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DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 ブラウブリッツ秋田vs清水エスパルス

2024-06-26 18:23:43 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(17節・群馬戦、1-1)
※前回の清水の記事はこちら(18節・山口戦、0-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 小野原が累積警告により出場停止。

<清水スタメン>

  • 19節(藤枝戦、1-0)から3-4-2-1へと布陣変更していたが、この日は再度4-4-2へ戻す。
  • アブドゥル・アジス・ヤクブのポルトガル・リオ アヴェFCから完全移籍での加入が決定。(選手登録は7/14以降)

6勝6敗(7分)と全くの五分で、前半戦を終えた秋田。
それは数字が示す通り、水平姿勢を保った無事なフライトというべきか。
ないしは昇格に絡む事が出来ないもどかしさが噴出する危惧を抱えている状況か。
いずれにせよ、降格の危機は今の所薄いだけ幸せというのは間違い無く。
この日の対戦相手の清水が、常に昇格圏を争っているが故のギスギス感を醸し出している現状故に尚更といった所でしょうか。

清水ボールでのキックオフ、(向かい風という環境もあり)いきなり地上での繋ぎで前進を図ったものの、左サイドでディフェンスに阻まれ。
その直後に最終ラインでボールを持つと、原の裏へのロングパスでコーナーキックに持ち込む(このCKから中村亮太朗がヘディングシュートも枠外)という具合に、地上・空中での前進でハッキリ明暗が分かれる立ち上がりに。

そんなギャップに拍車を掛けるように、直後の秋田のゴールキックの際に観客席でアクシデントが。
体調不良で倒れた観客が(秋田サイドのスタンドに)現れたという事で、試合は一時中断されて対処する運びとなります。
競技場内に入った救急車の中へ担架で運ばれた、その患者の無事を祈るばかりとなり6分に再開され。

閑話休題、清水がロングボールで有効打に結び付けたものの、それは同じ土俵だと言わんばかりにその後攻勢に入る秋田。
7分に村松のロングパスを受けた青木が右奥を窺う姿勢からヒールパス、受けた大石が奥へ切り込んでクロス。
ブロックされて右CKに持ち込むと、2度目のクロスをファーサイドで河野が合わせ。
シュートというよりは落としが直接ゴールへ向かうといった感じのヘディングでしたが、ゴール前で原がクリアして何とか防いだ清水。
しかし河野に圧し掛かられた吉田が頭部を痛めるなど、秋田の圧力をモロに受ける格好となります。

攻撃の際も地上での繋ぎが秋田のプレッシングにより上手くいかずと、劣勢感を露わにする清水。
すると13分、ゴールキックでのロングフィードからセカンドボールを確保した秋田、右サイドでワンタッチでのパスワーク。
これが前回述べたような、清水ディフェンスの喰い付きという弱点を露呈させるものとなり、バックパスで前に釣り出した所に藤山がミドルパスでその裏を大石が取る好機に。
そして奥から入れられたマイナスのクロスに、走り込んでニアでシュートを放ったのは梶谷。
ゴール左へと強烈に突き刺さり、パワーサッカーの秋田ですら清水の弱点をしっかりとスカウティングしている事が示されるような先制点が生まれました。

前節(愛媛戦、0-3)に続き追う立場を強いられた清水。
15分、最終ラインから地上で繋ぐ流れになると、センターバックに対して大石が詰めにいった事で左から運ぶ余地が生まれ。
しかしパスを受けた山原は二度追いする大石と、後方から強烈にプレッシャーに来た村松・藤山の3人に囲まれる事態となった末に奪われてしまいます。
ハイプレスによる綻びを、文字通り「秋田一体」の走力でカバーされる絵図となり。

地上からの前進は困難と見るや、20分に再度原のロングパスから好機を作り、セカンドボールをタンキがダイレクトでスルーパス。
これを左ワイドで受けた北川がポケットへ持ち運びグラウンダーのクロス、これに対しニアサイドに走り込む宮本。
しかし意図的か否か、スルーを選択しファーのカルリーニョスに託したものの、届かずにクリアされて実りません。

