ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J1リーグ第29節 鹿島アントラーズvs柏レイソル

2020-11-28 17:16:46 | サッカー視聴記(2020年以前)

活動停止を強いられ、上位を狙うという体勢から一転、建て直しを図らなければならなくなった柏。
ただでさえGK中村をはじめ、ディフェンスの選手に故障者が続発し苦しいシーズン運営を乗り切らんとしていた所、更なる追い撃ちを浴びる事となりました。
直前に控えていたルヴァンカップ決勝も翌年1月に順延、残りのリーグ戦で再び戦闘力を充電させて挑む事となるでしょう。

その戦闘力の象徴といえるのがFWのオルンガで、前年J2で猛威を振るった得点力はJ1でも発揮され、どのチームにも脅威となって得点ランクトップを走っています。
このずば抜けたFWが居れば、無理にボールを握るという事もする必要は無く、カウンター戦術が冴える。
この日もそんな展開となりました。

そんな柏に対し、立ち上がりから鹿島はボールを握っての主体的な攻撃を繰り広げます。
サイドバックだけでは無く、ビルドアップの流れでセンターバックも盛んに敵陣まで上がり、柏を押し込んでいきます。
前半6分、右サイドで小泉のドリブルから攻撃、上田のスルーパスが土居に渡りエリア内へ。
土居の横パスがエリア内中央に出て絶好のシュートチャンスとなりましたが、撃ちにいったエヴェラウドがファン・アラーノと被ってしまい、足を振り抜く事は出来ず。
この試合でも感じた、攻めながらも良くない流れを醸し出すシーンとなった鹿島。

一方の柏、11分に相手コーナーキックからカウンター攻撃を仕掛けるも、シュートまではいけず。
オルンガを徹底的にチェックされ、中々良い形での攻撃を作れません。
よって自身でボールを繋いでの攻撃を余儀なくされ、それにより鹿島に攻撃権が偏る試合展開。
それでも19分に最終ラインから繋ぎ、瀬川のグラウンダーでのサイドチェンジでの崩しを経て、最後はオルンガがシュート。(ブロック)

鹿島が主導権を握るも、ゴールは割れないまま飲水タイムへ。
すると明けた直後は柏のターンとなり、26分に敵陣深めでのボール奪取からCKを得ます。
キッカーのクリスティアーノは、エリア手前へのクロスというサインプレーを選択し、北爪がボレーシュート。
放たれたシュートはゴール左へ外れるという軌道でしたが、あろう事かレオ・シルバがブロックしたボールがゴールに吸い込まれ、柏が先制。
いかにもオウンゴール臭い得点でしたが、記録は北爪の得点となりました。

この北爪が、登録上は右SBながらも盛んに前線で攻撃に加わるシーンが目立った柏。
というより柏全体が、4バック(4-2-3-1)の登録とは一変して、3バックでの戦いに変形していました。
右が北爪・左が瀬川というウイングバックの形で、守備時は5バックになって鹿島にスペースを与えず。
ここら辺は相手の長所を消す事が主体のネルシーニョ監督の手腕が発揮された所でしょう。
鹿島は3バックの相手に苦戦気味という印象で、後半の4敗のうち2敗がそれ(大分・札幌)であり、十分な研究の成果の表われとなったでしょうか。

2011年に「J1昇格→J1優勝」という流れを演じた柏、その当時の監督もネルシーニョ氏。
そのため再現を期待する声が開幕前後に高まったものの、それは果たされず。
前線のマンパワーを最大限に生かすサッカーを展開し、J1でもその脅威を見せているものの、果たして柏のサッカー的に進化しているのか。

監督人事に失敗→J2降格という2018年のシーズンを経て、チームを救うべく再就任となったネルシーニョ氏。
その手腕を見事に発揮し1年でJ1復帰という並びになりましたが、如何せん年齢的に古稀を迎えるネルシーニョ氏、クラブとしての発展性の面では疑問符は付いたまま。
乱暴に言えば「困ったときのネルシーニョ頼み」というイメージを定着させてしまうような起用であり、今後危機に苛まれた際はもうその手段も使えないでしょう。
未だルヴァンカップという目標が残っている今季ですが、それ以上に未来への道筋を得る事は出来ているのか。
それが為されなければ、ネルシーニョ氏がチームを離れた際、三度のJ2降格が現実的になっても何ら不思議ではありません。
(まあ最初の政権時と違って、ヘッドコーチの井原正巳氏が監督経験を得ているという点で後任の選択肢はありますが)

さて先制した柏ですが、以降も5バックのような振る舞いで鹿島の猛攻を凌ぎ。
逆にリードした事で余裕が出来たか、カウンターでゴールに迫る場面も作っていきます。
33分、GKキムスンギュのロングフィードをオルンガが直接収めてドリブル、クリスティアーノが彼からパスを受けてエリア内からシュート。(GK沖セーブ)
44分には瀬川が左サイドから縦パス、オルンガからクリスティアーノに渡ると、広大なスペースへとクリスティアーノがスルーパスを送りオルンガが受ける絶好機に。
しかしオルンガのドリブルシュートはGK沖がセーブ、その後ボールを繋ぎオルンガがヘディングシュートに持っていきましたが、ゴール左に外れ。
ポゼッションvsカウンターの典型図を描きつつ、前半を終了します。

後半巻き返したい鹿島ですが、後半2分に再び柏がカウンターで、オルンガのシュートに繋げる(ゴール左へ外れる)場面が。
しかし以降は柏に攻撃権を渡さずに攻勢。
4分のCK、クリアされたボールをエヴェラウドが直接シュート、GKキムスンギュがセーブしたボールを上田が詰めにいきましたがオフサイド。
8分には左サイドでスローインからパスを繋ぎ、受けたエヴェラウドがカットインからミドルシュートを放ちますが、ゴール上に外れてモノに出来ず。

前半同様に柏を押し込み攻撃、そしてシュートまで繋げていく鹿島。
それが実ったのが11分で、敵陣で三竿が拾い、左サイドからレオ・シルバがシュート気味にクロスを入れます。
中央でエヴェラウドが僅かに合わせ、GKキムスンギュがセーブしたものの、右にこぼれたボールをアラーノが拾い折り返し。
これをセーブしようとしたキムスンギュ、弾いたボールがゴール方向へ向かってしまいゴールイン、柏の先制点同様オウンゴール臭くありましたが同点となった鹿島。
尚これもアラーノの得点となりました。

