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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 サガン鳥栖vsサンフレッチェ広島

2024-07-24 16:32:39 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

クラブ規模が小さいながらも、かじりつくようにJ1の座を保っている鳥栖。
数少ないトップレベルの長所は、ホーム・駅前不動産スタジアムのアクセスの良さであり。

しかしこの日の相手の広島は、今季それに匹敵するホームスタジアム(エディオンピースウイング広島)を得た事で盛り上がりを見せているチーム。
このように、自身より規模の大きなクラブが優良なホームとなる事で、その長所も霞んでしまわないかという危惧を抱える状況となり。
それが指し示すように成績面でも降格圏からの脱却を狙う状態であり、何だかんだ言っても、やはり最終的には成績で巻き返さなければ話にならず。

広島のキックオフで始まると、いきなり塩谷がロングシュートを狙う(GK朴キャッチ)という法外な立ち回り。
いきなり度肝を抜く事で雰囲気を掴むのに成功し、以降攻めを続ける立ち上がりとなります。
前半5分には塩谷縦パス→マルコスフリックを受けたヴィエイラ、左からカットインを経てミドルシュート。
GK朴がキャッチして防ぎ、鳥栖がビルドアップで反撃と思いきや、縦パスを松本泰がカットして尚も広島のターンに。
そして左からの大橋のクロスの跳ね返りを、新井がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、キックオフのシーンに引き摺られるかの如く遠目から果敢にフィニッシュを放っていきます。

全体押し込まれる鳥栖、6分にヴィエイラのポストプレイを後ろから倒してしまった山﨑が反則・警告と早くも被害を出す事となり。
何とか相手の流れを遮断したいという状況で、8分にそのチャンスが訪れ、広島の攻撃を右→左へのサイドチェンジを原田がカットして攻撃開始。
スリヴカが持ち運んで敵陣でサッカーを展開する状況となり、中原が右奥を窺うと見せかけて中央から攻め、横山のミドルシュートが炸裂。
GK大迫がセーブしたこぼれ球を新井が拾い、ピンチ脱出かと思われたその刹那、あろう事かバックパスからの大迫のフィードが長沼にぶち当たった事でゴールへと向かうボール。
これをマルセロが反応良く詰めにいき、その手前で何とかパンチングで掻き出した大迫、交錯気味の絵図となりながら防ぐ事に成功。
しかしクリアをカウンターに繋げ、マルコスが一気に左ポケットまで持ち運んでマイナスのクロス(ブロック)と、攻撃権が慌ただしく入れ替わり。

いきなり落ち着かない展開を強いられた鳥栖ですが、以降はボールポゼッションを高めて反撃に掛かり。
11分の中原のカットインからのミドルシュート(枠外)を皮切りに、広島の姿勢に引き摺られこちらも遠目からフィニッシュを放つ絵図を目立たせます。
14分、スリヴカが開いた右サイドから前進し、中原の斜めの縦パスを転機にサイドを変えて左からのフィニッシュ。
即ち横山がカットインでポケットへ切り込んでのシュートで、やや近めから放つものとなりましたがこれもGK大迫のセーブに阻まれます。

広島ディフェンスは、この日はついに広島で初出場(リーグ戦で)とったイヨハが最終ラインの一角に。
これが6年間レンタルを繰り返していた男のサクセスストーリーか……と感激する暇も無く、立ち上がりは鳥栖のパスワークに振り回され喰い付き気味となっていたイヨハ。
前に出たり、ワイドに開いたりで不安を覚えるその動きも、時間が経つとともにしっかり中央を固める姿勢に落ち着きを見せ。

10分以降5本のシュートを放ち、ペースを握ったかに見えた鳥栖。
しかしそのうち4本がミドルシュートと、あくまで崩しきってはいないその攻撃。
それ故、迎えた21分にGK大迫ロングフィード→ヴィエイラフリックという単純な攻撃一本で、好機の連続で全体前に向かう姿勢へ傾いていたのかマルコスに最終ラインから抜け出され。
そしてダイレクトで放たれたシュートがゴールに突き刺さるという具合に、まさかの最短距離を綺麗に突かれての失点を許してしまいました。

23分に挟まれる飲水タイム。
ブレイクで落ち着きを見せて反撃したい鳥栖ですが、右スローインの連続での押し込みが精一杯と、先制点が攻勢の流れが途切れる格好となり。

そして広島がボールポゼッションを主体に攻め込む時間となり、それに対し暑さの所為か有効なプレッシングを掛けられない鳥栖。
敵陣での広島のパスワークに対し、サイドハーフ(中原)が最終ラインに降りて5バックでの守りを強いられているような絵図も見せてしまいます。

それでも、その姿勢が奏功したかフィニッシュを撃たせずに凌ぎ。
すると今度は鳥栖がポゼッションを確保し、パスワークで崩しを図るもフィニッシュには辿り着けないという逆の展開に。
こうしたシーソーのような状態の均衡を破ったのは広島で38分、左サイドでイヨハのボール奪取から前進し、敵陣で中央→右へとサイドを移した末に新井が奥を窺う姿勢からカットインシュート。(長沼ブロック→GK朴抑える)

これを機に終盤は激しい攻防となり、鳥栖は44分に広島の攻撃を切ったのち、GK朴の素早いスローを河原が入れ替わって前を向いた事でゲーゲンプレスを回避。
そして縦に素早く繋ぎ、スリヴカが持ち運びを経てポケットへスルーパスを送った所にマルセロが走り込むという絶好機が。
しかしこのスルーパスが長くなってGK大迫に抑えられ、精度があれば……というシーンに終わってしまいました。
その後のアディショナルタイムにも、鳥栖のコーナーキックから広島がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、攻守の入れ替わりの激しさを描きながら前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半開始、キックオフは鳥栖。
すると右ワイドからの原田のロングパスがバウンドした末に、エリア内でマルセロが反転しながら収めるという願っても無い状況が生まれます。
そして放たれたシュートがGK大迫の股を抜いてゴールネットを揺らし、開始僅か10秒という超速のゴールとなり、同点に追い付いた鳥栖。

これを機に攻守の入れ替わりはさらに激しくなり。
後半3分、空中戦を経てボールを収めにいった松本泰がトラップミスし、拾ったマルセロが一気に左ポケットを突くドリブル。
ディフェンスに阻まれCKとなるも、僅かな隙を見逃さないという攻防の幕開けとなったでしょうか。

とりわけ8分の攻防が凄まじく、鳥栖は左スローインから素早く中央→右へとサイドを変え、原田の奥からのマイナスのクロスが中央のスリヴカへ。
しかしスリヴカのシュートはミート出来ず、クリアボールをマルコスが拾って広島の攻撃に。
松本泰の持ち運びを経て、右ワイドで受けた新井がカットインからミドルシュートを撃つも、ブロックで防がれると今度は鳥栖のカウンター。
左ワイドを横山がドリブルで猛進し、カットインで左ポケットへ切り込むと、そのまま中央まで流れた末にシュート。
荒木にブロックされるも今度は拾って二次攻撃に繋げる鳥栖、左サイド最奥でマルセロが強引にカットイン、GKを引き付ける姿勢から中央へラストパス。
しかし福田はワントラップからのシュートを選択した結果、GK大迫が距離を詰める余裕を作ってしまい決められません。
頭部でのセーブという気迫の絵図を見せてこの決定機を防いだ大迫、CKの前に主審により脳震盪チェックが挟まれるも、無事に継続します。

落ち着く暇も無く、11分には広島の好機、大橋の右→左へのサイドチェンジを受けた東が左ポケットへ切り込み。
シュートはブロックに阻まれ、鳥栖が拾ったものの縦パスをすかさずイヨハが遮断し、跳ね返りを拾ったマルコスがミドルシュート。
ブロックを掠めてゴール左へ外れと、こぼれ球を拾っても安心できないという状況に陥り。

またこれまでの得点シーンのように、結局は最短距離での攻撃が有効となっていた感があり。
13分、広島の後方からのロングパスをキムテヒョンが跳ね返し、これがマルセロに直接渡った事で鳥栖の好機に。
スルーパスで左ポケットを突いたのち、抜け出して受けたスリヴカからの戻しを経て再度渡ったマルセロが中央からシュート。
GK大迫がセーブした跳ね返りを中原がボレーシュートで詰め、ゴールネットを揺らすのに成功。
しかしその刹那、スリヴカのオフサイドを告げる笛が鳴り響き、流れるようなゴールは幻と化してしまいます。

