、走り込んだ小池がシュート気味のクロスを入れるもゴール左へと流れてしまい。
今季まだ得点の無い小池、この場面でもそれを気に留めてかシュートかクロスか迷ってしまったようでありました。
結局2-0のまま前半が終了。

ハーフタイムに2枚替えを敢行するヴェルディ、加藤弘・杉本→森田・新井へと交代。
この日スタメンから外していた新井を、切り札として起用してきた堀孝史監督。
キックオフから早速左サイドアタックを敢行するヴェルディ、阿野のスルーパスに新井が走り込み。(繋がらず)

2点差として、今度こそ勝ちパターンをなぞりたい試合展開になった山形。
それでも普段通り、守り切るという意思は見せずにチャンスがあれば追加点を狙いにいく立ち回りを敢行します。
後半5分には敵陣での藤田のボール奪取から、山田康が中央からミドルシュート。(GK長沢キャッチ)
しかしヴェルディの攻勢を受け、8分には山田拓巳がGKへのバックパスをミスしてCKを与えるなど、押されている感が強くなっていきます。

後半のヴェルディの攻撃としては、新井の存在感でプレッシャーを与えての、逆の右サイドで前進してクロスに辿り着く場面が増大。
谷口や梶川が右サイドへ長いパスを送り、受けた山越を中心に前進を果たしてCKを数多奪い、フィニッシュを狙いにいくといったものでした。
そして14分、左サイドのスローインからパスワークで中央へと渡り、ンドカのエリア内右へのミドルパスに小池が走り込み。
小池は足から跳び込んでダイレクトで折り返すと、中央で走り込んだ佐藤凌が合わせシュート。
ゴールネットを揺らし、テーマであった長いパスが軸の攻撃で1点差に迫るヴェルディ。

相手の圧に屈した感の山形は、以降ポゼッションを高めて敵陣で展開する時間を長く作り。
勝負のパスを中々入れず、相手をじらしつつの攻撃でリードしているチームらしく振る舞います。

しかしそれも永遠には続かず、ヴェルディは今度は左サイド中心に攻撃し、当然その中枢を担うのは新井。
23分左サイドで持った新井が前進からのカットインを経て低いクロスを送り、中央で森田が足から跳び込むも僅かに合わず。
続く24分には阿野が中央のドリブルからシュート、ブロックされたこぼれを左サイド奥で新井が拾い、細かいタッチでのカットインからクロス。
ファーサイドで小池が頭で合わせるも枠を捉えられずと、徐々に山形守備陣を抉っていき。

そして27分自陣でボール奪取した佐藤凌からの攻撃、森田を経由して新井に渡ると、左ハーフレーンをドリブルで持ち運ぶ新井。
そしてエリア手前で切り返して山形・南をかわし、すかさずシュートを放つとゴール右へと突き刺さり。
もう一つのテーマである素早い切り替えから得点を奪い、ヴェルディがとうとう同点に。

直後に小池→バスケス・バイロンへと交代し、逆転への機運を高めるヴェルディでしたが、そこに落とし穴が。
29分の山形、右サイドで山田康が加わってのパスワークで前進し、川井のクロスが上がると中央で藤本がヘディングシュート。
ヴェルディ・ンドカとの競り合いを制し、ゴール左に突き刺します。
すかさず勝ち越しに成功した山形。

落胆しかねない失点を喫したヴェルディ、その後も新井が左サイドでのボールキープからCKを得て、諦めずに反撃。
キッカー梶川のクロスをGK後藤がパンチングし、跳ね返りを拾った阿野がミドルシュートするもブロックで防がれ。

33分に初のカードを切った山形、藤本と國分に代えて鈴木とチアゴを投入。
尚も追加点を狙い、34分右サイドで鈴木スルーパス→チアゴ走り込んで中へパス→鈴木さらに横パスと投入された2人で好機を作ると、山田康が中央からシュート。
しかしGK長沢がセーブし、何とか4点目は渡さず。

