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DAZN観戦 2023年J2リーグ第11節 大分トリニータvs水戸ホーリーホック

2023-04-28 18:29:54 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大分の記事はこちら(5節・千葉戦、2-1)
※前回の水戸の記事はこちら(6節・甲府戦、2-4)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(町田戦、1-3)は後半から4バックで戦う。
  • 2節以降負傷離脱していた安藤智が9節に復帰しており、今節スタメンに復帰。
  • 坂の負傷が発表されるも全治は未定。今季は未出場なので発生はキャンプ中か?
  • GKティシェイラの負傷が発表されるも、坂と同じく発生日・全治は未定。

<水戸スタメン>

  • 前節(藤枝戦、1-4)負傷交代した後藤田の詳細が発表されるも、全治は不明。
  • ユース所属のGK佐久間が2種登録選手に。

大分が今季ホーム全勝(5戦)なのに対し、ホーム未勝利の水戸。
アウェイでは2勝2分1敗とそれなりの成績であり、今節はそのアウェイで大分に乗り込み。
別の意味で『ほこたて対決』のような様相の一戦となりました。

特に水戸の方はホームで3敗(2分)もさる事ながら、その3戦で13失点と守備崩壊としか言いようがない試合を強いられており。
とうとうこの日は、後藤田の故障という要素も絡みましたが4バックを大幅入れ替えという措置を取り。
特にセンターバックは山田が6試合ぶりの出場、田辺に至っては何とプロ初スタメンと、斬新な名前が並びました。

試合が始まると、大分がスローインからの攻めを連発して押し込む入り。
守備が課題の水戸サイドは何とか凌ぐも、いざ攻撃のターンになると大分のプレッシングもあり前に運べず仕舞いとなり。
何とか前半6分、クリアボールの跳ね返しを拾った草野がドリブルに入りますが、ペレイラのチャージを受けて奪われ(反則無し)好機に繋げられず。
つまりは専守の状況となり、経験の浅いディフェンス陣にとっては早くも試練を強いられます。

そんな水戸の最終ラインを見てか、この日の大分はロングボールを多くする攻撃に舵を切り。
これは相手対策か、ないしは自身のビルドアップがイマイチ故の判断なのかは意見が分かれる所でしょうか。
大分は3バックの基本形から、左右のCBのどちらかがサイドに張り出しての2センターバックのへと変形させる最終ラインから組み立て。
これが水戸の2トップでの前線の守備と噛み合う事を意識した感があり。

ともかくそのロングボール重視の攻めで、水戸・田辺のクリアミス(17分)もありエリア内の伊佐に何度かチャンスボールは渡り。
それでも際立ったフィニッシュシーンは作れず、主導権を握っているにしては物足りなさが残る展開の大分。

一方攻撃は形にならない水戸。
前回観た際は、自身のターンとなっても前への運びがあまりにも性急な攻撃を繰り返す事により、甲府が反撃に転じると脆さを露呈したという典型的な落ち着きが足りない試合となり。
この日の立ち上がりはそれ以前という問題でしたが、攻めのペース配分が出来ないというチーム特性では却ってそれが良かったでしょうか。
21分にゴールキックからショートパスでのビルドアップ、サイドへ展開すると例によって素早い運び。
鵜木がワンツーで前進ののちスルーパスと、相変わらず休まる暇がないといった絵図の前進ですが、草野が右ポケットを突いてマイナスのクロス。
これを中央で小原が合わせシュートするも枠を捉えられず。

大分は23分に左コーナーキックを得ると、キッカー中川のニアサイドへのクロス、クリアボールが高く上空へ上がり。
これをGK山口が抑えにいくも混戦故に跳び出せずにこぼれ、宇津元の足下に転がるという紛れが生まれたもののシュートには行けず。
ロングボール中心の攻撃故に、こうしたエリア内での紛れを狙っていた節がありましたが、全体としては偶発性に頼り気味に映り。
フリーキックも、かなり遠目からの位置でも放り込みを選択するという具合に、空中戦に全振りといったような立ち回り。
その影響もあり、低身長の中川ですら何度か浮き球をヘッドにいくシーンも作られ、どうにもサッカーが合っていないという印象を残しました。

そんな大分の圧力を受ける水戸、少ない攻撃機会をフィニッシュに繋げて活路を見出す流れに。
34分にクリアしたボールを前田がスルーしてFWに渡し、梅田のパスを受けた鵜木が前進ののちエリアすぐ手前からシュート。(ゴール上へ外れる)
こうした素早い攻めからのシュート、前回は欠点の方が露わとなりましたが、この日のように劣勢の中では逆に光明となり。

水戸も何度か好機が生まれた事で、どちらが優勢か判別し辛い展開となり。
アディショナルタイムに入り、大分は左サイドのスローインから野村のサイドチェンジを経て右から前進。
攻撃参加するペレイラのクロスが上がり、ファーサイドで野村が合わせにいきましたが、ディフェンスに遭いこぼれたボールが腕に当たってしまいハンドで途切れ。
中々埒が明かないといった絵図が続く中、前半最後には宇津元がボール奪取からドリブルで突き進むという変わった形での好機。
しかし前田に倒されて反則で止められた(前田に警告)ため、FKによる好機へと移行し、キッカー野村のクロスから再びエリア内で空中戦。(その後拾った藤本が左ポケット奥に切り込むも撃てず)
結局はエリア内での混戦による攻防という最後のシーンを経て、前半終了の笛が鳴りました。

共にハーフタイムでの交代は無く、同じメンバーで後半開始を迎え。
大分が立ち上がりの後半1分に、中川がミドルパスを胸で収める(シュートにはいけず)という、前半同様浮き球メインの攻撃の様相を見せ。
一方の水戸は縦パスを巧く繋げ、特に敵陣での斜めのパスを受ける鵜木の動きが絶妙で、レーンチェンジで大分ディフェンスを揺さぶる攻撃。
後半5分には右からのスローインで、大崎が低いボールを投げ入れて裏を突くなど、前半と比べて相手ディフェンスの揺さぶりに趣を置いたようであり。

その中で攻勢を維持したい大分。
前半終盤に見せたような、左右のCBの攻撃参加で人数を厚くして仕掛けていくも、やはりフィニッシュには辿り着けず。
7分にデルランが左サイド奥へと運び、ディフェンスを受けこぼされるもエリア内で拾い継続。
その後野村を中心にエリアを出し入れするパスワークを続けるも、結局はシュートを撃てず終わります。

前線に良い流れが生まれない大分、それが最終ラインにも波及してしまいます。
10分ビルドアップの繋ぎをミスしてしまい、前に出た杉浦のカットから水戸のショートカウンター。
右ハーフレーンで拾った鵜木が中央へ向かい前進と、またもレーンチェンジを経てシュートを放ち。
これがデルランにブロックされるも、方向が変わったボールを杉浦がヘディングで押し込みゴールネットを揺らします。
大分の退潮気配を、見事にゴールに繋げた水戸。

反撃に移りたい大分。
ボール支配の下地を作りたいはずですが、これまでアバウトな攻めを続けてきた影響か、ボールが定まらず右往左往するシーンを長く続けてしまいます。
13分に2枚替えを敢行、宇津元・伊佐→屋敷・長沢へと交代してもその流れは変えられず。
アタッキングサードを窺ってもクリアされ、結局また蹴り合い・ヘディング合戦に突入……という絵図。

それでも1点が欲しい大分の立場は変わらず。
20分にポストプレイに入った長沢が田辺に倒され、遠目ながらも中央からのFK。
キッカーは野村で直接シュートも匂わせましたが、ここは放り込みを選択し、その後右スローインへ。
ここからの繋ぎで右ポケットを窺うパスワークから、中川がファーサイドへ高いクロスを送ると、野村がジャンピングボレーにいき。
しかしジャストミート出来ずと、どうしても綺麗なフィニッシュとはいきません。

一方の水戸も24分にベンチが動き。
草野・梅田→安藤瑞・寺沼へ2枚替えと、2トップをそっくり入れ替えて来ました。

押し込んだ末に敵陣でスローイン→CKと、セットプレーでの好機が続く大分。
迎えた27分、藤本・弓場→高畑・保田へと2枚替えした直後もその流れから右CKに持ち込み。
キッカー高畑の中央へのクロスを安藤智がヘディングシュートと、今度こそ会心のフィニッシュを放ちましたがGK山口の左手一本でのセーブに阻まれます。
こぼれ球をペレイラが詰めにいくも安藤瑞を倒してしまい、反則で途切れ。
凌ぐ水戸守備陣ですが、この際に田辺が足を攣らせてしまい交代となり。
代わって長井が投入され、同時に鵜木→井上へと交代します。