鳥栖は15分にも、右ワイドからの原田のスルーパスに走り込んだ福田がシュート(ゴール左へ外れる)と、相手の急所を突く事で決定機を迎え。
激しい展開で危うくなってきた広島、16分にマルコス・ヴィエイラ→満田・加藤へと2枚替え。(大橋がFWに回る)
先に動く事で状況打開を図ります。

前線が入れ替わった事で、それによるプレッシングの強度に難儀するシーンが増えていく鳥栖。
最終ラインからの繋ぎはプレス回避するのみで精一杯となり、また広島の攻撃を阻めずに薄くなったエリア内を突かれる状況が膨らんでいき。
19分にこちらも動き、スリヴカ→富樫へと交代したものの流れを変えられません。

そして23分の広島、一旦攻めが途切れたもののゲーゲンプレスで満田が奪い返して尚もアタッキングサードで継続。
そのまま中央からドリブルでエリア内へ切り込み、右へ流れながらシュートするもGK朴がセーブ、跳ね返りが眼前の加藤にぶち当たるも撃ちきれずと辛うじて凌ぎ。
このこぼれ球をエリア外へ跳び出してまで確保した朴ですが、その後のロングフィードで足を捻ってしまったらしく、(その後大橋シュート→キムテヒョンブロックを経て)途切れたのちに痛んで倒れ込み。
リザーブのアルナウが準備するも、1分以上掛けて起き上がりその後も継続します。

しかしこの守護神の奮闘も守勢を変えられず。
25分にクリアミス(山﨑浩のクリアが福田に当たって跳ね返り)を拾われるという形での危機と、守備の慌ただしさは継続し。
ここは加藤のエリア内でのシュートをブロックして防ぐも、こぼれ球をクリアにいったキムテヒョンが空振りした事で尚も続く広島の攻撃。
右ワイド奥で拾った新井がポケットへとパス、受けた松本泰がカットインの姿勢からファーを狙ったシュートで、その綻びを綺麗に突くゴールゲット。
山﨑浩の必死のブロックも及ばず、とうとう均衡が破れたと同時に飲水タイムが採られました。

反撃したい鳥栖ですが、ブレイク明けは既に残り20分を切っているという段階で、体力面はどれだけ残されているかという不安が露わになり。
それを示すかのように、31分にエリア内で足でクリアしたキムテヒョンが攣らせてしまい、そのまま担架で運ばれ交代となり。
その準備の間も10人での凌ぎ(原田がCBを埋め、福田が右サイドバックに)を余儀なくされ、東のシュートを原田がブロック。
これによりCKとなった所でようやく交代に漕ぎ着けます。(上夷と交代、同時に中原→堀米へと交代)

数的同数となり、攻勢の流れを作りたい鳥栖。
36分、右サイドから原田のクロスが上がると、中央でマルセロが足で跳び込むも惜しくも合わず。
しかもその奥で合わせにいった横山が、勢い余ってゴールポストに激突してしまい倒れ込み。
泣きっ面に蜂という状況でしたが、何とか横山は無事に済み。

後方の守備は依然として盤石では無く、40分に満田が無回転でミドルシュートを放つもGK朴がセーブ。
尚も、攻めようとした所をイヨハのカットで矢印を反転させられ、松本泰がエリア内へ小さく浮き球を送った所に大橋が走り込み。
しかしシュートにいって振られた脚は空を切り、何とか命拾い。

41分に最後の交代を敢行する鳥栖、先日(セレッソからレンタルで)補強した清武を投入。(横山と交代、同時に福田→手塚へと交代)
これで敵陣での細かなパスワークが主体となるも、崩しきるに至りません。

逆に42分、広島は右裏へのロングパスを受けた満田から組み立て、戻し→スルーパスで奥を取った加藤がグラウンダーでクロス。
ニアでの東のスルーが綺麗に繋がり、大橋のシュートがゴールに突き刺さります。
この時間帯での追加点で、実質相手の勝利の可能性をゼロにする広島。

鳥栖は45分に手塚のミドルシュートがゴールを襲った(GK大迫セーブ)ぐらいで、1点差では無い事で逆に尚も冴え渡る広島のハイプレス。
その後も遮断されては薄い守備を突かれるの連続で、とてもじゃないが点を返せる雰囲気は膨らまず。

そしてATも+5分となった所で、GK大迫ロングフィード→クリアボールを塩谷が裏へロングパスと、再び手数少なくアタッキングサードを突く広島。
右から満田のクロス→左から志知(東と交代で出場、45分)のクロスと右往左往するボールを経て、中央で拾った満田がエリア内へ切り込み。
疲弊した鳥栖ディフェンスに止める術は無く、放たれたシュートがゴール左へと吸い込まれます。
ダメを押し、無事に勝利確定に至った広島。

結局そのまま1-4で試合終了。
かたや優勝に望みを繋ぎ、かたや降格圏へ転落という明暗が分かれた一戦となりました。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 アビスパ福岡vs東京ヴェルディ

2024-07-22 16:00:21 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは、山田楓喜が2試合出場停止(危険行為による一発退場)の2試合目。

ともに、守備を固めるべく3バックへと移行したチーム同士の対決。
福岡は前年からですが、ヴェルディは今季のリーグ途中での移行となり。

今季J1に上がって来たヴェルディは、その運動量激しいプレッシングサッカーにより、試合終盤まで勝敗が安定しないという試合の連続を強いられ。
それ故に、J2規模の予算という問題が織り成すクオリティ面でも一段劣るなかで、その移行はある意味必然といった所でしょうか。
以降そこそこ安定して勝ち点3を拾えるようになり、いかにも理想を捨ててのやり繰りに定評ある城福浩監督が率いるクラブらしさを醸し出していますが、これにより生まれるこの日のような厳しいミラーマッチを制さなければ上位進出は難しく。

福岡はヴェルディのキックオフからの攻めを切った後、最後方からのロングパス→落としで裏狙いという初手を経て、続く前半2分。
右サイドで小田戻し→亀川1タッチでミドルパスという手法でアタッキングサードを突く攻撃を見せるも、紺野のサイドチェンジから左での攻撃は不発に終わり。
5分には再び小田の戻しから亀川が1タッチで縦パスと同様の手法で、受けた紺野が溜めを作り逆サイドへ展開。
そして宮がアーリークロスを入れると、中央で佐藤凌がヘディングシュート(枠外)と、判り易い狙いを見せた立ち上がりとなり。

しかしその間にも、4分にヴェルディがこぼれ球に対する山見のスルーパス一本で決定機を迎え。(左ポケットに走り込んだ木村の戻しから山見がシュート、GK村上セーブ)
攻めの流れを構築する間に失点しては、決して主体的な攻撃に長けたチームでは無い福岡だけに苦しくなるのは明らかであり。
11分に再び、右サイドでの前進の姿勢から戻しを経て亀川が左サイド裏へロングパスと、亀川が起点+サイドチェンジを混ぜ合わせるような攻めで好機。
これをポケット奥で受けた岩崎、ワイドに流れてのボールキープを経て、先程と同様の位置にまで戻ってのクロス(佐藤凌の前でGKマテウスが抑える)とあくまで角度を付けたアーリークロス(に加え、古巣対戦となる佐藤凌のヘッドで)で勝負したい感じにも見えました。

そうした立ち上がりを経て、以降正攻法を取るかのように、紺野の流動性を利用して右サイドからの攻めを繰り返す流れとなる福岡。
下がり目でボールを受ける紺野に対し、ヴェルディサイドは(谷口が喰い付かないため)誰がチェックするのか曖昧で、流れの中で見木・山見がマークの受け渡しに難儀する場面も散見されます。
13分には左サイド裏へ宮がロングパス、セカンドボールを拾っての攻撃で左に流れてパスを受けた紺野。
ボールキープで中央に流れて右へ展開し、パスを受け直した紺野はクロスのようにミドルパスを最終ライン裏へ送り、そこに岩崎が頭から跳び込むも僅かに合わずとなり。

主体的な攻めの形を構築したかに見えた福岡でしたが、以降ヴェルディがプレスを控えめにして構える姿勢を取ると、途端にその流れは萎み。
ボールを持たされると何も起こす事が出来ないという特性通りの絵図を描くしか無く、22分に(染野が痛んだというタイミングで)前半の飲水タイムが挟まれます。

