ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第24節 Y.S.C.C.横浜vsヴァンラーレ八戸

2021-10-29 18:47:13 | サッカー視聴記(2021年その他)

<YS横浜スタメン> 3-4-2-1
GK 佐川
RCB 大城 CCB 宗近 LCB 池ヶ谷
RWB 船橋 DH 土館 DH 佐藤祐太 LWB 宮内
IH 柳 IH 神田
FW ンドカ・チャールス
<八戸スタメン> 3-4-2-1
GK 蔦
RCB 赤松 CCB 板倉 LCB 近石
RWB 小牧 DH 新井山 DH 佐藤和樹 LWB 丹羽
IH 中村 IH 坪井
FW 前澤

YS横浜といえば、今は亡き横浜フリューゲルスの前身・全日空横浜サッカークラブが、半ば分裂というような形で設立されたクラブ。(その切欠となった事件についてはここが詳しい)
プロへの歩みを取り、Jリーグに参入して散っていった元のクラブとは対照的に、地元密着を重視した持続性あるクラブとして運営され。

しかしJ3の設立が契機となり、方向は転換され一転してプロ(J3)参入を果たしたYS横浜。
歴代監督を見ても、有馬賢二(現岡山)・樋口靖洋各氏と有名どころ(?)を並べてJ3を戦ってきて、更なる上を目指すモチベーションも高まって来たのでしょうか。
今季ついにJ2ライセンスの取得に至りましたが、特定非営利活動法人というクラブの枠組み故、現状では昇格する事は認められていない立場。
現監督は、最年少かつイケメンという事で有名なシュタルフ悠紀リヒャルト氏で、組織力あるサッカーを展開しているとの事です。

対する八戸とは同様の3-4-2-1というフォーメーション。
しかもどちらも最後尾からパスを繋いでいくのを基本とするスタイルという、完全なミラーゲームの様相となりました。
3-4-2-1のフォーメーションは、守備時の5-4-1ブロックという観点から、守備重視のスタイルというのがかつてのイメージ。
それが今は攻撃的な、主にポゼッションサッカーを導入する時にも使用される事が多く。
有名どころといえば、やはり現札幌監督のミハイロ・ペトロヴィッチ氏が繰り広げるサッカーであり、近年彼の戦術(の亜流)を採用するクラブが量産されているという印象です。
この日のYS横浜のビルドアップは、最終ラインにボランチの土館が降りて来る、ミシャ式の基本形そのものでありました。

しかし試合開始して暫くはその可変はあまり見られず、3バックを固定させたままパスを繋ぐ場面が目立ち。
堅くなりがちな試合の入りという要素を考慮している節がありました。
そんなYS横浜を尻目に八戸は前半5分、佐藤和が中央遠目からシュートを狙った所、YS横浜・佐藤祐のアフターチャージを受けて反則。
これで得た直接フリーキック、新井山がヒールで触った所を佐藤和がシュートと変化を付けるも、壁に阻まれてモノに出来ず。
ファーストシュートを放った八戸でしたが、第1クォーターの攻撃機会はこのシーンのみに終わり、後の大部分はYS横浜のポゼッションを占める絵図となります。

先程のシーンでは「シュートが放たれたのに反則」という、やや違和感あるシーンとなりましたが、こうした審判の判定の遅れは以降も露わになり。
9分のYS横浜の攻撃、スローインから右サイドを突破して船橋のクロスが上がると、ファーサイドで宮内が合わせに行き。
しかし八戸・小牧と激突してしまい、八戸サイドが反則をアピールする中、尚もこぼれた所を攻撃継続する事態となり。(その後シュートまで放つ)
宮内と小牧が頭部同士で激突していた事が判明し、プレーが止まると倒れ込む小牧。(無事にプレー続行)
そして宮内に黄色い紙が突き出されましたが、試合運営に不安を残すワンシーンとなりました。

最終ラインで繋ぎつつ、土館が勝負のパス(縦パスやスルーパス)を入れて攻撃を組み立てていくYS横浜。
徐々にミシャ式の本領を発揮し、圧倒的なボール支配を見せていくも、フィニッシュに辿り着くのは稀という立ち上がり。
22分にFKから、クロスの跳ね返りを佐藤祐がバイシクル気味のボレーシュートを放った(ブロック)のが最初のシュートとなり、その直後に飲水タイムに。

しかし攻撃権を支配されている側にとっては厳しい試合であり。
そのプレッシャーで徐々に八戸守備陣にダメージを与えていたのか、26分には敵陣深めでボール奪取して好機を迎えたYS横浜。
ンドカ(ヴェルディのンドカ・ボニフェイスの弟)がこぼしたボールをエリア内で神田が拾い、そのままシュート。
八戸・近石がブロックするも、尚もンドカが追撃しシュート、しかし今度も板倉がブロックで防ぎ。
破綻間近というような、YS横浜の攻撃シーンを描きました。

八戸は攻撃ターンとなっても、中々自信を持って繋げないのか、1トップの前澤をターゲットにしたロングボールを送る事が目立ち。
セカンドボールを繋げられず、再びターンチェンジしで攻撃を浴びるの繰り返し、といった展開を強いられます。

そして32分、試合を動かす得点が入ります。
左サイドでのスローインから、池ヶ谷のクロスが上がるとファーで船橋が折り返し、受けた大城が右へ叩いて今度は右サイドから船橋のクロス。
これがグラウンダーでニアサイドを突くと、GKの前に入り込んだンドカが合わせ、ゴールに入れる事に成功。
押し気味のままに先制点を挙げたYS横浜。

先制された八戸、以降は同点にするべく攻め上がり。
スコアと共に試合展開も動く、という典型となりましたが、その攻撃は前澤のポストプレイが軸というのは変わらず。
そこから繋げてクロスを入れる展開にまで持っていきますが、YS横浜からペースを剥がすまでに至らなかったのが運の尽きだったでしょうか。
迎えた37分、再び左サイドのスローインから組み立てるYS横浜。
佐藤祐がファーサイドにクロスを上げ、奥で神田が収めて落とした所に、船橋が走り込んでシュート。
GK蔦の右を破る強烈なシュートで、ネットに突き刺して2点目を上げます。

複数点差を付けられてしまった八戸は、ようやくロングパス・ミドルパス攻勢を諦め。
相手のプレッシングも消極的となった事で、最後尾からしっかりと繋ぐビルドアップを展開するようになります。
こちらはボランチはあまり降りて来ず、GK蔦を前に出す形を採る事が目立ち。

そして以降は逆に攻撃権を支配する八戸、クロス攻撃に活路を見出します。
迎えたアディショナルタイム、佐藤和の左への展開から、丹羽がディフェンスを剥がし奥へと切り込んでクロスを上げ。
これを中央で中村が合わせヘディングシュート、ゴール左へと突き刺さり、反撃の1点を挙げます。
終了間際での得点で、良い流れを持って前半を終える事に成功した八戸。