一つフィニッシュに持ち込んだ大分ですが、同時にエリア内の空中戦でどうにかするしかない流れが固定化する事にもなり。
33分に左サイドでパスを繋ぎデルランがクロスを入れ、長沢がスルーでファーサイドの屋敷に受けさせたものの、長沢の戻りオフサイドを取られて終了。
35分にターゲットを増やすべく、中川→上夷へと交代し安藤智が前線へとシフト。
パワープレイの体勢といってもいい布陣になります。

前向きのベクトルは最高潮といった大分ですが、その隙を突くように逆に水戸の決定機が生まれる、サッカーあるあるの展開となるその後。
40分にGK山口のロングフィードから、セカンドボールを繋いで寺沼に渡ると、左ポケットへのスルーパスに安藤瑞が走り込んでシュート。
前に出たGK西川がブロックして防ぐも、跳ね返りを反応良く寺沼がシュートし、ゴール寸前でデルランがブロック。
さらに寺沼がヘディングで詰めるも枠外と、追加点の恐怖に晒されます。

その後もエリア内へボールを送り続ける大分と、それを切って敵陣に持ち込む水戸。
既にATも近くなりボールキープ重視へと切り替え、敵陣深めでFKやスローインを交えて時間を使う立ち回り。
その中でも、45分に左からのスローインを寺沼が左ポケットでポストプレイ、受けた安藤瑞がシュート。(デルランがブロック)
AT突入後も、左サイド奥でキープする安藤瑞がディフェンスを剥がしてカットイン、マイナスのクロスを井上に通す(シュートは撃てず)という具合に大分ゴールを脅かし。
得点の機運は水戸の方が高いのでは、という流れとなります。

何とか失点を防ぎ、ペレイラ・デルランの両CBをも前線に上げる体勢に全てを賭ける大分。
デュエル勝負に舵を振り切るも、その反動で水戸の寺沼や大崎が痛んで倒れ込むシーンも生まれ、流れを呼び込めません。
逆にまたも決定機を迎える水戸、新里(小原と交代で出場・AT)のスルーパスに走り込んだ寺沼がグラウンダーでクロス、中央で安藤が足で跳び込んで合わせ。
GK西川が足でセーブと寸での所で防ぎ。

何とか左サイドでのFKに持ち込むも、既に目安の5分は過ぎており、最後の好機という事でGK西川が前線に加わり。
キッカー野村のニアサイドへのクロスに、跳び込んだ西川でしたが合わせる事は出来ず。
クリアされた次の瞬間試合終了の笛が鳴り、大分はウノゼロで膝を屈する結果となってしまいました。

逆にスタメンのテコ入れが奏功した格好で、ホームの大分に土を付けた水戸。
ようやく上位陣に対しての勝利を挙げた事で、波に乗りたい所でしょう。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第11節 ツエーゲン金沢vsジュビロ磐田

2023-04-27 16:00:47 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(5節・山口戦、5-2)
※前回の磐田の記事はこちら(9節・町田戦、1-1)

<金沢スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 梶浦がプロA契約を締結。
  • 9節(いわき戦、3-0)で完全ターンオーバーを敢行。そこから連続してスタメンに食い込んだのは小島・庄司。

<磐田スタメン>

前節(熊本戦、1-1)はドイスボランチを双方入れ替えた磐田。
3連戦の最終日(ルヴァン杯は含めず)故に、ルヴァン杯のレギュラーである山本康・藤原を試すという意図もあったのでしょうが、勝ちきれずに終わり。
この日は本来の遠藤・上原(針谷の故障以降レギュラーに格上げ)のコンビへと戻して臨みましたが、前節のコンビが2人ともベンチ外となっている所を見ると、序列はまだ上げられていないようで。
その中間に位置するような鹿沼は、遠藤のスタミナ面をカバーする存在として定着していますが、ともかくこのボランチのやり繰りがホットラインとなりつつある近況。

磐田ボールのキックオフでスタートすると、そこから早速上原縦パス→山田ポストプレイ→遠藤裏へロングパスという、ボランチ2人がパスの出し手を担った攻撃を繰り出し。
ボランチ、特に超ベテランの遠藤のパスを軸とすべく振る舞います。
前半2分に得たコーナーキックでは、キッカー遠藤の中央へのクロスを鈴木雄が合わせ、ファーサイド奥へ浮いたボールを松原がヘディングしますがGK白井がキャッチ。

しかしそのメッセージは相手の金沢にも伝わったのか、あるいは試合前の対策か。
5分に立て続けに、プレッシングを掛けて遠藤からボール奪取という場面を2度作ります。
その1本目(こちらは嵌ったというよりは、遠藤のコントロールミスっぽい)では、奪った奥田がドリブルからシュートまで持っていき。(GK梶川キャッチ)
これで勢い付いた金沢、9分には再び敵陣深め左サイドでのボール奪取から好機、パスワークからバイーアがワンツーでの前進を経てミドルシュート。
ブロックされたボールをさらに加藤がエリア内へ送り、奥田のシュートに繋げましたがこれはオフサイドで無効に。

最近の好調ぶりがそのまま勢いに表れたという金沢ですが、直後の10分に急転直下。
スローインから右サイドでパスを繋いだのち上原が裏へ浮き球を送ると、走り込んだ山田には繋がらずもこぼれ球がエリア内へ。
そこに山田がさらに反応してシュートを放った所、藤村のチャージを受けて倒れる事態が発生。
シュートは決まらずも主審の笛が鳴り反則と、ラッキーというような流れでPKをゲットします。
反則を受けた山田が自らキッカーを務め、軸足と見せかけた左足でのシュートでGK白井の逆を突く技ありのゴール。
冷や汗の立ち上がりの中、これまでの実績(このカードは磐田の6戦全勝との事)通りまずは順当に先制します。

これでゲーム支配の流れを得た磐田。
その後も攻撃機会を作り続けますが、どうやら立ち上がりの反省から、遠藤を経由せずの前進へと切り替えたようであり。
前回観た町田戦然り、遠藤がボールの獲り所として狙われた際はどうしても不安定になる試合展開。
それを避けるような振る舞いが功を奏したでしょうか。

その遠藤はというと、ビルドアップの際は最終ラインに降りるか、ないしはサイドに開いてパスを受ける場面が目立ち。
最終ラインを3枚にする事でプレッシングをいなす役目か、奪われても被害が薄いワイドの位置で拘る、といった感じ。
そうした制約を設けても、磐田本来のパスワークで敵陣に切り込む流れを作るのは、山田をはじめとした百戦錬磨の選手揃い故にお手の物。

一気にプレスが嵌らなくなり守勢を強いられる金沢。
その間に追加点を取りたい磐田は、敵陣でのパスワークの中にも溜めを作るボールキープを織り交ぜる、アドバンテージを活かしての立ち回りも欠かしません。
29分にはその金子のキープに対し焦りを見せたか、庄司が後ろからチャージしてしまい反則、良い位置でのフリーキック。
右ハーフレーンの位置からドゥドゥが直接シュートを狙い、ゴール左を襲ったボールはGK白井が辛うじてセーブののちゴールバーに当たって跳ね返り。
何とか左CKに逃れるも尚も好機は続く磐田、今度は遠藤のショートコーナーから、ドゥドゥが再びハーフレーンからのシュート。
しかしこれもGK白井がセーブと際どく防ぎます。

ここからCKがさらに2本続くも何とか凌ぎ、守護神の好プレーに応えたい金沢。
37分、敵陣でのサイドを振ってのパスワークから最終ラインに戻し、井上が中央方面へ斜めの縦パス。
これを2トップの奥田・林が連続フリックで意表を突き、受けた加藤が抜け出す決定機が生まれかかった所、エリア内へ進入する直前で松原に後ろから倒されて反則。(これに警告無しなのは不可解)
エリアから本当にすぐ手前という位置で、直接FKを得ます。
しかしバイーアの直接シュートは壁を直撃と、PKで無かったのが悔やまれる絵図に終わり。

磐田にはPKが与えられ、金沢にはPKとならずと、紙一重の差がスコアに反映されたかのような前半。
しかしその前半のうちにさらにスコアが動く事となり。
44分、GK梶川ロングフィード→ドゥドゥ落としの2手で好機を作る磐田、拾った大津が左サイド奥を突いてカットイン。
そして左ポケットから強烈なシュートを放ちますが、ゴールバーを直撃してしまいモノに出来ず。
しかし尚も攻撃継続して右CKを得た磐田、キッカー遠藤のクロスをニアサイドで合わせにいった鈴木海。
これはミートせず逆サイドへ流れるも、拾った上原からのクロスをファーサイドで山田が足で折り返し、そして鈴木海が足でシュート。
今度こそゴールネットを揺らし、追加点を挙げた磐田。

尚、このCKの前にシュートを放った大津がその際に足を痛めてしまったらしく、前半の残り時間を痛みに堪えながらプレー。
そして前半終了を迎え、無事に交代機会を消費しないハーフタイムでの交代に持っていきました。(後藤を投入)
一方の金沢はHTでの交代は無く、何処で巻き返しのカードを切るかという思案を抱えての後半となり。

