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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 アスルクラロ沼津vsFC岐阜

2024-07-25 16:00:33 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

2位以下の混戦(と言うよりは、首位・大宮の独走)により、どの方面を向いても「昇格争いを占う大事な一戦」になりがちな現在のJ3。
こうした混戦から一歩抜け出せるだけの力は何処にも無く、4位に着けている沼津も、最近5試合は勝敗が綺麗に交互している2勝3敗という成績であり。
無敗で来ている富山・八戸に若干勢いがあると言えますが、果たしてその通りの道を歩むかどうか。
共にそんな状況を抜け出したいチーム同士の対戦。

特徴である「偽サイドバック」戦術をどう活かすかという沼津。
早々の前半1分に、左ワイドでのワンタッチパスの連続による前進から、中央を突かんとしてこぼれた所を、安在が走り込んで右ポケットからグラウンダーでクロス。(シュートには繋がらず)
果敢に最前線にまで上がる安在ですが、この日の立ち位置は何時もの(攻撃時に)ボランチでスタートする姿勢から一転し、ワイドでのプレーを目立たせていた節がありました。
続く2分にも、中村のロングパスをワイドの位置でフリックで繋げた安在、ディフェンスに遭ってのこぼれ球を拾うと奥を突いてクロス。
逆サイド奥へ流れるも鈴木が拾い、戻しから濱縦パス→和田フリックで左ポケットを突き、受けた持井がゴールに近い位置でシュート。
GK後藤の左を抜くも遠藤のブロックに阻まれ、早期の先制点はならずも、これまでのギャップを活かしての攻撃に見えました。

実際岐阜はそれに振り回され、沼津の地上でのビルドアップでも、ワイドの安在をフリーにしてしまう状況を数多作ってしまい。
攻撃機会を多く作られ押し込まれると、エラーも生まれてしまうもので、13分には最終ラインであろう事か左→中央へのパスをエリア内で持井にカットされてしまい。
沼津の攻めを切っての繋ぎの場面で、左ワイドで詰まり気味となった文は最初GKへの戻しを選択しようとした(様に見えた)ものの、鈴木のプレスバックを視界に入れたため真横へのパスに切り替えた結果持井に読まれて発生したものであり。
ここから右ポケット奥に切り込んでマイナスのクロス、受けた津久井が前進の姿勢からヒールパス、濱がダイレクトでシュート(西谷がブロック)と細かくフィニッシュにまで繋げたもののゴールならず。

岐阜は上記の危機から、尚もボール保持する沼津に対し北のボール奪取を切欠にカウンターを仕掛けたもののフィニッシュにまでは持ち込めず。
押し込まれるなか偶発的な好機に賭けるという流れを強いられますが、もう一つの要因が沼津の前線のディフェンスであり。
持井がFWに上がる4-4-2の布陣が基本姿勢の沼津ですが、その持井がマンツーマン気味に西谷に付く姿勢を取るため、中々ボランチ経由での前進姿勢を取れず無駄に時間を潰していきます。

沼津は徳永のミドルシュートの連発など、攻勢をフィニッシュに着実につなげていくもののゴールは割れず。
岐阜がタッチに切った所で、21分とやや早めの段階で飲水タイムが挟まれ。

ブレイクが明けたのちも安在は右ワイドでのプレーが目立ち、23分の最初の好機では後方から一気にエリア内へロングパス、これを鈴木が走り込んでヘディングシュートに繋げ。(枠外)
やはり「偽SB」と評される戦術な以上、何処かで本来のSBとしての働きを混ぜなければ脅威にはなり得ないもの、という結論に落ち着いたでしょうか。

迎えた26分、こぼれ球をやはり右ワイドの位置から安在がダイレクトで縦パスを打ち込んでの好機、和田のポストプレイを挟んで繋ぐも再び安在の下に戻ってくるボール。
最終ラインで中央→左へとサイドを変えると、こちらも濱がワイドで受けて前進と見せかけ中央へパス。
そして菅井が遠目の位置ながら果敢にシュートを放つと、ゴール右へと豪快に突き刺さります。
両ワイドで目線を釣り、中央に出来たスペースを突く(シュートは菅井のゴラッソ気味なものでしたが)という理想的な形で先制を果たした沼津。

スコアが動いた後も、展開はさして変わらず。
反撃したい岐阜は攻撃も守備も良い所無く、無理に前進の姿勢を取ってはボール奪取から危機を招いてしまい。
34分に鈴木が反則気味にボールを奪うと、拾った濱が中央へ流れて持ち運びと、ここで本来の「偽SB」システムらしい動きで好機を呼び込み。
そして上がってきた鈴木がパスを受けて左ポケットを突くと、徳永とのパス交換を経て戻しを選択し、最後は濱がペナルティアークからシュート。
ブロックで何とか防いだ岐阜ですが、変幻自在といった沼津の矛に苦しめられ。

一方の岐阜も、文が最終ラインに残っての3枚でのビルドアップの形から、前線に運べばその文がハーフレーンを上がって来るという「偽SB」を取り入れての攻撃システム。
しかし自身が絞る事でワイドが手薄となり、ウイングが下がって守備をする沼津に対し運ぶ隙が生まれ辛い状況に陥ります。

ゲームを支配している間に追加点を得たい沼津は、43分にロングボールを合わせにいった和田が遠藤に腕でチャージされて反則に。
これで得た左からのFK、キッカー徳永のファーへのクロスを菅井が折り返して好機が生まれるも、合わせにいった鈴木がクリアした田口と交錯してしまい。
その結果反則となり警告、さらに鈴木自身が痛んでしまうという二重の被害を受けて終了してしまいます。

結局1-0のまま前半終了。
ハーフタイムで、巻き返したい岐阜は2枚替えを敢行し、北・藤岡→萩野・生地。
一方沼津も津久井→齋藤へ交代し、鈴木が逆サイドの右WGへと回ります。

岐阜はやはりボランチ経由で運べない状況を改善したかったらしく、投入された2人によるドイスボランチへと変更。
西谷がFWに回るというポジションチェンジを敢行して後半に臨みました。
広範囲に流れてパスを引き出す性質を持つ生地により、沼津の守備姿勢を崩しに掛かったでしょうか。
その狙いは概ね当たり、持井が引き続き萩野をチェックする脇で生地が動き回ってビルドアップを円滑にし。

後半6分、文のボール奪取から右サイドを前進し、細かなパスワークを経て左ポケットを突き。
荒木が安在を股抜きしてカットインを仕掛け、クリアされるも左コーナーキックで継続すると、キッカーは荒木。
ファーに向けて上がったクロスがそのままゴールへ向かう軌道となり、右ポストを直撃し跳ね返った所を、さらに新垣が追撃のシュート。
しかしジャストミートせず左へ逸れて逃してしまい。

それでも好循環は変わらず、9分に沼津のプレスを引き寄せて甲斐が速いミドルパスを送り、田口の落としを経て中央をパスワークで前進。
西谷→田口へのパスは遮断されるも、沼津が繋がんとした所パスミスが生まれ、文が拾って継続される岐阜の攻撃。
そしてパス&ゴーでエリア内へ走り込んだ文の所へ、新垣→荒木と経由し流れるボール、そして放たれるシュート。
GK武者が防がんと前に出た所を抜いて、ゴールに突き刺さり同点に追い付きます。

沼津のお株を奪うような、超攻撃的SBの働きを見せた文。
こちらも「偽SB」の立ち位置を基本としながら、後半はワイドで抜け出すシーンが目立つなど、両者を混ぜながら立ち回った結果繋がったゴールだったでしょうか。
尚も11分、左ワイドで拾った文がパス&ゴーで今度は中央へ流れ、持ち運んだ荒木のパスを受けての好機。
そして新垣を経由して右ポケットへ送られ、逆のSBである石田が上がって来てシュート(枠外)と、沼津同様に両SBが好機に絡む事でリズムを保ち。

