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DAZN観戦 2023年J1リーグ第24節 横浜FCvsセレッソ大阪

2023-08-24 16:01:01 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

J2クラブからの「個人昇格」選手での編成も極まった感のあるセレッソ。
今夏も渡邉・柴山の獲得でその色を強めたものの、逆に加藤が(広島へ)移籍となったため、その効果も相殺といった感じでしょうか。

海外移籍により多額の移籍金を獲得出来れば良いが、そうでなければこうしたやり繰りで予算を調整しなければならない。
債務超過という負の要素を抱えているセレッソは特にその傾向が強く、選手個人はともかく、クラブ自体の発展性は果たしてどうか。南野以降海外に行ける人材が払底している事ですし

そんな事を考えさせられる移籍事情となりましたが、この日の相手は横浜FC。
小川航基を海外(オランダ・NECナイメヘン)へ送り出したものの、レンタルなため移籍金を稼ぐという目論見は不透明であり。
J1定着のためにクラブ価値を高めたい所ですが、目の前の残留争いを凌ぐ事で手一杯といった状況にも映ります。

その残留を果たすため、シーズン途中からカウンター一辺倒に限りなく近いスタイルを採っている横浜FC。
そのため見るべきものは……といった感じで、セレッソサイドも様子見の入りをとったため、暫くは好機が生まれない時間が続いた立ち上がり。
横浜FCの自発的な攻撃はロングボールを送り、そのセカンドボールを敵陣で拾えれば……というもので、前半5分にその通りに井上が拾って右サイドの山根へ。
しかし前にスペースはあったにも拘らずアーリークロスを選択した山根を見て、偶発的な好機しか求められないのではという危惧が伺えました。(その後跳ね返りをユーリがミドルシュート、枠外)

様子見を終えたセレッソ、7分頃からボールポゼッションによる攻撃スタイルを採り始め。
それに対し横浜FCは大したプレッシャーを掛ける事無く、セレッソが陣内へとパスを送った時に初めて前に出るという、所謂ロープレスのスタイル。
当然ながら露骨なカウンター狙いなのは一目瞭然で、逆に言えば「リードを許すと終わりに近い」というものであり。
一方セレッソは主導権を握る事は容易なものの、専守の相手を崩しきる事が出来るかを常時強いられる試合となりました。

香川・喜田のドイスボランチの動きを中心に組み立て、サイドチェンジを多用しつつ、ラインブレイクを狙うセレッソの攻撃。
それでも自陣で5-4-1で守る横浜FCを崩す難易度は高く。
しかし14分そこから逸脱した攻撃で、喜田の中央への縦パスをカピシャーバが受けられずも、偶然フリックのような形になって裏に転がり。
横浜FCディフェンスが一瞬足が止まった所に上門が走り込むシーンとなり(結局ディフェンスの反応が間に合い繋がらず)、組織的な守備を貫くつもりでも、こうした偶発性には脆さがありそうに窺えました。

その後もセレッソが一方的に攻撃を仕掛ける展開は続き。
目立ったのが香川の働きで、ボランチの位置からボールを落ち着けつつ攻撃を組み立て。
サイドチェンジを含めたミドルパス・ロングパスはほぼ100%通していたと言って良く、流石は歴戦の名選手と言うべきでしょうか。

専守の覚悟はあっても、必然的に膨らむ守備陣のダメージに耐えられるかどうかという横浜FC。
22分に吉野があろう事かバックパスをミスしてしまい、セアラが拾った右サイド深めから始まるセレッソの攻め。
そしてカットインからマイナスのクロスを送り、中央で受けた香川がカピシャーバと被りながらもボールを確保し、最後はカピシャーバがシュート。
GK永井が足でセーブし、跳ね返りに対してもクルークスがヘディングシュートを放つ(前に居た上門に当たる)などゴール目前まで押し込まれ。
一瞬でも集中力が切れれば、こうした危機を招いてしまう状況であり。

飲水タイム(24分)ののちも、猛攻を仕掛けるセレッソ。
28分には喜田が香川のお株を奪うようなミドルパスでの組み立てを見せたのち、セアラが中央からミドルシュート。(ンドカがブロック)
29分には敵陣でこぼれ球を拾って右から素早く前進し、スルーパスに走り込んだ毎熊のクロス。
これはブロックされるもこぼれ球を喜田がシュート、ユーリにブロックされた所をクルークスがシュート(枠外)と連撃。

セレッソにとってはこのままペースを維持したい所でしたが、腹部でブロックしたユーリが暫く倒れ込むブレイクが生まれ。
これがそんな展開にもブレイクを齎しました。
33分に業を煮やしたか、GKからのロングフィードを選択したセレッソ、これを回収されて横浜FCのポゼッションとなり。(パスを繋ぐも結局戻して作り直し)