しかし動かざる事山の如し……というべきか。
流れを変えられない金沢を尻目に、縦横無尽にパスワークでボールキープを続ける後半立ち上がりの磐田。
後半4分には遠藤のスルーパスに後藤が走り込んでシュート(枠外)と、倍以上ある年齢差のコンビで更なる追加点も狙いにいき。

守勢に耐えながら、じっくり変節を待つ姿勢を作ったでしょうか。
直後の5分にそれは訪れ、降りてポストワークを果たした奥田から左へ展開し、バイーアのドリブルからのクロスがクリアされて左CKに。
キッカーは藤村でニアにクロスを送ると、合わせたのは庄司で巧く擦らせたヘディングシュートが右サイドネットに突き刺さります。
後半最初の好機を見事ゴールに繋げた金沢。

1点差としたものの、依然として磐田が攻撃権を支配する流れ。
しかし悪い意味で試合を動かしたのが、投入された後藤だったでしょうか。
10分に降りてポストプレイをしたは良いものの、味方のいない所に蹴ってしまいピンチを招きます。
拾った石原が右へ横パス、受けた加藤がエリア内右からシュート(中川がブロック)と際どい場面となり。

ここから展開は混迷気味に。
12分には磐田のゴールキック、GK梶川のフィードが直接最終ライン裏を突き、一気に右ポケットへ山田が走り込む事態となり。
そして中央へ送られた横パスを後藤が合わせシュートするも、GK白井のビッグセーブに阻まれます。
その後の磐田の攻撃を凌いだ金沢、15分に中央からパスワークで前進する所、奥田が松原の反則チャージを受けるも加藤が拾ってアドバンテージ。
しかし直後に金子のスライディングで奪われてしまい、反則無しに終わる(この判断自体は妥当)と、アドバンテージを反則とし直す事もしなかったたため金沢サイドにとって不満の残るジャッジとなってしまいます。

しこりを残しつつも16分に好機、ロングパスのセカンドボールを拾った加藤が前進から左ポケットを突くスルーパス、走り込んだ石原のクロスをファーサイドで林がヘディングシュート。
GK梶川がキャッチし、すかさずスローから攻め込む磐田、山田のミドルパスを右ポケットで鈴木雄が収めて横パス。
先程と酷似した流れを経て今度はドゥドゥがシュートするも、これもGK白井の左手一本でのセーブに阻まれ。
急速にオープンな展開にもなって来ました。

21分に遠藤→鹿沼へと交代した磐田。
力関係ではやはり有利な状況は変わらず、一旦攻撃が途切れてもサイド深めに追い込んだ末に苦し紛れの縦パスをカットするなど、金沢の逆襲を阻むシーンを目立たせます。

流れを変えるべく、金沢ベンチが動いたのが26分。
林・奥田→バイアーノ・杉浦と、2トップを揃って交代させてきた柳下正明監督。
バイアーノのフィジカルを押し出す攻めへと移行し、28分には浮き球を収めたバイアーノがアタックを受けて倒れると、そこにさらに鈴木雄の追撃?を受けて反則に。
この左サイドからのFK、キッカー・バイーアのクロスをバイアーノが折り返しと、こう書くととどちらがどちらか解らなくなるコンビの流れを経ての二次攻撃。
再び左サイドのバイーアのクロスから、ニアサイドで杉浦がヘディングシュートを放ちますが、枠を捉えられず。

それでも攻勢に移行する事は出来ず、30分にはプレッシングを受けてのパスミスで磐田にCKを献上してしまい。
流れを得れず尚も磐田に攻撃を受け、34分には長いパスワークの果てに左ポケットを突いての山田のマイナスのクロスがドゥドゥに合いかける(ミートせず)という危機も。
さらに交代カードを使い、35分に加藤・石原→嶋田・小野原へと2枚替えを敢行してもそれは同じであり。

一方高いボールポゼッションで金沢の攻撃機会を減らしている磐田も、未だ若年の後藤の存在が足枷となっている印象。
長身だがポストワークに難があるという、リードを維持したいこの日のような局面では使い辛い駒なのでしょうが、それでも使わざるを得ない程薄いFW陣。
相手の徹底チェックに遭う事は必至な現状の中、いかに「自分がゴールを決める」という意識を良い意味で薄められるかが今後のカギとなりそうです。そうでないと森本のような流れになりそう

試合の方は、40分に磐田がカードを切り、山田→松本へと交代して金子がトップ下へ。
まだカードを残しながらも、これが最後の交代となった磐田。

パスワークでゲームを支配しながらも、追加点を奪えずに迎えた試合終盤。
44分に松原のフリーで放たれたシュートがGK白井にキャッチされた所で、以降逃げ切りへとシフトしたでしょうか。
アディショナルタイムに突入し、右サイド奥へ持ち込んでのボールキープ、スローインも交えて時間を進めていく磐田。
ここでは流石に後藤もその輪に加わり、勝利に徹する姿勢を見せ。

何とかそれを切った金沢、GK白井のロングフィードを合わせにいったバイアーノが反則を受け、最後のチャンスというべきFKに。
キッカー・バイーアの左からのクロスが流れ、エリア内右で井上が拾って再度クロスを入れ、ニアで小島が合わせましたがシュートとはならず。
結局1-2のままスコアは動かず、磐田が4勝目に辿り着きました。

これで7戦全敗と、このカードでハッキリ優劣を付けられている金沢。
柳下監督の古巣である磐田だけに、在籍しているうちに切りたいという思いもあるでしょうが、それは叶わずとなりました。


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DAZN観戦 2023年J1リーグ第9節 京都サンガFCvsサガン鳥栖

2023-04-26 18:17:17 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

前年、大半が残留争いを強いられると予想されていたのを見事に覆した鳥栖。
主力選手をほぼ全員引き抜かれた中でも、秩序と信念を貫いての戦いを繰り広げた姿は、予想が裏切られた側にも感動を与えた事でしょう。

しかし今季も厳しい編成は続き。
スクラップ&ビルドの作業は、J1に居続ける限り永遠といった感じでありますが、それがいつも盤石になるとは限らない。
開幕から自慢のビルドアップがままならない試合展開が続き、あれだけ一体感の塊であった前年のチームの姿は影を潜め。
そして深刻な得点力不足に陥り、それは緊急的にJ2・大宮からFW河田を引き抜いて来た編成面にも影響を及ぼすという具合に、チーム固めが巧くいっていない節が伺えます。
幸いにして今季は降格枠は1のみなので、多少のスロースタートを覚悟で、前半戦を棒に振ってでも……という戦いが出来るかどうか。

そんな状況で、京都のホーム(サンガスタジアムbyKYOCERA)へと遠征した今節。
プレッシングの強度においてはリーグでも屈指のチームだけに、ボールポゼッションに不安を抱えたなかで相対したくなかった相手といえるでしょうか。

立ち上がりはその懸念の通りの展開に。
鳥栖は前半1分にロングボールを右サイド奥に蹴り込んだ以外では、敵陣への侵入すらままならない状態を強いられます。

持ち前の球際の強さで、同じくインテンシティ勝負に持ち込む鳥栖の反則を呼び込み、セットプレー攻勢に入る京都。
3分に右コーナーキックから、キッカー松田が意表を突いてグラウンダーで遠目にクロスを入れ、豊川がシュートを放つも枠外に。
しかしここからが本領発揮という京都。
続く鳥栖のゴールキックからのビルドアップを遮断、右サイド深めでボール奪取に成功してショートカウンター(シュートには繋がらず)と、早速相手のやりたい事を潰し。

これで流れを得た京都は、以降自身も最終ラインからのビルドアップを目立たせて攻撃。
鳥栖もプレッシングを掛けて対抗せんとしますが、1トップでかつ運動量に不安がある小野を頂点としてのそれは、相手のパスワークを遮断するには厳しいものがあり。

かくして「攻撃・防御双方が駄目」という流れが出来上がってしまう鳥栖。
唯一の形がGK朴を中心に最終ラインで左右にパスを振ったのち、ロングフィードを裏に送るという疑似カウンター狙いですが、そこからも好機は生む事が出来ず。
反対に京都はやりたい放題という感じであり。
前述のプレッシングに拠るショートカウンターのみならず、サイドからの前進でポケットを突く攻めあり、ターゲットへのロングパスありと多彩な手段で好機を量産していきます。
その中で決定機を迎えたのが9分で、井上ロングパス→山﨑凌ポストプレイから前へ運んでいき、スルーパスを受けた豊川が中央からエリア内を突き。
そしてシュートを放つも原田がブロック、こぼれ球を拾ってさらにシュートするもこれも長沼がブロックと、身体を張って守られます。

鳥栖は16分に豊川のドリブルを後ろから腕でチャージした河原が警告を受ける等、守勢故の被害も膨らんでいき。
この流れに乗っているうちに得点したい京都。
迎えた21分、GK若原のスローからロングパスの連続で組み立て。
右から白井がサイドチェンジ、これを受けた佐藤がアーリークロスを入れると、ファーサイドで収めた豊川が切り返しを経てシュート。
GK朴のセーブを弾いてゴールに吸い込まれ、ダイナミックな空中での運びにより先制点に辿り着きました。

