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DAZN観戦 2023年J2リーグ第28節 いわきFCvsジュビロ磐田

2023-08-01 16:01:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回のいわきの記事はこちら(25節・水戸戦、4-3)
※前回の磐田の記事はこちら(21節・甲府戦、1-1)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(大分戦、2-1)から3バックで戦う。前節の3-4-1-2から、下田アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジ。
  • ネルソン・エンリケが(ポルトガル・SCパライエンセから)レンタルで加入し、今節から登録。

<磐田スタメン>

  • 鈴木雄が累積警告のため出場停止。
  • 山本義道が金沢へレンタル移籍となり、前節(群馬戦、1-1)をもって登録抹消。
  • 大森が24節・金沢戦(2-1)で負傷交代し、以降ベンチ外が続く。

7戦無敗と快進撃が続くいわき。
前節は再び基本フォーメーションを弄り3バックでの戦いを披露する等、単なる「フィジカル集団による縦に速いサッカー」一辺倒の面影は大分薄れており。
多彩な戦術面を駆使しながら、強敵相手にも一歩も退かない戦いを繰り広げる姿に周囲も胸を打たれたでしょうか。
この日はチケット完売の末に、ホーム最多入場者数を更新(5,039人)する運びとなりました。

しかしその要因の一つに相手があり、J1経験豊富で歴史あるクラブである磐田を迎え撃つ事となったこの日。
そうしたクラブとも立派に渡り合う事で、更に昇華を果たす事が出来るという目論見(恐らく)の下、試合に臨みました。

磐田のキックオフでスタートした前半、その攻撃で前線へとボールを運ぶ磐田。
いわきが回収するも、GKに戻した所を松本が強烈にプレッシャーを掛けて蹴らせ。
いきなり相手に度肝を抜かせたその直後、再び松本がエリア内へプレッシャーを掛けてボール奪取、家泉に当たってゴールラインを割りコーナーキックに。
ここからはフィニッシュは放てずも、いわきにとっては上位クラブらしい圧力の前に屈する危機を孕ませる入りを強いられ。

そんな流れのなか前半6分、GK三浦右へ縦パス→小川ダイレクトでスルーパスと素早い運びで、受けたジャーメインの前進は阻まれるもカバーした松本が奥を突いてクロス。
ブロックに当たるもニアに入り、金子が足で合わせたボールが阻みに前に出たGK鹿野を抜くも、ゴール前で遠藤凌がクリアして間一髪凌ぐいわき。

やり返したいいわきは9分、左スローインからの繋ぎを経て岩渕がワイドからカットイン。
ディフェンスに遭うもすかさず近くの味方がカバーする事で、密集のなか運んだ末に山口がエリア内からシュート(枠外)と、いかにもいわきらしい強引な運びでフィニッシュに辿り着きます。

いわきは3バックといえど、ビルドアップの際は左右のセンターバックが前に出て、2CB気味となって運ぶのが基本スタイル。
そして変形後も、4バック時のように片側のCBがワイドに張り出すという手法は変わらずで、これでサイドにより人数と圧力をかける算段といった所でしょうか。
反対に守備時はマンマーク基調のため、家泉がジャーメインに付いたうえで左右CBは磐田の両サイドハーフに付くという形。
アンカー下田はトップ下の金子のチェックに苛まれ、従って開きがちな最終ラインをどうカバーするかが課題となりました。

いわきは最終ラインから縦パスを送って繋がんとするも、それを悉くカットされて磐田の攻撃ターンに。
すると両ポケットへと勝負のパスを送り込むという具合に、目に見えて判るいわきディフェンスの弱点を突かんとします。
一方前線の守備も、ウイングバックが相手サイドバックに対し果敢に前に出るスタイルを採るいわき。
しかし肝心な所では、ジャーメイン狙いのロングパスでかわす磐田と、それをしっかり収めるジャーメインに対し有効打を打てず。
そうした若干空回りな印象を受け、磐田に攻撃権をガッチリ握られる状態となった第1クォーター。

22分に何とか右CKに持ち込んだいわき、キッカー山下はエリア手前へクロスを送り、岩渕が戻って受けたのちミドルシュート。(GK三浦がセーブしたように見えたが判定はゴールキック)
サインプレーに映ったものの、やや慌て気味に戻った岩渕の姿もあり意図したかどうかは不明な好機にも見え。

飲水タイム(23分)の後も、変わらずペースを握らんとする磐田。
26分に長いパスワークから、とうとうカットインで左ポケット奥を突いた古川からマイナスのクロスという絶好機が生まれ。
これをニアサイドの松原の前でカットと、何とか凌ぐいわき。
しかしその後もCKから金子のヘディングシュート(28分、眼前のジャーメインに当たり枠外)

