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DAZN観戦 2023年J2リーグ第31節 V・ファーレン長崎vs栃木SC

2023-08-22 16:01:45 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(27節・山形戦、1-5)
※前回の栃木の記事はこちら(28節・甲府戦、3-0)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • yahooスポーツナビでは4-1-2-3で、いずれにせよ前節(水戸戦、3-3)のドイスボランチ(4-2-3-1)からの微調整。
  • カルロス・グティエレスが町田から完全移籍で加入し、前節から登録されて即スタメン出場。
  • マテウス・ジェズスがブラジル・コリンチャンスから完全移籍で加入し、今節登録されて即スタメン出場。
  • 宮城が(山形へ)レンタル先変更という形で移籍となり(レンタル元はJ1・川崎)、28節(熊本戦、4-1)をもって登録抹消。
  • カイケが(大宮へ)レンタル移籍となり(以下同文)
  • 加藤聖が(J1・マリノスへ)完全移籍となり、29節(いわき戦、0-0)をもって登録抹消。
  • クリスティアーノが(甲府へ)レンタル移籍となり(以下同文)
  • 五月田が(JFL・レイラック滋賀へ)レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • エジガル・ジュニオの負傷の詳細が発表され、21節(大宮戦、2-0)で発生して7/22に手術実施、全治(発生日・手術日のどちらからかは不明)3~4ヶ月との事。

<栃木スタメン>

  • 前節(徳島戦、2-2)は3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、今節3-4-2-1とどちらかなのはイマイチ不明。
  • 前節退場(警告2度)となった佐藤が出場停止。
  • 元ガンバのレアンドロ・ペレイラが(イラン・ペルセポリスFCから)完全移籍で加入し、前節から登録しベンチ入り。(ただし未出場・今節はベンチ外)
  • 面矢が(JFL・レイラック滋賀へ)レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 五十嵐が(JFL・レイラック滋賀へ)レンタル移籍となり(以下同文)

前回観た時以降も、選手編成で活発に動く長崎。
何としても昇格、少なくともプレーオフ圏の6位には入りたいという思いが溢れ出たようなその姿勢は、果たして良いのか悪いのか。

特に長崎の場合は、シーズン途中でも助っ人の補強が圧倒的に多く、それもビクトル・イバルボ(2019年途中)やエジガル(2020年途中)など元J1選手の名が多いのが特徴であり。
イバルボ獲得の際は「J2の生態圏の破壊」の危惧の声が上がるほどでしたが、故障との戦いが続き極端な稼働率の低さを改善出来ぬまま前年をもってチームを去る事となりました。
今季もその例に漏れずクリスティアーノがチームを去るなど、「アイツが駄目だったから次はこっちの駒で」といったフロントの思考が見え隠れする風でもあり。
しかも結局長く在籍していたイバルボから、「たとえ働けなくても財政破綻の心配は無い」というような、経営媒体(ジャパネット)をアテにした怠慢な姿勢ともなっていないか。

そんな状況下で集められた助っ人選手が勢揃いしたこの日の長崎のスタメン。
そのため枠の関係でカイオがベンチ外となる程で、昇格に向け形振り構わないといった感じでしょうか。
そしてこの日はそのうちの1人である、グティエレスの元在籍クラブである栃木との対戦。

メンバー入れ替えに伴ってか、アンカーシステムを採用したファビオ・カリーレ監督。
そのアンカーを務めたのが秋野とあり、長期離脱から復帰後スタメン出場も減っている状況で重責を任され。

それでも栃木サイドは、これまでとは違った長崎のビルドアップにどう規制を掛けていくか対策を迫られる前半となり。
オリジナルの3-4-2-1の布陣で前からいくとなるとどうしてもバランスを崩しがちなので、シャドーの小堀が秋野を見るという形を採ります。
それ故に長崎最終ラインにはイスマイラ・根本の2人でプレッシャーを掛けるシーンが多く、結局前節の3-3-2-2に近い布陣に見える事が多々あり。

一方でビルドアップの出口となる前線は、右の澤田が常時ワイドに張った状態で、逆サイドのギリェルメの動きがカギに。
中央寄りでボールを受ける場面が多く、栃木サイドに的を絞らせずパスの出し入れを務め、隙あればその突破力を発揮せんとするスタイルを採るギリェルメ。
前半10分、左ワイドで下がって受けたギリェルメはボールキープからサイドチェンジ、右から岡野→中村→米田と渡って再度左サイドへ。
米田が細かなドリブルからグラウンダーで左ポケットへ送ると、走り込んで受けた中村がそのまま奥へ切り込みループシュートを狙います。
GK藤田が腕を伸ばして何とか触れ、こぼれた所を大森がクリアして凌ぐ栃木。

しかし栃木は長崎がサイドにボールを送った際、果敢にウイングバックが前に出る姿勢で対抗。
特に左サイドは、小堀が中央に張る分福森が岡野の所にまで詰めていく体勢で、そのプレッシャーで奪われる事が目立つようになる長崎。
18分にはその福森のパスカットからのスルーパスがイスマイラに通り、左ポケットからのマイナスのカットインを経てミドルシュート(エリア内で今津ブロック)と、1トップのイスマイラの脅威に繋げ。