その後もロングボールと地上でのビルドアップの挟間で揺れる清水。
23分に再び山原から運ばんとしたものの、ここも大石の二度追いによりサンドされ、無理に間を抜く縦パスを選択した結果諸岡にカットされ。
そして青木のスルーパスで右サイドを突き大石がクロス(合わず)と、相手の迷いを執拗に突き続ける秋田。
閉塞感漂う清水は27分、カルリーニョスが下がってボールを受け、低い位置からのドリブルで打開を図らんとします。
しかしこれも囲まれて藤山に奪われるという具合に機能せず、結局手詰まり度合を加速させるのみに終わり。

30分過ぎから、サイドハーフの位置を入れ替え(矢島が右・カルリーニョスが左に)と配置面での変化を交え。
ここから攻撃権を掴み、最終ラインから間を通す縦パスが決まり始めて敵陣でサッカーを展開する時間帯に。
パスワークを交えて何度かボックス内を突くものの、秋田の粘りの前にフィニッシュは撃てません。
40分自陣での右スローインからの攻めで、左へとサイドを変えてカルリーニョスの持ち運びで好機到来。
そして奥を突いた山原のクロスが上がると、ファーサイドで合わせたタンキのヘディングシュートがゴールバーを叩き。

一つゴールを脅かした事でムードが高まる……そう思ったものの、現実は甘くなく。
42分、中盤でボールが右往左往する流れから、藤山のラフなロングパスが一気にエリア内を突いて秋田の好機に。
青木がボールキープで溜めを作り、他選手も存分に上がったうえで左から蜂須賀のクロスが上がると、ファーサイドでヘディングシュートを放ったのは村松。
SBからSBへ、というこのフィニッシュこそGK権田がセーブするも、跳ね返りをすかさず梶谷がヘッドで詰めてネットを揺らします。
清水の苦悩を嘲笑うように、走力を存分に活かしてリードを広げた秋田。

清水は地上・空中どっちつかずという状態を改められないまま、窮地に追い込まれたという格好に。
両者を交える立ち回り、つまりは疑似カウンターを使う事が最適に見え。
ハイプレスが基本の秋田ですが、組織的というよりは走力に頼ったものなので、エリア内まで引き付けたうえで裏を取る方策が採れれば楽になったかと。
今季でいえば2節の山口vs秋田での山口の戦い方が連想されますが、その山口に完敗した事もあり、この方面でも清水の組織力の遅れを痛感させる……というのは言い過ぎか。

結局2-0のまま前半終了。
追い掛けなければならない清水は、ハーフタイムで2枚替えを敢行(吉田豊・中村亮太朗→高木・乾)と、当然の如く交代を交え。
これにより原が本来の右SBに、矢島がボランチに回る事となります。

そうして始まった後半。
中々好機が生まれない入りを経て、後半3分の最初の攻撃は清水。
宮本のパスカットで反転させての攻撃で、右から原のアーリークロスがニアに入り。
走り込んだカルリーニョスは撃てずも、こぼれた所を北川がシュート(枠外)と繋がり。
豊富な駒を活かしての反撃体制を作り上げんとします。

しかしそれが盤石とならないうちに、秋田も後半最初の攻撃(4分)を点で繋ぎ。
左スローインからの攻めで左CKを得ると、キッカー大石のニアサイドへのクロスに、青木が合わせヘディングシュート。
ファー寄りの位置から走り込んで合わせた事で、清水のゾーン守備が完全な棒立ちという格好となり、いとも簡単にゴールネットが揺れ。
これで3点差となり、ホームの地(ソユースタジアム)で勝利へのムードを高めた秋田。

一方早期の失点で、最早メンタルはガタガタといった清水。
反則を繰り返す(その流れでカルリーニョスに警告)事で秋田に好機を与え、凌いだと思ったらクリアボールを味方にぶち当ててしまい(藤山に)シュートを許すという具合に、サッカーの内容も混迷を極め。

何とか流れを変えんと、10分に再度交代しタンキ→白崎。
これによりカルリーニョスがFWに、矢島が右SHに回るという具合にポジションチェンジも再度交わり。

それでも、単純明快な秋田の姿勢を崩すには至らず。
12分に左スローインから敵陣で繋ぐ秋田の攻撃、梶谷がパス&ゴーで高橋の背後を取り、左ポケットへのスルーパスをダイレクトでシュート。
ここでも高橋の立ち位置がどうにも中途半端で、崩されるのは必須といった清水の守備組織。
このシュートは高木がブロックし、こぼれ球をさらに青木がシュートするも山原がブロックと、辛うじて防いだものの反撃ムードは高められず。
そのままズルズルと時間を浪費していきます。
17分には、またも乾の蹴り出しが宮本にぶち当たって跳ね返るというミスから、梶谷のミドルシュートに繋げられる(枠外)という具合に迷走は止まりません。