さらにハーフタイムで動きを見せ、坪井→高見へと交代。
奏功した左サイドアタックに更なる厚みを加えるべくの采配を採った八戸・葛野昌宏監督。

前半とは打って変わって、サイドチェンジも交えながらのボールポゼッションで八戸が攻撃権を支配していく立ち上がり。
左サイドは丹羽・高見の2人のコンビネーションが主で、逆の右サイドには右センターバックの赤松の上がりが目立つ攻撃。
リードしているYS横浜が中央を固める意識が高まっている以上、やはり辿り着く先はクロス攻撃であり、両サイドに人数を掛けて前進していきます。
防戦を強いられるYS横浜は、1トップのンドカにボールを預け、彼のキープにより一息付くというシーンも。
後半11分にはそのンドカがボール奪取して抜け出しましたが、ドリブルは直ぐに止められてしまいショートカウンターとはいかず。

敵陣でパスワークを展開する時間が多くなった八戸。
迎えた16分、右サイドで繋ぐも一旦GKまで戻し、蔦のフィードが通ったのち高見が中央遠目から果敢にシュート。
しかしゴールバー直撃で惜しくも同点ならず。
尚も17分、赤松の右からのクロスがクリアされたのち左サイドでボールを繋ぐ八戸、するとそこで事件は起こります。
一旦はパスがズレるも、YS横浜のクリアボールを高見がブロックし、それを左奥で拾った丹羽がカットインでエリア内へ。
するとYS横浜・大城に倒されてボールを失った所で、審判の笛が鳴り。
主審はPKスポットを指し、PKゲットと思われた次の瞬間、YS横浜サイドが(副審が旗を上げていた)オフサイドをアピール。
両審判の協議の結果、丹羽がこぼれ球を拾った所でのオフサイドとなり、残念ながらPKとはならなかった八戸。
前半露呈した、ジャッジ面での不安がまたも襲い掛かってしまいました。

劣勢のYS横浜はカードを切りにいき、19分に神田・宮内→菊谷・花房へと2枚替え。
菊谷はそのままシャドーですが、花房は右ウイングバックに入った事で、船橋が左WBに回りました。
新たな布陣で反撃の機会をうかがうYS横浜、23分に好機。
池ヶ谷の縦パスを佐藤祐がダイレクトで繋ぎ、受けた柳のドリブルを八戸・赤松が後ろから倒す格好で反則・警告。
中央・エリアからやや手前という絶好の直接FKを得ましたが、キッカー菊谷は直接狙うも壁に当たって枠を捉えられず。
その後のCKではショートコーナーを選択するも、クロスを入れる前にエリア内で反則があったという事で攻撃が途切れ。

八戸がボールを握った結果、カウンター気味の攻撃シーンが増えたYS横浜。
飲水タイム(27分)の後も、ロングボールを送るシーンが目立ち。
29分には花房と柳のコンビネーションで右サイドを突破し、柳が右奥へ。
そこからクロス気味にゴールを狙うボールを入れましたが、右サイドネット外側に際どく外れ。
一方ボールは握るものの、中々フィニッシュまで辿り着けないという序盤のYS横浜のような状況となった八戸。
何とか同点にすべく、31分には丹羽・中村→相田・野瀬へと2枚替え。
相田がボランチに入り、佐藤和が左WBへと回ります。

しかしゴールを襲うシーンが目立ったのはYS横浜の方。(34分にYS横浜もンドカ・船橋→林・西山へと交代)
37分には大城の縦パスから左サイドで攻撃、一旦は菊谷のクロスがクリアされるも、拾った佐藤祐が左からカットインでエリア内を突き。
そして奥からシュートかクロスか不明なボールを蹴る(ブロックされCKに)という具合に、角度の無い所から狙う場面が印象的だった後半のYS横浜。

結局、何本もクロスを入れるものの、ATまでシュートを放つ事が出来ずに時間を進められた第4クォーターの八戸。
ATでは赤松を前線に上げるパワープレイ体制に望みを託す格好に。
クロスがクリアされたのち、縦パスを受けた高見がシュートする場面を作ったものの、最後までゴールを奪う事は出来ませんでした。

2-1のまま後半はスコアが動かず、勝利を挙げたYS横浜。
冒頭の通り現在は未だ昇格と維持の意思が混ざり合っている状態ですが、未来につながる勝利とはなったでしょうか。

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TV観戦 天皇杯 JFA第101回全日本サッカー選手権大会準々決勝 川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ

2021-10-28 16:08:03 | サッカー視聴記(2021年その他)

<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 谷口 LSB 登里
DH 橘田
IH 脇坂 IH 旗手
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG マルシーニョ
<鹿島スタメン> 4-4-2
GK 沖
RSB 常本 CB 関川 CB 町田 LSB 安西
RSH ファン・アラーノ DH 三竿 DH ディエゴ・ピトゥカ LSH アルトゥール・カイキ
FW 土居 FW 上田

前回の天皇杯の記事 - ヴェルスパ大分 vs 磐田(0-1)

ベスト8まで進んだという事で、既にアマチュアクラブの姿は皆無。
J2で唯一磐田が勝ち進んでいるぐらいのものであり、ここからは本格的にタイトル+ACL出場権に向けた争いとなり。

週末にはルヴァンカップ決勝(名古屋vsセレッソ、奇しくもこの日別会場で同カードが発生)が組まれており、リーグ戦は11/3までお預け。
ある程度気兼ねなくレギュラー組を起用出来る日程で行われました。
そんな中、既にリーグ優勝に王手を掛けている川崎は、過去天皇杯4度優勝という実績のある鹿島と対戦。

新戦力としては、川崎は左ウイングのマルシーニョ。
鹿島は出戻りとなった左サイドバックの安西。
ピンポイント補強でチーム力を上げつつ、タイトルを狙いにいく両クラブ。

試合が始まり、そんな両陣営の意地が交錯する入りに。
前半2分、鹿島はカイキが敵陣でパスカットすると、そのまま前進してミドルシュート。(ブロック)
続く4分には川崎が、右サイドで家長・脇坂・山根の三角形でパスを繋ぎ、脇坂のスルーパスに走り込んだ山村のクロス。
GK沖が跳び出すも流れ、エリア内左へこぼれた所をマルシーニョがシュート。(ブロック)

ボールに対してタイトにいく辺りが、流石はJ1の上位クラブ同士という感じで、それによる反則で副次的に生まれるフリーキックでも好機。
8分に鹿島が左サイドからのFK、GKチョンソンリョンが弾いたボールを尚も右サイドで繋ぎ、関川のクロスを中央で上田が合わせヘディングシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
14分には川崎がエリアからすぐ手前のFKで、キッカー脇坂が直接シュートするもゴール上へ大きく外れ。

