<両軍スタメン>
- 今治のホームだが、↓とは逆のサイドで前半スタート。
- 今治のフォーメーションは、DAZN予想では4-4-2、yahooスポーツナビでは3-4-2-1。
J1→海外・J2→J1と、還流のようなステップアップの移籍劇。
こう書くと当然ながら、J3→J2への移籍も無視する訳にはいかず。
昇格を目指すクラブの、得点力に長けたアタッカーというファクターは引く手数多。
そんな事を痛感させるかのように今夏被害に遭ったのは今治で、ドゥドゥが千葉に・中川が藤枝に移籍が決定しチームを離れる事に。
特にドゥドゥは元来バリバリのJ2レベルの選手とはいえ、わずか半年の果実しか齎さずに去るという具合に、移籍市場は残酷であり。
それでも目標の昇格に向け、歩みを止める事は許されない今治。
目を付けたのはレンタル中にも拘らず干されがちな選手で、徳島から千葉(レンタル元は清水)・甲府から土肥(レンタル元は広島)をレンタル先変更という形で補強と、良い着眼点で戦力補填に成功しました。
そんな補強策もあり、前節から3バックへと基本フォーメーションの変更に至った今治。
そしてこの日の相手は純正4-4-2の宮崎と、そのギャップを活かすべき試合となりました。
試合が始まって早々、前半2分に右サイド中盤で照山が(永田に)反則を受け、遠目からのフリーキックを得た今治。
ここで放り込みの姿勢を取ると、対する宮崎は一旦はエリアからすぐ手前にディフェンスラインを構えたものの、キッカー三門が蹴る直前になって一気にラインを上げるオフサイドトラップを仕掛けます。
しかし翻弄されなかったのはヴィニシウスで1人そのラインに付いていき下がると、三門も放り込みでは無くグラウンダーでスルーパスを選択。
反転して受けたヴィニシウスが右ポケットを突いてグラウンダーのクロスを入れ、西岡の戻りながらのクリアがミスとなった所をファーサイドで千葉が合わせてゴールネットを揺らします。
宮崎のトリックプレーに対し裏の裏を掻いたという格好で、早々にリードを奪いました。
この失点で、堅守の宮崎は動揺してしまったでしょうか。
続く4分にも今治はクリアボールをヘッドで繋ぎ、渡った土肥に前進を許してピンチ。
そしてエリア手前中央でキープするヴィニシウスから、左ポケットへのスルーパスに三門が走り込んでシュート体勢に。
北村知ブロック→GK青木片手でセーブと2人掛かりで止めたものの、こぼれ球を千葉が詰めてまたもゴールネットが揺れ。
立て続けの2得点で、加入した千葉が高々と復帰をアピールする事となりました。
尚も6分、土肥がパスカットからドリブル→ヴィニシウスドリブルと中央突破から、エリア内を突いてシュートを放つ今治。(GK青木キャッチ)
まさに独壇場といった展開ですが、その直後宮崎もロングパスを左サイドで受けた石津が起点となり、永田がカットインからミドルシュート(ブロック)とやり返し。
宮崎が反撃体制に入った事で、その攻撃を今治がどう凌ぐかという点に注目が集まりました。
3-4-2-1かと思われたその布陣は、楠美がアンカー気味に位置取り、前線の枚数を多くするという3-3-2-2(3-1-4-2)にも近い布陣。
ボランチタイプが3人居る特徴を生かしてのフォーメーションですが、基本は前から嵌めにいくスタイルで、2点のリードを得ても変える事は無く。
しかし宮崎の最終ラインに対し、三門や土肥が果敢に前に出た所をかわされるシーンが目立ちます。
12分宮崎は左右に振って三門が前に出た所をかわし、敵陣に進入しても左→中央→右へと振った末に青山が右ポケットへとスルーパス。(北村知が受けるもディフェンスに遭いコーナーキックへ)
ここはシュートに繋がらなかったものの、千葉の出血というアクシデント(14分、止血の末16分に復帰)を挟んだのちの17分。
ここでも宮崎の最終ラインに対し前線5人が圧縮して詰めにいくも、土肥が左寄りになった所を西岡が斜めの縦パスでいなし。
そして再び敵陣で右へと振って北村知がポケットへスルーパスと、同じような危機に。(走り込む江口には通さず)
そしてフィニッシュに繋がれたのが20分で、再び土肥のポジションを狙われて右から中央→左へと渡してビルドアップに成功する宮崎。
今度はそのまま北村椋がアーリークロスを送ると、ニアサイドで南野が足で合わせシュート。
GK伊藤がセーブした所を石津が詰めましたが、このシュートも照山がブロックして防ぎ。
失点は免れた今治でしたが、その穴は大きいものだと実感せざるを得ない流れであり。
その原因は中途半端な土肥のポジショニングというよりは、サイドに出された時のウイングバックのプレッシャーが足りないといった印象。
前から嵌めにいくには不可欠な要素であり、以降修正は必須に映りました。
そして飲水タイムが挟まれると、その通りに修正が施され。
宮崎が自陣でボールを持った際は、松本が前に上がる事で4-4-2気味に守るスタイルを採ります。
これが奏功する形となり、跳梁を許していた最終ラインから左への展開に蓋をされる事で、宮崎は攻撃機会が次第に減少。
何とか38分に、青山の右→左へのサイドチェンジで強引にサイドを変える事で好機に持ち込み。(その後は永田が左手前からクロスもシュートには繋がらず)