その後はベンチワークも経て膠着状態に。
13分に柏は瀬川→仲間へと交代。
鹿島は3枚替えを敢行し、17分に上田・アラーノ・小泉→伊藤・遠藤・広瀬。
相変わらず、鹿島は主体的に敵陣に押し込んで攻撃、その間に柏がカウンターを狙うという流れ。

飲水タイムを挟み、このぶつかり合いは次第に柏に有利になっていきます。
オルンガを狙ったロングパス一本から好機に繋げていく場面が目立つようになる柏。

そして30分、GKキムスンギュのロングフィードを江坂が落とすと、拾ったオルンガがそのままドリブルで一気にエリア内右へ進入。
そして中央へと切り返しシュートを放つと、ゴール右へと突き刺さり。
誰も止められないという印象を強烈に残す、オルンガの単騎でのゴールとなりました。

これで鹿島は動揺したのか、直後のキックオフでは三竿がキックミスであっさり攻撃権を失う始末。
何とか反撃しようと、35分には右サイドから広瀬のクロス、ニアサイドで伊藤の落としを経て土居がエリア内右から再度クロス。
ファーサイドで山本が折り返し、これを遠藤がボレーシュートに持っていくも、ボール右へと外れてしまいます。

しかし尚も柏の縦に速い攻撃が猛威を振るいます。
36分、右サイドで北爪のドリブルからクロスが上がると、ファーサイドで受けた仲間がシュート。(ゴール上へ外れる)
そして38分、ここもロングパスをオルンガが落とすという明快な打開から、今度はクリスティアーノがドリブルで前進してエリア手前右から豪快にシュート。
GKもどうしようもない程の豪快な弾道でゴール左へと突き刺さり、追加点を得た柏。
マンパワーによるカウンターの恐ろしさを存分に見せ付けました。

2点差を付けた柏、40分に江坂→神谷に交代。
神谷が果敢にプレスを仕掛けてフレッシュさを見せ付ける一方、総攻撃に出るしかない状況の鹿島。
尚も柏陣内で押し込んでいきますが、やはりどん詰まりになる事数多。

そしてとどめはやはりカウンターからで、アディショナルタイム。
CKからクリアボールを神谷が拾い、一旦はこぼされたものの三原からスルーパスを受けて再度ドリブル。
そして単騎でエリア内左へと進入し、そのまま巻くシュートを右サイドネットへと突き刺して4点目。
神谷の前へと向かう姿勢が、ご褒美となって表れた得点でしょうか。

試合はそのまま1-4で終え、柏が活動停止明けの初勝利を挙げる試合となりました。
来季以降の発展性という点では個の力を活かした得点が目立ったため疑問符が付くものの、現状は暗雲を振り払う事が何より重要な立場だったため、最良の結果となりました。
ルヴァンカップは最後の最後という日程になりましたが、それまでにチーム力を上げていきたい所でしょう。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第36節 V・ファーレン長崎vs松本山雅FC

2020-11-27 18:41:08 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(34節・琉球戦)
※前回の松本の記事はこちら(34節・町田戦)

3位の長崎にとっては、とにかく結果が求められるであろう最後の5連戦。
上位2チーム(徳島・福岡)を唯一追い掛けられる存在として、佳境へ突入している昇格に向けての戦い。

その中でも、亀川やルアンと主力の長期離脱が目立って来ましたが、この日は二見・毎熊が4試合ぶりのスタメン。
故障があったかどうかは不明ですが、総力を結集させて悲願達成を果たさんとしているようです。

最終ラインでボールを繋ぐ遅攻が主体の長崎。
それに対し松本は最初に攻撃権を得るも形には出来ずと、やや大人しめの試合の入り。
長崎が1本コーナーキックを得ただけで、決定機は無く推移していきます。

そんな展開から一転、という程でも無いですが、反則という要素が緊張感を与えていきます。
前半9分に松本が、自陣からのフリーキックでありながら、喝を入れるようにキッカー・セルジーニョが直接エリア内へとロビングを入れたのがその切欠だったでしょうか。
その直後の10分、ボールを長崎・名倉に奪われたジャエルが、取り返さんとスライディングで名倉を倒してしまい反則・警告を受けたのが始まり。
14分に今度は逆のパターンで、前が奪う→秋野が前を倒す→反則という流れで、秋野にも警告が。
正直これはちょっと厳しめの判定では無いか……と思っていた矢先、16分にも警告が出されます。
今度は正真正銘、松本・浦田がパスを出した所、カイオ・セザールのアフターチャージで倒れるという妥当なもの。
短時間で3度も黄色いカードが突き出されるという、ピリピリした雰囲気に。(この日の主審は松尾一氏)

長崎はあくまでポゼッションによる遅攻の姿勢を崩さず。
FKは遠目からでもエリア内へと送る姿勢の松本に対し、敵陣で反則を受けても、簡単にクロスを入れたりはせず繋いでいきます。
それでも、離脱者(亀川・米田)によるサイドバックの推進力不足は隠せず、それをカバーしようと名倉・氣田のサイドハーフが果敢に仕掛けていく攻撃。
19分に名倉がエリア手前から、25分には名倉のカットインから氣田がシュートを放ち(前者・後者ともブロックに阻まれる)、積極的な姿勢を見せていきます。
前回の5連戦から継続し、この日まで7試合連続のスタメンと、欠かせない存在になっている名倉。
一方の氣田も4試合連続のスタメンと、この両翼(?)が橋頭堡となりつつあるのでしょうか。

遅めの飲水タイム(27分)を挟んだ直後は、松本が一転して攻撃権を支配。
伝統のロングパス攻勢に加え、ポゼッションの割合も増やしつつある新旧融合の攻撃はこの日も健在で、そんな相手に押され気味の長崎は31分に再び警告を受けてしまいます(氣田)。
さらに32分自陣でのパスミスをジャエルがエリア内左で掻っ攫い、そのままシュートという絶好機となりましたが、ここはGK徳重がセーブ。