パスを数多繋ぐ川崎に対し、鹿島はコンパクトな布陣によるプレッシングで逆襲を狙うというスタイル。
立ち上がりこそそのぶつかり合いで互角の様相といった感じでしたが、次第に川崎サイドに針が振れ始めます。
やはり左サイドのマルシーニョの存在感が抜群で、彼のスピードで好機を作っていく場面が目立ち。
細かいパスワーク中心の攻撃にアクセントを加える存在として、鹿島陣内を脅かしていきます。

もう一方の新戦力である鹿島・安西ですが、プレッシングによるショートカウンター以外の攻撃は、カイキに当てるロングパスが中心であったこの日の鹿島。
そのため左サイドで攻撃に絡むシーンは殆ど見られずという序盤戦となり。
両者明暗が分かれたような恰好で第1クォーターは過ぎ去り、飲水タイムを迎えます。(25分)

ブレイクが明け、相変わらずカイキ狙いのロングパスに活路を見出さんとする鹿島を尻目に、川崎の圧力の牙が向き。
左サイドに張るマルシーニョという手駒で脅しつつ、ダミアンへのスルーパスあり、サイドチェンジありと多彩な手段で崩しにかかる攻撃。
31分に右奥でのスローインから組み立て、中央に渡ったのち脇坂のエリア内右へのロビングに山根が走り込み折り返し。
ファーサイドでマルシーニョが合わせにいき、クリアされてコーナーキックとなりましたが、そこで先制点が生まれ。
キッカー脇坂のクロスを中央で再度マルシーニョが合わせにいき、鹿島・町田と競り合った末ボールがゴールに吸い込まれ。
マルシーニョのヘディングシュートと思われましたが、ボールが当たったのは町田の頭のみという事でオウンゴールとなり、川崎がリーグ首位の力をスコアに結び付けました。

ビハインドとなり、主体的な攻撃を余儀なくされる鹿島。
両サイドハーフ(アラーノとカイキ)のポジションチェンジを何度か行いつつ、崩さんとしますがシュートには中々辿り着けず。
惜しかったのは40分で上田を経由しての右サイドへの展開から、常本のスルーパスがエリア内に送られると、土居が受けた所にGKチョンソンリョンが跳び出し。
土居はそれを振り切って右サイド奥でキープし、アラーノ→三竿と経由して中央に渡るも(まだチョンソンリョンはゴール前に不在のまま)、三竿はパスを選択した結果フィニッシュは生まれずとなり。
前年観ていたような(この試合とか)、ボールを握った際のシュートへの消極性が蘇ってしまったようなシーンでした。

結局この時間帯を逃した鹿島、アディショナルタイムは再び川崎のターンに移り変わり。
エリア内右からの家長のシュート(ブロック)などで鹿島を脅かしつつの最後の攻撃は、家長のボールキープが鹿島・安西の反則を生んで右サイドからのFK。
脇坂の中央へのクロスをダミアンがヘディングで捉えましたが、ボールは惜しくもゴール左へと外れ。
川崎の流れながらも、リードは広げられずに終わった前半戦。

反撃したい鹿島、後半の入りは右CKを獲得し、アラーノのクロスをカイキが頭で合わせるもミートせずに逸れ。
ここから再度アラーノとカイキがポジションを入れ替え、右にカイキ・左にアラーノという布陣を採ります。

しかしその直後の後半3分でした。
中盤中央でマイボールにした川崎、橘田の左サイドへの展開から脇坂のスルーパスがマルシーニョに通っての前進。
そして脇坂の低いクロスが入った刹那、コース上に居た旗手の「丁度頭に当たった」かのようなヘディングシュートが、GK沖の逆を突いてゴールに吸い込まれ。
敵も味方も意表を突かれたというようなシーンで、追加点を手にします。

その後5分にようやく鹿島は、安西がクロスを上げるシーンを作ったものの、依然として流れは川崎に在り。
6分にはGKからの繋ぎで左→中央→右へとサイドを移しながら前進する川崎、右サイドで受けた家長から中央に叩かれ、受けたのはミドルシューターの脇坂。
得意の距離でのシュートがゴールネットを揺らして3点目、間髪を与えずに点を重ねる川崎。

3点差となり、総攻撃を掛けなければならなくなった鹿島。
川崎・マルシーニョの左サイドの突破に対し、ピトゥカが肘打ちに近い格好で反則で止めてしまうなど、球際の強さも仇となるシーンが目立ち。
9分に最初の交代カードを切り、アラーノ・カイキ→和泉・荒木へ交代と、両サイドハーフの助っ人を諦める策を採ります。
守備を固める川崎に対し、個人技に頼っても良い事が無いとの判断だったでしょうか。
その通りに以降は川崎陣内でひたすらパスワークを展開し、隙を伺わんとする攻撃を繰り広げます。
14分には左サイド~中央で浮き球も含めて長くパスを繋いで揺さぶり、土居がエリア内を突き、パスを受けた和泉がシュート。
しかし川崎・山根のブロックに阻まれてモノに出来ず。

それでも川崎を押し込み、17分には家長から敵陣深めで三竿がボール奪取に成功し、その家長の反則(警告)で左サイド最奥からのFKに。
キッカー荒木はマイナスでエリア外へのクロスを選択し、受けた安西がシュートするもふかしてしまいます。
22分に再び左サイドで、荒木が家長の反則を受けてFKに。(蹴る前に川崎は3枚替え、登里・マルシーニョ・ダミアン→車屋・大島・知念に交代)
キッカー荒木のクロスを関川が折り返し、クリアされたボールを中央やや左から安西がシュート。
川崎・ジェジエウにブロックされるも尚も攻撃継続、右から常本のクロスが上がり、GKチョンソンリョンがパンチングしたボールをシュートにいったのは再び安西。
今度はループシュートを選択したものの、惜しくもゴール上に外れてしまい、波状攻撃も実らず。
ともあれ前半目立たなかった安西がシュートを放っていくなど、攻勢に一定の成果は見られた鹿島。
直後に飲水タイムが挟まれます。

家長が自陣で苦戦するシーンを見せてしまうなど、劣勢ぶりを隠せなくなった川崎。(交代により旗手が左WGへシフト)
ブレイク明けはボール保持で落ち着きを取り戻さんとするも、直ぐに鹿島のターンへの突入を余儀なくされます。
そんな中、ベンチは30分に家長を諦める選択。(小林と交代)

その後も安西が跳梁する鹿島、左サイド奥からマイナスのクロスを入れて際どいシーンを作っていき。
32分には三竿のミドルシュートがブロックされるもピトゥカが拾って継続、右から常本のグラウンダーのクロス、ニアで荒木が触るもこぼれ。
この浮き球を土居がバイシクルにいき、ループ気味のシュートがゴールを襲いますがGKチョンソンリョンが何とかセーブ、和泉が詰めたもののゴールならず。
センターバックも持ち上がって攻撃参加するシーンが目立つ中、何とか反撃の1点を奪わんとしますが、果たせずに時間が進んでいきます。
尚、この直後に鹿島は上田・土居→エヴェラウド・遠藤へと2枚替え。(荒木が右SH→FWへシフト?)