そして22分に3度目(HTを除けば2度目)・4人目の交代、矢島→ブラガ。
同時に秋田も大石・青木→水谷・小松へと2枚替え(佐藤が右SHに回る)と動きましたが、こちらはまだ最初の交代とその立場は明暗くっきりという状態に。
更に24分にカルリーニョス→松崎に交代と、早々に全てのカードを使いきった清水。
これによりFWにブラガが回り、右SHに入った松崎。
ブラガがサイドのままで乾をトップ下とする手も考えられましたが、既に使い古された感のあるその案では流れは変えられないと踏んだでしょうか。

苦し紛れのベンチワークにも映りましたが、これが当たる事となり迎えた25分。
高橋の裏へのロングパスを受けた松崎、そのまま右奥を突いて溜めを作り、クロスでは無く中央方面へ戻しを選択。
エリアからすぐ手前という位置で受けたのは上がってきた原で、その流れに従うように放たれたミドルシュート、これが河野のブロックでのディフレクションもありゴールに突き刺さります。

ようやく1点を返したものの、その雰囲気を変えるには至らず。
29分にはスローインの判定を巡り、ボールを叩きつけて激高した原が警告を受けるという具合に、秋田のプレッシャーの前に形にならない状況は大きく変わる事は無く。
それでも松崎の突破力は一筋の光明で、26分にそこから上がったクロスを経てのブラガのヘディングシュート(GK圍セーブ)などゴールに迫る流れを作ります。
(31分に秋田は佐藤・梶谷→中村亮太・半田へと2枚替え)

33分に秋田の浮き球による前進での攻撃、エリア内で小松が足から跳び込む絵図に持ち込むも、GK権田がキャッチして防ぎ。
すると素早くリスタートして清水がカウンター、フィードを受けた松崎のドリブルで敵陣を切り裂き、ポケットへ進入してマイナスのクロス。
走り込んだ乾が合わせシュートに持ち込むもGK圍がセーブ(その後北川が詰めにいくもオフサイド)と、この速い攻撃も得点に結び付きません。
36分にも、CKからの流れでまたも松崎が右ポケットに切り込む状況となり、上がったファーへのクロスをゴールに近い位置で白崎が合わせ。
しかし折り返しとなり、その逆サイドで原のヘディングシュートが放たれるも枠を捉えられず。
これを最初の白崎の所で、シュートを放ちゴールを奪えればガラリと展開が変わったでしょうが……。

脅威となった松崎の推進も、時間経過に伴い秋田サイドも対策を見せるようになり。
つまりは1対2での対応で、ワイドの位置で持つ松崎に対し、蜂須賀と水谷の2人で網を張ってその勢いを削ぐ事に成功します。
その後松崎はそれを嫌がってか、中央に位置を移しての突破を試みたものの、対策の対策とする事は出来ずに終わり。

終盤は攻撃機会も減り、敗色ムードが高まる清水。
それを尻目に最後までパワー・走力を切らす事無い秋田。
先程まで清水の猛攻を受けていた事もあり、ボールキープ・バックパスを交えて一息付く立ち回りも見せながら、勝利への進軍を続けます。

そしてアディショナルタイムに最後の交代を使った(藤山→栗本)末に、試合終了の時を迎え。
ホームの地で強豪撃破を達成したその戦いぶりに、歓喜に沸く事となったソユースタジアム。

一方の清水、後半戦の連敗スタート、それによる首位陥落と夢なら冷めて欲しい状態に。
強力な駒による誤魔化しが効かなくなってきたのは明白であり、再度のブーストを掛ける秘策は存在するでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 鹿児島ユナイテッドFCvs大分トリニータ

2024-06-25 16:00:36 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(16節・長崎戦、0-3)
※前回の大分の記事はこちら(19節・山形戦、0-0)
※前回対戦時の記事はこちら(5節、大分 3-0 鹿児島)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 今更感はあるが監督を交代。17節(藤枝戦、1-1)終了の翌日に大島康明監督を解任し、後任には過去に指揮経験のある浅野哲也氏(2015~16年)が就任。
  • 前節(山形戦、2-1)出場停止だった戸根がスタメンに復帰。