この時間帯を凌いだ長崎、するとペースを奪い返すのに成功。
ここでも目立ったのは名倉・氣田の2人で、彼らを中心にドリブルやワンツーを絡めての前進による攻撃。
そして41分、中盤でのパスワークから氣田がドリブルで前進ののちエリア内へスルーパス、走り込んで受けた富樫がバックパス。
エリア手前で氣田→名倉→玉田と渡り、後ろ向きで受けた玉田が反転しつつのボールキープからミドルシュート。
外側からカーブを掛けたボールがゴール左を襲い、GK村山も見送るしかない絶妙なコースに突き刺さり。
これぞベテラン、という玉田の美技が炸裂し、長崎が欲しかった先制点を挙げました。

ビハインドとなった松本はアディショナルタイムに攻勢を掛け、最後はエリアからすぐ手前での直接FK。
これをジャエルが直接狙うも、壁を直撃しモノに出来ず、前半を終えます。

低迷期から脱出したものの、既に今季の昇格の芽は無い松本。
そんなモチベーションを失っても可笑しくないチームですが、唯一上位クラブとの対戦では善戦。
成績が芳しくなかった前半戦も、福岡に勝利(1-0)・長崎に引き分け(2-2)と、中々の結果が残っています。

そして監督を代えて臨んだ後半戦、最初の試合で徳島に引き分け(1-1)と意地を見せ、ここから建て直しの道を歩んだ松本。
32節・福岡戦では再び1-0で勝利と、ダブル達成を果たすに至ります。
昇格を争っている3クラブに対しここまで5戦で、2勝2分1敗と立派に渡り合い、そして最後に残ったこの日の長崎戦。
前回の長崎戦は0-2から追い付いての引き分けであり、この執念をこの日も発揮する事となります。

ハーフタイムで両軍動きを見せ、長崎は江川→鹿山に交代。(毎熊が右SB→左SBへ)
松本はジャエル→阪野へと交代しました。

同点に追い付きたい松本は攻勢を掛け、後半1分にはクリアボールを拾った塚川が右サイドからクロスを上げると、ニアサイドでセルジーニョが合わせますが威力無くGK徳重がキャッチ。
6分はセルジーニョの佐藤とのスイッチから左サイドへ、そして高橋からのクロスを阪野が頭で合わせますが、戻りながらとなったシュートは浮き上がり枠外に。
この2つのシーンに象徴されるように、良い形は作っても良いフィニッシュに結び付かない。
逆にその間にも長崎の攻撃に晒され、2分にはパスワークで崩された所を、秋野が際どいミドルシュート。(ゴール右に外れる)
7分には右サイドをワンツーで突破した氣田からグラウンダーのクロス、これを受けた玉田がシュートするも何とかブロック。
質の高い長崎の攻撃が目立つ事となりました。

質の長崎・量の松本という攻撃が繰り広げられる後半の展開。
松本はセルジーニョが幅広く動きボールを引き出す事で、質の差をカバーしようとするも如何ともし難く。
そうなるとベンチも最初に動き、15分に前・浦田→杉本・鈴木へと交代します。
一方の長崎も、20分に玉田・富樫に代え、大竹とエジガル・ジュニオを投入。
この期に及んで出場してくるエジガルの存在で、質の面ではいよいよ絶望的な差を付けられる松本サイド、そんな事を想像してしまいました。

双方交代が為されても大まかな展開は変わらず、挟まれる飲水タイム。(25分)
そして再開され、尚も攻め上がる松本に対し、28分に長崎のカウンターが炸裂。
奪ったボールを氣田が拾い、大竹が右サイドへスルーパスを送ると、走り込んで受けたのはエジガル。
そのままドリブルで一気にエリア内へと進入し、松本を絶望の淵に落とすシュートが放たれようとしましたが、何とかブロックで凌ぎます。

何とか同点に追い付きたい松本、尚も手数を増やすものの次第に息切れ。
34分には左でのスローインから、セルジーニョが浮かせるフリックの後、阪野のポストプレイを受けてエリア手前からシュート。(ゴール上へ外れる)
ボールの出し手・受け手・そしてフィニッシュと、何でもこなさんとするセルジーニョ。
逆に言うと、それだけやらないと長崎のような質の高いチームには追い付けない、という事を証明するようなシーンでしたが。

終盤を迎え、松本ベンチは大きく動きます。
39分に高橋・常田→田中・中美へと交代、フォーメーションを4-4-2へとシフトします。
先んじて交代枠を使い切っていた長崎(33分にカイオ・氣田→加藤・畑)に対し、こちらも最後の交代。
2トップにはセルジーニョ・阪野、最終ラインは右から田中・橋内・大野・鈴木と、勝負を賭ける布陣変更なのは明白の松本。

しかし長崎とミラーマッチ風になってしまったのが拙かったか、意気込みとは裏腹に長崎が攻撃権を独占してしまいます。
ここで追加点を奪われるのは決定的であり、それを防がんとした佐藤(名倉のドリブルにスライディングで反則)が警告を受ける等、凌ぎの時間帯を強いられる松本。
44分には再びエジガルが持ち込み、畑とのワンツーを経てエリア内に進入してシュート。(ブロック)
45分には大竹がエリア内からシュート(ブロック)と、同点どころでは無い展開を描いてしまいます。

そしてATに突入した後もペースを握ったままの長崎。
しかし敵陣深めでFKを得ると、キッカーの加藤は時間稼ぎに出たのか、散々フェイントした挙句に遅延行為で警告を受けてしまいます。
時間を使う行動は王道ですが、腰が据わっていないようであったこの場面の加藤。

尚もボール支配する長崎に対し、3分が過ぎた所でようやく攻撃に出る松本。
エリア内へのロングパスを阪野が胸で落とすもクリアされ、拾おうとした塚川が長崎・名倉に倒されて反則。
最後のチャンスともいうべき右サイドからのFK、クロスを上げるという場面で、GK村山までもが前線に上がります。
そしてセルジーニョからエリア中央へとクロスが上がり、GK村山が合わせようとする手前で跳び込み、ヘディングシュートを放ったのは塚川。
長崎のGK徳重のセーブも及ばず、土壇場での同点ゴールとなりました。

歓喜に沸く松本サイドの一方、目前の勝利が逃げていく事態に襲われる長崎。
最後にキックオフから攻め上がり、右サイドから加藤のクロスがファーサイドへ向かい、名倉が合わせにいく決定機を作ります。
しかし名倉のシュートは枠を捉えられず、試合終了の笛が。
先んじて2位・福岡が引き分けで終えていただけに、長崎にとっては痛すぎる引き分けとなりました。

