ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

2023年J2リーグ第30節 いわきFCvsヴァンフォーレ甲府 inいわきグリーンフィールド

2023-08-16 16:38:22 | サッカー観戦記

現在、観戦には日曜しか行けない状況とあり、遠征となるとさらに日程を選ばなければならない身。
さらにはウィルス感染状況が切迫している故、安易な東京都内への旅行は死を招きかねない。
そんな事から弾き出した遠征先は、夏季のナイトゲームかつ、それほど大都市では無い場所での試合でした。それなのにお盆の時期を選択する辺り矛盾は避けられない
それに合致したのが今季J2昇格を果たしたいわき。
飛行機で仙台空港へ→電車でいわき駅へ、という大まかな旅路を作り上げ、当日を迎え。

メインとなるのはJR東日本・常磐線で、これが乗り換え2本を含めて約2時間半という長さ。
約1時間毎に1本というダイヤ故に、乗り換えをミスったら終わりという思いを常時抱きながら、睡眠不足に耐え忍んでの長期路線となり。

そして無事にいわき駅へ到達。
早速いわきFCカラーに染め上げられた構内がお出迎え。

達成感もそこそこに、宿到着→スタジアムに向けて出発と慌ただしさは変わらずであり。
この時点で16時。

そして最寄りの湯本駅へと到着。
尚、ここまでの交通の便は「Googleマップ」「駅すぱあと」でリサーチしたもので、いわきの公式HPでの情報はほとんど見ず。
その軽率な行動の報いを、この後嫌というほど味わう事に……

 

 

 

 

 

 

という訳で、肝心のシャトルバスの情報を全く仕入れていなかったが故に、駅から徒歩を選択します。
Googleマップを見ながら(今夏ようやくスマホ入手に踏みきった)という要素もあったので、「エスコン(フィールド北海道/プロ野球・日本ハムの本拠地)まで歩いて行けたんだから余裕」という思いがいかに浅はかなものであったか。
砂利混じりの道路・年季の入った住宅街・勾配激しい歩道無しの道路を歩いていくにつれ、そんな後悔の念に身を包まされ。

そしてやっとの思いで21世紀の森公園に到達しても、まだまだ続く急な坂道。
当然ながら写真を収める余裕は体力的・精神的ともに無く。

そんなこんなで、大量の汗とともにようやく試合の場であるいわきグリーンフィールドへ辿り着きました。

既に時間は17時を窺っており、スタジアムグルメのブースは何処も大行列。
止む無く食事は見過ごし、席の確保に努める事に……

 

まだスタジアムが発展途上という事もあり、チケットの値段はダイナミックプライシングを利用している札幌とは雲泥の差格安なもの。
しかし2度目があるかどうか不明故に、折角だからと利用したのがUAシート。
プラス2,000円(事前申告制)で、VIPのような席での観戦が出来るというシステムであり。
これがゆったりとピッチ状況を楽しめ、かつ密の心配が無いという文句のつけ所が無いものでありました。

そんなピッチの情景は、既にGK練習の最中。
サブのゴールを利用してグラウンド外で行うという、やや違和感を覚えるものでした。

 

集客力は5,000人強という小規模ながら、逆にそれが織り成す集客率の高さ。
熱狂必須の環境は、正直羨ましくあり。(この日の観衆は4,386人)

元がラグビー場という事を示す、電光掲示板とは対称の場にあるスコアボード。

そんな景観を堪能している内に、全体練習の時間に。

身体を大事にするフィジカル養成クラブらしく、真っ先に体幹運動を行ういわき。

 

一方の甲府、注目はやはりピーター・ウタカ。
以前甲府に観に行った際にも在籍していたウタカ(2019年)ですが、その時はモロ休養日にぶち当たってしまったが故にその姿は見れず。
外観的には、その独特なヘアースタイルが注目の的で、三平と並んだ際のその光景は一種の壮観であり。

 

練習内容としては、いわきサイドの「クロスからのシュート練習」が印象に残り。
試合前というタイミングで、このピンポイントなテーマの練習を選択する辺り、いかにセットプレー含めたクロスボールに合わせるかを大事にしているようでした。

そして練習終盤で、甲府のスタメン発表が行われ。

それが終わった直後という、図ったようなタイミングで照明がライトアップ。
ホームのスタメン発表に則しての演出の一環か、と思わされたものの、(練習終了を経て)挟まれたのはイベント。

 