再開後、初の好機を得たのはヴェルディで25分、左ワイドから翁長の斜めの縦パスから木村フリック→見木スルーパスで裏を取り。
素早く反転してこれを受けた木村、そのまま左ポケットへ進入してシュートと、4分の決定機に近いシチュエーションでのフィニッシュとなったもののGK村上の足でのセーブに阻まれます。
ここから徐々にヴェルディが流れを作る時間となり。
福岡がターゲットを狙ったロングボール一辺倒となるのを尻目に、簡単にボール権が訪れるヴェルディ。
30分過ぎからアンカーの齋藤を軸に長らくポゼッションを続け、染野が降りてボールを受けるという序盤の福岡・紺野のような立ち回りを混ぜながらパスワークで前進。
そして齋藤ミドルパス→木村胸で落としを経て染野がミドルシュートを放った(枠外)のが32分と、長いボール支配によりゲームも支配するに至ったでしょうか。

ターゲット役の佐藤凌がガッチリマークされてロングボール攻撃が通用しない福岡。
止むを得ず地上から繋がんとするも、36分に田代が木村のプレッシャーを受けてパスミスを余儀なくされてショートカウンターに。
染野の浮き球パスを受けた齋藤が溜めたのちにミドルシュート、地を這う軌道でゴールを襲うもエリア内で田代がブロック。
何とか防いだ福岡ですが、次の矢を防げる保証は何処にも無い……という流れに。

一方ヴェルディのロングボールによる攻撃は、ボールポゼッションにより福岡のプレッシャーを呼び込んでのものが多く。
それにより有効打にも繋がり易く、先制点にも結び付く事となります。
38分、GKへのバックパスから送られたマテウスのロングフィード、木村が合わせにいき跳ね返されるも染野が拾って継続。
すると福岡の守備が薄い状況(小田の戻りが遅れて手薄といった観た感じ)が出来上がり、パスを受けた見木がゴールに迫るとともに二択も迫り、亀川が前に出てきたタイミングでエリア内へラストパス。
そして左ポケットで受けた山見がシュート、近似したポイントから放たれた三度目の正直のフィニッシュでゴールネットを揺らしました。

立ち上がりから攻め上がった福岡でしたが、結局は攻撃の流れを構築しゴールを奪ったのはヴェルディという展開に。
そんな現実を見せ付けられると、以降福岡は一層ロングボールへと偏重していき。
佐藤凌がマークされている状況は不変であり、高めに上げた小田をターゲットにするボールを送り続けるも、然したる効果は生まれず時間を潰していきます。

そしてヴェルディは一層ボールポゼッションを高め、福岡の攻撃機会を減らしに掛かり。
ハイプレスで対抗しにいく福岡ですが、GKマテウスの多彩なパス・フィードも冴え渡り奪えず仕舞い。
巧みにプレスの間を通されては前線に運ばれるの繰り返しで、以降ヴェルディの思惑通りに全く攻撃権を得れなかった福岡。
0-1のまま前半終了を迎える事となりました。

福岡は当然流れを変えなければならないハーフタイム。
早くもシャハブ・ザヘディの投入に踏み切る事となりました。(重見と交代、佐藤凌がシャドーへ回る)

そして始まった後半、キックオフとなった福岡は前半同様に宮ロングパス→小田裏へ落としという手法で、ザヘディを走らせるも惜しくも繋がらず。
しかしヴェルディもその直後にGKマテウスからロングボールで攻め、セカンドボールを拾い継続と前半同様の流れを維持。
そして見木のミドルシュートにまで繋げ、福岡は亀川がブロックして防ぐもコーナーキックとなり。
この左CKからも、キッカー山見の(ショートコーナーを挟んでの)クロスをファーサイドで木村がヘディングシュート(叩きつけるもバウンドして枠外)と、早くも後れを取らされます。

攻撃権を確保しても、ザヘディ・小田狙いのロングボールを送る攻撃しか出来ない福岡。
後半6分に、前半の立ち上がりのように右サイドの裏を突くも、戻しを経てのパスワークの際に前のパスがズレてしまいボールロスト。
直後に前が取り返し、自らミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。
その後も前のパスは乱れがちで、精度を欠く状況では主体的な攻めを繰り広げる事は出来ず。
9分にはGK村上のロングフィードを、クリアにいった谷口のキックミスで佐藤凌に渡る好機が偶然ながら生まれます。
しかしザヘディが左ポケットへ切り込むも宮原に奪われ、ザヘディがその宮原に反則を犯してしまいフラストレーションを溜めるのみとなって終了となり。
相手のミス待ちによる攻撃を繰り返しては流れが来るはずも無く、また追い掛ける立場のチームがそれでは見所にも欠ける展開を強いられる事となり。

そしてロングボールでの攻防により膨らむ反則。
佐藤凌への徹底チェックにより、繰り返し反則を犯してしまった綱島が警告を受け。(12分)
尚も14分、宮のロングパスを左サイド奥で佐藤凌が収め、やっと有効打になるという所でまたも反則を犯してしまった綱島。
2度目の警告の危機と思われましたがここでは何とか命拾いとなり。
ここからフリーキックによる好機となった福岡(クロスも反則で終了)ですが、あくまで乱戦による副産物であり。
ヴェルディは被害が出てしまった事で、その綱島に代えて松橋を投入します。(16分、宮原が右センターバックへ回る)
一方すかさず福岡も、この日不調気味の前に代えて平塚を投入。

交代により展開も落ち着き、やはりヴェルディのゲームコントロールの時間となり。
木村狙いの浮き球パスを巧く使いながらボールを確保し、着実に相手の攻撃機会を削っていき。
福岡もハイプレスで阻みにいくものの、その際の22分に相手のロングパスを頭部でブロックした佐藤凌に脳震盪の疑いが発生。
そしてそれを機に後半の飲水タイムが採られる事となります。(佐藤凌は無事にプレー継続)

ブレイク明け、このままでは駄目なのは明らかな福岡が布陣変更。
4-4-2へとシフトし、CBから削られた亀川は左サイドバックに回り。(右SBは小田)
右=紺野・左=岩崎のサイドハーフに、ザヘディ・佐藤凌の2トップとして、ミラーゲームの状況から脱却します。

26分、ポジションチェンジした亀川を軸に左サイドで繋ぐ福岡、岩崎が奥を突くと見せかけて戻しを経て中央へパス。
そして受けた小田がミドルシュート(エリア内で谷口ブロック)と、やっと後半初のフィニッシュに辿り着き。
27分に佐藤凌→鶴野へと代えると、佐藤凌が退いた事で地上から繋ぐ覚悟も備わったでしょうか。
ポゼッションを高め、敵陣でサッカーを展開する時間を増やしていきます。
しかし鶴野のポストプレイにザヘディが反応出来なかったり(30分)、岩崎が亀川のパスを収められなかったり(31分)と、アタッキングサードで生まれるミスによりシュートを撃てず。

一方ヴェルディも32分に動き、森田をボランチに投入。(山見と交代、同時に木村→山田剛綺へと交代、見木がシャドーに回る)
とうとう攻撃権を支配される状況となった事で、中盤の底を整えて改善しに掛かったのは明白であり。
それが為される前にカタを付けたい福岡は、34分岩崎のアーリークロスの跳ね返りを拾い、紺野がチャンスエリアでボールキープ。
そして中央バイタルからミドルシュートを放つも、投入したての森田のブロックに阻まれ同点ならず。

その後はヴェルディの目論見通りにイーブンな展開にされ、作る好機も遠目からのアーリークロスに終始する福岡。
流れを変えるべくの最後の交代は39分で、亀川→北島。
北島が右SBに入る事で、小田を最前線に持っていくという奇策を敢行します。(以下鶴見が左SHへ、岩崎が左SBへ玉突き的にシフト)
ヴェルディも同時に、翁長・齋藤→千田・稲見へと2枚替え。
こちらも宮原が左ウイングバックへ、松橋が左シャドーへ、見木が再度ボランチへシフトと激しいポジションチェンジが絡み。

フィジカルを強化し、逃げきるという体勢なのは明白なヴェルディ
しかしパワーサッカーへの変節か、42分にクロスに合わせにいったザヘディと、その思惑の下投入された千田が頭部同士激突する事態に。
倒れ込んだ千田に脳震盪の疑いがかかるも、他方ザヘディのこめかみから流血が発生と双方傷が付いてしまい。
千田は1分程で起き上がり、ザヘディも治療を経てともにピッチに復帰します。