一方、再び長崎相手に追い付いての引き分けという結果となった松本。
力量差に立ち向かい、意地を結果に表す事となった上位との対決を終え、後は残り6試合で何処まで順位を上げられるか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第36節 モンテディオ山形vsツエーゲン金沢

2020-11-26 17:01:30 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の山形の記事はこちら(31節・新潟戦)
※前回の金沢の記事はこちら(30節・北九州戦)

ともに要となるボランチがスタメンから外れての一戦。
山形は、これまで全試合にスタメン出場を果たしていた中村駿が、この日はベンチ外。
ベテランの本田が復帰してきたのもあり、休ませるという選択肢を採る事が出来たと前向きに考えての措置でしょう。(故障で無ければ)
前年と違い、プレースキッカーはヴィニシウス・アラウージョに委任しているという要素もあり。
そんなこんなで、この日は岡崎・小松のドイスボランチで、本田がベンチに控えてのスタートとなりました。

一方の金沢も、藤村がベンチスタートに留め置かれ。
こちらは4試合欠場試合(そのうちサスペンドが1試合)があり、その際の成績は2分2敗と、当たり前ですが落ち込みを見せています。
彼の相方である大橋も、今季は長期離脱期間を作ってしまい、中盤の底は不安定気味となっていた今季の金沢。
この日は大橋と、サイドハーフも出来る本塚の2人がスタメン。

ボランチにキーマンがしっかり構えているのがチームを安定させる条件の一つなのは、目下昇格圏内にいる徳島(岩尾)・福岡(前)を見ても明らかです。
その反面、彼らが不在の時は途端に不安定な戦いを余儀なくされるため、今季のような過密日程下でも中々休養を与えられない。
それで成績的に上手くいけば良かったのですが、中位に留まっている山形と金沢。
奇しくも休ませるタイミングが被っての対戦となり、勝ち点3を得る事で上位進出の足掛かりとするのはどちらか。

後方からパスを繋いで主体的に攻めたい山形と、相手の攻撃の芽を摘んで縦に速い攻撃を仕掛けたい金沢。
双方がぶつかった結果、先に好機を作ったのは金沢。
前半2分に長谷川のインターセプトから、加藤陸次樹のポストプレイを受けたホドルフォがドリブルからミドルシュートを放ちましたが、GK藤嶋がナイスセーブ。
いきなり前線からの守備を見せ付けた金沢ですが、以降は空回り気味に。
山形のセンターバック(野田・熊本)がボールを持つ所に、左サイドハーフのホドルフォが追って行くという振る舞いが際立っていた金沢のプレス。
当然左サイドが空く事となり、山形は右サイド(主に右サイドバックの山田)が楽にビルドアップの出口になる事が数多。
それでも、後方の選手が塞ぎに来た所を突き、逆の左サイドから攻撃するという攻撃が多かった山形。

その結果序盤から非常にオープンとなり、縦に速く攻める金沢と、楽にサイドを突破できる山形が交互にアタッキングサードまで攻め入る立ち上がりとなりました。
そして前半9分、山形は左サイドから松本・小松のドリブルを交えて前進し、コーナーキックをゲット。
このCKからのクロスがクリアされての二次攻撃、ここも左サイドでパスを織織り交ぜた末に、岡崎のクロスがファーサイドに。
松本が跳び込んで足で合わせ、逆のゴールサイド(右→左)へと向かうシュートで左隅を捉え、幸先良く先制点を獲得します。

先制された金沢ですが、12分に再びホドルフォがミドルシュートを放ちますが、これもGK藤嶋がセーブ。
果敢に前に向かうプレーで、前年在籍していた山形に対する思いを見せます。
一方の山形も、前年金沢に在籍していた左SH・加藤大樹が左サイドで跳梁。
ホドルフォの存在で不安定なサイドとは逆での攻撃が目立っていたのも、彼の存在があったからでしょう。

尚もオープンな展開が続いていましたが、山形もサイドに展開した後は、縦への攻撃を重視してそのスピードは速め。
そのため異なるタイプながらも、攻撃の波長が合っていたのがその要因だったでしょうか。
それでもリードされている金沢が、最終ラインでの繋ぎを余儀なくされているシーンが目立つなど、リズムに乗り切れないまま飲水タイムへ。

再開後も双方攻め上がりますが、フィニッシュの針は山形へと振れ始めます。
26分に小松のパスカットから、前川のドリブルを経てヴィニシウスがエリアすぐ手前からのシュート。(GK石井キャッチ)
29分には左サイドで縦に速い攻め、加藤大のスルーパスを受けたヴィニシウスがエリア内左角からシュート。(枠外)
32分のヴィニシウスのバイシクル空振りも挟み、36分には小松の縦パスをヴィニシウスがポストプレイの体勢へ前方へ送り、それを前川が拾ってシュート。
ゴールネットを揺らしたものの、オフサイドとなりノーゴール。

しかしその直後の37分に金沢が決定機。
最終ラインから左へと展開した後、渡邊泰基の縦パスを受けた杉浦恭平がゴール前へとスルーパス、走り込んだ加藤陸が受けてエリア内でGKと一対一に持ち込みます。
そしてGK藤嶋を左にかわしたものの、シュートは角度が厳しく左ゴールポストの外側を叩いてピッチ外へ。
同点チャンスを逃した金沢、以降も加藤陸がシュートを撃つ展開を続けた(以降前半終了まで3本)ものの、1-0のまま前半を終える事となります。

ハーフタイムで金沢サイドが選手交代を敢行し、島津→下川へと交代。
今季様々なポジションをこなす下川ですが、この日は右SHとなりました。

しかしキックオフ直後の後半1分でした。
金沢のクリアボールを松本が繋ぎ、左サイドで加藤大がドリブルからクロスを上げると、ニアサイドで渡邊凌磨がヘディングシュート。
ここも逆サイドへのコースのシュート(今度は左→右)を突き刺し、開始早々に追加点を奪った山形。