しかしその高揚感か、前への意識を高めた結果後方では沼津のパスワークに対し激しいアタックを仕掛けるようになり、反則を量産する事に。
ブツ切りの流れを余儀なくされ、好循環も一時的なものに終わります。
そして沼津は17分、最終ラインでパスを繋いだのち一気に左サイド裏へ附木がロングパスと、疑似カウンター的なチャンスクリエイトを経て齋藤が左ポケットへ進入。
ここでさらにカットインを仕掛けて中央まで流れ、シュートを放った斎藤でしたが最後まで付いてきた甲斐のブロックに阻まれ。
そして跳ね返りを繋いだ岐阜のカウンターに持ち込まれる(シュートには繋がらず)という具合に、移籍のレールに乗っかって以降どうしても運が落ちたように見える齋藤のプレーぶり。
一方の岐阜も、ここでの好機が最後文が徳永に反則気味に止められた事で、「こっちの反則はすぐに取られるのにどうして……」という意味合いのブーイングがスタンドから沸き上がる状態に。

どちらとも言えない流れの中、22分に後半の飲水タイムに。
ブレイク明けの段階で、岐阜はさらにカードを切り遠藤→野澤へと交代。

硬直する展開とともに岐阜も流動性を失い、再びボランチ経由の攻めが出来なくなる状態に陥る事で沼津へと針が傾き。
そうなると沼津の流動的な「偽SB」システムが活き易い状況で、27分に右からの徳永のクロスを合わせにいったのは濱。(クリアされて撃てず)

このタイミングで攻勢に繋げるべく沼津ベンチも動き、30分に川又を投入。(和田と交代、同時に鈴木→柳町に交代)
すると岐阜も31分、新垣→松本へ交代とすかさず動きを見せます。
ラスト15分(+アディショナルタイム)という最終局面に相応しい采配を見せる両サイド。

どちらもフィニッシュに繋げられない攻めを繰り返し、迎えた34分、敵陣浅めでボールを持った生地は戻しを選択して攻め直し。
すると文縦パス→西谷フリックでギアを上げ、受けた田口がディフェンスに遭いこぼれた所、拾った西谷が中村に倒された事で反則の笛が鳴り。
これにより中央・エリアからすぐ手前という絶好の位置での直接FKと、とうとうゴールを生み易い状況を作り上げた岐阜。
入念に壁を作る沼津に対し、(荒木・石田・文のうち)3人の誰が蹴るか長考した結果、蹴りにいったのは石田。
しかし壁を直撃してゴール上へと逸れ、その後のCKからの攻めもモノに出来ず終わってしまいます。

交代以降やや勢いが削がれた感のある沼津、ブーストを掛けるべく38分に最後の交代。
齋藤・川又と同じく大ベテランの染矢を投入(徳永と交代、同時に持井→遠山へと交代)し、右ウイングに入りその原動力にせんとします。(柳町が前方インサイドハーフへシフト、遠山がアンカーに入り菅井が後方IHへ)

すると39分、安在の縦パスを受けた染矢がドリブルに入り、そのまま右サイド奥を突いてグラウンダーでクロス。
これはブロックされて右CKとなるも、すかさず遠山からのショートコーナーを受け、再度遠山に返したのちクロスが上がり。
これが大外に送られるボールとなると、待ち構えていた中村が合わせボレーシュート、ゴール左へと突き刺さります。
フリーとなった状況・放たれたシュートともに綺麗な絵図となった終盤での勝ち越し点に、一斉に殊勲の中村を取り囲む沼津選手。

土壇場でビハインドとなってしまった岐阜、キックオフ前に最後の交代を使用し田口→イヨンジェ。
沼津同様、Jリーグ歴の長いベテランであるイヨンジェの存在で追い付かんとします。

しかしそれに合わせるべきクロスは中々上げられず、時間を費やす岐阜。
そしてATへ突入すると、染矢の反則気味のスライディングでボールを奪った沼津がカウンターを展開し、敵陣にドリブルで持ち込んだ安在。
スピードダウンするも、リードした終盤な以上深めまで持ち込んだその意義は絶大で、その後またも染矢が奥へ切り込んでのクロスがブロックされてCKに。
そしてコーナーで時間稼ぎに入る、齋藤・川又の元代表コンビの姿はある意味壮観であり。

その姿勢を切った岐阜、最後方の野澤が対角線のロングパスを最前線に上がった石田に送るという、強引な手法ながらも前進に成功。
そして右スローインからクロス攻勢に持ち込み、尚もCK攻勢と、ゴール前にひたすらボールを送り続ける流れに。
その左CKからの二次攻撃で、生地の後方からのミドルパスを萩野が落とし、混戦から小さくこぼれた所を西谷がシュートと決定機。
しかし中村のブロックで際どく防いだ沼津が、勝利への進軍を歩む事となりました。

最後は川又のポストワークが反則を呼んだ事で敵陣深めでのFKとなり、岐阜は万策尽き。
再開後のパスワークの最中に試合終了となり、2-1で勝利を手にした沼津。
これで3位に浮上したものの勝敗が交互する状況は変わっておらず、それを塗り替える連勝は果たして実現できるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 サガン鳥栖vsサンフレッチェ広島

2024-07-24 16:32:39 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

クラブ規模が小さいながらも、かじりつくようにJ1の座を保っている鳥栖。
数少ないトップレベルの長所は、ホーム・駅前不動産スタジアムのアクセスの良さであり。

しかしこの日の相手の広島は、今季それに匹敵するホームスタジアム(エディオンピースウイング広島)を得た事で盛り上がりを見せているチーム。
このように、自身より規模の大きなクラブが優良なホームとなる事で、その長所も霞んでしまわないかという危惧を抱える状況となり。
それが指し示すように成績面でも降格圏からの脱却を狙う状態であり、何だかんだ言っても、やはり最終的には成績で巻き返さなければ話にならず。

広島のキックオフで始まると、いきなり塩谷がロングシュートを狙う(GK朴キャッチ)という法外な立ち回り。
いきなり度肝を抜く事で雰囲気を掴むのに成功し、以降攻めを続ける立ち上がりとなります。
前半5分には塩谷縦パス→マルコスフリックを受けたヴィエイラ、左からカットインを経てミドルシュート。
GK朴がキャッチして防ぎ、鳥栖がビルドアップで反撃と思いきや、縦パスを松本泰がカットして尚も広島のターンに。
そして左からの大橋のクロスの跳ね返りを、新井がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、キックオフのシーンに引き摺られるかの如く遠目から果敢にフィニッシュを放っていきます。

全体押し込まれる鳥栖、6分にヴィエイラのポストプレイを後ろから倒してしまった山﨑が反則・警告と早くも被害を出す事となり。
何とか相手の流れを遮断したいという状況で、8分にそのチャンスが訪れ、広島の攻撃を右→左へのサイドチェンジを原田がカットして攻撃開始。
スリヴカが持ち運んで敵陣でサッカーを展開する状況となり、中原が右奥を窺うと見せかけて中央から攻め、横山のミドルシュートが炸裂。
GK大迫がセーブしたこぼれ球を新井が拾い、ピンチ脱出かと思われたその刹那、あろう事かバックパスからの大迫のフィードが長沼にぶち当たった事でゴールへと向かうボール。
これをマルセロが反応良く詰めにいき、その手前で何とかパンチングで掻き出した大迫、交錯気味の絵図となりながら防ぐ事に成功。
しかしクリアをカウンターに繋げ、マルコスが一気に左ポケットまで持ち運んでマイナスのクロス(ブロック)と、攻撃権が慌ただしく入れ替わり。

いきなり落ち着かない展開を強いられた鳥栖ですが、以降はボールポゼッションを高めて反撃に掛かり。
11分の中原のカットインからのミドルシュート(枠外)を皮切りに、広島の姿勢に引き摺られこちらも遠目からフィニッシュを放つ絵図を目立たせます。
14分、スリヴカが開いた右サイドから前進し、中原の斜めの縦パスを転機にサイドを変えて左からのフィニッシュ。
即ち横山がカットインでポケットへ切り込んでのシュートで、やや近めから放つものとなりましたがこれもGK大迫のセーブに阻まれます。

広島ディフェンスは、この日はついに広島で初出場(リーグ戦で)とったイヨハが最終ラインの一角に。
これが6年間レンタルを繰り返していた男のサクセスストーリーか……と感激する暇も無く、立ち上がりは鳥栖のパスワークに振り回され喰い付き気味となっていたイヨハ。
前に出たり、ワイドに開いたりで不安を覚えるその動きも、時間が経つとともにしっかり中央を固める姿勢に落ち着きを見せ。