余裕が失われた宮崎、その影響か続く39分に中盤でボールコントロールをミスした所を三門に拾われ、そのままスルーパスを通されてヴィニシウスがGKと一対一に。
そしてGK青木が前に出た所を、ループシュートでその上を抜いてゴールゲット。
前半のみで3点リードを奪うに至った今治。
以降は宮崎の攻撃を凌ぎつつ、マイボール時はヴィニシウス狙いのロングボール中心と、シンプルなスタイルに移行する今治。
アディショナルタイムに左サイド奥でのスローインの連続と猛攻を掛け、近藤が左からカットインシュートを放ったもののGK青木がキャッチ。
システム変更の影響か、千葉・ヴィニシウスの活躍に比して近藤が今一つ目立たないといった前半全体の印象でしたが、訪れる好機でもモノに出来ず。
結局3-0で折り返しとなり、建て直しを強いられるのは宮崎の方。
ハーフタイムで2枚替えを敢行するに至りました。(南野・北村知→高橋・山崎)
後半、今治はさらに微調整を施し、守備時にヴィニシウスの位置が下がり気味となり。
つまりは3-4-2-1へとシフトした感があり、3点リードの状況らしくプレッシングは自重気味となります。
宮崎は、そのヴィニシウスを突くように左サイドでの攻めを重視。
高橋や石津も左へと張り出し、人数を掛けて攻め込むも成果は今一つであり。
逆にシンプルに好機を作る今治、後半9分には楠美のボール奪取から、ヴィニシウスが中央突破からミドルシュートでゴールを脅かし。(GK青木キャッチ)
10分には右からのスローインで市原がヴィニシウス目掛けてロングスロー(ただしDFは上がらず)、こぼれた所を楠美がシュート気味にクロスを入れた事で混戦が生まれ。
三門・近藤がディフェンスに遭い撃てなかった所を、松本が拾ってシュート、ブロックで跳ね返った所をさらに近藤がシュートしましたが枠を捉えられず。
厳しい展開を強いられる宮崎、13分に打開のためかサイドハーフの位置を入れ替え。
以降永田が右・山崎が左となって攻撃を仕掛けます。
14分にそれが奏功する形で、永田が対角線のロングパスを山崎へと通し、ドリブルで左ポケット奥を突いてグラウンダーのクロスを入れる山崎。
クリアされるも拾った石津の戻しから、下澤がミドルシュートを放ちましたが楠美のブロックに阻まれ決められず。
18分に燃料切れとなったかベテラン・石津が退き、青戸が投入されます。
宮崎の攻勢を受けるなか、今治も更なる追加点を匂わせるシーンを作り続け。
16分のヴィニシウスの反転シュート(ゴール上へ外れる)、21分にはエリア内でこぼれ球の連続を詰める形で千葉がシュート、ポスト直撃した所を近藤がシュート(永田がブロック)という具合。
意気上がる今治の逆を突かんと、21分にカウンターに持ち込んだ宮崎でしたが、右奥まで運ぶも遅らされ。
何とかエリア内への縦パスから、青戸のポストプレイを経て高橋がシュートするもジャストミート出来ず。
23分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に宮崎は最後の交代。
下澤・江口→東出・田中と、ドイスボランチをそっくり入れ替えて第4クォーターに臨み。
既に勝ち点を得るのは厳しいという宮崎の状況の中、ここから遅れを取り戻さんとばかりに躍動を見せたのが今治の近藤。
先程の決定機逸に続き、26分にもおこぼれの形で彼に好機が訪れ、ヴィニシウスが土肥とワンツーからのミドルシュート。
これがGK青木にセーブされた所を詰めた近藤でしたが、このシュートも枠外となり決められず。
宮崎が5枚交代したのちも不動を貫いていた今治ベンチでしたが、32分に最初の交代で千葉・三門→高瀬・武井へと2枚替え。
その後39分に楠美・ヴィニシウス→山田・新井へ2枚替えと、活躍した選手達がお役御免といった感じで退いていき。
その影響か、近藤がオーバーラップするシーンは尚も増えていきます。
35分にはカウンターに持ち込みスルーパスに抜け出した近藤、横パスを選択して高瀬がミドルシュートを放ちましたがGK青木がセーブ。
前線がフレッシュとなり、プレッシングも再び強まっていく今治。
それをまともに受ける形となった宮崎は、既に反撃の糸口は残されていないといった状況でした。
80分以降ロクに攻撃機会を得れないまま、ATへと突入。
しかしそこで、山崎が反則気味にボールを奪った事でショートカウンターの形を得る宮崎。
拾った東出のクロスを、ファーサイドで永田がヘディングシュートを放ちましたが、この乾坤一擲のフィニッシュもゴール前での下口のブロックに阻まれてしまい。
その直後に最後の交代枠を使う今治。(土肥→松井)
時間も押し迫り、今治にクリアミスが生まれた事で、そこからCKを得た宮崎。
その二次攻撃で、後方からミドルパスの連続でエリア内へ運ぶと、こぼれ球を拾った高橋のシュートがブロックされて混戦が生まれます。
何とか高橋・青戸がシュートを放たんと奮闘するも、結局掻き出されれてしまい。
その後山崎の惜しいミドルシュート(ゴール左へ外れ)も見られましたが、結局最後までゴールを奪う事が出来なかった宮崎。
3-0のまま試合終了となり、ホームで快勝を演じた今治。
昇格争いには何とかその足元に喰らい付いているという位置付けですが、補強策をブーストとして浮上を果たせるかどうか。