しかしヴェルディは、その後染野にも脳震盪の疑いが。
これにより特例での交代で、6枚目のカードを切る事が許されてチアゴ・アウベスを投入します。

負傷続きで荒れ模様となったまま、アディショナルタイムへ突入するもその目安は9分。
最後のパワーを持って攻め上がる福岡に対し、防がんとするヴェルディですが左奥での鶴野の切り込みに対し(稲見が)反則で止めるという具合にその流れを払拭出来ません。
左ワイド、とは言ってもエリアラインすぐ脇からのFKと、これをモノにしたい福岡。
(北島の)直接シュートをチラつかせながら、上がった紺野のクロスは速いボールとなり、ニアで宮が合わせたものの当てるだけとなってしまい。

その後も(GK以外)全員敵陣に進入して攻め上がり、田代のアーリークロスをザヘディが合わせたものの、治療のために被った帽子の所為かジャストミート出来ず。
それ故に以降帽子を脱いでプレーしたザヘディ、その執念も実らせられません。
それでも後方から岩崎のラフなロングパスが送られると、またもヴェルディのクリアミスが絡んで小田がボール確保。
そして絶好のミドルシュートのレンジに入ったものの、放たれたフィニッシュはジャストミート出来ずに終わり、GKマテウスに抑えられます。

ここからヴェルディがボールキープする時間を作り、着実に進んでいく時計に対し焦りを隠せない福岡。
山田剛のロングパスを右奥で受けたチアゴが、時間稼ぎと見せかけて右ポケットへ切り込み、切り返しの連続を経てのカットインシュート。
このシュートはGK村上が何とか足で防ぎましたが、左CKとなった結果、コーナーで時間稼ぎに入らんとする所で試合終了の笛が鳴るに至りました。

どちらも相手の良さを消すのが特徴で、動きの少ない試合を証明するかのようなウノゼロでの決着。
勝利したヴェルディも、このままこのスタイルの維持でJ1定着するには個性が埋没しそうな感がありますが、昇格による収入増でクラブ規模拡大を果たせた際にはどうなるか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第21節 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ

2024-07-05 16:39:17 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 神戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 鹿島は、鈴木が累積警告により出場停止。

上の方の試合を観るか、という事で選んだこのカード。
今季のJ1は、新興勢力(町田)にまさかの首位の座を明け渡しているとあり、ちょっとの差で追う立場にある両クラブの必死さは画面からも伝わって来るものであり。

立ち上がり、その思いが溢れ出るような、醜悪とも取れるシーンが目立ち。
前半2分の神戸の攻撃で、山口の左からのクロスを阻止にいった安西が山口と交錯して倒れ込み。
幸い無事だったものの、これにより両軍意固地になってしまった感があり、続く5分にはパスを受ける広瀬が樋口に倒されて反則。
するとリスタートを防ぎに立ち塞がる樋口を山口が押し倒すという具合に、サッカー以外の絵図を目立たせてしまう結果となります。

その流れのなかで、7分に空中戦でチャヴリッチが(トゥーレルに)反則を受けた事により、鹿島は中盤の位置からフリーキックによる放り込み。
これをエリア内中央で名古がポストプレイで繋がんとし、クリアされるも尚も右コーナーキックとセットプレーの流れは続きます。
そしてキッカー名古のクロスを、中央ややニア寄りで合わせたチャヴリッチのヘディングシュートがゴールネットを揺らし。
反則塗れの流れならばお手の物、と言わんばかりに百戦錬磨の鹿島が先制点に辿り着きました。

神戸は立ち上がりから、大迫・武藤をターゲットにしたロングボールでの組み立てと平常運転のスタイル。
それがデュエル・チャージの量産に一役買い、また鹿島優位に進んでいた事にも繋がっていた風であり。
ピッチレベルでもそう感じたか、16分に最終ラインから地上での前進を選択し、中央で扇原→山口→大迫と相手の間を抜くパスの連続。
そして大迫が右へ展開し武藤がクロス、これはブロックされるも右スローインで継続(その後扇原がループシュートを狙うも枠外)と、敵陣に押し込む事に成功します。

そして18分、またもトゥーレルから地上で前進の姿勢を見せると、鹿島サイドがプレスを諦めたのを見るや扇原がほぼフリーの状態でロングパス。
受けにいく武藤は、扇原がボールキープでタイミングを計るなかで、ベストタイミングで綺麗に裏抜けを果たしてGKと一対一に持ち込みます。
そしてエリア内中央からGK早川の右へシュートを蹴り込み、見事に制してゴールゲットし同点に。
長短混ぜ合わせての組み立てで、鹿島ディフェンスもそれに合わせられなかったでしょうか。

その後も地上での繋ぎを一定割合で挟みながら、攻め込む神戸。
酒井や山口が最終ラインから一列前の位置で巧みにパスの引き出し・ボールキープを行う事で、奪い返したい鹿島ディフェンスを引き付けながら隙を作る動きが素晴らしく。
24分、山口のキープでプレッシャーを剥がしたのち前に出た酒井へ縦パス、受けた酒井もキープする事でディフェンスを引き付け。
そして扇原→井出と経由ののち、井出から一気にエリア内へロングパスが供給され、武藤が走り込むという同点のシーンに酷似する状況となりましたがここはGK早川がいち早くキャッチ。

一方、優勢ぶりが雲散霧消となった鹿島。
立ち上がりはあくまで乱戦模様に付け込んだという形らしく、神戸の立ち回りにより落ち着きを齎したのちは見る影も無し……といった所でしょうか。
自身でも最終ラインから繋がんと試みるも、神戸の前線の守備に苦戦は否めず。
大迫がボランチを監視しつつ、両インサイドハーフ(山口・井出)が前に出て最終ラインに掛けられるプレッシャーにより前に運ぶ事に難儀。
仮に前にボールを出しても、素早いトランジションからの守備(特に山口の)を受けて結局好機に繋げられません。

そんな神戸の4局面をフルに使うサッカーに、苦戦の色を隠せなくなる鹿島。
大迫のポストワークに対し、激しく寄せて腕で止めようとする絵図(それでも倒れない大迫は凄いの一言ですが)を幾度も作るなど、再びラフプレーの色が強まって来ます。
迎えた37分、敵陣で扇原がパスカットに成功した神戸、こぼれ球を拾った大迫がチャージされながらボールキープを果たすと、そのまま反転して左サイドを突きに掛かり。
ここからまた溜めを作る大迫、そして中央→右へとショートパスを展開させ、酒井が奥に切り込んでクロスと崩しにいき。
クリアされて右CKになると、キッカー扇原は低いクロスをニアに送りスペースを突くと、入り込んだ武藤がボレーシュート。
これをゴールライン寸前で関川がブロックしますが、跳ね返りをすかさずトゥーレルが押し込んでゴールに突き刺します。
鹿島と違いキチンと組み上げた優勢ぶりの前には、必死のディフェンスも空しいといった勝ち越し点になりました。

しかし攻め続ける最中、36分に酒井が仲間のチャージを足に受けて反則という場面があり。
その影響で42分に限界を迎え、倒れ込んで続行不可能となってしまう酒井。
大迫・山口らと並んで、そのプレーぶりは神戸に欠かせない存在に映っただけに、ただ残念といったアクシデントとなりました。(初瀬と交代)
同時に、こうしたラフプレー混じりで無いとトップレベルを止められないという絵図に、槍玉に挙げられがちな町田だけを責める事は出来ないという穿った考えを浮かべてしまうものであり。

決して褒められたものでは無いながらも、その隙を突かんとする鹿島は45分、最終ラインでの繋ぎからGKへと戻して神戸ディフェンスを引き付け。
そのうえで送られたGK早川のロングフィード、一気に右サイド奥を突いて受けた樋口が溜を作った末にグラウンダーでクロス。
ニアで受けた名古、神戸のブロックをかわしながらシュートを放ちましたが、ゴール左へ外れてしまいこのワンチャンスをモノに出来ません。
一方リードを奪った神戸も、後方からのロングボール中心で前半の残り時間を過ごし。
その中で鹿島のクリアミスも絡み、広瀬がエリア内でシュートを放つ(GK早川キャッチ)場面もありましたが、結局スコアはそれ以上動かず。
2-1で前半終了となりました。