10分以降5本のシュートを放ち、ペースを握ったかに見えた鳥栖。
しかしそのうち4本がミドルシュートと、あくまで崩しきってはいないその攻撃。
それ故、迎えた21分にGK大迫ロングフィード→ヴィエイラフリックという単純な攻撃一本で、好機の連続で全体前に向かう姿勢へ傾いていたのかマルコスに最終ラインから抜け出され。
そしてダイレクトで放たれたシュートがゴールに突き刺さるという具合に、まさかの最短距離を綺麗に突かれての失点を許してしまいました。

23分に挟まれる飲水タイム。
ブレイクで落ち着きを見せて反撃したい鳥栖ですが、右スローインの連続での押し込みが精一杯と、先制点が攻勢の流れが途切れる格好となり。

そして広島がボールポゼッションを主体に攻め込む時間となり、それに対し暑さの所為か有効なプレッシングを掛けられない鳥栖。
敵陣での広島のパスワークに対し、サイドハーフ(中原)が最終ラインに降りて5バックでの守りを強いられているような絵図も見せてしまいます。

それでも、その姿勢が奏功したかフィニッシュを撃たせずに凌ぎ。
すると今度は鳥栖がポゼッションを確保し、パスワークで崩しを図るもフィニッシュには辿り着けないという逆の展開に。
こうしたシーソーのような状態の均衡を破ったのは広島で38分、左サイドでイヨハのボール奪取から前進し、敵陣で中央→右へとサイドを移した末に新井が奥を窺う姿勢からカットインシュート。(長沼ブロック→GK朴抑える)

これを機に終盤は激しい攻防となり、鳥栖は44分に広島の攻撃を切ったのち、GK朴の素早いスローを河原が入れ替わって前を向いた事でゲーゲンプレスを回避。
そして縦に素早く繋ぎ、スリヴカが持ち運びを経てポケットへスルーパスを送った所にマルセロが走り込むという絶好機が。
しかしこのスルーパスが長くなってGK大迫に抑えられ、精度があれば……というシーンに終わってしまいました。
その後のアディショナルタイムにも、鳥栖のコーナーキックから広島がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、攻守の入れ替わりの激しさを描きながら前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半開始、キックオフは鳥栖。
すると右ワイドからの原田のロングパスがバウンドした末に、エリア内でマルセロが反転しながら収めるという願っても無い状況が生まれます。
そして放たれたシュートがGK大迫の股を抜いてゴールネットを揺らし、開始僅か10秒という超速のゴールとなり、同点に追い付いた鳥栖。

これを機に攻守の入れ替わりはさらに激しくなり。
後半3分、空中戦を経てボールを収めにいった松本泰がトラップミスし、拾ったマルセロが一気に左ポケットを突くドリブル。
ディフェンスに阻まれCKとなるも、僅かな隙を見逃さないという攻防の幕開けとなったでしょうか。

とりわけ8分の攻防が凄まじく、鳥栖は左スローインから素早く中央→右へとサイドを変え、原田の奥からのマイナスのクロスが中央のスリヴカへ。
しかしスリヴカのシュートはミート出来ず、クリアボールをマルコスが拾って広島の攻撃に。
松本泰の持ち運びを経て、右ワイドで受けた新井がカットインからミドルシュートを撃つも、ブロックで防がれると今度は鳥栖のカウンター。
左ワイドを横山がドリブルで猛進し、カットインで左ポケットへ切り込むと、そのまま中央まで流れた末にシュート。
荒木にブロックされるも今度は拾って二次攻撃に繋げる鳥栖、左サイド最奥でマルセロが強引にカットイン、GKを引き付ける姿勢から中央へラストパス。
しかし福田はワントラップからのシュートを選択した結果、GK大迫が距離を詰める余裕を作ってしまい決められません。
頭部でのセーブという気迫の絵図を見せてこの決定機を防いだ大迫、CKの前に主審により脳震盪チェックが挟まれるも、無事に継続します。

落ち着く暇も無く、11分には広島の好機、大橋の右→左へのサイドチェンジを受けた東が左ポケットへ切り込み。
シュートはブロックに阻まれ、鳥栖が拾ったものの縦パスをすかさずイヨハが遮断し、跳ね返りを拾ったマルコスがミドルシュート。
ブロックを掠めてゴール左へ外れと、こぼれ球を拾っても安心できないという状況に陥り。

またこれまでの得点シーンのように、結局は最短距離での攻撃が有効となっていた感があり。
13分、広島の後方からのロングパスをキムテヒョンが跳ね返し、これがマルセロに直接渡った事で鳥栖の好機に。
スルーパスで左ポケットを突いたのち、抜け出して受けたスリヴカからの戻しを経て再度渡ったマルセロが中央からシュート。
GK大迫がセーブした跳ね返りを中原がボレーシュートで詰め、ゴールネットを揺らすのに成功。
しかしその刹那、スリヴカのオフサイドを告げる笛が鳴り響き、流れるようなゴールは幻と化してしまいます。

鳥栖は15分にも、右ワイドからの原田のスルーパスに走り込んだ福田がシュート(ゴール左へ外れる)と、相手の急所を突く事で決定機を迎え。
激しい展開で危うくなってきた広島、16分にマルコス・ヴィエイラ→満田・加藤へと2枚替え。(大橋がFWに回る)
先に動く事で状況打開を図ります。

前線が入れ替わった事で、それによるプレッシングの強度に難儀するシーンが増えていく鳥栖。
最終ラインからの繋ぎはプレス回避するのみで精一杯となり、また広島の攻撃を阻めずに薄くなったエリア内を突かれる状況が膨らんでいき。
19分にこちらも動き、スリヴカ→富樫へと交代したものの流れを変えられません。

そして23分の広島、一旦攻めが途切れたもののゲーゲンプレスで満田が奪い返して尚もアタッキングサードで継続。
そのまま中央からドリブルでエリア内へ切り込み、右へ流れながらシュートするもGK朴がセーブ、跳ね返りが眼前の加藤にぶち当たるも撃ちきれずと辛うじて凌ぎ。
このこぼれ球をエリア外へ跳び出してまで確保した朴ですが、その後のロングフィードで足を捻ってしまったらしく、(その後大橋シュート→キムテヒョンブロックを経て)途切れたのちに痛んで倒れ込み。
リザーブのアルナウが準備するも、1分以上掛けて起き上がりその後も継続します。

しかしこの守護神の奮闘も守勢を変えられず。
25分にクリアミス(山﨑浩のクリアが福田に当たって跳ね返り)を拾われるという形での危機と、守備の慌ただしさは継続し。
ここは加藤のエリア内でのシュートをブロックして防ぐも、こぼれ球をクリアにいったキムテヒョンが空振りした事で尚も続く広島の攻撃。
右ワイド奥で拾った新井がポケットへとパス、受けた松本泰がカットインの姿勢からファーを狙ったシュートで、その綻びを綺麗に突くゴールゲット。
山﨑浩の必死のブロックも及ばず、とうとう均衡が破れたと同時に飲水タイムが採られました。

反撃したい鳥栖ですが、ブレイク明けは既に残り20分を切っているという段階で、体力面はどれだけ残されているかという不安が露わになり。
それを示すかのように、31分にエリア内で足でクリアしたキムテヒョンが攣らせてしまい、そのまま担架で運ばれ交代となり。
その準備の間も10人での凌ぎ(原田がCBを埋め、福田が右サイドバックに)を余儀なくされ、東のシュートを原田がブロック。
これによりCKとなった所でようやく交代に漕ぎ着けます。(上夷と交代、同時に中原→堀米へと交代)

数的同数となり、攻勢の流れを作りたい鳥栖。
36分、右サイドから原田のクロスが上がると、中央でマルセロが足で跳び込むも惜しくも合わず。
しかもその奥で合わせにいった横山が、勢い余ってゴールポストに激突してしまい倒れ込み。
泣きっ面に蜂という状況でしたが、何とか横山は無事に済み。