以降ポゼッションを高めてヴェルディは攻め込むも、中々後一歩が踏み込めず、戻して作り直しとなるシーンが多く。
それでも39分、右サイドでのバイロンのキープから中央→左へとサイドを移し、新井が仕掛けて奥からマイナスのクロス。
中央で受けた阿野のパスを経て梶川がシュート、GK後藤がセーブして右にこぼれた所をバイロンが詰めるも、シュートはゴールポストを直撃してモノに出来ず。
決定機を逃してしまったヴェルディ。
その後も40分に阿野→橋本に交代(新井が左WG→IHへシフト)、44分に山越→佐古に交代(加藤蓮が左SB→右SBへシフト)と、カードを使って攻勢を掛けにいき。(山形も41分に加藤→河合に交代)

そしてアディショナルタイムを迎え、左サイドでの新井の仕掛けから先程と同様にサイドを移し、右のバイロンへ。
こぼれた所を拾いにいったバイロン、ここで山形・山田拓に反則を受け、FKを得ます。
右サイドエリア脇という位置から、キッカー・バイロンがクロスを入れると、ファーサイドでンドカが折り返し。
そしてその逆で谷口がヘディングシュート、放たれたボールは柔らかい軌道で対角線を捉え、ゴール左へと吸い込まれ。
再び追い付き、ベンチ前で歓喜の輪を作るヴェルディ。

残り時間も少ない中、最後の攻勢に入ったのは山形。
左CKを得て、キッカー川井は先程のヴェルディFKと同じくファーサイドへクロス、そして折り返すというパターン。
河合の折り返しがクリアされ、中央にこぼれた所を山田康がシュート、しかしヴェルディ・佐古が反応良くブロックして防ぎ。
フィニッシュには辿り着くも、やはり時間が決定的に足りず、3-3のままで試合終了の笛を聴く事となりました。

無敗を守ったヴェルディに対し、再び勝ちパターンに乗れない試合を演じてしまった山形。
撃ち合いの連続は面白くあり、本格的な攻撃サッカーの色は出始めているものの、逆に結果が出ない状況となり。
木村・半田不在の状況は次節も続き、その状態で首位チーム(横浜FC)とぶつかる事となりますが、何とか耐えたい所でしょう。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第6節 水戸ホーリーホックvsロアッソ熊本

2022-03-27 15:31:03 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(3節・大宮戦、2-1)

<前節からの変更>

水戸=スタメンは11人とも不動。ベンチメンバーも、三國スティビアエブス→村田への変更のみ。

熊本=こちらもスタメンは、前節から起用されたGK田代・酒井含めて11人不動。ベンチにイヨハ理ヘンリー・粟飯原が2試合ぶりの復帰。

スタメン

大木武監督不在という困難を切り抜け、今季2勝目を挙げた熊本。
一方乱打戦を制して、遅まきながらの今季初勝利を挙げた水戸。
上昇機運を手元に収めるのはどちらか、という一戦なった水戸のホーム・ケーズデンキスタジアムでの試合。

開始間も無くの前半1分、熊本は右サイドでのスローインからの攻撃で坂本が奥を突いてのヒールパスを経て伊東がクロス、ブロックされるも阿部が再度クロス。
これをニアサイドで高橋がヘディングシュート(GK茂木セーブ)と先制攻撃を掛けます。

しかし強風吹き荒れるうえ、雨による滑り易いピッチと難しいコンディションでの試合。
その後はコイントスで(風上の)陣地を取った水戸の攻撃機会が増えていき。
それでもロングボールは多用せず、前年までと同様にきっちりとピッチを広く使っての攻撃を仕掛けていく水戸。
ゴールキックも、短いボールから最終ラインで組み立てていくシーンが目立ちました。
この無闇に風を利用しない姿勢が、後に生きたでしょうか。