巻き返しを図る鹿島は、ハーフタイムで仲間→藤井へと交代。
藤井の突破力に賭ける事となります。

しかし根本的な所が変わらないと、何時まで経ってもペースを変えられない状態であり。
後半の入りも神戸が攻め上がる絵面となり、大迫のポストワークに対し腕を使って止めにいくもままならない、というシーン(後半2分)も前半と同様。
そんな反則気味のプレーに対し、3分にはチャヴリッチに倒された山口がヒートアップする等、苛立ちを抱えながらペースを保たんとする神戸。

そんな流れを変えようと、神戸の姿勢よろしく、植田のロングフィードを積極的に使いにいく鹿島の攻撃。
5分にその植田が左サイドへロングパスを送り藤井を走らせ、これにより左スローイン→左CKと、前半の立ち上がり同様に繋がるセットプレー。
ここからの二次攻撃で、右から上がった樋口のクロスをニアでチャヴリッチが合わせボレーシュート、しかしゴール左へ僅かに外れて同点ならず。

一方鹿島の守備は、度々フリーの状態でロングボールを送られていたのを受け、前からの圧を強めるという当然の姿勢に。
その甲斐もあり、9分には神戸の最終ライン間でのサイドチェンジを藤井がカットしてショートカウンターと、一定の成果は挙げられましたがゴールには辿り着けません。

神戸はその鹿島の攻撃に押され気味となり、13分には中盤の底でパスミスを犯してしまい鹿島のショートカウンターに。
そして樋口が中央からエリア内を突いてシュート(トゥーレルがブロック)と、ミスも出て来た事で締め直さなければならない状況となり。
その思惑通りに動く吉田孝行監督、16分に井出・広瀬→佐々木・パトリッキへと2枚替えを敢行します。

そしてその直後の17分でした。
右サイドで武藤がボール奪取し、こぼれ球を繋いで佐々木が前進する所、またも鹿島は知念が腕でそれを止めにいく姿勢に。
しかし佐々木は倒れずに進み、逆に知念が振り切られ倒れるという格好になると、カットインでレーンチェンジののちに右ポケットへスルーパス。
奥で受けた武藤のグラウンダーのクロスを、ニアに入り込んでいた大迫が合わせシュート。
GK早川が足でセーブするも、跳ね返りをすかさず追撃した大迫がゴールネットを揺らす事に成功します。
しかしオフサイドを告げる笛が鳴り、スルーパスを受けた武藤のオフサイドを取られた事で、判定はVARに委ねられ。
長らくチェックが行われた結果、ゴールへと判定が切り替わり。
反則アタックでも止められないという神戸の推進の末に、リードを広げました。

厳しくなった鹿島は、20分に関川・樋口→柴崎・師岡へと2枚替え。
こちらも海外から帰還組の柴崎の投入で、神戸に対抗姿勢を取らんとします。
また佐野がセンターバックへシフトし、2点差を追い掛けるべくボールポゼッションの姿勢を強め。(しかしボールを持たされるともいう)

柴崎投入でややクリーンとなった鹿島のサッカーですが、それにより大迫を止められないという事態にも陥り。
23分、中央で大迫がキープののち左へ展開、本多の戻しを受けるとすかさずライナーでエリア内へ縦パス。
急所を突くようにパトリッキに渡りますが、その速いボールは収めきれずクリアされ。
何とか命拾いした鹿島ですが、パサーに回っても大迫の脅威は健在というシーンでした。
鹿島は26分、ボール保持を経て柴崎がロングパス一本で右ポケットを突き。
サイドバックの濃野が一気に走り込み、ダイレクトでシュートを放つ(枠外)という具合に視野の広さを発揮する柴崎ですが、このビハインドの状況を跳ね返すには至りません。

28分、右サイドで武藤のドリブルが藤井に倒されて反則、というタイミングで動く神戸ベンチ。
本多・扇原→菊池・井手口へと2枚替えを敢行し、以降井手口・山口をドイスボランチとした4-2-3-1へシフトします。(初瀬が左SBに回る)
得た右サイドでのFKから、キッカー初瀬のクロスを大迫が合わせヘディングシュートを放つもゴール右へと外れ、4点目はならず。
直後に鹿島もチャヴリッチ→垣田へと交代。

何度か鹿島の押し込みを受けるも、優勢ぶりは揺るがないといった神戸。
しかし33分に、ゴールキックの際にGK前川が遅延行為で警告と、弱腰の姿勢に映る絵図を見せてしまうと以降は一転。
鹿島がひたすら敵陣でのボール保持から攻め込むという流れへ突入します。

傍らから観れば、鹿島が押しているように見えるこの絵面も、神戸にしてみれば最後にやらせなければ良いという状態であり。
その通りに鹿島は外循環を強いられながら、何処でブロックの中を突くかという判断を迫られる攻撃。
36分には左ワイドで持った藤井が、柴崎とのワンツーからのカットインでポケットを突きにいく好機。
しかし彼を担当する菊池が追走し、ショルダーチャージで倒して止める(反則無し)という具合に剥がしきれません。

40分に神戸は山口のパスカットで矢印を反転させ、逆に敵陣で繋ぐ状態に。
そしてパトリッキが左奥を突いてクロス、クリアボールを山口がミドルシュートに持っていきますが、ブロックされ跳ね返り逆に鹿島のカウンターに。
神戸デイフェンスの裏を取る毛色の違う好機が生まれましたが、ここも神戸の素早いトランジションを受けて減速。
何とか師岡がエリア内を突き、ディフェンスをかわしながらシュートに繋げました(GK前川キャッチ)がモノに出来ません。

やはり敵陣に押し込んだ状態で、どう崩すかという課題に向き合わなければならない鹿島。(44分に名古→土居に交代)
45分、(GK以外)全員敵陣へ入り込んでひたすらサイドを揺さぶって繋ぎ、左から上がった土肥のクロスをニアでトラップした知念。
そしてそのままボレーシュートとアクロバットに撃たんとしますが、間一髪ヘッドでクリアしたトゥーレルを蹴ってしまう格好となって反則に終わり。

結局これが最後のチャンスらしいチャンスに終わり、アディショナルタイムには神戸が押し込むシーンが膨らみ。
そしてその流れのまま試合終了の時を迎え、上位対決は神戸が制する結果となりました。

川崎・マリノスといった、攻撃サッカーで魅了したクラブが低迷している現状。
そんな中で、エンターテイメント性を高めながら勝つクラブとして、この試合を観る限りでは神戸がその座を射止めても不思議で無いように映り。
空中でも地上でも一定の攻撃クオリティを保ち守備も堅いという具合に、その資格は十分備わったと思いますが、まずは連覇を果たしたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第21節 北海道コンサドーレ札幌vsアルビレックス新潟

2024-07-01 16:00:34 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 札幌は、岡村が累積警告により出場停止。また先日獲得して登録された大﨑が即ベンチ入り。
  • 札幌は例によってオールコートマンツーマン戦術なため、守備時は馬場・小林が一列降りて4-4-2(実際には新潟・奥村がトップ下のため馬場がそれに合わせて動く)を形成。

暫く空けていたJ1、という事で選ぶのはやはり新潟の試合。
我が地元・札幌の地に、中2日かつアウェイ連戦のため広島から乗り込むというキツイ旅程を経てやって来ました。

前年のアウェイ・札幌戦では、内容はともかく……という言葉が相応しい勝利。(1-0)
折りしも厚別(札幌厚別公園競技場)で、かつ豪雨の中での試合を強いられ、その中で退場による数的不利にも陥り。
守勢に次ぐ守勢・ロングボール戦術と、本来の持ち味とは逆のサッカーを駆使して何とか勝ち点3を拾った、別の意味で強烈に印象が残る試合となりました。
今年はしっかり札幌ドームで開催と、気象面での不安は無いなかでストロングポイントは発揮できるかどうか。

一方、誰が見てもこのままでは降格待った無しというホットな状況に陥っている札幌。
故障者続出を嘆く声が数多挙がっており、ミシャ監督の続投が表明されたとあり内外ともにもうしようも無いという諦めの雰囲気も感じられ。
とはいえ、新潟サイドも特別指定の稲村を重要なポジション(センターバック)に抜擢するなど苦しいやり繰りを強いられており、それと対峙して勝ち点を得る事で化学反応を起こせるか祈るばかりです。