後方の守備は依然として盤石では無く、40分に満田が無回転でミドルシュートを放つもGK朴がセーブ。
尚も、攻めようとした所をイヨハのカットで矢印を反転させられ、松本泰がエリア内へ小さく浮き球を送った所に大橋が走り込み。
しかしシュートにいって振られた脚は空を切り、何とか命拾い。

41分に最後の交代を敢行する鳥栖、先日(セレッソからレンタルで)補強した清武を投入。(横山と交代、同時に福田→手塚へと交代)
これで敵陣での細かなパスワークが主体となるも、崩しきるに至りません。

逆に42分、広島は右裏へのロングパスを受けた満田から組み立て、戻し→スルーパスで奥を取った加藤がグラウンダーでクロス。
ニアでの東のスルーが綺麗に繋がり、大橋のシュートがゴールに突き刺さります。
この時間帯での追加点で、実質相手の勝利の可能性をゼロにする広島。

鳥栖は45分に手塚のミドルシュートがゴールを襲った(GK大迫セーブ)ぐらいで、1点差では無い事で逆に尚も冴え渡る広島のハイプレス。
その後も遮断されては薄い守備を突かれるの連続で、とてもじゃないが点を返せる雰囲気は膨らまず。

そしてATも+5分となった所で、GK大迫ロングフィード→クリアボールを塩谷が裏へロングパスと、再び手数少なくアタッキングサードを突く広島。
右から満田のクロス→左から志知(東と交代で出場、45分)のクロスと右往左往するボールを経て、中央で拾った満田がエリア内へ切り込み。
疲弊した鳥栖ディフェンスに止める術は無く、放たれたシュートがゴール左へと吸い込まれます。
ダメを押し、無事に勝利確定に至った広島。

結局そのまま1-4で試合終了。
かたや優勝に望みを繋ぎ、かたや降格圏へ転落という明暗が分かれた一戦となりました。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第22節 ツエーゲン金沢vsヴァンラーレ八戸

2024-07-23 16:01:10 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 金沢は、山本が累積警告により出場停止。

夏の移籍市場の渦中で、J3にも容赦なく襲い掛かって来る弱肉強食の嵐。
それに呑まれるかのように、八戸は大型FWのオリオラ・サンデーがよりによって首位クラブの大宮に引き抜かれる(あくまでレンタルなので保有権はJ2の徳島)有様となり。
現在J1首位の町田のJ2時代(バスケス・バイロンの引き抜きとか)を彷彿とさせる、ライバルクラブからの戦力補充ならびに削ぎ落す手法。
エグいの一言に尽きますが、大宮が今後レッドブルの後ろ盾の下強者として昇り詰めていけるのかどうか。

そんな大宮と立場的に同一の降格クラブである金沢も、やはりこの夏に戦力補強に努め。
とはいえこちらは平に熊谷アンドリューと、上位カテゴリで出番が無い選手が主であり。
最大の目玉がフリーとなっていた西谷和ですが、彼も訳あり物件的な選手であり兄の西谷優との再会により、その(監督と対立して放出という経緯の)負の部分の払拭がまず求められる選手。
もう一花、という選手の終結をチーム力に還元し、激化する昇格争いを制するのに繋げられるかどうか。

その西谷和を、加入2試合目でスタメン起用してきた伊藤彰監督。
それでも、左シャドーをワイドに張らせるという戦術面を何ら変わり無くこなせる存在なので違和感は無く。

しかし立ち上がりから両翼の圧を活かして来るのは八戸。
(放送席による)注目選手に挙げられていた右の音泉は言うに及ばず、前半4分には左の稲積もドリブルで奥へ切り込んでクロス。
これにニアサイドで佐々木が頭から跳び込み、合わずに終わるもののそのクロス攻勢は終始脅威となり得ました。

ハイプレスに特化した八戸が相手という事で、金沢も地上からの組み立ては冴えず。
唯一最終ラインが幅を広く取ってパスを繋ぐ事で、八戸サイドもプレスの距離が長くなり華麗なボールゲインからのショートカウンター、とは中々いかないのが救いだったでしょうか。

お互い長所が出にくいという試合展開で、必然的に金沢は土信田・八戸は佐々木という、ターゲットへのロングボールによる攻撃の割合が増え。
12分には八戸のゴールキック、その佐々木へのロングフィードが彼を越えて流れ、拾った安藤が左奥へ突撃。
そして上がったクロスを山内がヘディングシュート(枠外)と、それ故にターゲットに合わないという選択肢も逆に冴え渡る事となり。

16分、金沢の攻めが途切れた所、八戸の最後方からの縦パスを西谷優がカットして再度攻撃に。
そして右から小島のアーリークロスが上がり、ニア寄りで土信田が足下で前方へ叩いた所を梶浦が拾って奥へ切り込む好機に。
しかし近石の寄せもあり、角度の無い所から放たれたシュートをGK大西がセーブ。
こちらも土信田をサポートするような梶浦の切り込みは効いていましたが、全体的には盤石の流れとは言えない攻撃。

23分に飲水タイムが挟まれ、どう変わるかという第2クォーター。
すると八戸の持ち味が徐々に発揮され、27分に柳下が前に出てパスカット成功、そのままスルーパスを佐々木の足下へ通し。
そしてエリア内を突いてシュート(枠外)と、ショートカウンターで一閃という流れを膨らませに掛かり。
33分にも柳下のボール奪取が起点となり、前澤のスルーパスに音泉が抜け出すも、GK上田が好判断の跳び出しに阻まれ実らず。

その一方で、良い流れが出来上がった事で、ボールを持った際は地上での前進を試みるシーンが増える八戸。
しかしこちらの面では見るべきものは少なく、さしたる好機を生む事無く時間が経過していきます。

40分、金沢のパスミスで再度ショートカウンターの好機が訪れる八戸。
拾った安藤がそのまま持ち運んだものの、タッチが大きくなった所をクリアした畑尾を削ってしまう結果となり、警告も貰って終了に。
これにより好循環が途絶えたか、続く41分に物議を醸すシーンを作ってしまう事となり。
金沢が土信田狙いのロングボール→梶浦が拾い前進という前述のパターンによる攻撃に入った事でそれは発生し、梶浦のドリブルを近石がスライディングで倒して止めるも、西谷和が拾って継続。
すると梶浦は素早く起き上がって左サイドのパスワークに加わり、ボールキープする所を柳下に倒された所で反則の笛が鳴り。
すると柳下が謝罪の意味合い(傍らからではそう見えた)で梶浦の頭部を触ったものの、それが思いのほか強かったからか逆に梶浦をいきり立たせる結果となってしまい、次の瞬間柳下を押し倒す梶浦という絵図に。
騒然となるピッチ上でしたが、何とか主審の下制止されてそれ以上の被害は齎さずに終わりました。
ここでどちらにもカードの類が出なかった事が幸いで、ナイスジャッジとも言えたでしょうか。

ともかく、これにより得たフリーキックを切欠に、残り時間は金沢が(小島のロングスローも使いながらの)セットプレーで押し込む流れとなり。
一度は途切れるも、アディショナルタイムに入って再度金沢が土信田狙いのロングボールによる攻め。
このこぼれ球を近石がヘッドでGKに戻した所に、猛然と走り込んだ土信田によりGK大西はセーフティに蹴り出しを選択。
ここからスローイン→CK×2と、最後までセットプレー攻勢を続けた金沢でしたがモノに出来ず。
前半はスコアレスに終わる事となりました。

共に交代は無く迎えた後半、最初の好機は金沢で後半1分の右スローインから。
ここも投げ込まれたボールを土信田が足でフリックし、受けた梶浦がカットインと、ターゲットと衛星のコンビでポケットを突く攻め。
クロスがブロックされて右CKと、前半同様のやり方でペースを握らんとする金沢。

しかしこの金沢のCKからの攻めを切った八戸、カウンターこそ防がれるも左スローインを素早くリスタート、抜け出してこれを受けた永田の単騎突撃。
そのまま左ポケットへ切り込みシュート(枠外)と、勢いを持った攻撃により八戸のターンが幕を開ける事に。
後半はこの永田の切り込みが軸となり、4分には左ワイドを奥へ切り込んでクロスを送り。
ニアで跳び込んだ佐々木には合わず、大外で音泉が脚で合わせるも枠を捉えられず。