とうとう複数点差を付けられた金沢、以降はボールを持たされる展開が一層高まり、嫌でもパスを多く繋ぐ攻撃をせざるを得ない状況。
5分、作田から左へ展開しホドルフォと渡邊泰で前進、ホドルフォからクロスが上がるとニアサイドで加藤陸がフリック。
逆サイドの杉浦恭がゴール至近距離で拾う大チャンスとなりましたが、シュートは距離を詰めたGK藤嶋にセーブされモノに出来ず。

決定機を逃した代償は大きく、以降も後方からビルドアップしようとする金沢ですが、山形のプレスに引っ掛かるシーンの連続。
明らかに「出来ない事をしようとしている」風に映りましたが、その矢先の9分でした。
バックパスをGK石井が受けるも、トラップが大きくなってヴィニシウスに掻っ攫われる失態。
そしてエリア内でかわされ、無人のゴールにシュートが決まり3点目。

それでも攻撃機会を作っていく金沢に対し、山形守備陣もストレスを溜めていたのか。
10分に審判の判定(度々山形選手が倒されるも笛は吹かれず)に異議を唱えた野田が警告を受けてしまいます。

これに乗じて反撃の手を打ちたい金沢、11分に長谷川→高安へと交代。
続いて17分には加藤陸・杉浦恭→山根・藤村へと交代します。
FWを削ったため配置も変えるのを余儀なくされますが、出番となった藤村は意外にもボランチには入らず。
4-2-3-1へとフォーメーションを変え、そのトップ下へと位置取った藤村。(1トップは山根)

しかし必死の采配も空しく、19分の山形のCK。
キッカー・ヴィニシウスのクロスがファーサイドへと上がると、大外で熊本が金沢・作田の後方からヘディングシュート。
叩きつけたシュートがゴール右へと吸い込まれ、さらに点差を広げる4点目が入りました。

トップ下でのプレーとなった藤村ですが、やはり相手ディフェンスとの距離が近い分、持ち味が生きずという印象を受けました。
「司令塔=トップ下」のイメージが強かった時代は過去のもので、パスを出すべき人材は下がり目で無ければ、相手のプレスにあっさりと嵌ってしまう。
成績的に下降気味なチーム状況(過去10戦は2勝2分6敗)故、柳下正明監督も何か違いを付けたいと思っていたのでしょうが、この動きには疑問符でした。
いっその事長身を生かして2トップの一角に……というのは極論でしょうが。

その後もボールを持たされつつも、反撃を試みる金沢。
柳下監督は縦に速い攻撃が主流のサッカーを貫いていますが、過去のキャリアでは何度かポゼッションサッカーをチームに落とし込もうとしていました。(新潟監督時代が主)
しかし上手くいかず、結局元のサッカーに回帰という事を繰り返し。
この日無理矢理のビルドアップを強いられた金沢を観て、そんな昔日の事を思い出していました。
まあ札幌監督時代盛んに「アクションサッカー」を提唱していたので、理想と現実の挟間を経て落ち着いたようでありますが

一向に得点を奪えず、飲水タイム後は逆に山形にボールを握られ、時間が進んでいきます。
39分にようやく高い位置でボール奪取して好機、奪ってすぐに下川がペナルティアークからシュート、ブロックされたボールを藤村が拾ってシュート。
GK藤嶋がセーブしたボールが尚もエリア内左へ転がり、拾った山根からホドルフォに渡り、シュートを放つもこれもGK藤嶋がセーブ。
折角決定機に辿り着いても、最後の場面で藤嶋に立ちはだかられ得点出来ません。
一方肝を冷やした(といっても決められてもまだ大差なのですが)山形、直後に本田を投入(小松と交代)、試合を落ち着かせるような采配を採りました。

結局4-0のまま山形が勝利に辿り着き、金沢が16位に転落する一方で、7位に順位を上げるに至りました。
昇格は既に厳しい成績ですが、シーズン途中からサッカーを変えて以降の変貌ぶりは誰もが認める所であり、後は順位に結び付けて今季を締めくくれれば何よりでしょう。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第35節 東京ヴェルディvsレノファ山口FC

2020-11-25 17:09:34 | サッカー視聴記(2020年以前)

後半戦に入ってからも僅か2勝で、目下7試合未勝利の山口。
そのうち敗戦が6試合と、沈みっぱなしの現状で順位的にも最下位。(愛媛と勝ち点は同等ですが)

崩壊する守備陣のテコ入れが目立つ近況、29節・水戸戦でヘニキが早々に退場し大敗(1-4)・出場停止となったのを切欠にディフェンスラインを再編成。
ちょくちょく楠本が起用されるようになり、それ以前に外されていた眞鍋(26節・金沢戦でハーフタイムで下げられて以降ベンチ外に)が再び登用され、またサイドバックには安在・川井が復帰してきました。
何とか固まりつつあり失点数は減ったものの、0-1での敗戦が3試合続くという具合に、攻撃面へ課題が移る堂々巡り。
この日は水戸戦以来のスタメンとなったヘナンを、眞鍋と組ませるセンターバックで挑みました。

一方のヴェルディ、後半に入って5勝5分3敗と割と良い方向に振れていますが、昇格争いとは無縁の立ち位置。
最近は得点力に手応えを得ているらしく、5戦で10得点をマーク。
そのうち2得点を挙げている山下が出場停止となったものの大きな揺るぎは無く。
原動力となっているセンターフォワード(厳密にはフリーマンらしい)の端戸や、復帰してレギュラー定着している井出を中心に、この日も得点を挙げての勝利を狙います。

立ち上がり、ヴェルディはポゼッションというよりは、右ウイングの小池をスペースに走らせる攻撃が目立ちました。
繋がらなくても何度も右奥へスルーパスを送るという、何らかの意図があっての振る舞いなのは明らかで、果たしてその答えは今後見えてくるか。

前半10分のヴェルディ、中盤で藤田譲瑠チマがパスを散らしたのち平が左へパスを送り、受けた左SBの奈良輪は戻りつつ井出とパス交換したのち前方へスルーパスを送ります。
端戸が受けて左サイド奥でパス回し、その間にエリア内へ上がってきた奈良輪へと浮き球が送られると、受けた奈良輪の戻しに井出が走り込んでシュート。(ブロック)
再三ベクトルの向きを変えて攻撃に絡む奈良輪の動きが印象に残った左サイドでの攻撃でした。