<大分スタメン>

  • 前節(栃木戦、0-2)は3-4-2-1との事だが、この日は再度デルランを左サイドバックに置いた4-4-2へ戻す。
  • 梅崎の負傷が発表されるも、発生日・全治ともに未発表。

折り返し地点から早期に組まれた、九州ダービーの2戦目。
最も、天皇杯2回戦でも当たっている(大分 1-0 鹿児島)ため、それを含めれば3戦目なのですが。

そんなダービーマッチ、鹿児島は1戦目では手酷い敗戦。
その後は1勝しか出来ずという低調な成績で、とうとう監督交代の断が下されたのが17節。
再度の就任となった浅野監督の下、目標のJ2残留に向けて走り出したという現状。

課題は前回触れた通り守備面、特に被カウンターの機会の多さと、その際の脆さなのは明白であり。
浅野氏の就任会見でも、失点数の改善にウェイトが置かれていた風でした。
前節9戦ぶりの勝利でようやく泥沼を脱出したものの、その内容は(ダイジェスト動画で見た限り)やはり山形のカウンターからの好機が目立っており。
つまりはまだ道半ばという所が窺えましたが、結果も欲しい状況のなか建て直す事が出来るかどうか。

一方の大分も、そんな鹿児島の状態を対岸の火事で済ませられないものとなっており。
前節は前回観た山形戦の後半に採られた3バックで挑んだらしいのですが、そこでも結果は出ず。
そしてこの日は再度4バックと、基本布陣からして相当悩ましいものとなっている感があり。
4バック時はSBのデルラン、3バック時はウイングバックの宇津元が適応出来ずといった山形戦の印象ですが、鹿児島同様に何とか改善すべき課題点でしょうか。

ともに不安を抱えるチーム状態に相応しい、リスク回避を重視した立ち上がり。
つまりはお互いロングボール重視の攻撃で、鹿児島は鈴木・大分は長沢をターゲットとしながら、裏狙いも交えたボールを送り続け。

そんな中で前半6分、鹿児島が最終ラインから地上で繋ぐ状況となると、これまで最初から上がっていた右SBの野嶽が後方に残ったうえでの繋ぎ。
右で受けた野嶽がパスを渡し、藤村がボールキープする最中に上がり始めるという、これまでとは一線を成す動きを見せました。
SB・サイドハーフともに不在な所を突かれ続ける、長崎戦での教訓を意識したような立ち回りでしょうか。

一方、故障者も膨らみ苦心のメンバー選択が続く大分。
それを象徴するようなシーンが13分に得た右コーナーキックで、キッカーの位置には安藤とデルランの2人。
ともにターゲットとなるべき人材であり、何か変化を付けるという姿勢なのは明白で、その通りにショートコーナー。
そしてパスワークで逆の左の展開ののち、野村のアーリークロスがファーサイドに上がった所に、合わせにいくデルランと安藤。
ここは安藤の折り返しが乱れて実りませんでしたが、その執念からか続く14分に決定機。
鹿児島の地上でのビルドアップを規制した末に、縦パスを安藤が前に出てカットした事でショートカウンターに突入し、左ポケットを取った長沢が中央のスペースへとスルーパス。
そして走り込んだ野村がGKと一対一という状況になるも、判断良く距離を詰めたGK泉森にブロックされて先制ならず。
野村のキックは、シュートかGKをかわさんとしたトラップかやや中途半端なものに映り、結果的に悔やまれる逸機となってしまいました。

その後は、17分に保田が藤本への反則で警告を受けたのを皮切りに、両チームとも判定面でしこりを残すシーンを目立たせ。
倒れるも笛は鳴らず、ないしはアドバンテージを取って欲しい所で笛が鳴るという絵図の連続に、不穏な空気が漂い始めます。

南方の試合(鹿児島のホーム・白波スタジアム)らしく、飲水タイムが挟まれ。(25分)
突入した第2クォーター、その雰囲気が大分に伝染したか、優勢に立つ鹿児島。
特に31分、ゴールキックからのGK泉森のロングフィード、クリアにいった有働が目測を誤った事で左サイドで福田に収まり。
そして戻しから今度は藤村が右奥を突くロングパスと、長いボールをふんだんに使った末に、受けた圓道がカットインでエリア内中央まで流れてシュート。
安藤にブロックされるも尚も繋ぎ、山口の右手前からのクロスに鈴木が合わせヘディングシュート(枠外)と連撃。