これで一息ついた横浜FC。
36分にセレッソはカピシャーバがドリブルからミドルシュート、ブロックを掠めてゴール左へ外れた事で左コーナーキックに。
しかしショートコーナーからのクロスが乱れるとカウンターを招き、山下諒がドリブルで一気に敵陣へ運び。
これは鳥海に反則気味に止められ(笛は鳴らず)フィニッシュには繋がらずも、カウンターの恐怖を植え付ける事には成功します。

それでも攻め急ぐ事はしないセレッソ、香川を中心とした組み立ては相変わらず健在であり。
42分には喜田の左→右へのサイドチェンジから、右奥を突いたのちの戻しを受けた香川、エリア手前という位置でミドルシュートの姿勢を取ったのちそれをキャンセル。
そして右へと叩き、毎熊クロス→ファーでカピシャーバヘディングシュート(ジャストミートせず)と、局面で相手を揺さぶるべくの技術の高さを見せ付けます。

勝ち筋を得たい横浜FC、43分にパスを繋いだ末に、山下諒のボールキープが喜田の反則を呼んで中央遠目からのフリーキック。
キッカー井上がエリア内やや左へロビングを入れると、合わせにいったンドカがディフェンスと縺れその足元にボールが落ち。
即ち混戦が生まれかかる願っても無いシチュエーションが発生するも、拾った吉野もシュートは撃てず終わり。
その後も敵陣深めのスローインから押し込む、「窮鼠猫を噛む」という表現が相応しいかのように先制点を狙いにいく横浜FC。
しかし最後にコーナーキックに持ち込んだと思ったら、既にアディショナルタイムの目安時間(2分)を回っていたためやらせて貰えず、前半終了が告げられました。

後半のキックオフは横浜FCで、その最初の攻めは後方から吉野右サイドへロングパス→山根スペースへ落としという、サイドの選手がターゲットマンではない事を逆手にとったパターンで好機到来。
しかし走り込んで拾った伊藤がクロスを上げるのみに留まり、依然重厚な攻撃が出来ない流れは変わりません。

すると前半同様の攻勢に入るセレッソ。
後半2分右スローインから組み立て、香川が右ハーフレーンからミドルシュート、ンドカがエリア内でブロックしたのちも尚も繋ぎ。
そして同サイドからクルークスのクロスが上がり、ボックスに入っていた喜田がヘディングシュート(ゴール左へ外れ)と、遠目・近目双方でフィニッシュ。

決壊はすぐそこというような攻撃を見せると、そこから間もない4分でした。
ここでも香川が中盤の底からサイドチェンジを2度敢行して揺さぶったのち、その2度目を左サイドで受けたカピシャーバがドリブルでポケット奥を抉り。
そして上げられたクロスを、ニア寄りで跳んだ毎熊の奥でセアラがヘディングシュートを放ち仕留めます。
流れ的には当然ながらやや遅い感もある、先制点をついに奪いました。

時間はまだまだあり、当然ながら横浜FCにとっては諦めるタイミングでは無く。
しかしカウンタースタイルのチーム宜しく、ここから前へとエネルギーを向ける作業自体が一苦労する事となり。
そしてその間にも、9分にセレッソが縦に素早い攻撃から、セアラスルーパス→毎熊右からクロス→セアラヘディングシュート(枠外)とゴールを脅かされ。

10分に右スローインから中央へと繋ぎ、山下諒がミドルシュートを放つもGKヤンハンビンがキャッチ。
フィニッシュには持ち込むも遠目からのみ、という流れは過去に見た神戸戦(12節・0-3)と同様の流れ。
何とか敗戦への道を断ち切りたいものの、11分にはあろう事か山根のスルーパスが舩木に読まれてカットされ、カウンターに持ち込まれた末にンドカが(セアラに対し)反則で止めてしまい警告。
これで得た左からのFK、クロスの跳ね返りを繋いで二次攻撃、上門のミドルシュートがゴールを襲うもGK永井がセーブ。
尚も繋がるセレッソの攻撃を断ち切るも、吉野のパスが毎熊にカットされてさらに継続、拾ったクルークスのシュートをまたもGK永井がセーブ。
フィニッシュを浴びまくる流れへと突入し、尚も15分にクルークスの右からのカットインシュート、16分に中央からカピシャーバのラストパスを受けたセアラがシュート(いずれも敵陣でのボールカットからの攻め)をセーブするGK永井。
GKが大忙しという面でも、神戸戦でのスベンド・ブローダーセンの姿を彷彿とさせる内容を描きます。(この日ブローダーセンはベンチ)