しかし喜びも束の間、待ち受けていた落とし穴。
直後のキックオフから組み立てる鳥栖、最終ラインへ戻したのち山﨑浩が左へロングパス。
これを岩崎が中央方向へ落とすと、京都の心理面の隙を表すように誰もいない所に転がるボール。
そしてそれを突くように右から原田のアーリークロスに持っていくと、ピンポイントでファーサイドに走り込む小野の頭に合ってのヘディングシュート。
左ポスト内側を叩いてゴールに入り同点とした鳥栖、結局京都リードの時間は約1分に終わってしまいました。

その後は空中戦が頻発する中、京都は井上、鳥栖は菊地と競り合いで痛み倒れ込むシーンが続出。
双方テンポが悪くなってきたものの、依然として鳥栖がボールを繋げないという流れは変わらず。
奪われる場所がサイドだから大事故になっていないだけで、中央でそれが起こってしまえば……という意識もあるでしょう、思い切った繋ぎも敢行出来ず。
得点の場面こそ岩崎の落としが誰にも拾われず繋がったものの、そこで得点出来ていなければ……と言いたくなる展開。

ようやく鳥栖が、GK朴からの繋ぎで京都のプレッシングをいなせたのが28分。
しかしこの時も、敵陣に送ったミドルパスをカットされて京都のカウンターを誘発してしまいます。(シュートまではいけず)
その後30分に京都はまたも敵陣でボール奪取してからの好機、一美のミドルシュートがブロックされたのちも継続させ、左サイドからポケット奥をスルーパスで突いて豊川がクロス。
クリアボールをエリア内中央で拾ったのは絞っていた白井で、そのままシュートを放つもGK朴がキャッチ。

京都にやる事なす事全て封じられる、といったここまでの鳥栖。
しかし仮にもビルドアップを成功させたのが好循環を齎す契機となったでしょうか。
上記の京都の好機直後も、GK朴からの繋ぎで京都のプレッシングに挑む姿勢を貫き。
そして左サイドから前進に成功し、岩崎の中央突破からのラストパスを受けた長沼がシュート。(ブロック)

やっと主体的な攻撃の下地が出来上がったという印象で、こうなると結果が出るのも早く。
31分に再び左サイドから前進、小野のスルーパスで奥を突き、受けにいった岩崎がディフェンスに遭うも左CKへ移ります。
鳥栖がこの日初めて(既に京都サイドは3本)となったこのCKから、キッカー河原のクロスが中央に上がり、田代が合わせにいき。
しかし触れられずに流れると、奥に居た一美がクリアしきれず、反対方向つまりゴールへとボールが吸い込まれてしまいます。
またも偶発的な得点というようなオウンゴールですが、呼び込んだのは鳥栖が攻撃の流れを作れたからに他ならず。
これで今季初の複数得点を果たしました。

一方あれだけ攻勢を続けたにも拘わらず、リードされる展開となった京都。
34分にはスローインの判定を巡り豊川が小野とヒートアップを見せる等、そのギャップに苛立ちを隠せないといったシーンも生まれ。

失点場面が運の無さも関与した影響でしょうか。
36分には右サイドから白井がゴールへ向かうクロスを送ると、山﨑凌が跳ぶも触れず、そのままシュートのように枠内を襲うボールをGK朴が何とかセーブ。
相手を見習うように、偶発的な得点を狙いにいった節が見受けられ。

しかし偶発的という事は、1失点目が示すように守る側にとっては心の隙が生まれたという事でもあり。
そして京都はそれを再度見せてしまう事となります。
41分に鳥栖は中盤右サイドからのスローイン、これを原田が長い飛距離を投げ入れると、それだけで一気に裏を取られてしまう事態に。
反応した小野が奥からマイナスのクロス、これをニアサイドでしっかりと収めた本田がシュートを放ち、ゴール右上へと突き刺します。
あれだけ劣勢だったチームが、前半のみで3点を挙げるというギャップ満載の展開となりました。

結局4分あったアディショナルタイムでも、京都はその後さしたる見せ場は無く。
前半を1-3で終え、巻き返すべくハーフタイムで2枚替えを敢行。
福岡・豊川→平戸・木下へと交代し、後半に臨みました。(一美が右ウイングに回り、木下が左WG)

WGという位置にも、一美・豊川そして木下と、ターゲットになれる人材を置く京都。
サイドバックはじめその他の選手がクロスを入れる際には、同サイド側のWGもターゲットとしてエリア内に入り込むのが特徴であり。
その代わりWG自身が仕掛けるのは苦手となり、後半1分にはその一美が右サイド奥へ切り込んでクロスを供給する(ブロック)、狙い通りでは無い場面が早速生まれ。
4分にも逆サイドで、木下が同じく奥を突いてクロスに辿り着き。(エリア内でクリア)

入りから好機を作っていくも、何処と無くぎこちなさを感じさせるのはそんなギャップからだったでしょうか。
そしてその影響が現れた感があり。
6分にロングパスを山﨑凌が落とすも、拾いにいった一美があろう事か田代を足裏で削ってしまい反則に。
カードは避けられないというシーンに主審(池内明彦氏)から目を背け判定を待った一美でしたが、掲げられたそのカードは何と赤色。
これには向き直った一美も驚愕の色を隠せずと、強度満天のチームスタイルが仇となった格好の退場劇となってしまいました。
以降10人での戦いを余儀なくされる京都、ベンチも直ぐに動き山﨑凌→パウリーニョへと交代。
木下を1トップとした4-4-1へシフトと、3人も居たターゲットは一気に1人のみとなってしまい。

これで数的優位となった鳥栖。
あれだけ猛威を振るっていた京都のプレッシングも、鳥栖のビルドアップに対抗する事はままならず。
1トップ+2サイドハーフで規制を掛けにいく京都ですが、当然ながら前半とは打って変わって鳥栖の繋ぎが冴え渡る展開となります。

しかし京都にとって本当の問題は、2点リードされているという事実。
即ち主体的に攻撃しなければいけない状況であり、ターゲットも減った以上はショートパスでのビルドアップの割合を増やさなければ逆襲の糸口は生まれません。
そしてそのショートパスの繋ぎで、パスコースが見出せずに奪われるシーンが続出してしまいます。
14分に中盤で菊地がボール奪取した鳥栖、一旦戻したのち左サイドへ展開し、岩崎がドリブルで広大なスペースを駆け上がる攻撃。
そして一気に左ポケットまで持っていった岩崎、マイナスのクロスを中央ややファー寄りで合わせたのは本来逆サイドの原田。
シュートはゴール上へ惜しくも外れるも、こうした流れで京都ゴールを脅かしながら、時間と攻撃機会を減らしていく鳥栖の立ち回り。

18分にさらにカードを切る京都。
松田→木村へと交代し、空いたボランチには平戸が回り。
攻撃的な選手を中盤センターに置き、前への圧力を掛けようという意思は見せたものの、やはり苦境は変えられず。
20分にパウリーニョのミドルパスをエリア手前で収めた木下、逆向きのままヒールパスをエリア内へ送り。
そこに川崎が走り込んだものの、原田のチャージに遭って受けられず(反則無し)と、差し込んだ一筋の光というような好機もモノになりません。
25分に早くも最後の交代を敢行し、佐藤→荒木。

一方の鳥栖は22分に最初の交代を行い、小野→河田。
こちらは特に流れを変える必要性も無く、運動量の維持に努めるのみという振る舞い。
26分に森谷が足を攣らせるという具合に、その問題が露呈する場面もありましたが、大きな破綻が生まれる事は無く。
28分に中盤でのボール奪取から再び岩崎が持ち運ぶ好機となり、河田がディフェンスに遭うも、エリア内で岩崎が拾い直してシュート。(麻田がブロック)
32分の右CKからは、クロスが流れたのち逆サイドから再度河原がクロス、これを原田がヘディングシュート(ゴールバー直撃)とひとしきり決定機を生み出します。

しかし追加点は生まれる事は無く時間は進み。
35分に森谷・岩崎→福田・堀米へと2枚替え、40分に菊地・本田→樺山・西川へと2枚替えと、メンバーを入れ替えていく鳥栖。
最終的に長沼が左SBに回りましたが、これが京都にとって光明となったでしょうか。
スタミナ面の不安が露わとなりがちな終盤戦で、疲弊した攻撃型の選手をこの位置に置いた隙を突くように、以降白井の突破力に活路を見出します。