一方の金沢は、伊藤監督が甲府時代多用していた、「3バックの中央が一列上がる形でのビルドアップ」の色を強めに掛かり。(前半も何度か試みられていたが目立たず)
良くないボール保持の流れの改善を図ったのでしょうが、結局大した成果は生まれる事無く。
前に出る畑尾にはお構いなしで、後ろに残る2人に対しハイプレスを掛ける八戸。
それにより殆ど攻撃機会が訪れず、八戸のターンに拍車がかかります。

11分には前澤のパスカットから、またも永田がドリブルで左ポケットを突く好機。
今度は奥まで切り込んでのシュートを選択しましたが、これも枠外に終わり。
15分には再度左ワイドへ切り込んでクロスを上げる永田、跳ね返りを柳下がミドルシュート(枠外)と、苛烈に攻め上がり。

後半最初の15分間でシュート数は0対7と、圧倒的に攻め込まれる金沢。
永田のような突破力を発揮したいのは西谷和だったでしょうが、結局ままならないうちにお役御免となり。
20分に杉浦に交代(同時に大山→熊谷へ交代)と、本領発揮にはまだ時間が掛かりそうな内容となりました。

熊谷の投入で中盤を締めに掛かった金沢は、その通りに八戸の攻撃機会を減らし。
しかし自身での攻撃も相変わらずで、繋ぎにも精度を欠き有効打を放てず。

八戸がペースダウンを強いられた事で、やや醜悪な絵図が目立つ結果となったでしょうか。
23分に右から音泉がクロスを上げ、合わせにいく佐々木の前で畑尾にクリアされると、そのまま両者交錯した結果佐々木がエリア内で倒れ込む事となり。
しかし尚も八戸の攻撃が続いた事で途切れず、動けない佐々木を余所にそのエリア内でボールをキープするという状況が訪れ。
安藤のクロスの跳ね返りを確保したという所でようやく試合が止まり、そのまま飲水タイムの運びとなります。
それでも佐々木は倒れたままでしたが、何とか1分半程掛けて起き上がり。

ブレイク明けの段階で、金沢は再度選手交代。
土信田→加藤大樹へと交代し、1トップには杉浦が回りました。

しかし流れはそのまま継続される事となり、即ち選手の交錯シーン。
26分、自陣でボールカットした西谷優が前澤のアフターチャージを受け、そのまま交錯して両者倒れ込み。
継続され敵陣でボール保持という状況になった金沢ですが、前述の事もあり流石に攻撃を止め。
前澤に警告が付き出されるも、その前澤の方が長く倒れ込む結果となり、そのままピッチ外→復帰という運びに。(警告が出たため西谷優はそのままピッチ内に)

中々攻撃の環流が出来ない金沢ですが、29分に一列前の畑尾から縦パスが左ワイドに送られると、受けた加藤大が杉浦とのパス交換を交えてカットイン。
そしてそのまま左ポケットからシュートを放ち、近石にブロックされるも左CKで継続。
クロスの跳ね返りから熊谷がミドルシュート、地を這う軌道で狭い所を抜かんとするも、ゴール前でブロックされ跳ね返り。
更に加藤大がミドルシュートを放つもこれは枠外と、ようやくフィニッシュを重ねる流れに持ち込み。

直後に八戸もベンチが動き、安藤・佐々木→妹尾・雪江へと2枚替え。
既にJ3では知名度の高い特徴ある2人の投入(妹尾は独特の推進、雪江はDF登録のFW)で、均衡を破りに掛かり。
長所といえば、この日は柳下が前線に絡むプレーが少なかった風に映りましたが、前半の醜悪なシーンを受け自然と自嘲気味になっていた感があり。

1トップが杉浦に変わった金沢ですが、35分に毛利ミドルパス→杉浦脚でフリック→梶浦スルーパス(その後加藤大が左ポケットを突くも撃てず)という具合に、その脇を固める梶浦のやる事は変わらず。
そしてその関係性が最高の結果を齎す事となり、37分庄司のロングパスを杉浦が前へ落とすと、綺麗に最終ラインの裏を取った梶浦が拾いエリア内へ突撃。
蓑田の追走も受けながら、そのままドリブルでGK大西を左にかわしにいった梶浦、その結果大西の腕に引っ掛かる形で倒れ。
たまらず反則を告げる笛が鳴り響き、PKに結び付く事となります。

殊勲の梶浦ですが、その代償は大きく長らく倒れ込み。
足を痛めてしまったという絵図に偽りは無く(皮肉にもその後の負傷交代で証明され)、2分以上掛けてようやく起き上がります。
キッカーは加藤大で、その姿勢に報いるべき大事なこのPKをゴール右へ蹴り込み。
GK大西は触れるも弾き返せずゴールゲット、しっかりモノにして先制を果たした金沢。

キックオフの前に永田→上形に交代(既に36分に音泉→國分に交代)と、ビハインドを跳ね返す交代策を敢行する八戸。
その最初の攻めが途切れた所で梶浦が再度倒れ込み、担架で運ばれて交代を余儀なくされる金沢。
嶋田を投入、同時に毛利→平に交代して5枚のカードを使いきりました。(この際にフィジカルコーチの坂本哲也氏に警告が出たようだが詳細は判らず)

終盤の負傷シーンから、ATは7分と長丁場となりましたが、立場上八戸は苦しいものとなり。
自陣で守備を固める金沢に対し、前半のシーンから主体的な攻撃に難が見られる八戸は崩しの術を持たず。
出来る事はロングパス→雪江フリックによる乱戦に持ち込む事ぐらいで、長い目安時間をむざむざと浪費してしまいます。

逆に金沢が決定機を迎え、小島のボール奪取で矢印を反転させると、薄い八戸ディフェンスを嘲笑うかのようにパスワークで翻弄しての前進。
そしてエリア内へのスルーパスがフリーの杉浦に供給されましたが、放たれた杉浦のシュートはゴールバーを直撃して跳ね返り。
歓喜を呼び込む追加点は生まれなかったものの、勝利への進軍は乱れる事は無く。

そして1-0のまま試合終了となり、難敵を下して勝ち点3を得た金沢。
試合内容が示す通り、苦難の道を歩みながら昇格というゴールに辿り着く、となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第24節 アビスパ福岡vs東京ヴェルディ

2024-07-22 16:00:21 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは、山田楓喜が2試合出場停止(危険行為による一発退場)の2試合目。

ともに、守備を固めるべく3バックへと移行したチーム同士の対決。
福岡は前年からですが、ヴェルディは今季のリーグ途中での移行となり。

今季J1に上がって来たヴェルディは、その運動量激しいプレッシングサッカーにより、試合終盤まで勝敗が安定しないという試合の連続を強いられ。
それ故に、J2規模の予算という問題が織り成すクオリティ面でも一段劣るなかで、その移行はある意味必然といった所でしょうか。
以降そこそこ安定して勝ち点3を拾えるようになり、いかにも理想を捨ててのやり繰りに定評ある城福浩監督が率いるクラブらしさを醸し出していますが、これにより生まれるこの日のような厳しいミラーマッチを制さなければ上位進出は難しく。

福岡はヴェルディのキックオフからの攻めを切った後、最後方からのロングパス→落としで裏狙いという初手を経て、続く前半2分。
右サイドで小田戻し→亀川1タッチでミドルパスという手法でアタッキングサードを突く攻撃を見せるも、紺野のサイドチェンジから左での攻撃は不発に終わり。
5分には再び小田の戻しから亀川が1タッチで縦パスと同様の手法で、受けた紺野が溜めを作り逆サイドへ展開。
そして宮がアーリークロスを入れると、中央で佐藤凌がヘディングシュート(枠外)と、判り易い狙いを見せた立ち上がりとなり。