そんな攻撃を受けつつも、山口は以前観た時のような、ビルドアップの段階で窒息するシーンはあまり見られず。
相手の良さを消すというサッカーはして来ない(と思われる)ヴェルディ相手という所もあったでしょうか。
しかし好機を作ったのはカウンターからで、8分に左サイドで縦に速いパスを連続で送る攻撃。
池上の右サイドへのパスはカットされるも、こぼれ球が良い具合に河野へのスルーパスとなり、河野の浮き球のパスを高井が受けてシュート。(ブロック)
16分のカウンターも左サイドで、田中陸のスルーパスを高井が受け、中央へ切り込む姿勢を見せたのちヒールでスルーパス。
これを受けた安在からクロスが上がるも、ここはシュートに結び付かず。

しかし山口も本来はボールを握っての攻撃が理想郷のチームであり、狙いとは違っていたと思われるここまでの展開。
それが差に表れるように、先制点はヴェルディに入ります。
19分、敵陣で端戸がプレスバックでボールをこぼすと前線に走り出し、井上のスルーパスをペナルティアークで受けてGKと一対一に。
エリア内へと入って放たれたシュートはゴール右へと突き刺さり、前節に続いての得点を挙げる事に成功した端戸。

先制後も主体的に攻めるヴェルディですが、最終ラインから繋ぐ事を重視。
その最終ライン、奈良輪が前に張り出しての3バックへ変形する形を多く採ります。
しかしビハインドを跳ね返したい山口も、以降は主体性を持って攻撃。
23分に田中陸のシュート(ブロック)、25分には河野のシュート(ブロック)と手数を増やしつつ、飲水タイムへ突入します。

再開後も攻める山口ですが、逆にヴェルディのカウンターも目立ち始めます。
29分には井出のボール奪取から佐藤優平がスルーパス、受けた端戸がドリブルから再びスルーパス、エリア内左へと走り込んだ井上がシュート。(ブロック)
33分も端戸のスルーパスが小池に渡りますが、小池は端戸へのリターンを選択した結果シュートまで行けず。
42分は山口のコーナーキックからの直接カウンター、左サイドをドリブルする佐藤優から右へサイドチェンジのパスが通り、受けた井上が端戸とのパス交換ののちエリア内右へとスルーパス。
走り込んだ小池が角度の無い所からシュートするも、GK吉満が足でセーブ。
ヴェルディにゴールを脅かされる一方で、山口は飲水タイム明け後はシュートを放つ事が出来ず、前半を終える事となりました。

前半のヴェルディは、思っていた以上に裏狙いを交えて攻撃を展開していました。
立ち上がり当初は小池を活かすというだけの振る舞いに終始していたようにも見えましたが、以降はどの選手にも適用し、スルーパスをどんどん送り好機を作る。
試合前に400試合出場のセレモニーを受け、祝福されていたこの日の小池。
そんな彼を通して、裏を狙うという意思統一を行った入りだったでしょうか。

後半開始を迎え、山口はハーフタイムで動き浮田→森へと交代。
しかしその甲斐もあまり無く、立ち上がりはヴェルディが一方的にボールを握る展開を描きます。
キックオフから2分近く、途中反則を受けたのを挟みましたがパスを回していたヴェルディ。
その後も攻撃権を支配し、後半5分にはエリアからやや手前・左ハーフレーンという絶好の位置で直接フリーキックを得、佐藤優が直接狙ってシュート。(ゴール上へと外れる)

ところがそんな展開が油断の素となったのか。
6分に後半初の攻撃権を得た山口、ここも左サイドから前進し、安在の河野へのパスがこぼされるも高井が拾ってドリブル。
そのままエリア内左へと進入すると、必死に追走したヴェルディ・小池が後ろから倒してしまい、笛が鳴って反則・PKゲットとなります。
得た高井がそのままキッカーを務め、ゴール左隅に蹴り込んで同点。

追い付いた山口ですが、直後のヴェルディの攻撃。(9分)
井出が左サイドでドリブルから、スルーパスをエリア内へと送ると小池がトラップで抜け出し、GK吉満が抑えるという危ないシーンを作ってしまいます。
冷水を浴びせられた山口、以降は気を取り直して勝ち越しを狙います。
今度は右サイドを主とする攻撃を見せ、原動力となったのが交代で入ってきた森。
スピードとドリブルを生かして突破口を開く役を果たします。
19分には河野のスルーパスに走り込む森、エリア内右へと入りマイナスのクロスを送ると、ニアサイドに河野が入り込みシュート。(サイドネット)

一転して押され気味となったヴェルディ、20分に奈良輪・佐藤優→福村・山本へと2枚替え。
山口サイドも23分、河野→小松へと交代。
両軍ベンチワークも交え、その間の試合は中々好機が生まれない膠着状態となります。
それを打開しようと、原点に返るべくヴェルディは小池へ裏狙いのパスを送る攻撃を見せるも報われず、そのまま飲水タイムへ。(24分)

試合再開後、28分に山口はさらに動き、高井→田中パウロ淳一へと交代。
丁度ヴェルディのCKとなっていたタイミングでの交代でしたが、早速生かされる場面が訪れます。
クリアから山口のカウンターとなり森が左サイドをドリブルでそのままエリア内左へと進入、一旦パスを選択しこぼされるも、拾い直して尚も奥へ切り込み。
そしてマイナスのクロスを送り、中央で高が合わせにいくもディフェンスに遭い、ファーサイドでパウロが拾ってシュート。
しかしGKマテウスが右手一本でセーブし、決定機を逃します。
直後のCKでも小松がヘディングシュート。(ゴール左へと外れ)
その直後(31分)にも、高のロングパスがヴェルディ・平のクリアミスでエリア内へこぼれ、小松が詰めにいくもGKマテウスに防がれシュートは撃てず。
あとほんの僅か、というシーンを連発する山口。

冷や汗の連続を強いられたヴェルディ、再びベンチが動き、井上・井出→松橋・森田と2枚替え。
ここから流れを引き戻すのに成功し、森田が主に2列目でボールを裁き、松橋がフィニッシュに向かうという攻撃。

そして38分、左サイドからのスローインで一旦最終ラインへと戻され、高橋縦パス→端戸ポストプレイ→チマ右へパス→若狭と回ったのち手前からのクロス。
ファーサイド奥へとボールが入り、森田が走り込んで足で折り返すと、中央で端戸がボレーシュート。
綺麗すぎる流れで見事にネットを揺らし、勝ち越し点を奪ったヴェルディ。