44分にその白井のドリブルから右CKを得た京都。
キッカー平戸のクロスはニアの井上の頭を越えると、鳥栖のカットに遭いカウンターに持ち込まれ。
堀米ドリブルからパス→樺山ドリブルからエリア内へスルーパス→西川という運びでゴールを脅かしにかかる鳥栖でしたが、荒木のカバーでシュートは撃てずに終わった西川。
しかしそれでは終わらず、鳥栖が自陣エリア内で原田がカットした際、腕に当たったとしてハンドかどうかのVARチェックが行われます。
OFRへと移行し、原田が突き出した肘に当たった映像が晒された結果、判定が覆りハンドならびに京都のPKに。
一転して得点チャンスを得た京都、既に時間はATへと突入するも、目安は9分なためここで決めればまだ判らない状況。
キッカー木下は上部への強いシュートを選択し、GK朴は反応するも届かずゴールネットを揺らします。

これで1点差に迫った京都、同点とするべく尚も前掛かりな姿勢を強めます。
しかしその分、鳥栖の陣地を回復する立ち回りでやり直しを強いられ。
しかもやり直しどころか、そのボールを繋がれて奥へと運ばれ、エリア内を窺うパスワークで時間を使われてしまうという始末。
焦らずにはいられない京都ですが、(麻田を前線に上げたうえで)GK若原がターゲットにボールを送るぐらいしか手段は既に無く。

ATも終盤、その流れの中で鳥栖が逆に決定機を得ます。
山﨑浩の裏へのロングパスで河田が抜け出し、エリア内右へ持ち込んでシュート。
加入直後の初出場(6節・FC東京戦、1-0)でも、ラストワンプレーで決勝ゴールを挙げたようにこの時間帯でも得点意欲旺盛な河田でしたが、このシュートはゴール左へ外れてしまいモノに出来ず終わります。

結局スコアは動かせなかった京都。
2-3で鳥栖が勝利と、数的優位の中しっかりと勝ちきりました。


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DAZN観戦 2023年J2リーグ第11節 藤枝MYFCvsベガルタ仙台

2023-04-25 16:00:38 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(7節・町田戦、0-1)
※前回の仙台の記事はこちら(7節・長崎戦、0-1)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • GK岡西の故障が発表され、4/6に診断した結果全治4週間との事。
  • 来季加入が内定した前田が特別指定選手に。

<仙台スタメン>

  • yahooスポーツナビによると、前節とはセンターバック2人が左右逆。
  • 小出が累積警告により出場停止。
  • 7節で負傷交代した郷家は、その後も影響無く出場を重ねている。
  • 同じく7節で負傷交代した遠藤の詳細が発表され、全治4週間との事。

連勝で白星の方を先行させた藤枝。
力の差を見せ付けられた町田戦以降は、大量得点を果たすポリシー通りのサッカーで結果も残しており。

何といっても注目選手は、目下得点ランキングトップの渡邉(8得点)であり、彼が得点した試合は全勝とチームの成績にも直結。
逆に言えば得点出来ない日は……という状況(1分4敗)ですが、J2初年度でまだ10試合経過の段階なので、今後これは表裏一体となる事でしょう。
つまり相手に「彼(渡邉)を封じても、その他の選手に得点を許して敗戦」という爆弾を抱えさせている風でもあり。
周囲のメンバーも横山・久保・榎本と攻撃力満載な人材が控えている訳で、「超攻撃エンターテイメントサッカー」の下地は顕在。

そんな魅力に溢れ、ただしJ2初年度であるが故に、「負けられない、しかし厳しい戦いとなる」という要素も突き付けられる対戦相手。
この日のそれは仙台となりました。
遠藤の故障もあり、前回観た時からかなりメンバーを弄ってきたという印象。
中島がFWに入っている事もあり、2トップというよりは彼をセカンドトップとした4-4-1-1の布陣を想像しましたが、その辺はあくまで流動的にこなし。

前半2分、右サイドからの菅田の縦パスをその中島がポストプレイで繋いだのち中央から前進。
鎌田がドリブル突破から果敢にミドルシュートを放っていき、左ゴールポストを直撃といきなりゴールを脅かす入りを見せます。
この中島の流動性を軸としてゲームを支配したい仙台ですが、流動性という要素では藤枝のお手の物であり。
3分にクロスの跳ね返りを繋がんとした渡邉が鎌田に反則を受け、エリアからすぐ手前で直接フリーキックを得た藤枝。
ほぼ中央という位置から、キッカー横山が放った直接シュートは壁を掠めてゴール上へ外れと、こちらも惜しいフィニッシュ。

その後は藤枝の独壇場、というような展開に。
GKを利用したビルドアップでキープ力を高めつつ、ボランチの位置に降りる横山を利用して他選手を押し上げるやり口が主流。
その横山自身もドリブル突破を図る意欲は旺盛と、何処からでも推進が出来る攻撃で仙台サイドを押し込んでいきます。

仙台はボールを持った際も藤枝のプレッシングを受け、攻守両面で押し込まれる展開。
13分にはバックパスを受けようとしたGK林がプレッシングを受けた事で、何処にも蹴り出せずゴールラインを割るのを許してしまい藤枝のコーナーキックに。
その右CKから、キッカー久保のクロスを川島が胸で落としたボールを奪った仙台。
しかしカウンターに持ち込まんとした所を(榎本が)奪い返す藤枝、素早いパス回しを経て久保が右ポケットを突いてシュート。(ブロック)
状況が状況故にカウンターに頼らざるを得ないですが、それによりトランジションの連続という絵図になってしまえば目も当てられない、という仙台。

それでも18分に藤枝をアクシデントが襲い、岩渕が足を痛めてしまい続行不可能となり。
担架で運ばれた末に、早くも平尾との交代を余儀なくされました。

これで勢いを失ったか、パスのズレが目立つようになった藤枝。
24分に仙台はそのパスミスを菅田がダイレクトで縦パスを送り、そのまま素早く前進させましたが、山田の中山へのスルーパスは惜しくもオフサイド。

藤枝の守備時は、3-4-2-1の基本とするべき5-4-1・5-2-3というよりは、ボールサイドのウイングバックが前目に位置するためそれに当て嵌まらず。
そして左右のセンターバックが、サイドバックのようにWBが前に出た穴を埋めるという具合に、ほぼ4バックのような印象を残します。
いかにも前への意識が強い藤枝らしい守備で、弱点もあるようなやり口ですが、この日の仙台はその積極性を受けてビルドアップは中々苦戦気味。

主体的な攻撃では明らかに分があった前半の藤枝、その流れのうちに先制点を取りたい展開に。
それでも35分、榎本が左サイドからドリブルで切り裂き、左ポケット奥からマイナスのクロス。
ニアサイドで渡邉がフリックで奥へ託すも、久保は合わせきれずゴール上へと外れ。
決定機を作っても、決められなければその分プレッシャーに晒される事となり。
懸念を振り払うべく奮闘するのが渡邉で、フィニッシャー・ポストワークのみならずドリブルで運ぶシーンもこの日は目立ちます。
36分に下がってのボールキープから中央をドリブルで進む渡邉、エリア手前で内田に倒されるも、倒れながら尚もボールを繋ぎ。(シュートまではいけず)

次第に仙台も好機を生み出せる流れとなる終盤戦。
44分に菅田のミドルパスを受けた郷家が右サイドをドリブル、そのままクロスを入れるとニアサイドで山田が跳び込んでヘディングシュート。(枠外)
まさに「押し気味ながらも得点出来ずにいる懸念」がチラつく状況でしたが、その直後の45分でした。
GK北村が最終ライン裏へロングフィードを送ると、走り込む平尾の前でクリアされるも、その際に後ろに下がってヘッドしたキムテヒョンが前に出たGK林と被ってしまう事態に。
跳ね返りを渡邉が判断良くダイレクトシュートに持ち込み、これがゴールネットを揺らします。
仙台サイドのミスながらも、それをキッチリ突いたのはやはりポイントゲッターたるこの男、というような渡邉のゴール。

そのまま突入したアディショナルタイム、仙台はFKを得ての放り込みから藤枝ゴール前で攻めを展開するも、結局はラフな蹴り合いに終始。
1-0のまま前半を終える事となりました。

共に交代無く迎えた後半戦。
巻き返したい仙台サイドもハーフタイムでは動かず、まずは戦局を観る事を優先します。

スコアを動かした勢いを持って攻め上がる藤枝。
敵陣でパスワークを展開し、ディフェンスで途切れたのちもすかさずゲーゲンプレスで脱出させず連続攻撃に持ち込み。
「見」に回った仙台はそれを切る余裕は無く。

そして後半4分、右サイドでの作りから、水野の対角線の縦パスを受けた榎本が左ポケットへ切り込んでシュート。
これをGK林がセーブと、何とか防いだ仙台でしたが、フィニッシュを放った事で試合絵図が動き始めたでしょうか。
直後にカウンターに持ち込む事に成功する仙台、左サイドで山田寛がドリブルで切り込み、そのまま左ポケットを突いてシュート。
GK北村がセーブするも、跳ね返りが郷家の前へ転がり、後は詰めるだけという状況に。
たまらず戻ってきた榎本がクリアして凌ぎましたが、これにより郷家のチャージを受けてバランスを崩した榎本、そのままゴールポストに激突してしまう顔面蒼白もののシーンが。(郷家が反則・警告)

