ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第31節 清水エスパルスvsFC町田ゼルビア

2023-08-21 16:02:17 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の清水の記事はこちら(26節・千葉戦、2-2)
※前回の町田の記事はこちら(29節・岡山戦、3-1)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 徳島に育成型レンタル中だった千葉がJ3・今治へレンタル先変更。
  • 齊藤が(J3・相模原へ)育成型レンタル移籍となり、29節(ヴェルディ戦、1-0)をもって登録抹消。
  • 夏に加入(復帰)した鈴木唯人が再度移籍(ブレンビヤネス・イドラーツファーイーニングへ、完全移籍)となり、今節をもって登録抹消。(チーム離脱は8/9)
  • 成岡が(山口へ、2度目)レンタル移籍となり(以下同文)
  • 負傷離脱していた山原が前節に復帰しスタメン出場。
  • 離脱していたサンタナ(負傷では無く、家族の体調不良によるケアとの事)が29節で復帰(途中出場)、前節からスタメンに。

<町田スタメン>

  • 樋口が(JFL・沖縄SVへ)育成型レンタル移籍となり、前節(磐田戦、2-1)をもって登録抹消。
  • カルロス・グティエレスが(長崎へ)完全移籍となり(以下同文)
  • J3・松本からレンタル加入中の山口が、レンタル終了という形で松本へ復帰し、今節をもって登録抹消。
  • 28節(徳島戦、2-1)で負傷交代した池田の詳細が発表され、既に手術実施済みでそこから全治約4週間との事。

昇格を賭けた上位対決は、当然ながら周囲のモチベーションをも爆上げする要素であり。
しかし今季それがやや特殊に感じるのは、首位チームが頭一つ抜け出している事。
そしてそのチームが、反感を買いかねない動向(フロントレベルのものは前回触れたので割愛)を見せている町田である事だからでしょうか。

IAIスタジアム日本平で今季最多となる観衆(17,989人)を集め、一挙一動に非常に盛り上がりを見せた試合。
しかし激しいデュエルに伴いその席から数多ブーイングが発生、反則・警告も多発するという具合にその内容も荒れ模様となり。
またアウェイの町田サポーターは昇格間近故のその多さから、緩衝地帯からはみ出してしまう程に。
まさに一歩間違えれば天皇杯4回戦での浦和サポーターのように……という状況でしたが、その中で行われた試合もとても一言では表せないものなりました。

ロングボールの蹴り合いでボールが落ち着かない、という例に漏れない入りを経て、先に際立った動きを見せたのが町田。
そのロングボールが敵陣左サイドにこぼれた所、エリキが原に対し激しくチャージし(クリアさせずに)スローインを得たのが前半4分。
ここで逆サイドから鈴木準が駆け込む、即ち彼のロングスローという姿勢を採った刹那、意表を突いてエリキが鈴木準の下へスローして素早いリスタートに。
そして彼のクロスがファーサイドに上がり、合わせにいった松井によりこぼれた所をすかさずシュートしたのは高橋大。
ゴールへ突き刺し、見事古巣相手に叩き込んだという格好で先制点を生み出しました。

早くも先制点を許した清水、直後の5分にハイボールを競り合ったサンタナがヒートアップしチャンミンギュとやり合うシーンが生まれ。
不穏な空気、つまりはサッカー以外での事象に神経を使う事を強いられます。
苛立つサンタナは、10分に松井へのアフターチャージで反則・警告を受け。
その後も町田の激しいアタックに対し攻撃の流れを掴めず、逆に町田のロングボール中心のシンプルな攻撃に手を焼く事となり。
尚も16分には、清水が攻撃を切ったのちのGK権田のパントキックを、あろう事か妨害しようとした藤尾の足が権田に入ってしまい。
これにより更なるヒートアップを生んでしまい主審の下へ猛抗議、その際にホナウドがエリキを押し倒すという事態まで生まれてしまいます。(ホナウドに警告)

つまりは町田の必勝パターンと言っても良く。
「俺たちは平常運転、相手が勝手に苛立っただけ」と言わんばかりのその流れに、確かにサッカー面でも反感を買いやすいといった印象を受けました。

そんな順風な町田でしたが、不安材料はエリキの故障。
6分にパスカットからドリブルで切り込んだ際に中山のチャージを受けて倒れ、しかも着地の際ホナウドと交錯するという二重攻撃?を受け。
そして足を痛め、スタッフに支えられてピッチ外へ出るという心配なシーンを描きます。(約2分後に復帰)