潮目が変わったのが30分で、プレスを嵌めたいわきは右サイド深めで山口がカットに成功し、右ポケットへこぼれるボール。
これを有田がヒールパスで繋ぎ、カットに入られるも拾い直した有田がシュート、ブロックに阻まれるもさらに繋ぐいわき。
そして右からの加瀬のクロスが跳ね返されるも、下田の落としから岩渕がダイレクトでシュート(ブロック)と分厚い攻めを展開。
ここから攻撃権をガッチリと握るいわき、初スタメンとなったスーパーサブの岩渕(6試合6得点)も、さらに結果を残さんとゴールを目指し。
32分と35分にシュートを放ちます。(前者はミートせず上空へ・後者は枠外)

GKを含めてのビルドアップで磐田のプレッシングをかわすという、序盤の戦いからは全く想像もできない姿を見せるいわき。
前進が阻まれても、落ち着いてGKまで戻して作り直しを選択するなど、素早い運びを愚直に続けた挙句相手に攻撃機会を渡し続けた惨状は既に何処にも無く。

それでも磐田のクオリティは恐怖で、42分に再び縦パスを前に出た小川にカットされ、反転速攻を受ける事に。
ジャーメインが細かいタッチで前進し、エリア手前やや左からシュートを放つも左サイドネット外と、ちょっとのミスが失点危機に繋がりかねないのは変わらずといった状況でした。
第1クォーターでは磐田が、第2クォーターではいわきがペースを握るという、丁度半々な展開の前半はスコアレスで終わり。

共に交代無く後半が始まると、早速の後半1分にいわきが好機。
家泉のロングパスで左サイド奥を取り、パスワークののちに下田がハーフレーンから推進し左ポケットを取ってグラウンダーでクロス。
これが一気に大外へ流れた所、走り込んだ加瀬がシュートを放ちましたがゴール左へ惜しくも外れ。
電光石火の得点とはいきませんでしたが、これを機に再度押し込みを掛けるいわき。
磐田がビルドアップで前進を図っても、地上・ロングフィード共に奪って反転して好機に持ち込み続け。

3分にGK三浦のフィードをカットしたのち、岩渕が有田のポストプレイを挟んで左ポケットに切り込んでシュート。(鈴木海がブロック)
続く4分にも加瀬の右サイドでのボール奪取から前進、右CKに持ち込んでクロスの跳ね返りを宮本がミドルシュート。(ブロック)
この時間帯のいわきの圧力はまさにフィジカルモンスターといった格好で、さらに6分にも岩渕がボール奪取して素早くエリア内へ送り好機。
山口の左奥からのマイナスのクロスは合わずも、拾った山下のパスから加瀬がシュート、GK三浦がセーブしたのちも尚も繋ぎ。
磐田のクリアをブロックで阻むなど脱出させず、拾った山口が追撃のシュートを放ちましたが、ゴール前でグラッサがブロックで跳ね返し先制ならず。
前半とは打って変わって、寸での所で凌ぐ姿を露呈したのは磐田の方となり。

何とかこの流れを切った磐田。
10分に敵陣で攻撃が途切れるも、グラッサが前に出て縦パスをカットして継続し、松原のドリブルを挟んでパスを受けた金子がエリア内からシュート。(ブロック)
先程決定機を防いだ影響か、積極性が顔を出すグラッサ。
しかし12分にはいわきの攻撃に対し、右サイドに開いた岩渕に釣り出されてしまうグラッサ、そのスペースで縦パスを受けた有田が(鈴木海に)反則を受けるという具合にマイナスにも作用。
これで直接FKを得たいわき、キッカー山下の直接シュートという砲撃を浴びせるも、ゴール上へと外れてモノに出来ません。

14分にまたも敵陣でカットしてショートカウンターに持ち込むいわき、エリア内での細かい繋ぎに持ち込み。
放たれた有田のシュートをこれもグラッサがブロックで防ぐと、跳ね返りを拾った金子のドリブルからカウンターを仕掛ける磐田。
しかしいわきも素早いトランジションにより遅らせるなど、せわしなく攻撃権が入れ替わる展開に。

磐田がチーム力を発揮しづらい状況と見るや、16分に動くいわき・田村雄三監督。
加瀬→石田へと交代したのに加え、下田をアンカーへと移すお馴染みの4-1-4-1へと布陣をシフトします。(1トップは山口)

それを受けた磐田も、18分に動き山本・松本→鹿沼・ゴンザレスへと2枚替え。(ジャーメインがトップ下へシフト、ないしはゴンザレスとの2トップで4-4-2か)
契約問題もあり本来の力を発揮出来ているとは言い難いゴンザレスですが、その強烈な個の力への対応を強いられるいわき。
遠藤凌が彼へのボールの供給を防ぎにかかるも、激しいデュエルにより反則も膨れ上がるなど難儀します。