しかしその間にも、4分にヴェルディがこぼれ球に対する山見のスルーパス一本で決定機を迎え。(左ポケットに走り込んだ木村の戻しから山見がシュート、GK村上セーブ)
攻めの流れを構築する間に失点しては、決して主体的な攻撃に長けたチームでは無い福岡だけに苦しくなるのは明らかであり。
11分に再び、右サイドでの前進の姿勢から戻しを経て亀川が左サイド裏へロングパスと、亀川が起点+サイドチェンジを混ぜ合わせるような攻めで好機。
これをポケット奥で受けた岩崎、ワイドに流れてのボールキープを経て、先程と同様の位置にまで戻ってのクロス(佐藤凌の前でGKマテウスが抑える)とあくまで角度を付けたアーリークロス(に加え、古巣対戦となる佐藤凌のヘッドで)で勝負したい感じにも見えました。

そうした立ち上がりを経て、以降正攻法を取るかのように、紺野の流動性を利用して右サイドからの攻めを繰り返す流れとなる福岡。
下がり目でボールを受ける紺野に対し、ヴェルディサイドは(谷口が喰い付かないため)誰がチェックするのか曖昧で、流れの中で見木・山見がマークの受け渡しに難儀する場面も散見されます。
13分には左サイド裏へ宮がロングパス、セカンドボールを拾っての攻撃で左に流れてパスを受けた紺野。
ボールキープで中央に流れて右へ展開し、パスを受け直した紺野はクロスのようにミドルパスを最終ライン裏へ送り、そこに岩崎が頭から跳び込むも僅かに合わずとなり。

主体的な攻めの形を構築したかに見えた福岡でしたが、以降ヴェルディがプレスを控えめにして構える姿勢を取ると、途端にその流れは萎み。
ボールを持たされると何も起こす事が出来ないという特性通りの絵図を描くしか無く、22分に(染野が痛んだというタイミングで)前半の飲水タイムが挟まれます。

再開後、初の好機を得たのはヴェルディで25分、左ワイドから翁長の斜めの縦パスから木村フリック→見木スルーパスで裏を取り。
素早く反転してこれを受けた木村、そのまま左ポケットへ進入してシュートと、4分の決定機に近いシチュエーションでのフィニッシュとなったもののGK村上の足でのセーブに阻まれます。
ここから徐々にヴェルディが流れを作る時間となり。
福岡がターゲットを狙ったロングボール一辺倒となるのを尻目に、簡単にボール権が訪れるヴェルディ。
30分過ぎからアンカーの齋藤を軸に長らくポゼッションを続け、染野が降りてボールを受けるという序盤の福岡・紺野のような立ち回りを混ぜながらパスワークで前進。
そして齋藤ミドルパス→木村胸で落としを経て染野がミドルシュートを放った(枠外)のが32分と、長いボール支配によりゲームも支配するに至ったでしょうか。

ターゲット役の佐藤凌がガッチリマークされてロングボール攻撃が通用しない福岡。
止むを得ず地上から繋がんとするも、36分に田代が木村のプレッシャーを受けてパスミスを余儀なくされてショートカウンターに。
染野の浮き球パスを受けた齋藤が溜めたのちにミドルシュート、地を這う軌道でゴールを襲うもエリア内で田代がブロック。
何とか防いだ福岡ですが、次の矢を防げる保証は何処にも無い……という流れに。

一方ヴェルディのロングボールによる攻撃は、ボールポゼッションにより福岡のプレッシャーを呼び込んでのものが多く。
それにより有効打にも繋がり易く、先制点にも結び付く事となります。
38分、GKへのバックパスから送られたマテウスのロングフィード、木村が合わせにいき跳ね返されるも染野が拾って継続。
すると福岡の守備が薄い状況(小田の戻りが遅れて手薄といった観た感じ)が出来上がり、パスを受けた見木がゴールに迫るとともに二択も迫り、亀川が前に出てきたタイミングでエリア内へラストパス。
そして左ポケットで受けた山見がシュート、近似したポイントから放たれた三度目の正直のフィニッシュでゴールネットを揺らしました。

立ち上がりから攻め上がった福岡でしたが、結局は攻撃の流れを構築しゴールを奪ったのはヴェルディという展開に。
そんな現実を見せ付けられると、以降福岡は一層ロングボールへと偏重していき。
佐藤凌がマークされている状況は不変であり、高めに上げた小田をターゲットにするボールを送り続けるも、然したる効果は生まれず時間を潰していきます。

そしてヴェルディは一層ボールポゼッションを高め、福岡の攻撃機会を減らしに掛かり。
ハイプレスで対抗しにいく福岡ですが、GKマテウスの多彩なパス・フィードも冴え渡り奪えず仕舞い。
巧みにプレスの間を通されては前線に運ばれるの繰り返しで、以降ヴェルディの思惑通りに全く攻撃権を得れなかった福岡。
0-1のまま前半終了を迎える事となりました。

福岡は当然流れを変えなければならないハーフタイム。
早くもシャハブ・ザヘディの投入に踏み切る事となりました。(重見と交代、佐藤凌がシャドーへ回る)

そして始まった後半、キックオフとなった福岡は前半同様に宮ロングパス→小田裏へ落としという手法で、ザヘディを走らせるも惜しくも繋がらず。
しかしヴェルディもその直後にGKマテウスからロングボールで攻め、セカンドボールを拾い継続と前半同様の流れを維持。
そして見木のミドルシュートにまで繋げ、福岡は亀川がブロックして防ぐもコーナーキックとなり。
この左CKからも、キッカー山見の(ショートコーナーを挟んでの)クロスをファーサイドで木村がヘディングシュート(叩きつけるもバウンドして枠外)と、早くも後れを取らされます。

攻撃権を確保しても、ザヘディ・小田狙いのロングボールを送る攻撃しか出来ない福岡。
後半6分に、前半の立ち上がりのように右サイドの裏を突くも、戻しを経てのパスワークの際に前のパスがズレてしまいボールロスト。
直後に前が取り返し、自らミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。
その後も前のパスは乱れがちで、精度を欠く状況では主体的な攻めを繰り広げる事は出来ず。
9分にはGK村上のロングフィードを、クリアにいった谷口のキックミスで佐藤凌に渡る好機が偶然ながら生まれます。
しかしザヘディが左ポケットへ切り込むも宮原に奪われ、ザヘディがその宮原に反則を犯してしまいフラストレーションを溜めるのみとなって終了となり。
相手のミス待ちによる攻撃を繰り返しては流れが来るはずも無く、また追い掛ける立場のチームがそれでは見所にも欠ける展開を強いられる事となり。

そしてロングボールでの攻防により膨らむ反則。
佐藤凌への徹底チェックにより、繰り返し反則を犯してしまった綱島が警告を受け。(12分)
尚も14分、宮のロングパスを左サイド奥で佐藤凌が収め、やっと有効打になるという所でまたも反則を犯してしまった綱島。
2度目の警告の危機と思われましたがここでは何とか命拾いとなり。
ここからフリーキックによる好機となった福岡(クロスも反則で終了)ですが、あくまで乱戦による副産物であり。
ヴェルディは被害が出てしまった事で、その綱島に代えて松橋を投入します。(16分、宮原が右センターバックへ回る)
一方すかさず福岡も、この日不調気味の前に代えて平塚を投入。

交代により展開も落ち着き、やはりヴェルディのゲームコントロールの時間となり。
木村狙いの浮き球パスを巧く使いながらボールを確保し、着実に相手の攻撃機会を削っていき。
福岡もハイプレスで阻みにいくものの、その際の22分に相手のロングパスを頭部でブロックした佐藤凌に脳震盪の疑いが発生。
そしてそれを機に後半の飲水タイムが採られる事となります。(佐藤凌は無事にプレー継続)

ブレイク明け、このままでは駄目なのは明らかな福岡が布陣変更。
4-4-2へとシフトし、CBから削られた亀川は左サイドバックに回り。(右SBは小田)
右=紺野・左=岩崎のサイドハーフに、ザヘディ・佐藤凌の2トップとして、ミラーゲームの状況から脱却します。

26分、ポジションチェンジした亀川を軸に左サイドで繋ぐ福岡、岩崎が奥を突くと見せかけて戻しを経て中央へパス。
そして受けた小田がミドルシュート(エリア内で谷口ブロック)と、やっと後半初のフィニッシュに辿り着き。
27分に佐藤凌→鶴野へと代えると、佐藤凌が退いた事で地上から繋ぐ覚悟も備わったでしょうか。
ポゼッションを高め、敵陣でサッカーを展開する時間を増やしていきます。
しかし鶴野のポストプレイにザヘディが反応出来なかったり(30分)、岩崎が亀川のパスを収められなかったり(31分)と、アタッキングサードで生まれるミスによりシュートを撃てず。