一方の川崎も、同時に脇坂→山村へと交代。
この後は4-4-2気味へとシフトし、山村・大島のドイスボランチで、右SHに旗手・左SHに橘田といった布陣に。(2トップは小林と知念)
中央を締め、跳ね返して押し上げるスタイルへと完全に転身したようでした。
その後車屋が左サイドを持ち上がる所を、鹿島・遠藤がスライディングで倒してしまい反則・警告を受けるシーンも。

守備力強化の手は尽くした川崎でしたが、38分にジェジエウが足を攣らせてしまうアクシデントが。
守備の要のパフォーマンス低下により、再度劣勢を強いられ。
直後の39分には、鹿島・ピトゥカのミドルシュートを頭でブロックしたジェジエウ、衝撃による足へのダメージを隠せずといったシーンも見られてしまいます。

攻勢を続けるも川崎ディフェンスを破れずにいた鹿島、ようやく終盤の45分にその姿勢が報われ。
敵陣中央で川崎・知念から反則気味に三竿がボール奪取し、エヴェラウド→和泉→安西と繋いでエリア内左からクロス。
クリアされたボールを、目の前で荒木がヘディングで跳ね返してネットを揺らし。
意地の総攻撃、といった感じで1点を返します。

しかしこれで力尽きてしまったか、AT突入後は川崎に攻撃権が移り。
山村のロングパスを受けた知念が裏へと抜け出し、独走する所を後ろからピトゥカが倒してしまい反則。
一発レッドかと思いましたが、警告止まりで何とか命拾い。
このFKを旗手が直接シュート(ゴール右へ外れる)というフィニッシュを経て、再度スルーパスに抜け出そうとした川崎・橘田を引っ張った三竿が反則・警告を受けるシーンが。
何とか川崎から攻撃権を剥がそうという意思は見られましたが、既に身体が付いていかないという状態に追い込まれていたでしょうか。

結局3-1のまま試合終了で、準決勝にコマを進めたのは川崎となり。
既にACL・ルヴァン杯は敗退し、全タイトル獲得の難しさを改めて思い知らされている今季ですが、前年同様にリーグ戦・天皇杯のW制覇といくでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 FC町田ゼルビアvs栃木SC

2021-10-27 16:13:53 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の町田の記事はこちら(30節・長崎戦、3-3)
※前回の栃木の記事はこちら(33節・松本戦、0-1)

上位の座を保っている町田ですが、32・33節とホームで連敗を喫してしまい、昇格への望みは首の皮一枚という状況。
何か変化を付ける事で切欠としようと考えたのか、ランコ・ポポヴィッチ監督は、前節(秋田戦・2-0)から長谷川アーリアジャスールをレギュラーから外し。
ここに来て子分的な選手に対して断を下す選択を採り、代わって最も得点力に長けた存在の太田がスタメンに。
吉尾との両サイドハーフを確立させ、チーム得点王(8得点)である2人を揃って起用する事で僅かな可能性に賭ける、といった終盤戦でしょうか。

この日の相手は栃木という事で、放送席では「両チーム似たようなカラー」と語られており。
しかし今季の町田はボールポゼッションも高く、肉弾戦一辺倒からは既に脱却を果たしており、それが好調の要因でもあるでしょう。
そんな二つの長所を持つ町田に対し、愚直に「ストーミング」スタイルを貫く事で何とか勝ち点を重ねたい状況の栃木。

試合が始まると、町田は早速長所の片方であるポゼッションの方を重視するサッカーを見せ。
栃木は守備力にこそ定評あるものの、プレッシングの掛け方に難があり。
特に最近は、最終ラインが3枚のチームのビルドアップに対し巧くいかないシーンが目立ち、ゴール前で跳ね返す事に比重を傾けざるを得ない試合が増えてしまっている現状。
この日の町田は最終ラインを2枚と3枚、状況により巧みに使い分けるチーム。
その手法もGK福井が前に出たり、ボランチが間に降りたり脇に降りたりと多彩であり、下手なプレッシングは命取りになり易い。
そんな思考があったのか、試合当初からリトリートの構えで、町田の出方を伺うような体制を採っていました。

最終ラインからパスが出た所にプレスを掛けるという手法は見えましたが、町田は選手の距離感が遠く一つ一つのパスが長いため、後手後手となり前へ運ばれてしまうシーンが目立ちます。
前半5分の町田、GK福井のフィードを右サイドで受けた三鬼が中央へ縦パスを入れ、受けた平戸が倒れながらも繋いで尚も前進。
太田のポストプレイを経て佐野がミドルシュート(GKオビ・パウエル・オビンナキャッチ)と、持ち味を発揮して早速フィニッシュに繋げました。

開始から10分程までは町田が一方的に攻撃権を支配。
栃木は矢野が空中戦の競り合いで反則・警告を受けるなど、劣勢を強いられる状況。
そんな入りを経て以降プレッシングを強めに掛かる体制を採りましたが、FWの豊田が真ん中で構えつつ、もう一人のFWの有馬と両SH(右=矢野・左=谷内田)が前に出ていくというやや特殊な形。
大ベテラン故運動量に不安がある(と思われる)豊田の事を考慮してのスタイルだと思われますが、SHが前に出る事で、町田サイドバックへの道筋が空きがちとなり苦慮は否めず。
何処と無く、2年前に千葉がクレーベ(現横浜FC)の扱いに苦労していた様を思い出すスタイルでありました。

町田がボールを握って攻撃し、その合間に栃木がロングボールからのセットプレー(ロングスロー含む)でエリア内へ送る。
そんな展開が描かれ、23分に町田・佐野が栃木・柳との交錯で痛んだ所で飲水タイムが取られます。(佐野は2分近く倒れ込むも無事に復帰)

ブレイク明け、町田はボランチ1人を降ろした後ろ3枚で繋ぐスタイルを完全に基本路線とします。
それを見た栃木はプレッシングを諦め、中を固める守備体制で応戦。
若干の変化はあれど、試合展開はさして変わらず推移します。

33分栃木はGKオビンナのロングフィードを矢野が落としてからの攻撃、豊田のスルーパスでエリア内を突くも、西谷が右サイドへ叩いたのち黒﨑がクロス。
GK福井がパンチングでクリアも、こぼれた所を有馬がシュート。(枠外)
町田は35分、左サイドで佐野のボールカットから奥山のクロスが入ると、ニアサイドでバウンドした所を中島が収め。
そして戻されたのち、中央から三鬼がシュート。(枠外)
展開的に少ないフィニッシュを活かす攻撃が求められたものの、両軍枠を捉えられず終わります。