そんなハイプレスが得意手の栃木ですが、自身でボールを握る機会も多く。
それに対する長崎は、澤田が引き気味となったうえで、インサイドハーフの中村・ジェズスの2人が前に出るというやや奇妙な形でのプレッシング。
WBが前に出て攻撃の肝となる栃木への対策か、あるいは逆に福森にピン止めされている格好か。

いずれにせよ、押し込まれている訳では無いにしろやや不良な流れの長崎。
22分には秋野が小堀のプレッシャーを嫌ってか、最終ライン左へと降りてのビルドアップを敢行するなど変化を強いられ。
そんななか栃木は24分、右スローイン→最終ラインへの戻しを経て左から前進し、福森がカットインからエリア内へラストパス。
これが遮断されるも自ら拾い直しミドルシュートを放つ福森、グティエレスにブロックされるも尚も繋ぐ栃木、今度は左から突破を図った福森がグラウンダーでクロス。
中央のイスマイラに渡りかけるもこぼされ、混戦模様から脱した所を神戸がシュートしましたがこれも秋野がブロック。
さらにイスマイラが詰めにいくもクリアされるという波状攻撃を見せるも、ゴールは奪えません。

飲水タイムが挟まれ(26分)修正したい長崎は29分、GK波多野の縦パスを中村が降りて受け、栃木のプレッシングを打開しにかかり。
そこから長くボール保持したのち、左サイドでギリェルメの突破シーンに繋げ、奥へ切り込んで上がったクロス。
これをニアサイドで中村がヘディングシュートを放ちましたが、GK藤田がセーブして防ぎます。
しかし尚もクリアボールを繋ぎ、今度は秋野→ギリェルメと渡って中央から仕掛け、ギリェルメのパスを入れ替わって受けたフアンマがエリア内へ。
そして放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり、早速微調整の結果を見せて先制点を奪いました。

しかし栃木はその後反撃。
最終ラインでは、神戸が最終ラインに降りる「ミシャ式」での組み立てを見せるなど、ビハインドの状況故にボールポゼッションを肝として体制を整えます。
対する長崎は4-5-1のブロックで凌がんとしますが、左ワイドで守るギリェルメの守備力が今一つに映り。
2列目がしっかり5レーンを張る姿勢を取りながら、栃木に最終ラインからの繋ぎのみで右からの攻めを許すシーン(アディショナルタイム)など、アタッカー能力とのトレードオフを強いられているようであり。

38分にクロスに合わせにいったイスマイラが、パンチングでクリアしたGK波多野と交錯し、波多野が倒れ込み。
ATには逆に長崎のセットプレー(左サイドからのフリーキック)で、キッカー中村のクロスをグティエレスが合わせにいき、これもGK藤田のパンチングの後に両者交錯。
今度はターゲットのグティエレスの方が倒れ込み、起き上がったグティエレスがヒートアップを見せるという具合に、ゴール前での競り合いは迫力満点ながらも難色を示したのは長崎の方。

結局1-0のまま前半が終わり、共に交代無く迎えた後半。

後半2分にロングパスを受けたギリェルメが左ポケットを突き、米田のクロスからフアンマがヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と最初にフィニッシュを見せた長崎。
しかしその後は競り負けの様相を引きずるかのようにデュエル勝負で苦戦する事となり、3分にロングボールを収めたイスマイラを岡野が後ろから腕でチャージして反則。
この左サイドからのFKで、キッカー福森のクロスの跳ね返りを西谷がダイレクトでシュートし、これがフアンマのブロックを掠め左ポストに当たる際どいものとなります。(この際フアンマの腕に当たったとして栃木サイドはハンドをアピールも実らず)
その後も栃木の前線でのポストワークに対し反則を取られる長崎、セットプレーでのピンチが膨らんでいき。

そしてそんな流れのなか事件は起きてしまい、中盤でこぼれ球を両者拾いに行く場面となり、秋野がスライディングを敢行した結果神戸を足裏で削ってしまう絵図が発生。
たまらず反則となりカードが出されると、その色が赤である故に一発退場処分となった秋野。
まさかのアンカーの選手の退場で、建て直しを余儀なくされます。
結局IHの2人(中村・ジェズス)をそのままドイスボランチにした、4-4-1の布陣を採り、交代を温存する選択をした長崎。

以降栃木のボールポゼッションの時間となる、数的優位が齎す当然といえる展開となります。
よってブロックを固める事を強いられる長崎ですが、敵陣へ進入して攻撃が途切れたのちの、ギリェルメの戻りが遅く再び守備面での不安を感じさせるシーンを描き。(12分)
傍らから見て、早めに交代させて守備を固めた方が良いのでは……とも思わされましたが、ベンチは我慢を続けます。