再びビハインドで終盤を迎えた山口、最後のカードは池上→イウリ。(失点直後)
4-4-2という位置取り(小松・イウリの2トップ)になりましたが、暫くしてサイドハーフになっていたパウロと森がサイドを交換。
この変更に全てを賭け、同点を狙いにいきます。
そして44分、クリアボールをイウリが収め、パウロを経て左サイドへと展開されると森からクロスが上がります。
中央で小松が胸で落とし、パウロがボレーシュートを放つも枠外となり、再び決定機を外してしまったパウロ。

そしてアディショナルタイムに入り、ヴェルディは森田が眞鍋のチャージを受けて負傷してしまうというアクシデントが。
担架で運ばれたものの、既に交代枠を使い切っていたヴェルディ(最後の交代は43分・端戸→クレビーニョ)、その後気丈にピッチへ戻る森田。
そんなATは、ヴェルディが上手くスローインの漸進戦術で時間を使い、山口の攻撃をクロス一本のみに封じる事に成功して無事タイムアップ。

これで3連勝となり、6試合12得点と「一試合2得点」も維持出来たヴェルディ。
しかし次節はリーグ屈指の堅守である福岡との一戦で、そのペースが崩されるか否かが勝負の分かれ目となりそうです。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第35節 栃木SCvs水戸ホーリーホック

2020-11-24 16:19:19 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の栃木の記事はこちら(32節・京都戦)
※前回の水戸の記事はこちら(28節・山形戦)

群馬のJ2昇格により、今季再び行われる並びとなっている北関東ダービー。
現状は、水戸が群馬相手にダブルを達成(両試合とも3-1)してイニシアティブを握っているように見えますが、栃木には前半戦敗戦(1-2)しており目下2勝1敗。
この日はその栃木との対戦であり、栃木は2勝しているうえまだ群馬戦を1つ残しているので、制覇するには是が非でも勝たなければならない一戦です。

リーグトップを争う得点力を誇る反面失点数も多く、大勝したかと思えば大敗もするという相変わらずの出入りの激しい成績を描いており、連勝も2連勝が1度きり。
1000分以上出場している選手(この時点で34試合消化)が18人にも昇るなど、ハッキリとした選手を試しながら・成長させながらというシーズンを送っている水戸。
その選手起用に目を向けてみると、前半戦飛躍の兆しを見せた松崎がやや伸び悩み加減で、その反面深堀がラッキーボーイ的に得点を量産しています。(8試合で5得点)
彼のような1000分未満の選手も決してモチベーションが切れていないなど、まさに競争主義。
この日は外山が出場停止となったものの、この下地で穴を感じさせないような戦いが出来るかがカギとなりそうです。

試合が始まると、いつもなら立ち上がりから持ち味を発揮しペースを握る栃木ですが、この日は逆となります。
ボールを支配しつつ、セカンドボールを拾って厚い攻撃を仕掛ける水戸。

すると早々に結果に結び付きます。
前半3分、平野の遠目からのシュートがGK川田にセーブされて得た右コーナーキック。
キッカー山口のクロスが中央に入り、住吉ジェラニレショーンが合わせる所にGK川田が跳び出すも、エリア内右へとこぼれたボールに奥田が詰めてシュート。
膝に当たってのシュートという不格好なものながら、GK不在のゴールへとボールは吸い込まれ、水戸が早くも先制に成功します。

リードを得ても、主導権を握り攻勢を続ける水戸。
2トップの一角である山口が、フリーマン的に様々な所に位置取りボールを引き出す動きを見せ、そしてそれを有効に使っていく攻撃。
長短のパスやサイドチェンジも織り交ぜつつ、栃木守備陣を揺さぶっていきます。

そんな水戸の攻撃に手を焼いていた栃木ですが、20分頃から反撃体勢に。
左サイドでこぼれ球を森俊貴が繋ぎ、受けた明本がドリブルでエリア内左へと入り、シュート気味にクロスを入れた(GK牡川キャッチ)のを狼煙とします。
すると22分にCKからの二次攻撃、GK川田のロングフィードからの好機。
これを左サイドで黒崎が大きいトラップで奥へと抜け、エリア内への森俊へパスを出し、森俊はエリア内左を抉ってクロス。
これがブロックに入った住吉の手に当たり、ハンドを誘発し反則・PKを獲得します。
蹴るのはチームトップスコアラーである明本(といってもDFの柳と同数……)、豪快に右上へと蹴り込んでゴール。
早い段階で同点に追い付いた栃木。

それと同時に挟まれた飲水タイム。
その直後こそ、水戸がセットプレー(左サイドからのフリーキック)からの二次攻撃でンドカ・ボニフェイスのヘディングシュートが生まれました(枠外)が、これを境に一転して栃木のペースとなっていきます。

「ストーミング」の威力がようやく発揮され、前線でのプレスが利き始めた事で水戸から主導権を奪うのに成功したのが要因でしょう。
しかし中々シュートまでは持っていけず。
逆に31分に水戸のカウンターが炸裂、クリアボールを拾った中山がドリブルで疾走、GKと一対一に。
エリアに入るかどうかという所でシュートを放ちますが、ここはGK川田がナイスセーブで失点の危機を防ぎます。

ペースを握るも決定機は迎えられない栃木と、依然得点チャンスを得ながらもペースを失いつつあった水戸。
両者とも見通しが暗いという状況で、34分に水戸にアクシデントが。
左サイドバックの岸田が、ディフェンスに入った所で足を捻らせ、長らく倒れ込む事態が発生してしまいます。
一旦は意地を見せてピッチに復帰したものの、38分に再度倒れ込み限界に。
細川との交代を余儀なくされてしまいました。
暗雲立ち込める展開に、その間の36分には栃木・榊が浮き球を受けようとした所に、水戸・平野に後ろからアフターで倒されて反則。
するとヒートアップし騒然となるなど、ムードの悪さが顕著に現れてしまう事となりました。(平野に警告)

本職はセンターバックである細川をSBに入れる(左SBに前嶋が回り、細川は右SB)という起用を強いられた水戸。
しかし前半の残り時間は再びペースを掴み、42分には再びカウンターで好機。
奥田の右サイドでのドリブルからクロスが上がり、クリアされたボールをダイレクトで山口がシュートするも、ゴール左へと外れてしまいます。
アディショナルタイムに突入後も攻撃権を支配しましたが、結局勝ち越しはならず、1-1で前半終了。