その後は町田がボールを握り、ひたすらにサイドを揺さぶって栃木のブロックを動かす攻撃。
それでもリトリートに徹した栃木、必死にスライドさせて対抗し容易に前に運ばせず、というせめぎ合いとなり。
とくに41~42分の町田の攻めは、24本パスを繋ぐも崩せずに深津がエリア内へロビングを送るという手段に切り替え。
エリア内左奥で中島が折り返すもクリアされ、結局シュートは放てず終わったという、そんな展開を象徴するようなシーンとなりました。
結局前半はスコアレスで折り返す事となりました。

共に交代無く後半開始を迎え、最初の攻撃は栃木。
左サイド奥でスローインを得て、溝渕がロングスローを投げ入れるというお馴染みの攻撃で、柳のフリックで中央へ入るもののシュートは放てず。
これを経てベクトルが前向きになったのか、その後町田の攻撃に対して再びプレッシングを強める体制を採ります。

そして6分、GK福井のスローを直接谷内田がカットしてショートカウンターのチャンス。
拾った溝渕がエリア内左へ浮き球を送り、豊田が走り込み合わせにいきましたが、GK福井が先に抑え。
すると交錯した豊田の脚が入ってしまう事態となり、溜まらず審判の笛が鳴り反則・警告を受ける破目となった豊田。
絶好の「ストーミング」による攻撃を見せられる場面でしたが、得たのは得点どころかイエローカードとなってしまいました。

やや失意した感のあった栃木、9分の町田の攻撃。
右サイドでの攻撃を一旦栃木がボールカットするも、中島が奪い返して継続し、平戸の中央へのパスをカットできず太田に渡り。
太田は躊躇わずシュートを放ったものの、戻った栃木・西谷がブロックで防ぎゴールならず。
この際に西谷が足を痛めて暫く起き上がれなくなり(その後復帰)、ダメージが拭えない状況が窺えました。
その後は町田が盛んに最終ラインの形を変えてビルドアップを行い。
それに対し栃木は、2枚になった途端にプレッシングを掛けるもかわされてしまい(14分)クロスに繋げられるなど、やはりリトリートに徹して必死のディフェンスを貫くしかないという状況に追い込まれます。
そんな状態故栃木ベンチが先に動き、18分に谷内田→大島へ交代。

攻撃権を支配する町田ですが、中央を固める栃木に対しエリア内でのシュートは早々望めないという、こちらも悩みを抱える状況となります。
19分には右→左への揺さぶりから、太田がミドルシュートを放ちますが枠を捉えられず。
後方で溜めてからの裏へのロングパスという攻撃も見せますが、実る事は無く。
攻めながらも、太田の得点力に活路を見出す他無いという手詰まり感も窺えつつ、後半の飲水タイムが挟まれます。(24分)

明ける際に町田ベンチも動き、平戸・中島→安井・鄭大世(チョンテセ)へと2枚替え。(同時に栃木も有馬→ジュニーニョに交代)
尚交代選手も肉弾戦上等という戦いに溶け込まれたのか、21分に栃木・大島が、30分に町田・安井がそれぞれ警告を受けてしまい。

31分に町田が好機、左サイドから高江のロングパスがエリア内へ送られ、走り込んだ鄭の落としを受けた太田がシュート。
しかし枠を捉えられずと、この日の太田は両軍少ないシュートの大部分を放っていくも、好機を活かす事は出来ず仕舞いとなりました。
その後栃木が自陣からのフリーキックを(GKオビンナが)エリア内に上げるなど、強引な好機の作り方を目立たせるも、やはりフィニッシュには辿り着けず。

38分に町田は太田を諦め、岡田を投入。
以降岡田の裏抜けによる攻撃に活路を見出しますが、オフサイドも取られる等で実らず。
それを受けた栃木は、41分に溝渕・豊田→山本・三國ケネディエブスへと2枚替え。
FWを削ってセンターバックを入れる采配で、フォーメーションも3-4-2-1へシフトと、スペースを消す措置を採った田坂和昭監督。

栃木の5-4-1のブロックを崩すべく終盤の攻勢を掛ける町田ですが、果たせずに時間も進んでいき。
そして45分、クリアボールをジュニーニョが拾って栃木の反撃、左サイドへと流れるドリブルを経て山本へボールが渡り。
ここに来て失点だけは避けたい町田、山本がカットインを仕掛ける所に深津が腕でチャージと、必死のディフェンスを見せましたが反則を取られてしまいます。
そして栃木の左サイドからのFKとなり(同時に町田は吉尾→長谷川アーリアへ交代)、キッカー・ジュニーニョのクロスに対しオフサイドトラップを選択した町田。(矢野が合わせにいくもGK福井が抑える・見た目的には完全にオフサイド)
守備でも前向きなベクトルの姿勢を見せ、1点を奪いにいきます。

そしてアディショナルタイムも進み、最後の町田の攻撃。
奥山がロングパスをエリア内に走り込む鄭に送り、クリアされるも佐野がヘッドで再度エリア内へ送ると、鄭のポストプレイでエリア内左に居た岡田へと転がる絶好機。
当然岡田はシュートを放ったものの、乾の決死のブロックに阻まれてしまいゴールを奪えません。
直後の左CKがクリアされた所で、町田にとっては聞きたくなかった試合終了の笛が鳴り。
スコアレスドローも、栃木は守り切る体制へとシフトしていたため、納得感で温度差が生まれる結果となりました。

ボール支配率は69:31と大差が付き、パス数に至っては町田677に対して栃木164。
ある意味喜劇的ともいえるスタッツを描きましたが、生まれた結果は周知の通り。
フィニッシュの少ない試合だったものの、チームの主義のぶつかり合いというサッカーの醍醐味が存分に発揮された試合といえたでしょう。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 ジュビロ磐田vs愛媛FC

2021-10-26 16:14:24 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(28節・松本戦、4-0)
※前回の愛媛の記事はこちら(32節・秋田戦、2-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(12節・愛媛 0-0 磐田)

J1復帰に向けて首位を快走する磐田。
その姿は他のクラブにとっては、かつての黄金時代のような「サックスブルーの恐怖」を思い出させるようであり。
再度J1定着するには別の課題が待ち受けていそうですが、ひとまずは目前に迫った最終コーナーを無事に曲がるだけ、といった所でしょうか。

そんな強度と安定感を併せ持った相手に挑む愛媛。
前節(琉球戦、1-0)は大ベテラン・山瀬の決勝ゴールで勝利をもぎ取り、降格圏脱出まで後一歩という状況。
上昇機運を持ち越すべく同様のスタメンを引き継ぎ、特別指定の小原も引き続きシャドーで出場となりました。

この日はヤマハスタジアムでは無く、エコパスタジアムでの開催。
兼用スタジアムという事で、何処と無く前回対戦時の愛媛ホームでの「田んぼサッカー」の記憶が蘇るのは気のせいでしょうか。
しかしこの日は天候面においては何の問題も無く試合開始。