新潟のキックオフで始まると、そのボール保持で地上での繋ぎから、藤原の間を通す縦パスなどを駆使しアタッキングサードまで持っていく立ち回り。(シュートまではいけず)
いきなりらしさを発揮する相手に対し、札幌は小林が「オールコートマンツーマン」に従うように、秋山に対し強烈なプレッシャー。
それによる敵陣でのボールゲインを数度達成するなど、腰の引けていない姿勢を見せ。

流れを変えたのは前半6分からの攻防でしょうか。
舞行龍が右サイドで札幌ディフェンスに詰められるも、その間を通す浮き球の横パスで脱出と技を見せたのち、稲村のスルーパスを受けた小見が左ポケット進入と好機を迎えた新潟。
そして奥からマイナスのクロスを入れ、中央の谷口に……となりましたが合わせきれず。
クリアにより右コーナーキックとなりますが、(ショートコーナーを挟んでの)クロスが跳ね返されて二次攻撃、という所で秋山が浮き球を収められず奪われて札幌のカウンターに。
小林→長谷川竜へのスルーパスは遮断されるも、拾った中村が猛烈にドリブル、前に出て来た堀米をかわして左ポケット進入とこちらも新潟と同じ形を作り。
そして入れられるマイナスのクロス、と同じ流れになったものの、ターゲットは全員奥に入り過ぎたため誰にも合わずというある意味喜劇的な絵図に至ります。

これで新潟へと針が傾き、小林のマークをかわすように秋山が裏抜け、というパターンで好機を作り。
9分に左スローインからその流れに持ち込み、左奥からカットインを経てマイナスのクロスを入れる秋山。
そして谷口→奥村と経由して放たれる松田のシュート、これが右ゴールポストを直撃(跳ね返りを拾った秋山が追撃もブロック)と決定機を迎えましたが先制ならず。

その後札幌は例によって、右ウイングバックにボールを届ける事を第一とする姿勢へと移行。
それを堀米が何度も遮断する事によって機能不全に陥り、早くも優劣が明らかとなる試合展開。
しかし新潟サイドもペースを握る中でゴールは奪えず。
11分にフリーキックから、谷口がヘディングシュートに繋げたもののGK菅野がセーブ。
27分には右ワイドから舞行龍がパス&ゴーにより受け直し、後方から一気にボックス内を突くという流れを作ったものの、放ったシュートは再びGK菅野に防がれキャッチ。

スコアレスを保つ事で、札幌にもチャンスが生まれるという状況に。
31分後方でのパスワークから高い位置を取った中村にミドルパスが通ると、小林とのワンツーでの前進を経てバックパス、受けた長谷川竜が対角線のロングパス。
右ポケットの田中宏へと届けるボールとなり、その田中宏のダイレクトでの折り返しはミートせずに終わったものの、やりたい事を形にしたという絵図で肩の荷を降ろせたでしょうか。
37分に中央から長谷川竜がミドルシュート(枠外)と、ようやく初のフィニッシュにも辿り着き。

しかしその長谷川竜に対し、ベンチは直後に交代の措置を採ります。
映像で見る限りでは不可解としか思えないその交代は、試合後に長谷川竜の軽い故障という事が発表されるも、当の長谷川竜は不満げな色を隠せずにピッチを去り。
恐らく本人的にはハーフタイムまで持たせてカード消費を避ける腹積もりだったのでしょうが、故障者続出という状況故に、被害が甚大となる前にとの判断が下された結果でしょうか。

鈴木武蔵が同ポジションで投入され、これにより前線のプレッシャーは良化してさらに好循環を固める札幌。
怪我の功名な感は否めませんが、チーム成績故にそんな事は言っておられず。
40分にはその前線の守備により(新潟に長いパス→落としを強いたうえで)家泉が前に出てカット成功し、そのまま攻撃に加わる家泉。
ドリブルで左ポケットを突いた菅のマイナスのクロスを、ボックスに入り込んでシュートまで放つという具合に決定機に絡みます。
しかしこの渾身の家泉のフィニッシュも、ゴール左へと外れて実りません。

その後も札幌は攻撃権を独占し、高尾が右サイド奥を突くなど後方の選手の押し上げにより幾度も生み出される好機。
しかし結局ゴールには繋がらず、スコアレスのまま折り返しとなります。

共に交代の無かったハーフタイム。
後半は札幌のキックオフでスタートすると、家泉ロングパス→鈴木武フリックと、新潟とは手法が違うもののこちらもいきなり好機に持ち込み。
そしてこぼれ球を小林がミドルシュート、これはエリア内の大森に当たって実らずも、跳ね返りを拾った駒井が再度ミドルシュート。(GK阿部キャッチ)
前半はシュート2本という少なさだったため、遠目でも果敢に狙う姿勢へ意識を切り替えた感があり。
その後後半2分にも、またもこぼれ球となった所を小林がミドルシュートに持っていきますが、これも味方の鈴木武に当たって枠の外へ逸れ。

前半終盤と、この後半の立ち上がりにより、ややもすると逆に劣勢感が露わとなってきた新潟。
しかしゴール前の守備を固め、「遠目からなら良い」という姿勢でやり過ごし。
6分、自陣でのボール奪取から秋山→谷口ポストプレイ→秋山ワンタッチでスルーパスという流れで松田を走らせる攻撃。
このシーンに限らず、前半から秋山が自ら組み立てる際は、松田の走力を活かす姿勢が目立っていたこの日。
札幌相手という事で、松田のその走力が福森(現横浜FC)を散々に翻弄させたこの試合(2020年のマリノスvs札幌、4-1)を思い起こさせるようでもあったそのゲームメイク。
ここではそのパスを受けた松田が右奥へ切り込んでマイナスのクロスを送るも、フィニッシュには繋がらず。

しかしゴールは別の所からで、札幌ペースかと思われた矢先の7分、鈴木武の拙いボールタッチからカウンターに持ち込む新潟。
奪った堀米のスルーパスを受けた谷口、そのまま持ち運んで左ポケットを突き、カットインから放たれたシュートが豪快にゴールに突き刺さります。
札幌のミドルシュート攻勢のお株を奪うような先制弾に、相手に傾きかけた流れの遮断に成功した新潟。

ここまで3試合連続でノーゴールという現状の札幌ですが、ホームの場故にへたれ込む事は許されず。
10分にまたもミドルシュートを放った小林、今度はブロックされて右CKとなると、すかさず位置に着いて素早いリスタートでのクロスを入れる小林。
何としても1点取るという姿勢を見せると、続く11分には敵陣での馬場のボール奪取からショートカウンター、ボール確保した鈴木武がドリブルで突き進み。
舞行龍を剥がして左ポケットへ持ち込む、遠目でのフィニッシュから一転した好機を迎えましたが、奥へ切り込んでからというワンテンポ遅らせてのシュートは稲村のブロックが間に合い防がれ。
これまで無得点と流れの悪いシーズンを余儀なくされている鈴木武、ここでもその暗雲が頭を過ってしまったでしょうか。

20分に交代カードを切る新潟、一挙に3枚替え。
特に堀米に代わってトーマス・デンを投入し、稲村を左サイドバックへシフトさせた事が目立った動き。(その他は松田・奥村→長谷川元希・小野に交代、小見が右サイドハーフに回る)

その後、後方からデンや稲村のフィードを活かし、前線で谷口がポストワーク。
そして小野のキープ力も加えるという、ボール保持を高める采配となり。

一方の札幌は、リードされた以上必然的にボール保持からの攻撃に活路を見出さなくてはならない状態。
GK菅野からの組み立てでビルドアップの流れを作らんとしますが、パスを繋いでも何も起こらない状態が続き。
新潟が構える姿勢でも、CBの持ち運びも無いため前に運べる手段自体が乏しく。
主に大森・鈴木武へのロングボールを警戒しておけばいいという、相手にとって楽な状況へと陥っていた感があり。

新潟はボックス内を突き、シュートにはいけずもキープから戻して作り直しというペース配分も考慮しての立ち回り。
次第に好機も減ってきた札幌、25分にこちらも3枚替えを敢行。(高尾・大森・田中宏→田中克幸・大﨑・原)
フリーからの入団なため、7/14を待たずに即登録可能な大﨑を早速投入する事となりました。

しかし直後の26分に新潟が決定機、小見が右からカットインで中央へ渡し、長谷川元のエリア内へのパスを小野が入れ替わりで前を向き。
そして放たれたシュートが右ゴールポストを直撃と、前半に続きまたも枠に嫌われる格好に。
それどころか、阻止のため前に出たGK菅野のスパイクを足に受ける事態となり倒れ込んでしまう小野。
出血もあったためそのままピッチ内で治療が行われ、ピッチ外→復帰と、何とかインアウトは避けられます。