19分の水戸、最終ラインから受けた森が前進ののちスルーパスを送り、受けた木下がエリア内右を突いて低いクロス。
ファーサイドで安藤が合わせシュートするも、ブロックで弱められたボールをGK茂木がセーブして防ぎます。
一方の熊本はその攻撃を遮断すべく、水戸のビルドアップに対して果敢にプレッシングを掛けにいき。
本来右ウイングの坂本がチェイスを掛けた結果、逆サイドにまで張り出すといったポジションチェンジは、もはや日常茶飯事と言っても良いでしょう。

そんなプレスから、22分にボール奪取してからの攻撃でコーナーキックを得た熊本。
その二次攻撃で、左サイド手前から竹本のクロスが入ると、高橋が合わせにいくもGK茂木の飛び出しでこぼれ。
すかさず阿部が無人のゴールへシュートしますが、ゴール前に戻っていた水戸・楠本に寸前でブロックされてモノに出来ません。
尚、この好機の後ぐらいから、熊本は杉山と坂本の両WGをポジションチェンジ。
本当に坂本が左に回る事となりました。(といっても、4節までは右に杉山・左に坂本でスタートしていますが)

毎年のように主力選手の引き抜きに苦しむ水戸ですが、それを埋める人材を作り上げるための努力は厭わず。
今季その流れに乗ったのは木下であり、プロスタートを海外(ドイツ)で果たしたのち、ヨーロッパのリーグを渡り歩いたという異色の存在。
そして前年途中にJリーグ入り(J1・浦和)を決断し、カテゴリを落として挑んだ今季、開幕節で初ゴールを挙げると一躍スターダムにのし上がりました。

その木下が、熊本の攻撃の圧を受けつつあるチーム状況の中、流れを変えんとする存在感を見せ付けます。
27分に敵陣でのボールポゼッションによる攻撃から左CKを得た水戸、キッカー松田のクロスが中央に入ると、強烈なヘディングシュートを放った木下。
しかしGK田代のセーブに阻まれ、ゴールとはいきません。
その後も31分、松田のボール奪取からカウンターを展開し、木下のスルーパスに走り込んだ森がエリア内右へと進入してシュートするもブロックされ再びCKに、
キッカー松田はファーサイドへの高いクロスを送り、GK田代が弾いたボールを拾った前田が逆サイドからのクロス。
そしてサイド木下のヘディングシュートが炸裂しますが、GK田代も再びビッグセーブを炸裂させて防がれ。
前節から当たっている田代の前に、惜しい所で決めきれない水戸。

その直後の水戸のCKを、熊本がカウンターに繋げた所を水戸・前田が反則で止めた(警告)のを切欠に、再び熊本がペースを掴み。
片方のサイドに人数を掛け、ショートパスの連続からクロスに辿り着くというサイド攻撃はこの日も発揮され、攻撃権を握っていきます。
それでも片側のみで崩しきれる程甘くは無く、クロスは手前からのものが主となり。
結局スコアが動かぬまま、0-0で前半を折り返します。

熊本が風上となって迎えた後半、その熊本は杉山が左・坂本が右とスタートの位置へと戻し。
キックオフからの攻撃で、高橋が右サイド遠目からシュートを放つ(ブロック)など、追い風を利用しようという意思が垣間見えました。

その風通りに攻め上がる熊本ですが、ロングパスでの攻撃は、むしろ風の強さで裏抜けを狙っても長過ぎで繋がらなくなる場面が目立ち。
最終ラインから繋いでの攻撃で相手を押し込み、スローインからや、相手のクリアボールを拾っての攻撃での好機が主となりました。
後半8分には敵陣で高橋のカットからパスを繋ぎ、坂本が左ハーフレーン・エリア手前からシュート。(ブロック)
9分には右からのスローイン、エリア内へ投げ込まれたボールを伊藤が胸で落とし、こぼれた所を杉山がシュート。(ブロック)

風が活躍したのはむしろセットプレイで、CKからのクロスがあわやと言う場面を演出。
13分には右CKからの二次攻撃、再びの河原のクロスがブロックに当たるとゴールへ向かう浮き球となり、GK茂木が辛うじてセーブで上へと逃れ。
その後は意図的にインスイングとするべく、右CKのキッカーを杉山が務める場面も見られます。(普段は両方とも河原)