パスワークが冴え渡る磐田の猛攻を前に、チーム力で劣ると思われる愛媛サイドはどう凌ぎ、どう反撃していくかが注目点。
前回観た際は、秋田の特異なサッカーに対抗すべく、ロングボール中心かつ肉弾戦の意識を強めたのが功を奏し。
しかし相手に合わせる事の意識が強い故かこの日はそうはならず、最後尾である程度組み立てるのを基本線としていました。
前半3分には小原のボール奪取から、拾った近藤がドリブルで持ち上がり陣地を回復したのち、後方に戻してパスを繋ぐ攻撃。
こうしたドリブル突破も絡めつつ、磐田ペースを削ぐように自身もボールポゼッションを確保する立ち回りを見せていた愛媛。

そんな相手に対し、攻撃機会を得てもフィニッシュに辿り着けないシーンを量産していた磐田の立ち上がり。
しかし徐々に牙を向き、16分には右サイドで鈴木雄斗のボールキープから、遠藤の浮き球のパスをルキアンが入れ替わりで受けてそのままエリア内へ進入。
そしてシュートを放つもGK岡本がキャッチ。
18~19分には逆に愛媛が長いポゼッションを経て、田中縦パス→小原ポストプレイで藤本に渡り、一旦奪われるも奪い返した藤本がそのままシュート。(ブロック)
ともにFWのシュートが生まれた事で試合が動き始める予感がしましたが、以降もともにボールを握りたいチーム同士がぶつかり合い。
愛媛の粘り強いディフェンスを前に、さしもの磐田も中々ゴールを脅かす事が出来ず、そのまま飲水タイムへと突入します。(26分)

しかしブレイクが挟まれた事で、磐田は首位チームらしい攻撃を展開するようになります。
29分にコーナーキックから、クリアボールを山本康裕が直接シュートするもルキアンに当たって枠外に。
31分には右サイドから、鈴木雄がルキアンのポストプレイを交えて前進、エリア内右へ進入してマイナスのクロス。
これを中央エリア外で山本康が合わせシュートするもGK岡本がキャッチ。
32分には右ハーフレーンからの遠藤のミドルパスをエリア内中央でルキアンが収め、そのままシュートを放つもゴール右へ外れ。
磐田のフィニッシュシーンの連続で、防戦を強いられる愛媛。

そして迎えた37分。
ここも遠藤の縦パスをルキアンが収めてから、右に展開しての攻撃。
鈴木雄が右サイドでキープするシーンののち、今度はカットインを選択してそのままミドルシュート。
愛媛・茂木が足を出してブロックするも、コースが変わってゴールに吸い込まれ。
茂木はシュートに対し正面を向けていたので、しっかり跳ね返したかったシーンであり、防戦一方だった故の破綻という要素が拭えずのゴールとなりました。

ともかく事前の予想通りに先制した磐田、以降もペースは離さずに攻撃を繰り広げます。
尚も守勢の愛媛は、やり返したいという感情を抑えて我慢、といった状態を強いられ。
41分にカウンターの機会を得るも、藤本のドリブルは磐田の素早いトランジションの前に突破出来ず、作り直しを余儀なくされてしまいます。(結局好機に繋がらず)

それでも終了間際の44分に右CKを得ると、キッカー内田は変化を付けてグラウンダーでクロス。
ニアサイドで茂木がポストプレイでエリア外へ叩いた所を、小原がシュートを放つと、中央に居た高木がコースを変えますが枠を捉えられず。
奇襲で脅かしたもののゴールは奪えず、結局1-0のまま前半を終えます。

ハーフタイムに共に選手交代が行われ。
磐田は大津→大森へ交代、愛媛は田中→山瀬へと交代。
前節ゴールを挙げた山瀬がこの早い段階から出場と、上昇機運を早速利用しにかかった愛媛・實好礼忠監督。

しかし最初の好機は磐田で後半1分、GK三浦のロングフィードからの攻撃。
ルキアンの落としからマイボールにしたのち、中盤から遠藤のミドルパスをルキアンがポストプレイというこの日黄金の連係を経て、山田のエリア内へのスルーパスにルキアンが走り込み。
そしてシュートを放ったルキアンでしたが、GK岡本にセーブされてゴールならず。
これで後半も磐田の圧力が襲い掛かる、そんな展開を想像させましたが、それは見事に裏切られる事となります。

ここから愛媛は主体的な攻撃を繰り返す事となり、前半の我慢が実ったという格好に。
サッカー的には、最後尾からのビルドアップの最中に小原が降りて来てボールを受けるシーンが目立ち始め。
それは故障離脱中の石井を彷彿とさせるプレーそのものであり、ボールを円滑に運ぶ役割を果たします。

それでも相手はチーム力で上回る磐田、愛媛の攻撃を凌ぐ一方でゴールを脅かし。
8分には右サイドで細かいパスワークから、山本康の裏へのミドルパスを受けた山田がエリア内右を突いてグラウンダーでクロス。
ニアでルキアンが跳び込むも合わず、ファーに流れた所にさらに松本が跳び込むも間一髪でクリア。
16分には松本が敵陣深めでボール奪取し、そのままシュートを放つもゴール右へ外れ。
相変わらず際どいシーンを作られる愛媛でしたが、同点を目指すには背に腹は代えられぬ、といった状況でしょうか。
17分にさらにベンチが動き、内田→忽那へと交代、高木が右ウイングバック→左WBへと回ります。

磐田陣内でパスを繋いで崩さんとするも、中々フィニッシュに辿り着けず、戻して作り直すシーンを量産させる愛媛。
守備面でもルキアンに深い位置でボールカットされた大谷が、その勢いのままに倒してしまい反則・フリーキックを与えてしまう(21分)など、磐田の前に屈する未来が見え始めます。

しかし試合を動かしたのは、磐田の一瞬の気持ちの途切れからだったでしょうか。
23分プレスでカットにいった磐田・山田が、左へパスを出した川村の足に引っ掛かって倒れると、反則をアピールする磐田サイドは足を止めてしまい。
そのまま前線に運んだ愛媛、一旦はディフェンスに阻まれるもスローインから再度繋いで攻撃、左サイドで長らくパスを繋ぎ。
ハーフレーンへと流れた茂木が縦パス、これを近藤がフリック気味にエリア内左へ送り、抜け出した川村がシュート。
GK三浦のニアサイドを破るゴールとなり、この日貫いていたポゼッションがとうとう実を結び同点に追い付きました。

同時に飲水タイムが挟まれ、キックオフから再度磐田が好機。
遠藤ロングパス→ルキアン収めるという黄金連係から、ルキアンがシュート。(ブロック)
後半頭と同じく、ルキアンがフィニッシュを放つシーンを作った磐田。
再び攻勢に入らんという意思を見せたものの、結果は全く逆のものに。

その直後の26分、自陣でのボール奪取から左サイドで小原が受けると、そのままドリブルで中央方向へ前進。
エリア手前で方向を変えて直進した小原、エリア内左を突いて果敢にシュート。
今度はGK三浦の右を破るシュートが右サイドネットに突き刺さり、逆転を果たした愛媛。
一人でドリブルからゴールまでやり切った小原、強烈な印象を与えた初ゴールとなりました。