何とか2分近く掛けて起き上がる榎本、プレーを続行するものの、これによりチーム全体勢いが削がれたかのようにその後失速する藤枝。
再びパスミスが目立ち好機を生み出せず、という流れに突入します。
それを突きたい仙台、9分にはその藤枝のパスミスを繋いで前進していき、左ポケットで氣田が持つ絶好機。
しかしカットインから放たれたシュートは川島のブロックに阻まれます。

HTで交代を見送った分、何処で勝負手を打つのか図り易かったと思われる仙台・伊藤彰監督。
藤枝の退潮が明らかとなったタイミングで、一気に3枚替えを敢行します。(15分)
山田寛・中島・氣田に代え、中山・相良・加藤を投入。
中山の1トップとする事で明確にトップ下を置いた4-2-3-1の布陣へとシフトし、2列目は右から加藤・郷家・相良。
そして最終ラインからのビルドアップで攻撃を組み立てるという具合に、自身のターンに持ち込む仙台。

迎えた18分、キムテヒョンの左サイドへの展開から、パスワークで選手を密集させた末に相良がドリブルで抜け出し。
集中から展開、といった攻撃を経て入れられたクロスから、ニアサイドで中山が合わせたシュートがGK北村のニアサイドを抜いてゴールイン。
流れと采配を融合させた、同点ゴールが生まれました。

尚も20分、郷家のドリブルで敵陣に運ぶなど流れに乗って攻めを展開する仙台。
その攻撃による右スローインから、同サイドに人数を掛けて繋ぎ、加藤が横山のディフェンスで倒れながらもボールキープ。
そして受け渡されたエヴェルトンがエリア内へスルーパスを送ると、際どい繋ぎとなったのがかえって幸いしたか、反応が遅れた藤枝ディフェンスの裏を取った郷家がシュート。
ループシュートでGK北村を抜いた結果、逆転ゴールとなります。
こうして僅か3分でリードを得た仙台。

一方急転直下となり、余裕も無くなる藤枝。
22分には連続失点による動揺からかGK北村がフィードをミス、短くなった所を中山がカット。
そして拾った郷家がミドルシュート(GK北村キャッチ)と、今度は藤枝が目も当てられない、という危惧に晒されるかのような展開に。
何とかそれを振り払い、24分に榎本のスルーパスを受けた渡邉が左ポケットを急襲。
そしてその勢いのままシュートしますが、カーブが掛かった結果ゴール右へと外れ。
運気もこの日は先制点で無くなったか、既に渡邉に頼れない状況となります。

ゴールに向かう勢いを取り戻したい藤枝、28分に小笠原・水野→久富・矢村へと2枚替え。
これで横山がボランチに……というお決まりの流れと思われましたが、以降横山は殆ど上がりっぱなしで攻めに加わり続け。
逆に平尾が試合から消えるかのように目立たなくなったため、平尾をボランチとしたのかもしれません。

横山を推進させて打開を図る藤枝。
32分、中央で縦パスを受けた渡邉が鎌田に潰されて奪われるも、すかさず川島が奪回して攻撃継続。
そして横山が左奥を突いてマイナスのクロスを入れ、最後は久保がニアサイドで合わせたもののシュートは枠を捉えられず。
冒頭で述べたような、渡邉を繋ぎ役としつつ、他の選手で決めなければならないという流れが出来始めたでしょうか。
それに伴うようにフォーメーションも、渡邉がシャドーの位置を取り始め、矢村の1トップといった状態に。
37分に平尾をインアウトさせ(といっても62分出場ですが)アンデルソンを投入と、采配面も思い切った決断を敢行します。

一方リードする仙台は、33分に郷家→蜂須賀へと交代。
これでWBを置いた(右=蜂須賀・左=内田)3-4-2-1へシフトと、終盤を迎えた際には5バックシステムで守り切るという体勢に。
さらに40分に鎌田→松下と、守備的な選手の投入で逃げ切りを図ります。

しかし直後の41分。
ロングパスの跳ね返りを仙台がパスミスし、すかさず拾った渡邉がドリブルで持ち上がったのち右へと展開。
受けた久保が右ポケットを突くと、放たれたシュートが豪快に左サイドネットに突き刺さり。
この日の渡邉の変節が見事に報われた格好となり、同点に追い付いた藤枝。

喜びも束の間、仙台は直後のキックオフからの攻撃で、右サイドからの加藤のクロスに持ち込み。
これをファーサイドでフリーで相良が収める絶好機となるも、シュートは久保が何とかブロックで防ぎます。

冷や汗もののシーンとなり、締め直す藤枝。
44分にミドルパスを中央へと託す久保、それを受けた榎本がワントラップで左ポケットを突き。
そして奥からクロスが上がると、ファーサイドで横山のダイビングヘッドが炸裂しますが、GK林がファインセーブで防ぎ。
攻めも攻めたり守りも守ったり、というシーンを経てATへ突入します。

最終盤で既に各個の推進力に頼り辛い事もあり、右サイドでは久富が高い位置を取る藤枝。
攻撃もパワープレイめいたものへと移っていきますが、最後はそれが決定打となります。
鈴木の対角線のロングパスを久富がエリア内へ落とすと、収めてシュートに持ち込んだのは矢村。
右寄りの角度の少ない位置からのシュートでしたが、見事にゴールマウスを捉えてネットに突き刺さり。
土壇場での勝ち越しゴールに、ゴール裏サポーターの前で歓喜の輪を作ります。

一方逃げ切れずとなった仙台、最後の意地とばかりに残り時間で攻め上がり。
菅田を上げてのパワープレイによる攻撃から、右サイドから蜂須賀のクロスが上がると、ファーサイドで相良が収め。
先程と酷似した決定機が出来上がりますが、相良のシュートはゴール左へ外れて惜しくも同点ならず。
藤枝にとってはまさに肝を冷やすといった場面でしたが、その直後に試合終了の笛が鳴り、無事に勝利に辿り着きました。

勝敗(6勝1分4敗)もさる事ながら、これで得点数はリーグトップの21。(11試合)
勝利した試合は全て複数得点と、そのスタイルの有言実行ぶりを示しているのが気持ちいい藤枝のサッカー。
この無垢ともいえる状態は何時まで継続できるのか、興味が尽きない前半戦となりそうです。


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2023年J1リーグ第9節 北海道コンサドーレ札幌vsアビスパ福岡 in札幌ドーム

2023-04-24 16:00:36 | サッカー観戦記

前回野球観戦という、このブログの趣旨に全く合わない事をやってしまったお詫びの意味を含めて現地観戦。
そのため、相手の福岡の試合を観るのは3連荘となってしまいましたが気にしない。

前回述べた通り、北海道のスポーツ環境は、プロ野球・日本ハムが本拠地移転を敢行した事でガラリと変わり。
傍らから見てみれば置いてけぼりを喰らったかのような札幌市ですが、めげる事無く「スポーツ文化の振興」という、多目的である札幌ドームの理念を今一度思い出すように歩み始めているようであり。

いざ新球場が開幕してみると、そのアクセスの悪さを筆頭に悪評が目立つようになった日本ハム側を余所に……という、当初の予想とは逆の構図が出来つつあるのが何とも。
まあ対立などせずどちらもwin‐winになるのが素晴らしい事でしょうが(綺麗事)

さてそんな事情から、一新した地下鉄・福住駅の様相。

 

改札~3番出口間のパネルも、当然の如く、日本ハムが居なくなった分札幌の独占状態に。
ただクソンユンや小野・深井・中島らこの日ベンチ外だった選手が目立っていたのが何とも

割り当ての余裕が出来たのか、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ)も満を持して登場しておりました。

エスカレーター前のパネル。
「○○、世界へ」というフレーズは、「柏から世界へ」(2018年)の如く何かのフラグと思えて不安で仕方無いですが気にしない。

行列を避ける意味合いも兼ね、駅直結のイトーヨーカドー内にあるドトールコーヒーショップに入り、アイスコーヒー一杯で一服。

この店内から、ドームに向かわんと足を動かしているサポーターたちの姿を見るというロケーションは、嫌でもテンションを上げさせるのに十分足るものでした。

休息もそこそこにいざドームへ。

入場前に見学したメモリアルコーナー、去年の札幌ドームMVPの栄冠(?)には青木。

こうしたロゴの表記も、すっかり札幌一色に。

移転した日本ハムを弄るのはこれまでにして……

今後の観戦の際に壁になりそうなのが、今季から札幌でも導入した、ダイナミックプライシングシステム。
いわゆる価格変動制であり、それに伴い全体のチケットの値段も一回りアップといった感じに。
とてもじゃないがメインスタンド側は手を出せそうにない、という事で、約2週間前に取ったバックスタンド側(カテゴリー3)チケットは4800円(手数料などは抜き)でした。
前回FC東京(味の素スタジアム)のバックスタンド側のお値段と比べても、かなり強気なものであり。
果たしてこれが観客動員の足枷にならなければ良いですが。