そんな熊本の攻勢が目立った立ち上がり、水戸はカウンターの場面で、抜け出した木下が転倒してしまい好機に繋げられない等不運なシーン(11分)もあり苦戦。
流れを変えたい状況となった所で、15分に2枚替えを敢行します。(森・安東→椿・高井)
同じタイミングで熊本は、坂本と杉山が再度ポジションを入れ替えたものの、勝負運は水戸の方に傾く事となりました。

17分、敵陣で椿がパスカットしてショートカウンターを敢行する水戸、そのままドリブルで一気にエリア内を伺い。
熊本・菅田のディフェンスに遭っても尚ボールキープし、奥へと切り込んでシュートを撃つと、GK田代の股を抜いてゴールに転がり。
投入されて早々に椿が大仕事をし、均衡を破る先制点は水戸に入りました。

攻め込みながらもビハインドを追ってしまった熊本、尚も攻撃権を握ったまま同点を狙い。
20分に伊東→粟飯原へと交代します。
ここでも追い風を利用せんとし、23分には粟飯原が左サイドからシュート気味にクロスを入れるもGK茂木がキャッチ。
25分の左CKでは、キッカー河原はゴールに向かうようなクロスを送ると、GK茂木が辛うじて弾いたボールはゴールバーを叩き。
クリアされたボールを竹本がダイレクトでシュートするも、ブロックに当たりゴール右へと逸れて惜しくもモノに出来ません。

その一方で、裏狙いのパスは相変わらず強く押されて繋がらずという流れは変わらず。
そんな好調か不調か不透明な熊本を尻目に、再び水戸はショートカウンターを炸裂させます。
29分、熊本の右サイドからのパスを自陣センターサークル付近で黒石が出足良くカット、そのままドリブルで一気に中央を突き進み。
そしてラストパスをエリア内に供給すると、走り込んだ木下がシュートして仕上げ。
防戦の中の一刺しで、追加点を挙げる事に成功します。

それでも、今季は2点差から逆転を許す(4節・横浜FC戦、2-3)など不安定な戦いぶりが露呈していた水戸。
望みを捨てずに来る熊本の前にどう立ち回るか、という展開となり。
まずは32分に前田→新里へと交代し、一方の熊本も杉山→宮原へと交代します。(粟飯原が右WGへシフト)

その後熊本は敵陣でパスワークで崩さんとしますが、水戸の守備意識の高さの前に、やはり手前からのクロスに終始する流れを強いられ。
35分に坂本がドリブルで左サイドを突破し、エリア内左からシュートを放つ(ブロック)場面も作りましたが、攻めあぐみが目立つ展開となります。

熊本にハッキリとした焦りが見られてきた終盤、40分に水戸は最後の交代を敢行し、木下・曽根田→唐山・大崎へと2枚替え。(松田が左サイドバック→左サイドハーフへシフト)
その後にクロスボールを抑えたGK茂木が痛むシーン(43分)もありヒヤリとしましたが、再び前線からの圧力を高めて熊本サイドを追い込んでいき。
左サイド奥でボールキープする場面も作り、時間を使いにいく水戸。

アディショナルタイムに突入しても、熊本は良い流れを作れないまま時間を浪費。
最後に何とかロングスローに持ち込むのが精一杯で、フィニッシュに辿り着けないまま、試合終了の時を迎えます。
2-0で水戸が勝利し、連勝で星を押し戻しました。(2勝1分3敗)

今節は代表ウィークで、J1でルヴァン杯が挟まった関係で変則的な日程を強いられ。
ルヴァン杯に参加する徳島・大分の2試合が水曜に前倒しされる事となりましたが、続く7節には全試合ミッドウィーク(水曜)開催と過密日程。
イレギュラーが招く波乱に、各クラブどう対応を見せるでしょうか。

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