左サイドが不安に映る長崎でした、その後栃木は左サイド(長崎の右サイド)からの攻めを続け。
この日好調の福森に加え、数的優位故にクロス精度の高い大森も前に出るようになり、ひたすらサイド奥を取らんと攻め上がります。
16分にベンチも先んじて動き、黒﨑・小堀→石田・大島へと2枚替え。

押し込み続けるも得点出来ない栃木。
その隙を突かれるように、22分長崎はGK波多野のロングフィードが一気に裏を取り、平松の対応ミスも絡みエリア内右で澤田が収めにいくシーンが生まれます。
そしてシュートを放った澤田でしたがゴール左へと外れ、栃木は冷や汗を掻く事に。
前節は自分達が数的不利となり、そこから勝ち越し点を奪ったという流れがこの日は跳ね返って来たようであり。

しかし続く23分、やるべきである(自分の主観です)右サイドからの前進を図り、イスマイラのポストプレイも絡み成功。
そしてパスワークを経てイスマイラがクロスを上げると、根本がマーカーの岡野を振りきってヘディングシュートを放ち、ゴールネットに突き刺します。
ターゲット役が多かったイスマイラでしたが、クロッサーとなったこの状況で良いクロスを上げきるというギャップも絡んだ同点弾となりました。

24分に挟まれた飲水タイムののち、長崎ベンチが動き2枚替え。(中村・澤田→鍬先・増山)
それでも懸念の左サイドは変えず、同点とされた事であくまで攻めの手段(ギリェルメ)を残す選択を採ったでしょうか。
一方の栃木も29分に神戸→高萩へと交代。

高萩の加入で浮き球(クロス・ミドルパス)の精度を高める栃木。
その攻撃を耐え凌ぎ一撃を放ちたい長崎、29分にラフな繋ぎを経てフアンマが右ポケットでパスを受ける好機となるも、角度の無い所からのシュートは右ポスト外を叩き枠外に。

そんな流れが変わりかけたのが33分で、長崎は数的不利ながらもGKからの繋ぎで前進を図り。
そしてギリェルメがドリブルで運び、中央からミドルシュートを放ちましたが福森が頭部でブロック。
倒れ込む福森を尻目に尚も攻撃を続けんとした長崎でしたが流石に試合が止められ、これに対し選手総出で異議が唱えられた(スタンドからブーイング)ものの、脳震盪の疑い故に仕方ない事であり。(福森は1分程で起き上がりピッチ外→復帰)

しかし攻撃が形になる事で勝利への道筋が見えたでしょうか。(35分にギリェルメ→松澤に交代)
37分には栃木のポゼッションを増山が奪い、そこから単騎突撃してのカウンター。
一気に右ポケットまで切り込みシュートしますが、GK藤田のセーブに阻まれ。

有利にも拘らず、敗戦がチラつきかねない状況となった栃木。
38分に最後の交代を敢行し、福森・根本→吉田・矢野へと2枚替え。
福森が退き、以降逆の右から石田がゴールに迫る場面も何度か見られましたが、長崎の粘りの守備を崩せず。

しかし43分、岡野が足を痛めてしまった事で交代を強いられる長崎。
セリンサリウと交代し、増山がSBにシフトとポジションチェンジが絡んだ右サイド。
そしてそこを突かれる形となり、44分に栃木は自陣左から飛距離の長いスローインで一気にイスマイラへ。
ドリブルでポケットを突くイスマイラ、グティエレスが対応して事無きを得たかに見えた長崎でしたが、その刹那最奥からのグティエレスのパスをすかさず大島がカット。
そしてシュートを放ち、GK波多野の右を抜いてサイドネットを揺らします。
これまでこじ開けられなかった栃木でしたが、相手が隙を見せた事で勝ち越しを果たしました。

土壇場で勝ち越された長崎ですが諦めずに攻め込み、45分浮き球を繋いでエリア内でチャンスとなるも、受けた松澤が石田のショルダーチャージを受けて倒れ込み。
反則の笛が鳴らなかった事でヒートアップする長崎サイド。
同時にATへと突入し、8分と長い(さらにこのシーンの影響で伸びる)その時間帯は怒りをパワーに……というような姿勢となりました。

しかしそれが拙かったでしょうか。
その後栃木にボールを確保されて深めまで運ばれる事が多く、空回りするかのように攻撃機会を得れない長崎。
何とかその時間稼ぎの姿勢を切って反撃、左から松澤がカットインし、鍬先のポストプレイを挟んで中央からシュートを放つも平松のブロックに阻まれ。

そして+9分が過ぎ、吉田の(増山への)軽率な反則で右からのFKを得た長崎、最後のチャンスという所でGK波多野も前線へ。
キッカー増山クロス→セリンサリウ折り返し→鍬先バイシクルでロビングと浮き球を繋いでいき、GK波多野がそれを合わせにいき。
跳ね返され、尚も松澤が浮き球を送って再び合わせにいく波多野。
その結果GK藤田が抑えた所に波多野が交錯と、あろう事かGKによるキーパーチャージという珍妙な絵図が描かれた末に試合終了の笛が鳴り。
1-2で栃木が勝利と、前節とは違い無事逃げ切りを果たしました。

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