そんな反則塗れへの傾倒を受け、23分に自陣深めで石田が金子からボール奪取した直後、反転してチャージしてしまった金子が反則・警告。
その直後に飲水タイムが挟まれた事で、第3クォーターは幕を閉じ。
そして再開後、その傾向は止まるどころかますます盛んとなり、家泉も加わりゴンザレスへのチェックは欠かさない姿勢を取るいわき。
それにより常時デュエルを強いられるゴンザレス、そのフラストレーションは相当といった様相でした。

それでも31分、GK三浦のロングフィードを落としたゴンザレスから攻める磐田、上原の左→右のサイドチェンジを受けた小川が奥へ切り込んでクロス。
クリアに入るもファーサイドへ浮き上がり、上がっていた松原がヘディングシュート(GK鹿野キャッチ)と、ゴンザレスを橋頭堡とした好機を作り。
それに応えんとするゴンザレスですが、36分には左奥へのスルーパスに走り込んだ所、蓋をしたGK鹿野を勢い余って倒してしまう(反則)シーンも見られます。

28分にいわきは山口・岩渕→吉澤・谷村へと2枚替え。(吉澤の1トップ)
34分に磐田も金子・古川→藤川・吉長へ2枚替えと、采配も交錯して終盤を迎え。

38分に縦パスを受けた宮本が上原に倒されると、中盤からのFKでしたが放り込みを選択したいわき。
ボールポゼッションに傾倒していた最近の姿勢をかなぐり捨てるような振る舞いでしたが、勝負所かつ白熱の展開なので仕方無いともいえ。
このキッカー山下の放り込みから、クリアボールを左サイドで拾ったのち谷村がカットインからミドルシュート。
鈴木海がブロックするも、家泉の落としの跳ね返りをさらに石田が拾い、今度は右からカットインシュート。
これがコントロール重視でゴール左を襲いますが、惜しくも外れてしまいスタンドもため息に包まれます。

後半何度も惜しいフィニッシュを放ったいわきでしたが、同時に監督交代以前の「いくら相手ゴールに迫っても、得点出来ずに敗戦」という展開を思い出させるようでもあり。
直接的には無関係ながら、それが拙かったでしょうか。

直後の40分磐田はゴールキックからのロングフィードで再開、これもゴンザレスをターゲットとしたものの、彼を越えて右サイドで藤川が収め。
ゴンザレスと無意味に競り合い転倒してしまった遠藤凌を尻目に繋ぐ磐田、小川が奥を突いてクロスを入れると、ファーサイドで鹿沼が収める決定機に。
鹿沼はディフェンスに遭い撃てずも、こぼれた所をすかさずシュートしたのはジャーメイン。
下田が必死にブロックするもコースが変わった結果、GK鹿野も反応できずゴール左へ突き刺さります。
ついに均衡を破った磐田、喜ぶその姿に「どちらがクラブ的に立場が上かなどは、勝負の上では無関係」という事を感じさせられました。

何とか反撃したいいわき、43分に最後の交代を敢行(下田→永井)すると同時に、オーソドックスな4-4-2へとシフト。(2トップは吉澤・谷村)
一方の磐田も45分に小川→伊藤槙へと代え、こちらも典型的な逃げ切りスタイルの3-4-2-1へとシフトします。(吉長が右WBに回る)

アディショナルタイムに突入し、最後の力を振り絞るいわき。
永井のカットインがこぼされた所、河村の落としで左奥を取って攻め上がり。
谷村の前進がディフェンスに遭うも、カバーした永井からのクロスが上がると、吉澤が跳び込みましたがその手前でGK三浦がパンチング。
防いだ磐田でしたが、その刹那三浦が吉澤と交錯してしまい頭部を痛める事態に。
長らく倒れ込む三浦、起き上がったのちに脳震盪チェックが行われるも、既に最終盤を迎えていたためベンチは無理をさせない事を選びます。
GKを交代(脳震盪のため交代枠とは無関係)し、八田が最後の締めを行う事に。

その後もゴンザレスが遠藤凌にチャージされたり、逆に遠藤凌に反則を犯したゴンザレスが警告を受けたりと、反則の渦から逃れられない試合展開。
何とか混乱に塗れる事無く0-1のまま試合終了に到達、100分越えの死闘を制した磐田はこれで10戦無敗となりました。

一方で敗れたものの、ホームの大観衆を前に魂を揺さぶる試合を演じたいわき。
「次に勝てばいい」と前向きになれるような一日だったでしょうか。

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