一方札幌も、30分にスライディングを敢行した中村が足を痛めて動けなくなる事態に。
筋肉系トラブルか、という危惧が過るシーンでしたが、ピッチ外に出た中村は無事が判明して復帰とこちらも負傷交代は避けられ。

原のドリブルを盾として、何とか好機を作らんとする札幌。
しかし後方でも、大﨑が加わった事で組み立ての流れが生まれて来たでしょうか。
36分、駒井が家泉とのパス交換で新潟のプレスを誘ったうえでGKへと戻し、そして菅野が縦パスでFWの間を通すという具合にポゼッションスタイルらしいパスワーク。
受けた田中克の裏へロングパスからの攻防を経て、菅が左奥を突いてクロスと、相手を引き付けての攻撃を形にします。
直後の37分に、先程痛めた中村に代えて岡田を投入。

前へ向かう道筋は見えてきた札幌ですが、それが好循環に繋がるとは限らず。
38分、むしろそれによる前掛かりな姿勢を新潟のワンタッチでの繋ぎで突かれ、小野の前への落としを裏で受けた秋山がエリア内へスルーパス。
そして受けた小見とのGKの一対一が生まれる決定機に。
しかしこの小見と菅野との攻防は、菅野がスリップ→何とか立ちはだかる→小見がキープの最中にスリップ→菅野抑えるという、何とも締まらないものに終わってしまい。
気象コンディションは問題無いものの、春先からの札幌ドームの芝の状態の悪さは依然として残ったまま、という事が伺えるシーンにもなりました。

とにかく前へ向かわなければならない札幌。
39分には浮き球の攻防で、後ろから島田に激しく当たった大﨑が反則・警告を受けるなど、球際への圧も強めなければ如何ともし難い状況なのは明白であり。
その喰い付きぶりを突かんとする新潟、41分に敵陣左サイドで深めから戻りながらの細かなパスワークにより、相手全体を引き付けたうえで長谷川元のスルーパスでエリア内を突くというマンマークの相手の崩しの明利に尽きるシーン。
しかし走り込んだ島田のシュートはゴール右へ惜しくも外れと、崖っぷちの敵に対し止めはさせずという流れに。

札幌は43分、大﨑の縦パスを受けた小林が新潟2人を引き付けてのレイオフ、これをさらに大﨑が1タッチで縦パス。
駒井のスルーを経て受けた田中克がシュート(GK阿部キャッチ)と、大﨑のその才覚も徐々にチーム力に還元させながら攻め込みますが、如何せん時間が足りなく。

そして迎えたアディショナルタイムは、新潟のボールキープによる時間稼ぎが存分に発揮されるという、札幌サイドにとっては見るも無残な光景が続き。(新潟は44分に谷口→高木へと交代)
右コーナーに持ち込んで次々と時間を使う小野・高木の前に中々脱出させられない札幌。
何とかその流れを断ち切ったものの、結局7分あった目安時間で好機を生み出す事は出来ず。
そのまま0-1でタイムアップとなり、これで7連敗と最下位脱出すらままならない状況は打開できずとなりました。

一方アウェイ連戦で勝ち点を積み上げる運びとなった新潟。
ボール支配率では上回られ(札幌54・新潟46)、少なくなかった決定機から追加点も得られずという試合でしたが、それ以外では盤石な内容だったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第17節 柏レイソルvsアビスパ福岡

2024-06-06 16:00:58 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 柏ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福岡はドウグラス・グローリが累積警告で、シャハブ・ザヘディがルヴァン杯3回戦(柏戦、1-2)での退場により出場停止。(ザヘディは前節・新潟戦(2-1)も15節の退場により出場停止)

久しぶりに観た福岡の試合、その最終ラインは見慣れないものとなっていた……。
そんな浦島太郎が頭を過る布陣ですが、グローリが出場停止でかつ奈良・宮が負傷が目立つ状況ならば仕方無いものがあり。
田代は今季全試合スタメン出場と序列を上げる事に成功していますが、堅固なディフェンスを維持できているのか、ないしはそれが綻びに繋がっているのかはまだ不透明。
そんな状況故に、この日は本来サイドの選手である亀川が左センターバックでスタメンに。

前年のルヴァン杯制覇でクラブとしての地位は上がった感があるとはいえ、もっと上の地位にいるクラブにより主力選手がオフに抜かれる立場なのは変わらず。
それを踏まえながら堅守を保つのは一苦労であり、前年見せていた4-4-2と3-4-2-1の使い分けをする余裕など無くなり、今季はほぼ3-4-2-1で固定化。
J1に居続けるための手段とはいえ、純正4-4-2による組織的守備を売りとするチームが数少なくなる状況に、物寂しさを覚えてしまうものです。
この日は、その4-4-2での守備により前年辛うじて残留を果たした柏が相手。

それでもあいにくの天候で、かつ水曜(5/29)に挟まれた9節・マリノス戦で大量失点してしまった柏。(0-4)
守備を押し出すには分が悪いと感じたのか、立ち上がりから攻勢を掛けにいき。
ボール争いを悉く制した結果、右スローインからの押し込みを連続させ、フリーキック・コーナーキックの獲得に繋げ。
つまりはセットプレー攻勢で、悪コンディションに相応しいといえる入りだったでしょうか。

前半5分の左CK、キッカー三丸のクロスをファーサイドで犬飼が合わせましたが、このヘディングシュートはゴール上へと外れ。
福岡は粘りのディフェンスを見せるも、クリアボールを拾って継続する事で息を継がせない柏。
6分にはその流れから二次攻撃を掛け、左奥でスルーパスを受けた細谷、戸嶋とのワンツーからのカットインの末にシュート。
ブロックされるも関根がエリア外で拾い継続し、サヴィオがペナルティアークからシュート(ブロックされCK)という具合にフィニッシュを重ねます。

ホーム・三協フロンテア柏スタジアムの、距離感の近い観衆の盛り上がりを助長するかのようなフィニッシュ攻勢。
11分には福岡の攻撃を切ってすかさず裏へ送り、クリアされて左スローインとなった所で素早くリスタート、福岡サイドが戻りきらないうちにアタッキングサードで仕掛け。
そして中央への戻しを経て関根がミドルシュートを放つも、ゴール左へ外れ。
13分には古賀のロングパスのセカンドボールを拾ってからの攻撃、右ワイドから鵜木のパスを細谷がスルーしてサヴィオの下へ。
ディフェンスに遭うもエリア内へこぼれた所を反応良く細谷が抜け出して拾い、すかさず前に出て来たGK村上を見てのループシュートを放ち。
しかし村上の伸ばす腕を越すには至らず、キャッチされて先制はなりません。

快調といった流れの柏ですが、それだけに決められない事による反動が怖くなる展開でもあり。
特にコンディションの悪さを受け、福岡がシンプルに裏に送るという攻撃を見せると、セーフティなラインアウトのクリアを選ばなければならず。
20分、田代ロングパス→ウェリントンフリックという定番の流れを経て、拾った佐藤の左ポケットへのスルーパスから紺野のシュートにまで繋げ。
オフサイドで無効となったものの、こうしてシンプル・イズ・ザ・ベストの思考に落ち着いた相手は怖い。
最前線で橋頭堡を務めるウェリントンが、かつて井原正巳監督自身の誇る(福岡監督時代)強力な駒だっただけに尚更であり。

そして26分、GK守田のフィードを跳ね返したウェリントンから攻撃開始する福岡。
前の落としを受け直したウェリントンがすかさず左→右へサイドチェンジ、受けた小田も間髪入れずのアーリークロスを選択。
走り込む佐藤に対し、防ぎにいった犬飼が接触で転倒してしまいボールは佐藤の下へ。
関根がクリアするも跳ね返りが佐藤に当たり、さらにそのボールが関根に当たる、ピンボールのような動きの末にゴールへ吸い込まれます。
その危惧の通りに、少ない攻撃機会で先制点に辿り着いた福岡。(記録はオウンゴール)

さらに柏は、倒れた犬飼が足を痛めた事で続行不能に陥るというダブルパンチに襲われ。
一度は起き上がるも再び倒れ込み、痛々しく担架で運ばれる事となった犬飼。
同ポジションに立田が投入され、立て直しを図る事となりました。