電光石火の逆転劇を演じた愛媛でしたが、喜びも一瞬のものとなり。
29分の磐田、松本が左サイドを前進し、大森とのワンツーを経て奥へ進入してクロス。
ファーサイドで鈴木雄がヘディングで捉えると、ループ気味にゴール左へと吸い込まれ。
リードを奪われる屈辱を味わった磐田、首位の意地と言う他無い同点弾となりました。

しかし直後の30分、磐田のミスから忽那がドリブル突破、エリア内へのスルーパスに小原が走り込んでシュート。
ゴール左へ外れるも、まだ愛媛に運は残っているというシーンが生まれます。
この直後に磐田は2枚替え、山田・松本→金子・高野へと交代。

31分にも茂木が、左サイドで川村とのワンツーから中に切れ込んでシュート、ゴール右へ外れる際どいシーンを作った愛媛。
このままでは下位クラブ相手に敗れかねないといった磐田の状況ですが、35分を境にして展開は一変します。
地力の差というべきでしょうか、愛媛陣内へ押し込んで一方的に攻撃を繰り広げ。
CKも数多獲得して好機を作っていき、順位相応のゲーム内容へと変わり終盤へと突入。
個人的には途中出場の高野が効いていたという印象で、マリノスから今夏に移籍してきた選手らしい、「偽サイドバック」(この日はWBですが)のような動きで崩しに一役買っていました。

そして42~43分に長いポゼッションを経て、大森の浮き球パスを契機にエリア内で細かく繋ぎ、中央から金子がシュート。
ブロックで跳ね返った所を山本義道がダイレクトでミドルシュートを放ち、GK岡本を抜いたものの惜しくもゴールバーに当たってゴールならず。

冷や汗ものとなった愛媛、既に攻撃に転じる力は殆ど無く。
直後に小原を交代させ西岡を投入、右WBの忽那を小原が居たシャドーに上げ、西岡が右WBに入る体制で守備を固めます。
逆に磐田サイドも、ルキアンが愛媛・川村をアフターで倒してしまい反則・警告を貰ってしまう(次節サスペンドとの事……)と、直後にそのルキアンを交代させる措置を採ります。(ファビアン・ゴンザレスと交代)

攻め疲れを想像してしまう交代ですが、以降も大井を前線に上げて尚も攻め続ける磐田。
アディショナルタイムも終盤、交代で入ったゴンザレスに2度好機が訪れます。
左サイドから高野のクロスが上がり、エリア内右にこぼれたボールを鈴木雄が再度中央へ送り、ゴンザレスがヘディングシュート。
しかしゴール上へと外れてしまい。
最後の左CKでも、クリアボールを拾った山本康から再度クロス、エリア内右で伊藤槙の折り返しがこぼれた所をシュートしたゴンザレス。
しかしこれも際どくゴール上に外れ、頭を抱えてしまったゴンザレスとともに試合終了を告げる笛が鳴り。

首位・磐田相手に大金星、とはならなかった愛媛。
勝ち点1を得たのは上出来と言って良いでしょうが、次節も2位・京都が相手と難敵は続きます。
この日見せた意地を貫き通し、結果を得る事が出来るか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第35節 大宮アルディージャvsギラヴァンツ北九州

2021-10-25 18:15:31 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(31節・相模原戦、1-0)
※前回の北九州の記事はこちら(25節・愛媛戦、2-2)
※前回の両クラブの対戦はこちら(15節、北九州 3-1 大宮)

中々勝ち点3を得られず、降格圏が定位置となってしまっている北九州。
カンフル剤が欲しいという状況で、前節(ヴェルディ戦・2-2)からとうとう、不動のセンターバックであった村松がレギュラー陥落となってしまいました。

25節から6戦無敗という成績を描いたものの、その際も2勝4分と引き分けが多く。
何かの拍子で再度悪循環に陥る可能性は十分ありましたが、その通りに30節から5戦未勝利(3分2敗)へと転じてしまい。
しかも5戦で11失点と守備の破綻が顕著な結果となり、スタメン入れ替えという措置が採られたのも仕方無いでしょう。
最終ラインを変形させてのビルドアップが持ち味の北九州、村松はその舵取りとして不可欠な存在でしたが、その分高さに欠けるという弱点と付き合わなくてはならない。
この残留争いの終盤という局面で断が下された訳ですが、果たしてそれが吉と出るか。

大宮のホーム・NACK5スタジアムでの試合となり、残留争いのライバル同士の対戦。
過去8戦で4勝(2分2敗)と、ここ最近は勝ち点3を得る試合を作り、意気は軒昂といった状況の大宮。
いきなりの前半1分、北九州・佐藤亮がトラップで抜け出そうとした所を、西村慧祐がショルダータックルで倒してしまい反則。
激しいデュエルで北九州のサッカーを封じるという意思表示を見せたようなシーンで、その通りに北九州はボールを握りながらもフィニッシュには辿り着けません。

その北九州のビルドアップですが、村松不在の影響はやはり表れ、いつもの最終ライン3枚の基本形はイレギュラーなものに。
ボランチが降りて来る事は無く、右サイドバックの福森が上がらずに、CB2人(岡村・河野)とともに3枚を形成していました。
ここに来て基本の部分を変えざるを得ないという苦しさが露呈し、その揺らぎを大宮にしっかりと突かれてしまう事になります。

プレッシングにより、敵陣でのボール奪取を頻発させていた大宮の立ち上がりでしたが、14分に結果に繋げます。
敵陣左サイドでボールカットした小野がすかさず中央にパスを送ると、ニアでの小島のスルーを経て中央で受けにいった河田がさらにスルー、その奥の黒川がフリーで受け。
そしてエリア内に進入してシュート、ゴールネットを揺らす事に成功。
ショートカウンターをしっかり得点に結び付けた大宮。

大宮がいつもの4-3-3(4-2-1-3)からやや変形し、小野(予想の段階ではトップ下)を左サイドハーフにした4-4-2に近い形にして挑んでおり。
北九州はそのギャップにも苦しめられ、以降は得点どころか好機を生み出せない状況に陥ってしまいます。
逆に大宮はリードしても攻撃の手を緩めず。
17分には山越のロングパスから、跳ね返りを小島が頭でエリア内へ送り、河田がフリックしたボールを中野が受けてシュート。
ネットに突き刺したものの、オフサイドを取られ惜しくも2点目とはいかず。
その際に中野がGK吉丸と接触して痛んだものの(暫くして無事に起き上がる)、大宮は大過無く立ち上がりを過ごし、23分に飲水タイムが挟まれます。