流れを変えるのは必須という状況で、横浜FCベンチは17分に動いて林・小川→近藤・カプリーニへと2枚替え。(山根が左サイドに回る)
それとともに、最終ラインからの組み立てという主体的な攻撃へと本格的に踏み込み、落ち着きと反撃体制を齎さんとします。

それでも不器用さは拭えず、19分には右サイドから持ち込み近藤がエリア内へ斜めの縦パスを送り、それを伊藤がポストプレイとセレッソ最終ラインを揺さぶる攻撃パターン。
しかし受けにいった山下諒とカプリーニが被ってしまい、こぼれ球を喜田に拾われてセレッソのカウンター(右奥へ進入も戻して作り直し)と、やる事が裏目に出る負の連鎖は続き。
気を取り直して以降も押し込みますが、決定的な好機には辿り着けないまま後半の飲水タイムへ。(23分)

守勢に入ったセレッソも、明ける際にベンチが動き上門・クルークス→鈴木・柴山へと2枚替え。
これで鈴木をアンカーにした4-1-4-1へとシフトしますが、守備時には4-5-1のスタイルと、ボランチ3人という色の強い布陣を採ります。

ンドカを最後方での舵取りとしたビルドアップから、何とか糸口を掴みたい横浜FC。
30分そのンドカが右サイド奥へとロングパスを通すも、受けた近藤の戻しを山下諒がトラップミスしてしまい、再度セレッソのカウンターを招き。
拾ったカピシャーバがドリブルで一気に左ポケットまで突撃してシュート、GK永井がセーブすると今度は横浜FCがカウンター。
岩武の縦パスを中央で受けたカプリーニが持ち運ぶも、こちらはミドルシュート(枠外)とあくまで遠目からのシュートに留まってしまう格差は振り払えずとなりました。
上記のシーンから、そんなカウンターの橋頭堡となっていた山下諒の疲労感は拭えず、32分に交代と相成り。
マルセロ・ヒアンと交代、同時にユーリ→三田へと交代し、以降井上をアンカーとした3-3-2-2(3-1-4-2)で戦います。

しかしそれを見たセレッソも、35分にすかさずセアラと喜田に代え、渡邉とマテイ・ヨニッチを投入。
ヨニッチをリベロに置いて3-4-2-1へシフトと、守備的な布陣をとります。
立て続けに36分、前述の突破のシーンで足を痛めた風であったカピシャーバに代えて新井を投入。

そんなセレッソに対し、最終ラインでのパスワークで何とか穴を探さんとする横浜FC。
しかしそれは傍らから見ても厳しいものであり、以前J3で観た2年前の讃岐の姿(宮崎戦、0-2)を彷彿とさせ。
最後の駒として高井を投入(伊藤と交代)するも、当然ながら流れを変えるには至りません。
舩木がハイボールの競り合いの際、近藤との交錯で着地に失敗し長らく倒れ込む(ピッチ外→復帰)というシーンもあり、ブツ切りな流れも強いられます。

そして突入したAT、セレッソが香川が足を攣らせるなど退潮が目立つなか、遅まきながら攻勢に入る横浜FC。
それでも5-4-1ブロックの崩しを強いられる前半とは真逆の試合絵図で、しかもビハインド付きという一層厳しい状況を押し付けられ。
3バックが大きく幅を取り、長い距離のパスでセレッソディフェンスを揺さぶったうえでサイド突破と、やりたい事は伺えたものの時間が決定的に足りず。

クロスには持ち込むも、一度CKから高井がヘディングで合わせたのみ(枠外)という、ビハインド特有のパターンが延々と続くAT。
しかし最終盤左サイド奥で組み立ててそのままクロスか、という場面で(スローインからの攻めでボールがピッチに2つ入ったため)試合が止まり、ドロップボールで再開後(山根が)即クロスという中々レアな絵図に。
これをニアでマルセロが収め、エリア内でキープして何とか隙を窺う横浜FCでしたが、結局戻しを経ての井上の手前からのクロスはファーへ流れてしまい実らず。

結局0-1のまま試合終了となりセレッソが勝利し、ロースコアながらも厳しい試合を強いられた横浜FC。
ホーム(ニッパツ三ツ沢球技場)のスタンドからもそれが伺え、J1にしては少ない集客(8,195人)なうえメインスタンドまでセレッソサポーターが集結するという、所謂「ホームジャック」気味の様相も目立つ事に。
このままではJ1⇔J2の無限ループ状態は避けられないですが、果たして抜本的な改革は今後あるのか、あるいはJ2でも苦戦している元J1クラブよりはずっと良いと納得するしかないか。

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