水戸・秋葉忠宏監督の「どんなに不格好でも、とにかく勝つ」というコメントが印象的であった試合前。
それほどの執念を燃やす要因となっている、久々の開催となった北関東ダービー。
2015年に栃木がJ3に降格して一時休戦となり、復帰したと思ったら今度は入れ替わりで群馬がJ3に落ちる(2017年)という具合に、大きくインターバルが開いてしまう事となりました。

水戸・栃木・群馬いずれもJ2設立後にJリーグに参入したクラブであり、その頃既にこの地方は、屈指の強豪・鹿島のサポーター層の支配が進んでいた事もあり苦戦気味。
栃木は参入直後こそ昇格争いに加わったりと善戦しますが、2013年の経営問題発覚で苦しくなり、人件費削減を余儀なくされて弱体化。
結局群馬とともに、J3との往復が現実的危機となる立ち位置となってしまいます。
そんな中20年以上もJ2の座を守ってきた水戸も、前年に初めて本格的な昇格争いに加わった事実が示す通り、長らく低空飛行を余儀なくされてきたクラブ。

秋葉監督の言う「不格好な戦い」を貫いているのが、現在の栃木でしょう。
J2という下位カテゴリ内でも、ボールポゼッションを下地とするクラブが膨れ上がっている現状で、それとは真逆のサッカーを堂々と繰り広げているその姿。
そんなクラブに勝利し、北関東ダービーを制覇する事で得られる物は、発展途上である水戸の現状には代えがたいものとなりそうな気がします。

ハーフタイムで栃木・榊→矢野への交代を経て後半に突入し、最初に攻撃権を得たのは水戸。
後半2分にロングボールを中山が収めにいくもこぼれ、山口が左サイドへと繋いでからパスワーク。
そして山口のスルーパスを前嶋が奥で受け、マイナスのクロスを入れると、受けた山口が斜め45度ぐらいからのシュート。(GK川田キャッチ)
続く3分にも平野がミドルシュートを放つ(枠外)など、上々の滑り出しを見せていきます。

しかしそれも束の間、以降は栃木が徐々に押し込んでいく展開に。
5分には左CKから、キッカー明本のクロスを中央で柳がヘディングシュート。(ゴール上に外れる)
9分にもロングスローが跳ね返されてからの二次攻撃、左サイドで森俊がドリブルからクロスを入れ、DFに当たって方向が変わるも矢野が落としたボールを明本がシュート。(GK牡川キャッチ)
押され気味の水戸、その後しばらくはボールを握って攻撃を仕掛けますが、得られたのは再びの平野の枠外ミドルシュートだけ。(14分)

栃木の術中にハマるのも時間の問題、そんな空気が感じられた通りに、15分以降は一方的な栃木ペースを描きます。
とにかく前線でのボールカットが冴え渡り、水戸は全くビルドアップが成り立たないという状況に陥る危機。
しかし一方の栃木も、その好機をシュートまで結び付けられずという悩みの種を生んでしまいます。

飲水タイムを挟み(22分)交代も考えられる時間帯ですが、水戸はポジションを入れ替えるという手段を取ります。
FWの山口がハッキリとした左SHへとシフトし、山田が右SHへ。
奥田がFWないしはトップ下気味に位置取りを変えてきました。
それが早速奏功したのが25分、平野のロングパスを受けた山口から、前嶋が奥で受けてカットインからシュート気味にクロス。
跳ね返された後も山口が再度同じようなクロスを入れ、中山が中央で合わせにいくもGK川田がセーブ。

流れを引き戻さんとする栃木、直後に山本→大島へと交代。(26分)
27分には柳が敵陣でパスカットしそのままドリブルで持ち込み、エリア手前からシュート。(GK牡川キャッチ)
直後に水戸の2枚替え(中山・山田→深堀・森勇人)が敢行されても、尚も攻勢に。
30分には右サイドで黒崎のロングパスを、エリア手前で大島がダイレクトで中央へと送り、そのまま明本がボレーシュート。
流れるような攻撃でしたが枠を捉えられません。

好機を逸していると、自然と水戸に流れが移ります。
そして失点シーンもそれを象徴するかのようで、33分の水戸の攻撃、右→中央→左と繋ぐパスワークを経て山口がエリア内左へと進入。
そして放たれたシュートはGK川田の正面でしたが、詰めに来た深堀を気にしたのか、あろう事か後逸してしまいボールはゴールの中へ。
終盤に差し掛かろうとする中、大きな勝ち越し点となります。

35分に佐藤→西谷へと交代する栃木。
嫌でも攻めなければならない展開となり、その通りに再び押し込み。
36分には敵陣右サイドで大島がボール奪取、黒﨑を挟んで森俊がエリア手前からシュートしますが、ボールはゴール右へと外れ。
折角の勝ち越し点をフイにしかねないボールロストに、水戸・秋葉監督の怒号も目立つ事となりました。
尚も攻勢を掛ける栃木、39分には岩間・瀬川→エスクデロ競飛王・平岡へ交代。
ポジションも大幅に弄ったようで、明本がボランチ・黒﨑が左SBへとシフト。

しかし明本ボランチで守備を緩めてしまった(この試合で目立っていました)のが仇となったか、直後に水戸が反撃。
CKを得た41分、キッカー山口のクロスを住吉が落としンドカが繋ぎ、ゴール至近距離で前嶋が受けるとそのままシュート。
決定的な3点目が水戸に入ります。

2点差を付けられてしまった栃木。
AT直線に、前半戦ジョーカー的役割を担っていた柳を前線に上げるパワープレイ体制へ移行。
何とかゴールをこじ開けようとしますが、結局それを果たす事は無く。
FKから、クリアボールをエスクデロが拾ってシュートを放ち、GK牡川にセーブされたのが最も惜しかった場面でしょうか。

結局3-1で水戸が勝利を果たし、3勝1敗で先んじてダービーを終える事となりました。
得失点差も考慮するならば+5の水戸は断然有利で、栃木は群馬戦(39節)を5点差で勝たなければ追い付けない状況となりましたが、果たして栄冠はどちらに微笑むのか。

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