ついに現れました、Jリーグ参入から間も無くいわきのアイドルの座を彗星のように獲得?したマスコットのハーマー&ドリー。(以下ハマドリ)
まずはゲストとスポンサーを立たせる事に努め。

 

「フラガールの街」でもあるいわきらしい、「スパリゾートハワイアンズダンシングチーム」によるフラダンスパフォーマンス。
流石にフラダンスは取得していないハマドリ、その脇で見届けたのち、自身のパフォーマンスに入ります。

メインスタンドに愛想を振りまいたのち……

 

センターサークルで音楽に合わせ踊りまくり、この辺りはDAZNでもおなじみの一幕。
曲自体はコミカルさに針が振れているものの、現地で聞くとそれなりに味わい深い雰囲気を持つのだから、臨場感は重要といった所でしょうか。

こうして渇望感を持たせつつ、ホームのメンバー発表へ。

ニュートラルの絵図から、アニメーションでポージングするというのが特徴の選手シーン。
しかしそのポージングも、次第に「腕組み」「腕を腰に当てる」「ユニフォームのチームロゴを掴む」「両手でガッツポーズ」のいずれかに固定化されている感が強くなり。
↑の江川のような独特なものがもっと増えれば……といった所。

 

中心選手の2人。
離脱者とシステム変更が合わさり、中々ドイスボランチを組めない(組まない)試合が目立っているものの、新境地開拓の一環でしょうか。

今季途中に監督の座に返り咲きとなった田村雄三氏。
引き出しの多さを見せ、単なるフィジカル強靭のチームとは一変させた姿を見せていますが、その仕事に安堵するのは残留決定が果たされた時でしょう。

選手紹介の間も、ピッチ内でパフォーマンスに徹していたハマドリ。
選手入場の時間を迎えた事で、メインスタンドの方に向かい、選手の最後列に並ぶと思いきや……

何とカメラマンのすぐ後ろに位置取り。
そして入場してきたいわき選手全員とタッチを交わす独特のスタイルを見せました。

 

この愛くるしい姿に、こちらとしてはもうメロメロでした。

 

あまりのハマドリの存在感に、この時甲府のマスコット・ヴァンくんの姿に初めて気付いたのは笑えない……(試合前イベントは到着時に既に終わっていたし)

選手・審判団全員と握手を交わすその姿もお馴染みとなった、ヴァンくんの礼儀正しさ。ただししょっちゅう脱ぐ
この後マスコット両者がいちゃいちゃとする姿が描かれ、試合前の憩いの一時もそろそろ終焉を迎え。

 

観客席の大部分を埋めた会場での、試合の行方は如何に。

この日のスタメン。
しかし開始して間も無く、早々に名前を入れ替える時が来るとは誰にも想像はつかなく。

甲府には、長崎からクリスティアーノを完全移籍で獲得と、新戦力が加わり。
昇格へ向けた最後のピース、としたい所でしょうが……。
尚、電光掲示板のスタメン表は完全に取り忘れてしまい。(駄目じゃん)

試合が始まり、前半2分にウタカが下田に反則を受けた事で、早速そのクリスティアーノの見せ場となるフリーキック。
左ワイドという位置でしたが、直接シュートを選択したクリスティアーノ。
これをGK高木和がセーブし、こぼれ球を攻撃に繋げたいわき、このカウンターが事件を生み出します。
裏へ送り込まれたロングボールに対し、敵陣でのセットプレー故に前に出ていた甲府GK河田、一旦クリアに向かう姿勢を見せるも永井の走り込みを見て戻りを選択。
しかしこの動きが転倒を招いてしまい、その隙を突いて受けた永井が左ポケットへ持ち運んだ事で、ガラ空きのゴールへシュートという願っても無い好機が作られます。

このシュートは角度が足りず、左サイドネット外側に終わってしまいましたが、問題のシーンはその後。
必死に永井を追ったGK河田、そのまま倒れ込んで動けなくなってしまいます。
どうやら転倒の原因は切り替えた事での故障発生らしく、大ピンチ故にプレーを止める事すら許されなかった影響が色濃く表れ。
そのまま続行不可能のサインが出され、慌ただしくアップを始める控えGKの山内。
河田は起き上がり自力でピッチ外に出たものの、結局7分に交代となり、早くもGK交代というアクシデントに塗れた甲府。
山内はこれが2試合目の出場(前回=28節・栃木戦、0-3)で、奇しくも自分は両方とも見届ける事となりました。