しかし乱されたペースを取り戻すのは難しく、以降は福岡がクロス攻勢に。
スルーパスに走り込んだ紺野の右からのクロスをウェリントンが合わせる(31分、ジャストミートせず枠外)など、危ないシーンを描き続ける結果となり。
35分には佐藤が「ストーミング」的に、GK村上のロングフィードを回収した古賀に対しアタックしてエリア内で奪い返し、そのまま中央へ流れてのシュートでゴールネットを揺らし。
しかし古賀に対する反則を取られノーゴール、判定にも助けられる一幕で更なる劣勢感を醸し出してしまいます。

そしてとうとう耐えられず、38分に右スローインから繋ぐ福岡に対し、三丸が紺野のボールキープに反則を犯してしまい。
これで右ワイドからのFKとなった福岡、中央にターゲットを集めた中、キッカーの前はその手前のニアへのクロスを選択。
これを小田が跳び込んで合わせてのヘディングシュートで、ゴールネットを揺らす事に成功します。
長所のヘッドの強さを、ウェリントン・田代の存在を囮にしたうえで活かしきり、リードを広げた福岡。

先制されて以降、まるで良い所の無い柏。
その後も福岡の縦に速い攻撃と、ピッチコンディションの悪さに苦しめられ、自陣で反則を量産。
42分には土屋がトラップミスした所を佐藤に拾われ、すかさず倒してしまった土屋が反則・警告。
これで左ハーフレーンからの直接FKとなると、キッカーの位置に立ち直接シュートにいったのはウェリントン。
普段はターゲットのイメージが強い彼が放ったシュートがゴール左を襲うも、GK守田が正面でキャッチして何とか防ぎます。

そのまま突入したアディショナルタイム、流れを反転させたい柏は関根のパスカットから素早く攻めかかり、細谷のスルーパスを受けたサヴィオ。
しかしドリブルに入ろうとした所スリップしてしまいボールが付かずに終わるなど、ピッチも敵に回る事となり。
その後エリア内でワントラップからのボレーシュートを放つ(小田がブロック)など、攻撃の橋頭堡として働いたサヴィオでしたが、肝心のゴールは奪えず。

0-2で終えた前半。
既にアクシデントでカードを使っていた柏でしたが、ハーフタイムでも動き(むしろHTで動く方が交代機会の消費がされないためお得であるが)土屋→木下に交代。
細谷・木下の2トップとなり、サヴィオが本来の左サイドハーフへシフトし、戸嶋が土屋の抜けたボランチに回って後半に臨みました。

そのサヴィオの左ワイドでの仕掛けを軸として反撃を試みる柏。
しかし中々実にする事が出来ず、逆に福岡の攻撃の際には、前述したラフな裏へのロングパスにより流れを切られる事で攻勢を作り上げられません。

逆にビハインド故に、柏の攻撃は必然的に地上での組み立てが必須となったのも重くのしかかり。
パスが減速するという悪コンディションとの戦いも強いられ、それを突くように仕掛けられる福岡のハイプレスが襲い掛かります。
後半7分、左サイド深めで人数を掛けた末にウェリントンがカットに成功、そのまま狭い距離間を浮き球を交えて繋ぐ福岡。
紺野が奥へ切り込んでクロス、クリアされるも拾って継続し、再度奥で受けた紺野がカットインと繰り返して攻めるも関根が奪い何とか断ち切った柏。
追い掛ける方がこうして圧力を受けるとなれば、とてもシュート数の差(試合終了時点で16対3)が示すような優勢感は無く。

バックスタンド側のピッチに水分が多い状態で、それによりサヴィオの仕掛けが中々機能しない状況に陥っており。
そのため逆サイドで、高い位置を取った関根に預けてのクロス攻勢に入りましたが、こちらもフィニッシュに繋がらずと苦しさが滲み出る柏。

これを変えるべくベンチが動くのは当然の事で、16分に三丸・鵜木→ジエゴ・島村へと2枚替え。
どちらも同ポジションでの交代ながら、これによりジエゴが最初から高い位置を取る事で、サヴィオが中央でプレーする体勢となり。
そしてここから、サヴィオが福岡の前線五角形の中でパスを受けるという、5-4-1の相手を崩すための手がかりの役を務めます。

19分、その状態でパスを受けたサヴィオが右奥へ対角線のロングパスを関根へ通し、敵陣でのパスワークに入り。
そして戻しを経て再度受け直したサヴィオが左ポケットへパスを送り、ジエゴがダイレクトでクロスを入れる(シュート?)も精度を欠いて実らず。
21分には中央で持ち運ぶサヴィオから、パスを受けた島村がエリア内へスルーパスを通さんとしましたが細谷には繋がらず。
崩しの体勢は整ったものの、悪天候もあり枝葉の部分での精度を欠いてフィニッシュを放てません。

結局完全な攻勢を作り上げられなかった柏。
24分には逆に福岡の攻撃で、紺野のスルーパスが水分で止まるという状況が齎されながら、拾った柏もパスミスでウェリントンに拾われて継続。
そしてエリア内に送られた佐藤へのパスを遮断した後も、GK守田のクリアがDFに当たって跳ね返るなど流れの悪さを露呈するような絵図を描いてしまいます。(結局シュートは撃てず)

時計が進み、福岡サイドもベンチが動き始め。
29分に佐藤→金森へ交代し、まずは前線の運動量を確保する采配を見せると、その通りに以降も守勢には入らずプレッシャーを掛け続けます。
そして31分、その姿勢から柏の縦パスを亀川が前に出てカット、そのままカウンターに持ち込んで金森がドリブルで左ポケットを突き。
そして入れたクロスはブロックされるも、こぼれ球を上がっていた亀川が折り返し、クリアされてCKに繋げるなど圧力は未だ旺盛であり。
33分にも井上が前に出てカットしそのまま持ち上がるという具合に、ここに来て最終ラインの積極性も表れ始め柏サイドを苦しめます。

34分に双方交代。
福岡は亀川→宮で、柏は白井→高嶺。

直後に好機を掴んだのは柏で、古賀のロングパスの跳ね返りをサヴィオが繋ぎ、島村が持ち運びからポケットへスルーパス。
そして走り込んだサヴィオのクロスがファーに上がり、木下がヘディングで完璧に合わせたものの、シュートはゴールバーを直撃し決められず。
その後35分の右スローインからも、島村のボールキープを経てサヴィオのクロスが上がると、大外でジエゴが合わせヘディングシュート。
しかしこれもGK村上のセーブに阻まれ、立て続けの決定的なフィニッシュもモノに出来ませんでした。

この時間帯は、既に柏サイドもまともな崩しは無理と判断してか、木下狙いのロングパスが中心となり。
その変節がこうした決定機に繋がったものの、その効果は長くは続かず。

逆に41分の福岡の攻撃で、ルーズボールに走り込んだウェリントンが高嶺に反則を受け。
一向に得点出来ない焦りが、さらに福岡に時間を使われて増幅する状況となり。
この左サイド遠目でのFK、その柏の隙を突くように、キッカー前は放り込みでは無くポケットへのスルーパスを選択。
そして走り込んだ金森がGKとDFの間へグラウンダーでクロスと、際どい流れを作ったものの合わずに終わり。

44分に最後の交代を使う福岡、紺野→重見へと交代。
ウェリントンを最後まで残し、あくまで最前線のターゲットを押し出す姿勢を保ち。
リードを守りきるというイメージの強い福岡ですが、この日は柏の不安定ぶり(かつ2点差という要素)もあり最後まで積極性を出しに掛かりました。

そして投入したATでも、ウェリントンのボールキープからの保持で敵陣でサッカーを展開する福岡。
そのウェリントンのパスを受けた重見がエリア内へ切り込むも、これは遮断されてこぼれ球を拾った戸嶋により柏のカウンター。
追い掛ける側が後半ATでカウンターという真新しい絵図が生まれると、サヴィオが中央突破を経て右ポケットへスルーパス、そして細谷が走り込み。
何とかフィニッシャーとして意地を見せたい細谷でしたが、走りながら放ったシュートは右へ逸れてしまい決められずに終わりました。

結局この後柏は攻撃機会を得る事無く、そのまま0-2で試合終了。
前節に続く逃げきり勝ちと、メンバーが揃わないなかでも持ち味をしっかり発揮する事となった福岡。
J1の地位固めに余念は無いようで、これが何処まで維持されるか。

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