清水は19分にカウンターの好機を迎えるも、ここでも松井の反則で止められ(松井に警告)、それ以外ではさしたる好機を作れず。
逆にラフな攻撃でも脅威となる町田、スローインからの攻撃が冴え渡り、ターゲットへスロー→ポストプレイ→ダイレクトで前へという流れで組み立てます。
そしてそれが報われたのが23分、左スローインからその流れで裏を突き、跳ね返されるもそのボールをダイレクトで宇野がサイドチェンジ。
このラフなボールが繋がった事で、平河がカットインからグラウンダーでクロスを送ると、ニアでの高橋大のスルーを経てエリキが合わせシュート。
負傷の影響を感じさせないゴールでリードを広げ、直後に飲水タイムが挟まれます。

再開直後の攻撃でも、パスミスを拾われて逆に町田に深くまで運ばれる(シュートには繋がらず)等、一向にリズムが生まれない清水。
29分にようやく右サイドから運んで原の低いクロスに繋げ、ニアでサンタナが合わせたものの枠外に。

尚も町田は31分ロングパスを収めたエリキが起点となり、敵陣で繋いだのちそのエリキのミドルシュートが炸裂。(GK権田セーブ)
後は必勝パターンをなぞるだけでしたが、そのエリキに限界が訪れてしまいます。
35分に前線で原に対しパスコースを塞ぎにいったた所、切り返しの際に痛んで倒れ込み。
動けず担架で運ばれる事態となり、交代の措置が採られます。(バイロンを投入、バイロンが右サイドハーフに入り平河が左SHへ)

相手の不測の事態で不謹慎ながら、とにかく流れを変えたい清水。
しかし今度は乾が主審の判定に対し苛立つシーンを多発させてしまい。
38分にバイロンのドリブルを後ろから倒して反則・警告を受けると、激しく主審に詰め寄るというベテランらしくない絵図を作ります。
恐らく「町田のアタックが反則とならないのに何故……」という思いからだったのでしょうが、その後40分に今度は乾のドリブルがバイロンに倒される先程と逆の絵図で反則。
これに警告が出なかった事で更にヒートアップする乾。(正面からの反則だったので(ここだけを切り抜けば)まあまあ納得の判定ではある)

反撃ムードを高めるためにはあってはならない事象でしたが、その後42分に再びの(山原のドリブルに対し)反則を犯したバイロンが警告を貰い。
これで幾ばくか冷静さを取り戻したでしょうか、直後の43分に再び乾が(チャンミンギュに)反則を受けると、今度は苛立たずにフリーキックに入り。
中盤中央という位置でしたがDFを前線へ上げる放り込み体制を採り、それを逆手にとってショートパスで再開した乾。
左から山原がドリブルからクロスを送ると、高橋祐のヘディングシュートが放たれ。
GKポープがこれをセーブするも、カルリーニョスが詰めてゴールネットを揺らします。
前半のうちに、しかも町田の先制点と同じトリックプレーで1点を返した清水。

とうとう好循環を得た清水に対し、町田は防ぎにいくも、前線はエリキが抜けた事でプレッシングの勢いを失い気味に。
藤尾がボランチを切り、その前で高橋大1人が追い回すという状態では清水のビルドアップを阻む事は出来ず。
アディショナルタイム(エリキの故障のため5分と長い)、度々エリア内まで進入するシーンを作る清水。
最後は山原のクロスからサンタナがヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、ポイントゲッターに惜しいシーンも生まれます。

1-2で迎えたハーフタイム。
清水は押せ押せムードを加速させるため、交代とともにフォーメーション変更も敢行し。
中山→北爪へと交代し、3-4-2-1へとシフトします。

入りの様子見を経て、今度は流れを掴んだのは清水。
3バックとなった事でビルドアップが強化され、また乾がワイドに動く事によるポジションチェンジも脅威となり。
後半3分、最終ラインから左へ展開ののち、中央裏へのミドルパスを最前線で受けたのは本来右ウイングバックの北爪。(その後裏へさらに浮き球を送るもカルリーニョスには繋がらず)
乾のポジションにより可変するという流動性も二割増し、といった所でしょうか。

一転して劣勢を強いられる町田。
何とか清水の攻撃を切っても、その後のロングパスが繋がらずに連続して攻撃を受ける絵図が続きます。
7分の鈴木準の遠目からのシュート(地を這うものの枠外)も、そうした苦しさが露わになってのものであり。
正直早めに強力なターゲット(デューク)を投入すべきだと思いましたが、既にアクシデントによるカードを切っていたため安易に動けないベンチ。

一方良い攻めを続けるも、フィニッシュ数は膨らまない清水。(10分に山原→吉田へと交代)
こちらも16分、鈴木義のパスに入れ替わった乾がドリブルで持ち運ぶと、そのまま遠目からシュートを狙いにいきます。
しかし好循環に押されるように、松井のブロックに当たるとそのままゴール方向へと浮き上がり、GKポープの上を越えてゴールへ吸い込まれ。
前半の事もあり、まさに負から正へと好転したような乾のゴールで同点に追い付きました。

このまま押しきり逆転したい清水、19分に吉田の左からのクロスで、再びサンタナのヘディングシュートが放たれるも枠を捉えられず。
それを堰き止めたい町田は、その直後にベンチが動き3枚替えを敢行。
高橋大・松井・平河→松本・下田・荒木へと交代、センターバック(松本)を加える事で清水と同様の3-4-2-1へとシフトします。
しかしデュークは温存と、この日は彼を最後のジョーカーとして割り切ったでしょうか。

ミラーゲームに持ち込んだ事で、清水のビルドアップを阻むシーンも増えた町田ですが、フィニッシュには持ち込めず。
未だどちらに転ぶか判らない中、後半の飲水タイムに。(23分)

そして明ける際に再度交代カード使用とともに、布陣を微調整する清水。
白崎→オセフンへと交代し、FWに入ったオセフンにより3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトします
シャドーは右がカルリーニョス・左が乾ですが、やや下がり目でボールを受ける乾の存在もあり、一見では先程までのドイスボランチと区別がつき辛く。

これで再びペースを掴む清水、掛けられる町田のプレッシングも悠々いなし、最終ラインから攻撃を作っていきます。
28分には原のボールカットから素早く運び、右からのクロスでオセフンのヘディングシュートが放たれるも枠外に。
直後の29分にも右サイドを突き、スルーパスに走り込んだカルリーニョスがそのままシュートを放ちますがこれも枠には飛ばず。

好循環を保ったまま、36分に最後の交代カードを切る清水、乾・カルリーニョス→宮本・西澤へと2枚替え。
ホナウド・宮本とボランチが再び2人揃ったものの、宮本はシャドーを務め以降も1アンカーの姿勢は変えず。

対する町田は、37分に攻撃が途切れた際、ベンチから判定に異議を飛ばしたエリキが警告を受ける事態に。(しかも4枚目で出場停止)
苦戦の色が濃くなる中、何時の間にか判定に対し醜態を晒すのは町田サイドとなっていたようでした。

そんな状況では、清水に結果が齎されるのも早く。
39分最終ラインからパスワークで右サイドを前進していき、巧くフリーの西澤へと渡した末にクロスが上がり。
これが慌ててブロックに入った奥山政に当たるも、綺麗にサンタナへのお誂え向きのボールとなる辺りが流れの恐ろしさでしょうか。
ヘディングシュートをゴールに突き刺し、実に3か月ぶりの得点を挙げたサンタナ。
劇的な逆転ゴールに、ゴール裏の最前線サポーター達とタッチを交わして喜びを露わにします。

一方それ以前からデュークを準備していた町田ベンチですが、結局ビハインドでの投入となってしまい。
両チーム疲労感が膨らむ中でデュークは良きターゲットとなり得るものの、サイドに開いて受ける事もあり直接的な好機は中々作れず。
そのままデュークがサイドからクロスを入れるという具合に、役割が逆だというようなシーンも見られます。
やはりリードしている段階で投入し、収め所・落ち着き役を務めさせるべき……と考えても後悔先に立たず。

そんな苦し紛れの攻めを続ける町田に対しシュートを撃たせずと、最後まで集中力を切らさない清水。
AT後もそれは続きますが、最終盤にこぼれ球を拾いにいった宇野を西澤が倒してしまい反則、FKに。
遠目の位置からでしたが、GKポープも前線に上げて放り込み体制を採る町田。
キッカー鈴木準はそのポープへロビングを送りましたが、実らずに終わると逆に清水がカウンター。
当然ながらGK不在で攻めきれば1点という攻撃で、スルーパスを受けた北爪がドリブルで右ハーフレーンを持ち上がった末に横パス。
これで最後のDFもかわし、後はオセフンが仕上げにいったものの、シュートはゴール左へと外れてしまい綺麗な大団円とはいきませんでした。
しかしその直後に試合終了に笛が鳴り、清水の勝利となり。

バチバチとやり合う……といった表現が相応しい内容となった一戦。
しかし前述の危惧のとおり、試合後暫く時を置いてサポーター絡みの事件が発生する事となってしまい。
インターネット上故に肉体的な被害は皆無なものの、それ故に卑劣さを強く感じてしまうものでしたが、チームの成績に水を差さない事を願うばかりでしょう。

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