デビュー戦は3失点とほろ苦いものだったその山内、この日も早速苦汁を味わう事に。
10分、いわきも先程の甲府と同じ左サイドでFKを得ます。(岩渕が佐藤に反則を受ける)
しかし位置的には深めでほぼコーナーキックの攻め方を強いられるものの、エリアラインから直ぐ近くという絶好のもの。
これをキッカー岩渕がグラウンダーでニアサイドへクロス、このシュートと見間違うようなボールを、密集のなかで合わせたのは山口。
弱々しくもボールはゴール内へと転がり、先制点を奪ったいわき。
しかしその刹那甲府サイドが総出で猛抗議を浴びせます。
どうやら密集の中なので、山口とは別の選手(のちに映像を見返したら、これは江川)がオフサイドポジションに居た事を主張してのものだったでしょうか。(推測)
主審も副審と相談したものの、結局判定は覆らず。

アクシデントの余韻が冷めやらぬうちに、リードを得たいわき。
そのシステムを凝視すると、どうやら宮本を左センターバックに置いた3バックのようであり。
しかし守備時には、左ウイングバックの永井は降りて来ず、4-4-2の布陣で対抗姿勢を採ります。
高い位置を取るWBを軸に、細かなパスワークで崩しにかかるいわき。

飲水タイムは23分に挟まれ。
ここでも広告は無し。プロテインの広告一つあればいわきらしかったかも

いわきの圧力に苦戦がちだった甲府も、その後テクニシャン揃いの前線を軸に反撃体制に。
26分ウタカとクリスティアーノのパス交換を左サイドで行ったのち、中央への展開を経て林田がミドルシュートを放つもブロックに阻まれ。
しかし直後の28分、いわきも細かなパスワークを経てエリア内を突き、谷村のキープを経て岩渕がシュートを放ちましたがGK山内がセーブ。

依然としていわきの攻撃の脅威に晒されますが、敵陣に進入してCK獲得を量産(+反則によるFK)という流れに入る甲府。
これを良く凌いでいたいわきですが、終盤についに決壊する事に。
44分スローインを入れ替わりで受けたウタカが中央を持ち運んだのち右へ展開、関口がグラウンダーでクロス→逆サイドへ流れて三浦がクロスと、ゴール前で右往左往するボール。
そしてクリアボールを確保した甲府、佐藤のミドルシュートがゴールネットを揺らし、良い時間帯で同点に追い付きます。

しかし迎えたアディショナルタイムは、河田の負傷交代もあり6分という長さ。
演じられたのはいわきの怒涛の攻撃タイムで、右から有馬のマイナスのクロスを山口が合わせシュート(枠外)したのが始まりとなり。

そしてその後も攻め続けるいわきに対し、野澤のクリアミスが生まれた事で岩渕が拾ってエリア内でGKと一対一に。
しかし放たれたシュートは僅かに右へ外れてしまい。
これでもまだ終わらず、今度は左奥を突いた永井のグラウンダーのクロスから、有馬のスルーを経てファーサイドでフリーとなっていた谷村がシュート。
ゴール上を強烈に襲ったこのシュートも、バーを叩いてしまい惜しくも決められません。
スタンドから何度も喝采と嘆息が交錯しましたが、結局2点目を挙げられずに前半を終えました。

ハーフタイムもフラダンスショーがあったものの、試合前に寄れなかったグッズショップブースを物色したため観れず。

そして後半開始を迎えるに辺り、いわきサイドにもアクシデントが襲います。
選手の大部分がピッチへと戻る中、一人タッチラインの外で倒れ込んでしまったのは黒宮。
その倒れ方も故障では無いもので、試合とは別の危機感も生まれる絵図となりましたが、それでも試合開始の流れを止める訳にはいかず。
石田が投入されるとともに、いわき選手全員がUターンしてベンチの示す戦術ボードを確認する事となりました。
(黒宮は試合後に無事が発表される)

江川が中央CBへと回り、石田が右CBに入る調整を強いられたいわき。
それでも始まった後半は、アクシデントの影響を感じさせず普段通りの攻撃を貫きます。

そして後半5分に得た右CK、キッカー山下のクロスはグラウンダーでエリア外と、サインプレーを選択。
これをフリーで岩渕が合わせ、放たれたシュートを甲府ディフェンスがブロックして枠外となると、すかさずハンドのアピールをする岩渕。
そして鳴らされる主審の笛、エリア内という事でPKとなります。(腕でブロックする形となった佐藤に警告)