おかげで今回も電光掲示板はこんな感じで見辛い角度ですが、これに関しては思わぬ形で解決を見せました。(後述)
尚この映像の方は札幌OBの石井謙伍氏で、試合前のイベントに河合竜二氏に呼ばれる形(勝手な想像)で参加。

さて入場を果たすと、ゲートから直ぐのブースでお仕事をしているこの方の姿が。

説明不要のドーレくんであり、こうして我々の間近に姿を現すのは何時以来か……と感慨深く。

試合開始まで1時間以上前、という早めの段階でピッチを周回するドーレくん。
練習中にスタメン紹介を行う札幌ならでは、といった所でしょうか。

 

やっぱりマスコットの存在感は良いものです。(何がだ)

席に着き、現地に来たからには楽しむべきスタジアムグルメ。

コンサドーレ太鼓判メニューからの選択。
とは言っても、その名の通り「赤・黒カラーに染め上げられた」食品。
これが味の方にも影響するのは言うに及ばず、特に赤カラーは「甘・辛」がメインとなる、人を選ぶものに偏ってしまうのが悩み所。

熟考の結果、黒カラーの趣が強いものを選び「BLACK担々焼きそば」。
それでもその名称の通り、辛味がそこそこにありましたが。(カレーでいえば中辛レベル)
黒要素であるこの真っ黒い麺はイカスミ味と、こちらも人を選びそうな味付けですが個人的には嫌いでは無く。
これとハンバーガー1個を合わせて食し、腹ごしらえは万全。

ふと福岡サポーターサイドのスタンドを見ると、その断幕にはえげつない文字が。
「九州独立」との事です。(まあ20年以上前から使用されていたフレーズですが)

試合に向けて、メモの準備をするか……という所で一悶着。
持ってきたボールペンが、何とインクが出ない事態が発覚して大慌て。
心中穏やかでは無いといった状態で、席を立ち「コンサドーレオフィシャルショップ」でペンを購入する事にしました。

余談ですが、このショップは前年までの「GOODS JAM」の場所に作られたもの。
これから札幌がドームを席捲していくという形が名実ともに現れているようであり。

ドーレくんのイラストがプリントされたボールペン、600円なり。(税抜、自宅で撮影)
完全なアクシデントによる出費ですが、まあご祝儀代わりという事で……

店を出て再度席に着いた際には、既に13時過ぎ。
程なく練習開始となりました。

 

ピッチに登場後、全方位に頭を下げる選手達と、それに赤黒のフラッグ総出で応えるサポーター。

一方登場するやいなや、一目散に(といっても歩いて)福岡サポーターサイドへの挨拶を最優先する福岡選手。

その後に全方位、さらには札幌サポーターサイドに頭を下げ。
これには拍手が起こる……と同時に少量のブーイングも混じるという、やや困惑気味の札幌ゴール裏。

余談ですが、この札幌サポーターの「ブーイング文化」と言うべきでしょうか。
以前に(コロナ禍前ぐらいか)顕著だった「相手選手が練習に姿を現した段階でブーイングを起こす」という行為は、個人的に好きになれません。
対象が鹿島・浦和といった歴史のある強豪ならば、「その威光に負けない」意気込みを示すもので悪くないと受け取れるのですが……。
自分が以前観た松本戦(2019年)でも、明らかに立場が劣る松本に対してそれを敢行していたのは、マイナスイメージの方を強く感じてしまいます。
まああくまで個人的な感想なのですが。

そんな事を考えつつ、迎えたスタメン発表の時間。

「まずはアウェイのアビスパ福岡」というDJのアナウンスの際にも、ひとしきり札幌サイドから起こるブーイング。
その中でも、元札幌である奈良・前のアナウンスに対しては拍手。

そして例によって映像付きの、札幌の選手紹介。

一部アニメーションも取り入れられており、このシーンの際に、顔をやや下向きの位置から上げるというものが。
演出面もそれなりに頑張っている趣が感じられました。

今季が6年目と、広島・浦和時代と同レベルの政権の長さとなったミシャ監督。(尚DJのコールは、「ミハイロ・『ミシャ』・ペトロヴィッチ」というものでした)
今季限りとなるかどうかは札幌フロントの姿勢次第なのでしょうが、少なくとも『その時』が、浦和時代のような「成績不振による、サポーターとの喧嘩の果てに采配面で自爆」というものでは無い事を祈るばかりです。


練習も終わり、キックオフ前にトイレに行っておこうという目的で席を立ち。
しかし上段に上がってみると、そこには「座席で選手入場シーンを迎える」という自分のプランを覆す絵図が準備されていました。

それはビッグフラッグであり、バックスタンド側に掲げる準備が行われており。
当然、人間を覆うように上部に掲げられるものであり。
映像を撮りたいという自分は反射的に、「たまったものでは無い」という思いに駆られ、その場から避難する事を決定しました。
そしてトイレを済ませたのち、自身初となる3階での展望に。迷惑な奴だ

いかにも写真を撮ってくださいというように設置されていたパネル。
ドーレくんの隣のキャラクターは、札幌ドームのオフィシャルのものであるチャームコロンだそうです。

この脇で、入場直前~直後にかけてひとしきりに撮影。

着席時に比べてはるかに見やすい掲示板の角度。
今度からここからの撮影をメインにしよう、と考えさせるのに十分でした。

試合前の映像の演出も、本当に頑張っているという気概が伺えるものであり。

ほぼ真上という位置からの、札幌サポーターならびにコンサドールズの姿。
これも自分にとっては、「どうして今まで……」と思わざるを得ない斬新なもの。

しかし選手入場は、バックスタンドからよりさらに極小のものとなり。
尚キックインのような場所に居るキャラクターは、北海道新聞社のものである「ぶんちゃん」。

こうした真新しい光景を与えてくれて、ある意味感謝しなければいけない対象であるビッグフラッグのお姿。

この後慌てて戻り、何とかキックオフ直前で着席。


この日のスタメン。

札幌はGKクソンユンがベンチ外となり、開幕節以来のスタメンとなった菅野がGK。
故障で無いのならば、4試合で10失点の惨状ではある意味仕方ないと言える交代劇でしょうか。
また中村桐耶の出場停止(前節一発退場)を受けて微調整の果てに、ルーカス・フェルナンデスが左ウイングバックで今季初スタメン。

一方の福岡は、前節の4-4-2から3-4-2-1へとシステム自体を弄り。
三國ケネディエブスをセンターバックに使う事でそれを果たし。
頂点の1トップは当初ルキアンでしたが、のちに山岸と入れ替わっていました。

お互い3-4-2-1(札幌の方は駒井が1トップなため、実質0トップかも)のミラーマッチといえる布陣で、迎えた試合開始。

最初にクロスに辿り着いたのは福岡(前半2分、左から小田のクロス)でしたが、その後は札幌が攻勢に入り。
福岡がロングボールを蹴り、それを跳ね返される事によって、前に向けたベクトルの逆を突かれるという流れとなります。

そして早々の5分に札幌が先制点に辿り着き。
試合前に気になるデータを見たので、乗せておきます。(多謝)

この札幌の「ロングパス総数リーグ2位、にも拘らず成功率が15位」という懸念を持って、観戦していた自分。
ある意味パターン化している、「右サイドの金子へのロングパス」への傾倒がこういう数字を招いていると推測します。
しかし、GK菅野のフィードが左サイドの菅に渡り、そこからさらに菅がサイドチェンジのように右へロングパス。
これが金子に綺麗に渡ると、得意のドリブルで奥へと切り込み、小田を振り切った末に右ポケットからマイナスのクロス。
ディフェンスに当たってこぼれるも、すかさずシュートしたのは荒野。
鮮やかにネットに突き刺さり、試合前の懸念を振り払うかのようなロングパスの連続からの好機で先制しました。

その後も福岡の攻撃があっさり跳ね返される一方で、流れを掴む札幌。
金子のドリブルは以降も冴え渡り、その突破力を防がんと小田・三國の2段構えで対策せんとする福岡ですが状況は悪く。
何度も右サイド奥からクロスに持ち込まれます。

そして迎えた13分、今度は浅野のドリブルからの好機で、左ハーフレーンで受けた青木がポケットへスルーパス。
奥へと走り込んだルーカスがグラウンダーでクロスを送ると、エリア内へ入り込んでいた浅野のシュートでゴールネットを揺らします。
敵陣でこれだけ縦横無尽に展開されれば、堅守の福岡サイドも成す術無いといった形で、早々に2点リードを奪った札幌。