一方ヴェルディも32分に動き、森田をボランチに投入。(山見と交代、同時に木村→山田剛綺へと交代、見木がシャドーに回る)
とうとう攻撃権を支配される状況となった事で、中盤の底を整えて改善しに掛かったのは明白であり。
それが為される前にカタを付けたい福岡は、34分岩崎のアーリークロスの跳ね返りを拾い、紺野がチャンスエリアでボールキープ。
そして中央バイタルからミドルシュートを放つも、投入したての森田のブロックに阻まれ同点ならず。

その後はヴェルディの目論見通りにイーブンな展開にされ、作る好機も遠目からのアーリークロスに終始する福岡。
流れを変えるべくの最後の交代は39分で、亀川→北島。
北島が右SBに入る事で、小田を最前線に持っていくという奇策を敢行します。(以下鶴見が左SHへ、岩崎が左SBへ玉突き的にシフト)
ヴェルディも同時に、翁長・齋藤→千田・稲見へと2枚替え。
こちらも宮原が左ウイングバックへ、松橋が左シャドーへ、見木が再度ボランチへシフトと激しいポジションチェンジが絡み。

フィジカルを強化し、逃げきるという体勢なのは明白なヴェルディ
しかしパワーサッカーへの変節か、42分にクロスに合わせにいったザヘディと、その思惑の下投入された千田が頭部同士激突する事態に。
倒れ込んだ千田に脳震盪の疑いがかかるも、他方ザヘディのこめかみから流血が発生と双方傷が付いてしまい。
千田は1分程で起き上がり、ザヘディも治療を経てともにピッチに復帰します。

しかしヴェルディは、その後染野にも脳震盪の疑いが。
これにより特例での交代で、6枚目のカードを切る事が許されてチアゴ・アウベスを投入します。

負傷続きで荒れ模様となったまま、アディショナルタイムへ突入するもその目安は9分。
最後のパワーを持って攻め上がる福岡に対し、防がんとするヴェルディですが左奥での鶴野の切り込みに対し(稲見が)反則で止めるという具合にその流れを払拭出来ません。
左ワイド、とは言ってもエリアラインすぐ脇からのFKと、これをモノにしたい福岡。
(北島の)直接シュートをチラつかせながら、上がった紺野のクロスは速いボールとなり、ニアで宮が合わせたものの当てるだけとなってしまい。

その後も(GK以外)全員敵陣に進入して攻め上がり、田代のアーリークロスをザヘディが合わせたものの、治療のために被った帽子の所為かジャストミート出来ず。
それ故に以降帽子を脱いでプレーしたザヘディ、その執念も実らせられません。
それでも後方から岩崎のラフなロングパスが送られると、またもヴェルディのクリアミスが絡んで小田がボール確保。
そして絶好のミドルシュートのレンジに入ったものの、放たれたフィニッシュはジャストミート出来ずに終わり、GKマテウスに抑えられます。

ここからヴェルディがボールキープする時間を作り、着実に進んでいく時計に対し焦りを隠せない福岡。
山田剛のロングパスを右奥で受けたチアゴが、時間稼ぎと見せかけて右ポケットへ切り込み、切り返しの連続を経てのカットインシュート。
このシュートはGK村上が何とか足で防ぎましたが、左CKとなった結果、コーナーで時間稼ぎに入らんとする所で試合終了の笛が鳴るに至りました。

どちらも相手の良さを消すのが特徴で、動きの少ない試合を証明するかのようなウノゼロでの決着。
勝利したヴェルディも、このままこのスタイルの維持でJ1定着するには個性が埋没しそうな感がありますが、昇格による収入増でクラブ規模拡大を果たせた際にはどうなるか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第24節 ジェフユナイテッド千葉vsロアッソ熊本

2024-07-21 15:05:09 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(21節・栃木戦、1-2)
※前回の熊本の記事はこちら(22節・愛媛戦、4-0)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 高橋が累積警告により出場停止。
  • 天皇杯3回戦(FC東京戦、2-1(延長))からの継続スタメンは松田・日高・林の3人。佐々木・田口・田中・高木・小森が途中出場。(但し3戦連続スタメンは無し)
  • 山越がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、今節から登録されベンチ入り。
  • 小川がJ1・磐田からレンタルで加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 熊谷アンドリューがJ3・金沢へ完全移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 21節で試合前に負傷した鈴木大輔の詳細が発表され、6/25に手術実施して全治約6か月との事。

<熊本スタメン>

  • 唐山がJ1・ガンバから育成型レンタルで加入し、今節から登録され即スタメン出場。
  • 道脇が海外移籍準備のためチーム離脱。

飛び級でプロで場数を重ねている神代が絶賛ブレイク中という今季の熊本。
とはいっても9節(長崎戦、3-4)以降得点無しと、その高い壁も経験している最中ですが。

その先駆けとなった道脇が、先日海外移籍の錦の下チームを離脱。
飛びぬけた才能を持つ若武者の夢溢れる飛躍……といった所でしょうが、実績では年下の神代に後れを取っていた感のある道脇。
それは潜在能力が目に留まった故の事か、早く跳び立ちたいという焦りからなのかはやや不透明で、今後の道のりはいかに。

話を戻すと、その道脇の穴埋め的に、ガンバから唐山を加入させて即スタメン起用の運びとなった熊本。
これが3度目の育成型レンタルと、(ガンバに)戻っては壁にぶつかって……の無限ループに陥っている感がありますが、上記の熊本の独自路線のレールに乗る事で化学反応は起こるでしょうか。

中断前の一戦は、千葉のホーム・フクダ電子アリーナへ乗り込んでのアウェイ戦。
昇格争いの渦中かつ、負傷者・補強選手・天皇杯という要素で前節から大幅にメンバーを弄って来た千葉は何処と無く不安定な立ち上がり。
前半5分に佐々木が後方からドリブルで持ち運ぶも、センターサークル辺りで熊本ディフェンスに囲まれた末に奪われてしまい。
そして矢印を反転させる熊本、細かな繋ぎから唐山がドリブルに入り密集を脱出させるも、エリア手前でディフェンスに阻まれシュートには持ち込めず。
不発に終わったものの、これにより唐山に長所が発揮されるレールが引かれた感があり。

千葉はそうはさせじと、縦に速い攻撃、即ち田中のスピードを活用する手法を駆使してゴールを狙い。
7分にはその田中の右からのクロスを、ニアで林が合わせてのヘディングシュートで、対角線を巧く突いたもののゴール左へと外れ。
良い流れを築いたと思ったら、9分には小川のパスカットを拾った佐々木が遠目からシュートを狙う(枠外)など、この日もとにかく早く攻めるという一本調子ぶりが目立ちます。

そして守備でも、熊本のショートパス攻勢に翻弄される流れとなり。
加入した唐山は自身で持ち運ぶ際にも、対面の選手の喰い付きを呼び込んだのちパスを送るという具合に、熊本のパスワークにしっかりフィットしたようであり。
10分にはその流れでパスを送り、伊東のレイオフを受け直してミドルシュート(ゴール上へ外れ)と、自身のフィニッシュにも繋げ。

徐々に劣勢感が露わになる千葉。
16分に熊本が(地上でのパスを足下で)フリックするも繋がらなかった所を、すかさず品田が縦パス一本でひっくり返し、林がエリア内で受けてそのままシュート。(江﨑がブロック)
やはり対抗姿勢は縦に速い攻め、という事を象徴する好機を生み出します。

しかし飲水タイム(23分)が挟まれると、しっかりしたスタイルを持つ熊本へと針が振れ始め。
28分熊本の最終ラインからの繋ぎにハイプレスを掛ける千葉ですが、左サイドで下がって受けた小長谷が切り返しで、前に出てきた小川を剥がしてからの前進でビルドアップ成功。
(小長谷戸入れ替わりで前に出ていた)豊田のポストプレイを挟み、受けた石川がカットインで中央まで流れてミドルシュート。(ブロック)
その後もひとしきりコーナーキックからゴールを脅かしたのち、32分に今度は右サイドで唐山が降りてパスワークに加わっての組み立て。
そこから大本のスルーパスに抜け出した伊東が右奥を突き、マイナスのクロスをニアで受けた唐山がポストプレイ、大本がカットインからエリア内中央でシュート(品田がブロック)と、地上からの変幻自在な繋ぎで翻弄していきます。

その熊本の立ち回りを強化させる存在となっている唐山。
右サイドでロングボールのターゲットにもなる(36分、大西のロングパスをフリックして好機)など、何でも出来る役としての風格も漂い。
その後も股抜きパスで千葉のプレッシャーを剥がす(38分)、中央に絞ってチャンスエリアでパスを受けて突撃する(40分)という具合に、その一挙一動に目が離せなくなるシーンは枚挙にいとまが無く。
これまでの苦難が滲み出るような移籍歴を経て、ようやく居場所を見つけた感があり、今後かつての平川(現磐田)のようなブレイクといくかどうか。

そんな新戦力の力もありペースを掴んだ熊本ですが、それを決定付ける先制点は奪えずに前半が終わり。
スコアレスでの折り返しとなり、順調な攻めを続けながらも得点出来ない流れに不安も過りかねないという展開に。

しかし始まった後半、それを払拭させるように前半同様のパスワークで攻める熊本。
3バックが幅を広く取る事による繋ぎで千葉のプレッシングも無効化させ、第一プレッシャーを剥がせば後は引き付けてスペースを作って運ぶ、の繰り返し。

後半2分、その作業でチャンスエリアに運んだ所、小長谷がエリア内へ突撃せんとする所を品田に倒されて反則。
これでエリアからすぐ手前での直接フリーキックと、先制点を挙げるにはこの上ない好機に持ち込みましたが、小長谷の直接シュートは壁を直撃してしまい実らず。

良い所が無い……という程ではない千葉ですが、遠目からのフィニッシュが目立ち今一つに映った前半。
折角プレスを嵌めてカットしても、その後の繋ぎに精度を欠いてショートカウンターの場面を活かせないなど、どうしても熊本のパスワークと対比させられる絵図を描いてしまい。

そして9分、左サイドで豊田の果敢なアタックによるボール奪取から、縦に速く運ぶパスワークでサイドを移しながら芋づる的にディフェンスを剥がしていく熊本。
最後は唐山のドリブルからのスルーパスを経て、大本がグラウンダーでクロスを入れる(クリアされる)という具合に、千葉の十八番であるハイプレスのお株を奪うような好機。
これで勝負ありと言わんばかりに続く10分、右→中央→左へとサイドを移すパスワークを経て、小長谷のアーリークロスがエリア内へ。
そして裏に抜け出す動きを経てバックヘッド気味に合わせたのは石川で、前に出てきたGK藤田和の逆を突いてゴールネットを揺らし、とうとう均衡を破ります。

無事に先制を果たした後も、その姿勢を変えずに攻め込む熊本。
14分、再び唐山がドリブルで田口を引き付けたのちにスルーパス、右奥を突いたのちにパス交換を経て伊東のクロス(ブロックを掠めてファーに入るも撃てず)という具合に持ち味は衰える事無く。

一方とうとうリードされてしまった千葉。
このまま手をこまねいているはずも無く、14分に一挙3枚替えを敢行する小林慶行監督。
品田・高木・田中→横山・ドゥドゥ・岡庭へと交代(いずれも同ポジション)し、駒を代える事で流れを手繰り寄せに掛かります。

熊本が再三見せている「敵を引き付けてスペースを作る」という意識は、千葉サイドも小森が降りてボールを受ける事で果たされてはおり。
小森に対し江﨑が激しく喰い付く事で、隙は十分にある筈ですがそれを突く好機は中々生まれず。
17分、その流れから戻しを経て左サイドで前進、佐々木縦パス→林ポストプレイで中央で受け直した小森が右へスルーパス。
しかし岡庭へのボールは長くなって繋がらずと、精度の壁にぶつかる格好に。
その後は、ドゥドゥ・日高が中心となっての左サイドでの細かなパスワークに舵を切り。
敵陣でのポゼッションは高まるも、どうしても熊本のような引き付けての崩しの意識に劣り、ひたすら繋ぐも結局フィニッシュに持ち込めないという状況が続きます。

千葉が完全にペースを握れないまま、後半の飲水タイムへ。(23分)
ブレイク明けに熊本が2枚替え、期待の神代を投入します。(伊東と交代、同時に小長谷→松岡へと交代)
センターフォワードに入った神代により、石川がトップ下へシフト。

その後も同点を目指さんと攻め続ける千葉、熊本はクリアで凌ぐも、26分にそれを収めんとした石川がハンドを取られてしまい。
千葉の右サイドからのFKで継続と、専守を強いられる雰囲気も漂います。
しかしその後28分、同じくクリアボールを今度は神代が収め、ドリブルからのスルーパスで逆に好機に持ち込み。
フィニッシュには繋がらずも、それを打ち破る事に成功すると、その直後でした。
敵陣で豊田がパスカットに成功すると、その刹那小森に引っ掛かって倒れ反則。
これで左サイド遠目からのFKになると、先程の先制点の場面を彷彿とさせる(キッカー上村周の)クロスがファーサイドへ上がり。
そして神代が綺麗に合わせ、ゴールネットを揺らすという具合に結果も同様のものになります。
久々のゴールで5得点目を挙げた神代により、着実に内容をスコアに反映させていく熊本。

これで大分苦しくなってしまった千葉。(キックオフの前に林→呉屋へと交代)
当然諦めずに攻め上がり、後方ではCBが2人ともサイドバックも兼ねる選手なため、佐々木がサイドに開いてボールを持ってから展開という攻撃が目立つようになり。
それに合わせて日高が最前線まで上がり、熊本を自陣に封じ込める時間を多く作りますが、やはり2点ビハインドとなった後では厳しく。

熊本は32分に大本が足を攣らせてしまい、それに合わせて2枚替え。(大本・石川→黒木・東山)
黒木が最終ライン(当初は左CBに見えたが、のちに大西と入れ替わって本来の右に)に入り岩下が右WBに回り、東山が右ウイングに入って唐山がトップ下とそれぞれポジションチェンジが絡み。

後方から佐々木の縦パスでどうにかするしかないという千葉の地上の攻撃。
それを呉屋のポストワークで繋げ、好機に持ち込み何とかこじ開けんと試みます。
37分には空中戦から、敵陣での呉屋のポストプレイを経て横山が左サイドを持ち上がる姿勢から、中央への横パスを送って中からの崩し。
受けた小森は裏へ小さい浮き球を送り、呉屋がエリア内へ走り込む事で崩さんとするもクリアされ、拾った横山がミドルシュートを放つも枠を捉えられず。

一方守備意識を高めた事で、押し込まれ続ける熊本。
さらに39分に唐山を退けた(大崎と交代、神代がトップ下に回る)事で、完全にカウンター狙いへと落ち着いたでしょうか。

その熊本の姿勢により、敵陣でポゼッションを高める流れに入った千葉ですが依然としてフィニッシュの面では物足りなく。
横山が左に張り出す事で、ドゥドゥがターゲットとしてエリア内で待ち構えフィニッシャーを増やしにいったものの焼け石に水であり。
44分その横山が左からクロスを上げ、大外の岡庭に合わせにいったもののこぼれ、それをさらに小川がダイレクトで逆からクロス。
またもファーに上がったボールを呉屋が合わせにいき、こぼれた所をエリア内で横山が拾うという千載一遇の好機が。
しかしシュートしに足を振ったものの、ミート出来ずに終わってしまいモノに出来ません。

結局この絵図を千葉は打開できず。
痺れを切らしたかドゥドゥが左ポケット奥に切り込む場面も作りましたが、やはり熊本ディフェンスをこじ開けるには至らず。
0-2のまま試合終了を告げる笛が鳴り、ホームでの大観衆(12,135人)のなか不本意な試合となってしまいました。

一方唐山・神代らにより今後の期待を膨らませる内容となった熊本。
中断期間でこれをさらに深め、浮上の切欠とする事が出来るか。

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