一方ボール支配率では上回るも、劣勢ぶりは隠せなかった北九州。
ブレイクが明けるとビルドアップをいつもの形に戻し、ボランチ1人を最終ラインに降ろすスタイルを採ります。
上手くいかない故の修正か、ないしは第1クォーターを助走期間とし、慣らした上で普段通りのサッカーへと転じるという予定調和なのかは不明でしたが。

それでも大宮ペースが続いていましたが、序盤から激しいチャージも厭わずの姿勢も奏功したのもあるでしょう。
しかし30分に北九州のゴールキック、ロングボールを直接合わせにいった前川と山越が競り合い、山越の反則を取られ。
中盤からのフリーキックでしたが放り込みを選択した北九州(試合開始からこの姿勢は変わらず)、キッカー針谷のロビングがエリア内左へと上がり、岡村が折り返し。
大宮ディフェンスが掻き出すも、エリア内左へこぼれた所新垣が豪快なシュートをゴール上部に突き刺し。
セットプレーで劣勢を挽回、という同点弾となりました。

振出しに戻った事で、再び北九州が主体的にボールを繋ぎ、好機を得る展開に。
同点ゴールを挙げた新垣の突破力を軸に、左サイドでの攻撃が目立ったこの時間の北九州。
大宮はプレッシングをかけるも、北九州の2人のボランチのうち前に居る側が空く事で、脱出されてしまう事が数多。
それでも大宮は粘り強く守りつつカウンター気味に好機を作り、35分に河田が、36分に馬渡がシュート。(前者は枠外・後者はGK吉丸キャッチ)
フィニッシュという点では大宮優勢なのは変わりません。

そしてその流れが、そのままスコアに現れます。
42分の大宮、最終ラインでの三門の展開から左サイドで受けた小野がカットインの姿勢から斜めに縦パスを入れ、これを受けたのはストライカーの河田。
ペナルティアークから果敢にシュートを放つと、グラウンダーでゴール左へと突き刺さり。
いかにも点取り屋といったゴールで、再度大宮がリードを奪いました。
その後も大宮が好機を作り続けた末、2-1のまま前半を終えます。

後半に入る前に、北九州は選手交代。
1トップの佐藤亮に代え椿を投入、前川がFWに回って高橋がトップ下・新垣が右SHへとシフトという形を取ります。
夏の補強期間で再加入し、残留の切り札と目されましたが、故障により長期離脱を強いられた椿。
この日が復帰試合となり、状況打開の期待を受けての出場となりました。

後半の入り、その北九州に決定機が。
後半2分に前川が右サイドをドリブルし、パスを受けた新垣がエリア手前右からシュート。
ブロックでエリア内にこぼれた所を高橋がシュートしたものの、GK南のセーブに阻まれます。

いきなり肝を冷やした大宮でしたが、HTを経て修正を図ったのか、以降再び北九州のビルドアップを阻むシーンが目立ち始め。
相手のボランチをフリーにしてしまう事は無くなり、FWの中野がボランチへのパスコースを切りつつのプレッシングを見せる事で優位に立ちます。

そしてその姿勢が影響したのか、7分に北九州は針谷が西村恭史へのパスをミス(ここも西村恭には中野が付いていた)してしまい、すかさず拾った小野がエリア内右へラストパス。
受けた黒川のシュートが左サイドネットへと突き刺さり、早い段階でリードを広げた大宮。

痛すぎる失点となってしまった北九州。
以降も意気上がる大宮に対し守勢を強いられ、消沈ぶりは隠せずという状況になります。
大宮のコーナーキックからのカウンターで、椿がドリブルで持ち上がるシーンもありました(11分)が、大宮の素早いトランジションによりシュートまで辿り着けず。
逆に大宮は11分に黒川がシュート(ブロック)、12分に小島がシュート(GK吉丸セーブ)と、尚も点差を広げんとゴールを脅かします。

挽回したい北九州は、14分に西村恭→永野へと交代。
FWのような背番号(11番)の永野がボランチに入る事で、前に出る姿勢を強めたのか、以降前線でボールカットを頻発させた北九州。
16分には大宮・西村慧のミスを新垣がカットし、そのままエリア内でGKと一対一を迎えましたが、GK南が反応良く前に出てブロック。
21分には右CKから、GK南のパンチングが小さくなった所を新垣がエリア内左から折り返し、中央で収めた前川がシュート。
しかしこれも小島ブロック→南セーブと、必死に守る大宮の前にゴールを奪えません。
逆に次のCKで、ショートコーナーをカットされて大宮のカウンターを招き(カットした小野が一気にドリブルでエリア内左に進入、クロスを入れるも撃てず)、ペースを失う事となります。

25分に飲水タイムが取られ、尚も攻め上がる大宮。
河田が抜け出そうとした所を北九州・福森が肘打ちに近い格好で止めてしまう(腕が河田の喉に入る・反則)など、大宮の圧力に北九州は四苦八苦。
それでも30分、これまで攻守に活躍してきた中野が、左からクロスを入れた際に足を攣らせてしまい。(担架で運ばれる)
これを機に最初の交代カードを切った大宮。(中野・河田→柴山・イバ)

その後34分に山越が足を痛めて担架で運ばれる(一度交代の準備が取られるも復帰)等、ハイテンション故の傷が目立ってきた大宮。
それでも北九州が後方のミスでピンチを招く(こぼれ球をイバがダイレクトでエリア内にスルーパスも撃てず・33分)など、正の効果は相変わらず続いており、決して相手にパワー負けしないサッカーへと転身した節が窺えました。

何とか1点返したい北九州、42分に最終ラインからの縦パス(岡村)を経て椿がドリブルで中央突破。
エリア手前まで進んでエリア内右へ横パス、福森からのマイナスのクロスをニアで新垣がシュートしますが、枠を捉えられず。
2点差のままアディショナルタイムへと突入し、右CKを得た北九州。
キッカー高橋のファーサイドへのクロスを河野が合わせヘディングシュート、しかし前方に居た味方に当たって跳ね返り。
尚も繋いで右手前からの針谷のクロスを河野が折り返し、こぼれた所を椿がシュートするもこれも枠外に。
好機を作る事は作りましたが、劣勢を跳ね返す事は出来ずとなりました。

一方大宮は、43分に2枚替えとともにフォーメーションを3-4-2-1へとシフト。
既に今季限りでの引退が発表されている河本が投入され、守備固めの体制を取りました。(山越と交代、同時に小島→翁長に交代・右から河本・西村慧・河面の3バック)

憚らずも、昇格では無く残留が最後のチームへの貢献となってしまった河本でしたが、役割を果たして無事に逃げ切り。
勝ち点3へと辿り着いた大宮、これで降格ラインとは勝ち点4差となり。
この記事を書いた段階では下から1勝以上の差という苦境でしたが、今は上から1勝以上の差を付けるという逆転ぶり。
まだ予断は許さない状況で、仮に残留を果たしても大宮というクラブ規模を考えれば不本意なものでしょうが、何とか目の前の大課題をクリアしたい所です。

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