絶好の勝ち越し機を得たいわき、キッカーはハンドを誘発した岩渕。
その得点センスに期待が掛かるとともに、GK山内にとってはデビュー戦に続きPKを経験する事態となり。
そして勇んでキックに入った岩渕ですが、独特の助走モーションを経てゴール左へと放たれたそのシュートは力無く。
読みきったGK山内がキャッチと、決めるどころか完璧に止められる始末となってしまいました。

九死に一生を得た甲府、その後CKから武富のヘディングシュート(8分、枠外)とにわかに勢い付き。
それでもいわきの圧力をかわしきる事は困難で、ミスプレーも絡んで膨らむピンチ。

そしてベンチが動く甲府。
15分にいわきのCKというタイミングでしたが、武富に代えてエドゥアルド・マンシャを投入。
CBを一枚増やすという事は、即ち3バックへのシフト(3-4-2-1)となり。
そのCKで早速クロスをマンシャがクリアという場面となったものの、いわきはそれを繋いで山口がヘディングシュート。(枠外)

以降布陣変更した甲府に対し勢いを失ういわき。
縦に速い攻めへと意識が傾くに伴い、流れを失うという悪循環に陥っていた風であり。
それを尻目に甲府は22分に野澤がヘディングシュート(GK高木和キャッチ)、23分に林田がシュート(枠外)とフィニッシュを重ね。
いわきはそのフィジカルを活かした果敢なアタックも裏目に出るようになり、21分にはウタカに対し反則した江川が警告を受け。

後半の飲水タイムが採られ、押され気味となってきたいわきはここで3枚替えを敢行します。
山口・岩渕・永井→吉澤・有田・河村へと交代。

その第4クォーターの入り、関口がバックパスをミスしていわきのCKとなる(24分)など、甲府が再び圧を受けるような絵図が生まれ。(このCKからクリアボールを宮本がシュートするも枠外)
それでも立て続けに決定機を外し続けたいわき、既にこの日の運気は使い果たしていたでしょうか。
27分には蓮川に対し反則を犯した山下が警告を受けるなど、良い流れを作れず。

一方の甲府もさしたる好機は生まれず、31分にいわき同様に3枚替えを敢行。
佐藤・クリスティアーノ・ウタカ→品田・宮崎・三平へと交代します。
34分にその三平にエリア内中央へとボールが渡りかかり、ディフェンスに遭うもCKに。
キッカーは品田に代わり、クリアされるも林田を経由し再び右サイドの品田へ。
ここからクロスでは無くシュートを狙いにいった品田、GK高木和が辛うじてセーブ(再度CKへ)する際どい一幕を生みます。

再びゴールを脅かされたいわき、36分に谷村→近藤へと交代。
ここから4バックへと移した(CBは江川・石田、サイドバックは右が宮本・左が河村)しょうか。(下田・山下がドイスボランチのオーソドックスな4-4-2)

勝負手は使いきったものの、一向に流れは良くならないいわき。
判定に対しても(観客席も併せて)不満を持つシーンが増え、その結果40分に反則の際に河村が異議で警告を貰ってしまい。
それでもこの時間帯まで来れば、強引でも何でもいいから勝ち越し点が欲しい展開であり。
41分にその河村が左サイドをドリブルし、ポケットを突いてシュート。(ブロック)
44分にはロングパスを左サイド奥で受けた近藤、そのままカットインを経て角度の無い所からシュート(枠外)という具合に、その意識を結果に結び付けんとします。

しかし45分パスミスを犯してしまい、ボールカットした宮崎は遠目からロングシュートを狙い。
枠外に終わるも、力強さと雑さが両立しかねない展開となった終盤戦。

ATは前半より短くなったものの、それでも5分。
その最中に敵陣中央で下田のボール奪取から好機を作るいわき、有田シュート(ブロック)→山下シュート(ブロック)と連撃を浴びせましたが打ち破れず。
押しまくるも得点出来ずにいると、最後は甲府にCKの好機が。
ここで失点すればすべてが水の泡、という所でしたが三平のヘディングシュートは枠外となり。
負けはせずに済んだものの、1-1のまま引き分けで幕を閉じる事となりました。

試合終了後の整列。
その後そさくさとハマドリも挨拶の輪に加わるなど、勝ちを逃したという試合にも拘らず悲壮感を感じさせないいわき。
いかにも発展途上のクラブらしい、次に切り替えるスムーズさは他のクラブも見習う所がある。
そんな事を考えさせながら、流石にシャトルバスでスタジアムを後にしました。

いわき駅・湯本駅周辺の風景はこちら

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする