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DAZN観戦 2023年J2リーグ第32節 ロアッソ熊本vsいわきFC

2023-08-30 16:16:32 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(26節・大分戦、1-3)
※前回のいわきの記事はこちら(28節・磐田戦、0-1)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 加入決定していた酒井が27節(岡山戦、1-2)から登録され、29節(水戸戦、0-0)でベンチ入り・途中出場、今節初のスタメンに。
  • 天皇杯4回戦(FC東京戦、2-0)で負傷交代した伊東の詳細が発表され、全治6~8週間との事。
  • 大西の負傷が発表され、8/16に発生して全治4~6週間との事。

<いわきスタメン>

  • 負傷離脱していた有馬が29節(長崎戦、0-0)で復帰、即スタメン出場。
  • 黒宮が30節(甲府戦、1-1)で体調不良?によりHTで交代、以降ベンチ外が続く。
  • ユース所属のGK齋藤・GK近藤嵩悟が2種登録となり、31節(ヴェルディ戦、0-0)から登録。

前節で仙台や徳島の連続未勝利が途切れたと思ったら、新たな泥沼に嵌っているクラブが表沙汰となるのは、リーグ内のクラブの多さ故の性か。(そのJ2も来季は2クラブ減って20クラブ・J1と同数に)
その対象は熊本で、いつの間にか未勝利は10戦連続を数える有様となっています。

最後の勝利が21節(藤枝戦、4-0)、つまりは前半の最終試合という事で、折り返したのちの試合は全く勝利が無い状態。
オフの主力選手の大量流出が起こった事で、大木武監督の手腕一本で戦い抜くしか無く、一度タガが外れてしまうと脆さしか出ない苦しさを常時抱えているだけにある意味納得感もあり。
特に10戦で複数得点が皆無とあり、2巡目に入った事で相手の対策を上回れずという、上昇機運も感じられない現状。
それでいて天皇杯は勝ち残っており、次の水曜に準々決勝が控えている(神戸戦)など日程的にも厳しく。

3-3-1-3という独特のフォーメーションも、1年半戦った事でその特異性は薄れてきたでしょうか。
思えば2年前のJ3での戦いは、前半は可変式3-3-4・後半は3-1-5-1とフォーメーションを変え、長い戦いを制してJ2昇格へと辿り着き。
夏の移籍期間も実質的な補強選手は酒井1人とあり、上積みが出来ない以上そんな目新しさが必要だと考えてしまうものですが、シーズンも残り11試合での変更は博打ともなり難しい。

この日対戦するいわきは、夏の補強は皆無ながら、監督交代以降フォーメーション変更に踏みきり後半を戦っており。
そして後半のみで4勝5分(1敗)と勝ち点を稼ぎ、とうとう熊本と並ぶ(34)という、全く対称的な歩みを進めているクラブ。
唯一の光明は、前半の直接対決で快勝している事(19節、4-0)ですが、逆にそれがプレッシャーともなり得る状況でもあり。

それを跳ね除けんと、前半1分に左スローインで直接裏を突く攻撃、抜け出して受けた粟飯原が左ポケットからシュート。(サイドネット外側)
続く2分には中盤からロングシュート(GK高木和戻りながらキャッチ)と、チームが置かれている状況を理解しているかのように多少無理目でも積極的に撃ちにいく粟飯原。

しかし次第に、いわきの走力・フィジカルを下地としたプレッシングにより機能しなくなる攻撃。
3分に宮本のボール奪取から右サイドを前進、谷村がワンツーを繰り返して中央寄りからシュートを放つと、ブロックに当たり右ゴールポストを叩き。
これで色を失う熊本、その後次々と自陣でボールを奪われて危機を招きます。

そして9分に左コーナーキックを得たいわき、キッカー山下はニアサイドにクロスを送り、クリアに入られるも掠めて中央へ。
これを家泉が足で合わせた、というよりは偶然足下へと来て当たった感じとなり、そのボールは弱々しくゴール左隅へと転がり。
しかし意表を突かれたかディフェンス側も反応出来ず、しまりが悪いながらもいわきが先制点に辿り着きました。

その後も果敢に敵陣でプレッシャーを与えていくいわきの前線の守備。
この日は3-3-2-2(3-1-4-2)と30節と同様の布陣ながら、中心選手の宮本はシャドーで、山下に至っては左ウイングバックとポジションが変わっており。
その影響か30節のような「守備時は4バック」という体勢では無く、リトリート時には5バックで守る事に努めていました。
当然ながら前からいく際はWBが果敢にプレッシャーを掛けるので、序盤その場面は殆ど無く。

ビルドアップがままならない時間が続いた熊本。
19分にGK田代からショートパスでの前進を図り、右サイドでパスを繋いで受けた大本がドリブルで前線中央へと運び。
そして左の竹本を経由しポケットへスルーパス、走り込んでシュートまで放った大本。(GK高木和セーブ)
最後方からのビルドアップによる攻撃を一つ決めた事で、文字通り落ち着きが齎され。
その後は縦に速く攻めんとするいわきのパスミスが目立ち、機能不全に陥るのを尻目に反撃のターンに入ります。

そして23分の左スローインからの攻め、竹本の縦パスに対し粟飯原が入れ替わりで家泉を剥がし、前を向いた勢いそのままに左ポケットへ切り込み。
グラウンダーのクロスが入ると、ニアで合わせにいく島村の前で遠藤がクリアにいくも、これが逆方向詰まりゴールへと転がってしまい。
崩しが齎したオウンゴールで、同点に追い付いた熊本。
それと同時に飲水タイムが挟まれ、振り出しからの再開となりました。

再び勝ち越しを目指すいわき、25分に家泉が前に出てスローインをカットすると、そのまま持ち運んで右ワイドから自らシュート。
ゴール左に逸れたそのフィニッシュは、積極性を買うかあるいは早く得点したいという焦りを感じるか評価が分かれる絵図に映り。

結局熊本に傾いた流れを覆すには至らず、迎えた30分。
酒井のミドルパスの跳ね返りを確保して左から攻め、実に熊本らしい細かなパスワークを経て、最後は中央への展開を島村の絶妙なヒールパスでエリア内へ。
そして受けた平川のシュートがゴールに突き刺さり、前半のうちに逆転を果たします。

その後も反撃せんと焦るいわきのボールロストが目立ち、それにより膨らむ熊本の攻撃機会。
リードを得たのちも粟飯原の積極性は相変わらずで、35分にパスワークからのこぼれ球を中央で拾うと、そのまま遠目から果敢にシュートするも枠を大きく外し。
守備でもその姿勢は健在でしたが、逆にいわきDFに対して空中戦でラフにチャージしてしまうなど、空回りも見られます。(38分に家泉に対する反則で警告を貰う)

劣勢を跳ね返したいいわき、アディショナルタイムにようやくフィニッシュシーンを作り、ショートパスで左サイド奥を突いて山下のクロス。
クリアボールを左で拾った山口から、横パスの連続で中央へ送り石田がミドルシュート。(GK田代キャッチ)
得点は出来ずも、現在取り組んでいるショートパスでの崩しに意識を振るには十分な攻撃となったでしょうか。

結局2-1で前半を終えると、ハーフタイムで一挙に3枚替えを敢行したいわき・田村雄三監督。
石田・有馬・山口→河村・岩渕・加藤へと交代し、これにより宮本が左センターバック・山下がシャドーと従来のポジション(とはいっても本職はボランチでしょうが)に落ち着きます。
河村が左WBに入り、岩渕がFW・加藤はシャドーに。

その後左サイドで宮本・河村・加藤がトライアングルを作り、細かいパスで崩しにかかる攻撃。
これを下地として、ボール保持に定評のある熊本相手にも保持率で一歩も退かない展開へと持ち込みます。
守備面も前からいく姿勢は変わりませんが、後半3分には上村のスルーに対し食い付いた山下が剥がされた事で前に運ばれ。(その後松岡のドリブルを阻止するもCKに)
熊本の変幻自在な繋ぎに惑わされず、ペースを確保したい状況に。

そんな中で有効打となったのが、反則を受けたのちの素早いリスタート。
8分に自陣で反則を受けると、すかさずロングパスを右裏へと送って好機に持ち込むいわき。
一旦クリアされるも継続し、右手前から入れられた谷村の低いクロスを、ニアサイドで岩渕が難しい体勢ながらボレーシュートを放ちましたが右ゴールポストを直撃。
その後10分には前述の左サイドからのパスワークを経て、下田がハーフレーンからミドルシュートを放つも右へと外れ。
あと一歩というフィニッシュを量産という意味では好循環ながら、30節にも類似した決定機逸の連続に不安も覚える展開であり。

しかし14分、再びFKを素早くリスタートさせた攻撃で、山下のスルーパスが遮断された所を拾いにいった熊本の2選手(上村と島村)があろう事か交錯。
これにより継続し左奥を突いた事でCKに持ち込み、そこからの攻撃でもクロスの連続を経て再度CKとなり。
この右CKから、キッカー山下のクロスを再び中央で合わせた家泉、今度はドンピシャのヘディングシュートでゴールゲット。
CKからの2点目で、ついに同点に追い付きます。

キックオフでの再開前に両ベンチが動き、熊本は竹本・粟飯原→田辺・大崎。
いわきは有田→吉澤へと交代します。

再度の勝ち越しを狙わんとする両クラブ、その気持ちが交錯するかのように、18分に岩渕のキープに対し平川が激しくデュエル。
腕も使いながらの果てに縺れて倒れる格好となると、(平川の)反則の笛が鳴ったのちも両者ヒートアップを見せるという具合に、6ポイントマッチに相応しい絵図が描かれます。

そしてその気の入りようが試合を動かし、21分のいわきの攻撃、遠藤のラフなロングパスが右サイド裏へ。
長距離を走った岩渕が最奥で追い付き、残したボールがエリア内へと転がったのが運命の分かれ道となったでしょうか。
拾いにいった吉澤と酒井の両陣営、先に触った吉澤が酒井の出した足を受ける形となり、倒れると反則を告げる笛が鳴り響き。
熊本にとっては痛恨のPK献上となってしまいました。(蹴る前に酒井・島村→阿部・道脇へと交代)
しかしいわきも、30節で岩渕がPKを外している事もあり、キッカーはゲットに絡んだ2人では無く山下が務め。
不安が過ったものの、山下は躊躇わず強烈なシュートを右へと蹴り込み、GK田代は反応するも届かずゴール。
無事に決めきり、逆転を果たしたいわき。

そしてゴールと共に飲水タイムに突入と、前半と同様の流れで挟まれたブレイク。
追う立場となった熊本ですが、再開後最初に作ったシーンは、下田のボールキープに対しチャージした平川が反則。
これに警告が付き出された事と、その場が熊本ベンチからすぐ側だった事により一斉に異議が噴出。
そしてそれに対しいわき・岩渕が挑発めいたような反論をしてしまったのが拙く、あわや乱闘発生という剣幕となる熊本スタッフ。
田村監督やチームメイトが岩渕を必死に宥め、主審(山本雄大氏)も岩渕に警告を出した事で何とか収まります。

しかし当然ながら良いムードを齎すものでは無く、それどころかこのいわきのFK。
自陣からという距離のある位置ながら、キッカー遠藤は直接エリア内へと放り込み、クリアボールをヘッドで繋ぐいわき。
制空権を制した末に、エリア内で吉澤の落としを経て山下が華麗にボレーシュート。
豪快にゴールネットに突き刺し、勝利を手繰り寄せる追加点を挙げます。

一気に重苦しくなった熊本を尻目に、その後も果敢にゴールに迫るいわき。
28分にはスルーパスに走り込んだ吉澤がシュート(枠外)、29分にはパスワークでの前進に熊本ディフェンスのミスも絡み、再び吉澤がエリア内からシュート(江崎がブロック)と攻め立て、反撃の機会を与えず。

厳しい状況となった熊本、その後はパスワークのみならず、大崎(道脇投入後は左ウイングへシフト)狙いのロングボールも交えて何とか反撃体制を整え。
そして決定機は35分に訪れ、左スローインからダイレクト中心での繋ぎを経て、左ポケットに送られたスルーパスに走り込んだのは松岡。
ループシュートを選択し、前に出たGK高木和の上を抜いたものの、宮本がゴール寸前でアクロバティックなクリアで掻き出し防がれてしまいます。
ここで決めていれば……という時間帯だっただけに、とても大きなプレーとなり。

その後40分に得たCKで早くもGK田代が前線に上がるなど、勝ち点に向けて必死さを見せる熊本。
それに対しいわきがとった姿勢は前掛かりの徹底で、4-4-2へとシステムを変えて戦った終盤。
宮本が右SB・谷村が右サイドハーフ、というのが主なコンバートとなり。

その効果は抜群で、熊本はロクにパスを繋げなくなり、苦し紛れのロングボールしかやれる事が無くなる始末。
ATそして試合終了までその状態は続き、全く反撃の糸口が掴めず。

いわきは何も起こさせず、試合終了の笛を迎える事に成功します。
これでついに勝ち点で熊本を上回り、名実ともに立場逆転となった両クラブ。
熊本はようやく複数得点をしたものの敗戦と、八方塞がり感は凄まじいですが、まずは天皇杯で好材料を見つけたい所でしょう。

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