反撃を試みたい福岡、18分に紺野のドリブルが反則で止められ、エリアからすぐ手前・左ハーフレーンからのフリーキックに。(正直、相手のセットプレーの際にも札幌サポがブーイングを上げるのは勘弁……)
キッカー中村駿はクロスを選択し、跳ね返りを前がダイレクトでエリア内へ縦パス。
これをルキアンがさらにダイレクトでシュートにいきましたが、ミートせずGK菅野がキャッチ。

その後もひとしきり札幌が押し込む展開となり、冴え渡る金子のドリブル。
前掛かりになる分、三國が金子との一対一を強いられる場面が膨らみ、そしてそこで振り切られる三國といったシーンが頻発します。
入れられるクロスを何とかクリア、という守勢を強いられる事で、札幌のコーナーキックの場面も膨れ上がり。
そこから跳ね返りを金子のミドルシュート(19分・31分)や、岡村のヘディングシュート(31分)という具合にフィニッシュを重ねていき。

さらに福岡はアクシデントにも見舞われ、38分には中村駿が足を痛めてしまったようで続行不可能に。
早々に交代カードを切らざるを得なくなります。(田邉と交代)

その交代の直前に、間が空いたので撮ってみたメンバー表。
前年までの簡素な表記(黒が背景)から一新と、やはり今季は色んな意味で再出発といった札幌クラブ並びに札幌市の意気込みが感じられました。

田邉投入後も、ロングパスを金子に通されて危機を招く流れは変えられない福岡。
アディショナルタイムにようやくいい流れが巡って来るも、敵陣右サイドでのボール奪取から、山岸→紺野→ルキアンと経由して放たれた決定的なシュートは枠外に。
そしてその直後、札幌・浅野のドリブルを反則で阻止した三國が警告と、とうとう後手に回るディフェンスによる被害が出てしまいます。
そして2-0のまま前半終了。

迎えたハーフタイム。
心の中で「警告も貰った事で、長谷部茂利監督はその三國に代えて4バックにするであろう」という予測を勝手に立てる自分を余所に、ピッチ内に現れるドーレくん。

そして始まる、コンサドールズとのダンスパフォーマンス。

バックスタンドから、反時計回りに周回し、最後はメインスタンド側で締め。

そんな彼女らを余所に、頭の中は三國交代という一色に染まる自分。
仮に警告が無くても、金子の跳梁を何度も許している状況では避けられないものでしょう。

その予想に従うように、ピッチ内で練習していたアクシデントにより既に1人少なくなった福岡リザーブは、札幌サイドを余所に早めに切り上げてベンチに帰還。

そして後半開始の時を迎え、予想通りに掲げられる交代ボード。
三國に代えて金森が投入され、前節同様の4-4-2となって後半に挑む福岡。
一方の札幌も、離脱明けという要素のルーカスに代えてキムゴンヒを投入。
これで青木が左WBに回り、こちらもポジションチェンジを交えました。

大きく動いてきた福岡サイドに対し、札幌の対応力が問われる立ち上がりとなった後半。
しかしその辺りは、流石ミシャ氏のチームと言うべきか、残念な出来となってしまいます。

いきなりの後半1分、福岡は左サイドでの前進、右サイドハーフになった紺野が逆へと張り出して攻めに関わり。
金森がドリブルで奥を突いたのちのパスからダイレクトでクロスを入れる紺野。(中央のルキアンには僅かに合わず)
福岡の変節に対し、守勢を強いられる事に。

そして6分に素早いFKでのリスタートから、金森の中央のドリブルを経て右へと展開、今度は同サイドで受けた紺野がクロス。
これをファーサイドで山岸がヘディングシュートを放ち、GK菅野の上を抜いてゴールネットを揺らします。
サイドを数的優位で踏襲される攻撃に対処が遅れる、という結果を招いてしまった札幌。

1点差に迫った福岡、さらに8分に左サイドから金森がクロス。
ファーサイドでルキアンが合わせにいくも青木がカットし、それを眼前で見ていたルキアンがハンドのアピールをするなかプレーは続き。
尚もマイボールにした福岡ですが、キムゴンヒに奪われて札幌のターンになると、拾った浅野がすかさずロングシュートを狙います。
これが見事に奏功し、GK村上の上を抜いてゴールに入り。
とんでもないロングシュートに沸き上がるスタンドですが、ピッチ脇では長谷部監督が青木のハンドを訴えてヒートアップ。
この影響か、VARチェックののちにOFRが行われ、緊張の一瞬となるスタジアム内。

そしてその結果、やはり青木がハンドを取られ、しかもその場はまごう事無きエリア内であり福岡のPKに。
札幌サイドは追加点が幻となったのみならず、一転して同点の危機となってしまいました。
これをキッカーのルキアンがしっかりとGKの逆を突いて左へ蹴り込み、あっという間に同点とした福岡。

続く14分にも右サイド奥から金森がマイナスのクロスを入れる等、前半とは一転して福岡がサイド奥を突く絵図が中心となり。
それでも札幌は落ち着き、田中駿太のサイドチェンジなど、前半通し続けていたロングパスを中心に組み立てて攻撃権を取り戻します。
当然金子の突破も忘れずに、福岡ディフェンスに択を見せ続け。

福岡ベンチは23分にさらに動き、小田→前嶋へと交代。
これにて湯澤が左サイドバックに回り、守備強度の高い湯澤を置く事で金子への対策としたでしょうか。

一方の札幌、同点となった直後(13分)に駒井→宮澤。(青木がシャドーに回り菅が左WB・福森が左センターバックへ)
25分に福森→スパチョークへ交代(再び青木が左WB・菅が左CBへ)と、着実にカードを切っていき、他選手もめまぐるしくポジションが変わり。
福森というパサーが退いた事で、左サイドでのロングパスの出し手は以降菅が務める事となりました。

手当てした福岡ですが、以降も金子の突破力を受けて厳しいシーンが続き。
29分には湯澤が金子のドリブルに対する反則で警告を受けるなど、その個の力を前(選手にあらず)にして再び退潮していく事となります。

そして終盤戦を迎えるに辺り、35分に最後の交代。
ルキアン・山岸→ウェリントン・鶴野と、2トップ双方を代える策を敢行します。

しかし37分にアタッキングサードを縦横無尽にパスで繋ぐ札幌。
最後は右から金子が斜め45度からシュートを放つも、惜しくもゴール左へと外れという具合に、流れは依然として札幌のまま。
ジョーカー役を果たすべきウェリントンは、ロングボールの収め役を務めんとするも、前回述べたようにそのポストワーク・ボールキープ能力は陰りを見せており奪われるシーン数多で機能せず。

38分に札幌も最後の交代を行い、荒野と浅野に代えて馬場とミラン・トゥチッチ。
しかしこれ以降勢いを失って良き、こちらもトゥチッチはジョーカー役を果たせず。
アディショナルタイム初期に、岡村の縦パスをエリア内で受ける絶好機が巡ってきたトゥチッチでしたが、シュートは枠を捉えられず。

お互いジョーカー投入が勢いを削ぐ結果となる中、難儀なものとしたのが福岡のラフプレー。
チームが好調でも、前年顕著だったその流れは死滅していなかったという感じで、そのチャージを受けて次々と倒れ込む札幌選手。
特にキムゴンヒはハイボールの競り合いで悉く奈良のチャージを受け、その度に倒れ込んでしまうという絵図が発生。
その際に反則も取られずに不満を生むとともに、途切れるプレーで流れも悪くなり。

そしてATでは、とうとうその不満が爆発しミシャ監督がヒートアップして警告を貰い。
原因としては、福岡のファール(例によってキムゴンヒに対する前のチャージ)の際に、札幌はパスを繋げて前進したのも拘わらずアドバンテージは取られなかったという主審の判断。
これによりピッチ内に入り込んで異議を飛ばす事態となったミシャ氏。
その際に既にベンチに退いた荒野も異議で警告を受け。
その後札幌のスローインで、青木が左からロングスローを投げ入れ。
「あの札幌がロングスローをするのか……」という思いに駆られたのも束の間、ファーサイドへこぼれた所を、拾いにいった岡村が湯澤と交錯してしまい受けられず。
オブストラクションによる福岡の反則っぽいシーンとなり(反則は無し)、好機で判定に泣くシーンの連続に、当然スタンドからもブーイングがひっきりなしに響く事となりました。(こういったブーイングには頷ける)

そんなどす黒い空気が充満していく中、最後にやはり福岡の反則により、右サイドからのFKを得た札幌。
これが最後のチャンスといった感じでしたが、キッカー菅のシュート気味のクロスはクリアされて実らず。
タッチラインを割った所で試合終了を告げる笛が鳴り。
その瞬間大ブーイングが鳴り響く、札幌にとっては消化不良満載といった感じの引き分けとなりました。

こうした雰囲気故に、早めに立ち去るのが吉とばかりに、素早く席を立って帰路へ向かう自分。
試合の方は何とも言い難い内容でしたが、新生元年のような札幌ドームの歩みを確かめられたのは大きかった、という観戦になったでしょうか。


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