流れに乗れない大分を尻目にゴールへの道筋を掴みかけると、迎えた34分。
ここではゴールキックを短く繋ぎ、最終ラインでサイドを振りながらプレス回避を果たすと、戸根の縦パスを間で受けた野嶽(ここも右最後方で受けたのちに上がる)がスルーパス。
抜け出した藤本が受けて決定機を迎えるという所に、背後を取られた安藤のスライディングで倒されると、反則の笛が鳴り響き。
そして躊躇わずに突き出される赤いカードにより、決定機阻止による一発退場の判定を受ける安藤。
誰が見ても当然というその絵図に、異議も殆ど唱えずにピッチを去る事を余儀なくされてしまいました。

数的不利なうえに、鹿児島の絶好の位置での直接フリーキックという逆境の大分。
キッカー藤村の直接シュートは壁が防いだものの、右CKで継続する鹿児島。
その二次攻撃で、左ハーフレーン後方から外山のロビングが上がると、ファーサイドで鈴木が綺麗に合わせヘディングシュート。
ペレイラの前を取る絶妙な動きから放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
大分に立て直しの猶予を与えないまま、リードを奪う事に成功しました。

粘りも空しく失点してしまった大分。
その後は4-4-1へとシフトし、デルランが安藤の穴に入る事で保田が左SBに回り。
そして野村がボランチ・渡邉新が右SHに回る、激しいポジション変更で破綻を防がんとします。

溜めを作れる野村・小酒井のドイスボランチから、何とか組み立てんと試みるものの状況は厳しく。
43分には有働が福田に奪われ、そのドリブルでカウンターになりかけた所を長沢が反則で阻止する破目となり警告を受け。
既に貰っていた保田とともに、膨らむ被害を止められない大分。

結局1-0と鹿児島リードのまま前半が終了。
大分は流れを変えるべくハーフタイムで2枚替え、有働・長沢→佐藤・伊佐へと交代。
そして1トップは伊佐と思われましたが、渡邉新で伊佐が右SH。
佐藤は左SBに入る事で保田が逆の右SBに回るという具合に、再度のポジション変更が交わり後半に臨みます。

伊佐が右サイドでのターゲットとなる事で、違いを生み出したいという意図を感じさせる大分。(鹿児島の左ボランチにサイズの小さい山口が居る事を考慮か)
元々苦しい布陣なうえに、数的不利とあっては出来る事は少なく。
その基盤を下にロングボールから保持を果たし、何とか全員でカバーして繋いでいく他に無い状態。

しかし何処かで無理が発生するもので、後半8分に自陣からの縦パスがズレた所を逆に岡本が縦パスを送り返して鹿児島の好機。
中央での溜めののち右へと叩き、上げられた野嶽のクロスを鈴木が合わせヘディングシュート。(枠外)
好調のヘッダーがゴールを脅かした事で、攻勢に入る鹿児島。
数的優位とあり、前半に見せていたリスク回避の姿勢を採る事無く、以前のようなSB・SHともに前線に上がってパスを受ける体勢へと移行。
ただしCBの持ち運びは前半に比べて抑え気味となり、無理に大分FWの脇を突く事はせずとも、全員敵陣に進入してポゼッションに入るのは容易という状況から来たものでしょうか。

そして10分、右サイドでの藤村縦パス→鈴木ポストプレイを経て受けた野嶽が中央からエリア内へを突き。
ディフェンスに遭い奪われるもすかさず鈴木が野村から奪い返し、エリア内へ送られたスルーパスを受けた福田がシュート。
ほぼフリーで放たれたフィニッシュでしたが、GK濱田は全身を使った末の足でのセーブで防ぎます。

この守護神の好守に応えたい所でしたが、12分に藤本が(野村に対し)反則・警告を受けた事でまたも判定面で混沌とする試合展開。
続く13分、敵陣エリア手前でポストプレイをする伊佐が戸根に倒されるも笛は鳴らず、その後鹿児島ボールに切り替わったのち外山が宇津元に倒された所で反則に。
当然ながら一斉にいきり立つ大分サイド、中々安定しないレフェリングに冷静さを保つのが難しくなります。

何とか追い付くために攻撃機会を確保したい大分ですが、そんな流れ故にままならず。
フィニッシュも21分の小酒井のミドルシュート(枠外)ぐらいのものに終始します。

そして24分、鹿児島は最終ラインからの繋ぎで右からの前進を選択、藤村の縦パスを野嶽が(佐藤に)倒されながらもフリックした事でスペースへ転がるボール。
そこに走り込んだ圓道のクロスが上がると、藤本がファーで合わせてのヘディングシュートでゴールネットを揺らします。
その直後に飲水タイムと、まさに最高のタイミングでの追加点となった鹿児島。
一方大分は、この際に藤本のオフサイドをアピールしたのか、副審を交えて異議を唱えていた(放送席の談)保田に警告が付き出され。
即ち2度目による退場処分という、抱えていた不満が最悪の結果に繋がった事で、第4クォーターは何と9人での戦いを強いられてしまいます。

2人の数的不利。
相手の鹿児島が前半に経験済み(6節・横浜FC戦、0-1)……と書いた所で、大分も18節・徳島戦(2-1)で2人退場者を出しているので2度目という事に気づき。
しかし経験があるからといって、9人の側の戦いを有利にしてくれるものでは無く。

ブレイクが明ける際に、渡邉新→中川へと交代する大分。
空いた右SBは宇津元が埋めたうえで、伊佐の1トップ、小酒井のアンカーという4-3-1の布陣に残り時間が託されます。

俄然有利となった鹿児島は、29分に圓道・鈴木→田中・有田へと2枚替え。
トップ下・ボランチでは無く右SHでの出場となった田中、鬱憤を晴らすようにその後好機に絡み続け。
30分には戸根の縦パスを右ハーフレーンで受け、カットインで中央へ流れたのちにミドルシュートを放った田中。
小酒井にブロックされるもこぼれ球を確保し継続、外山の左からのクロスを有田が合わせヘディングシュート(枠外)と、早速投入された2人がフィニッシュを放ち優位ぶりを示します。

大分は諦める事無く(33分に野村・小酒井→弓場・キムヒョンウへと2枚替え)、攻撃の際は2バックというような布陣を採り。
ペレイラ・デルランが開いた真ん中にアンカーが降りるという最終ラインからの繋ぎに活路を見出さんとしますが、結局大した前進は出来ずにラフなスルーパス・アーリークロスが主体となり。
当然満足に好機は作れず、以降も鹿児島のフィニッシュシーンばかりが目立つ流れは続きます。(鹿児島は34分に野嶽・福田→星・河辺へと2枚替え)

そして39分、自陣での藤村のパスカットから速攻を掛ける鹿児島、それは薄すぎる大分ディフェンスを突いて綺麗に決まる事となり。
田中のドリブルからのスルーパス、左ハーフレーンで受けた河辺がそのままエリア内へ切り込み、カットインを経て放たれたシュート。
ペレイラの決死のブロックを掠めてゴール左へと突き刺さり、止めの3点目となりました。

キックオフで再開の前に最後のカードを使う鹿児島、藤本→井林へと交代。
てっきり5バックシステムに移ると思われましたが、星が右SH・田中がトップ下に移り、右SBに戸根が回るという布陣に。
その後は3点リードもあり、ポジションを移した戸根は無闇な上がりを見せずという、試合開始当初の意識へと戻した感がある鹿児島。
カウンター防止という課題面では評価のし辛い一戦となりましたが、この姿勢が今後奏功する事となるでしょうか。

試合展開は、大分が反撃に出たいもののままならずという至極当然の流れは継続。
鹿児島の攻撃機会が重ねられ、42分には決定機。
右からの星のアーリークロスが跳ね返されるも、今度は逆の左から外山のアーリークロス。
これを巧く抜け出した有田がボレーで合わせにいき、空振りとなるも眼前なためGK濱田は慌てて弾く事しか出来ず。
この跳ね返りをすかさず有田がシュートしましたが、ボールはゴールバーに当たった末に上へ外れてしまい、4点目とはいきませんでした。

結局大分は満足に攻撃できないまま試合終了。
3-0で勝利した鹿児島、降格圏からも脱出し、巻き返すべくの気勢を上げる連勝達成となりました。

一方の大分は8戦未勝利と、苦境ぶりは明らかであり。
J1時代の整然とした「カタノサッカー」を観た者としては信じ難い今季の出来で、次節も3人が出場停止(警告の長沢が4枚目なため)と厳しいやり繰りを強いられるのは必至ですが、何とか調子を取り戻して欲しいものです。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第21節 栃木SCvsジェフユナイテッド千葉

2024-06-24 16:01:41 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(17節・愛媛戦、0-0)
※前回の千葉の記事はこちら(18節・岡山戦、2-1)
※前回対戦時の記事はこちら(8節、千葉 8-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 監督交代に伴い空いていたヘッドコーチの枠には、小林伸二氏の盟友である長島裕明氏が就任。
  • 契約満了でフリーになっていた山本の引退が発表される。

<千葉スタメン>

  • 当初は鈴木大がスタメン(右センターバック)だったが、試合前練習で負傷したとの事でベンチメンバーのメンデスが代わりに入り、空いたベンチ枠には佐久間が入る。
  • 17節(長崎戦、0-1)で負傷交代した久保庭の詳細が発表され、6/3に手術実施して全治約3ヶ月との事。

前節(大分戦、2-0)実に14試合ぶりの勝利を挙げた栃木。
泥沼からの脱出を形にしたかのような流れを経て、この日ホームに迎えたのは千葉。
前回対戦の際、0-8という虐殺ゲームでその泥沼へと誘ったチームだけに、生まれ変わった姿を見せ付けるのには格好の試合となりました。

かくして、単なる1試合以上の意味を持ってのキックオフ。
アバウトなボールを栃木ゴール前に放り込み脅かす千葉の入りを経て、栃木が早速その活きのよさを見せ始め。
前半3分に奥田のパスカットから素早く縦に運び、右サイドを森がドリブルで奥を突く攻撃。(クロスもブロックされる)
続く4分にも、森の奥からのクロスが跳ね返されたのち、左から川名がカットインを仕掛け。
再び入れられたクロスは流れるも、パスワークを経て再度川名の元へボールが戻ると、さらにカットインからポケットへ切り込む川名。
そして奥からのマイナスのクロスをニアで神戸が合わせ(ジャストミートせず)、フィニッシュまで繋げたその姿は栃木の変身ぶりを窺わせるものであり。
監督が小林伸氏に代わり、推進力のあるウイングバックをファーストチョイスに選んだ事がその好循環の要因でしょうか。
前節初スタメンの川名は初得点も挙げるという具合に、構造改革の象徴的存在に一気にのし上がり。

その後千葉が攻撃権を奪うも、縦に速い攻め・CBからのフィードを重視するその姿は、相変わらず前回観た通りの「当たるも八卦」的なスタイルに見え。
一応後方での組み立てとしては、サイドバックが上がり過ぎず、ハイプレスに出て来る栃木のWBを釣り出したいという意図が窺えました。

しかし12分に逆に釣り出されたのは千葉の方と言いたくなる、最終ラインでボールを持つ栃木のビルドアップに対し、(2トップが前に出ずに)高木が福島にチェックにいった事でWB(森)に対しSB(日高)が出てしまう状態に。
日高を剥がした森のドリブルからのサイドチェンジにより好機が訪れる栃木、先程の残像を活かすような川名のカットインの姿勢からの中央へのパスから、ミドルシュートを放ったのは中央へ流れて来ていた森。
エリア内でメンデスがブロックと防いだ千葉でしたが、栃木の変身ぶりにタジタジといった守備面。

このまま先制点に辿り着きたい栃木でしたが、そこに落とし穴が待ち受けており。
14分、再度最後方からのビルドアップの体勢に入ったものの、平松の縦パスが横山にカットされた事で千葉のショートカウンターに。
それは読みを当てたというよりは、目の前の横山にパスをぶち当てるという格好つまり平松のミスの度合いが大きいように映り、その動揺を突くようにこぼれを拾った横山が一気にドリブル。
そしてエリア内へ進入し、左への横パスから放たれた高木のシュートこそGK丹野がセーブするも、田中が拾い尚もエリア内で継続する千葉。
シュートコースを探してのキープののちに放たれた中央からのシュート、奥田の股を抜いた末にゴール右へと突き刺さります。
GK丹野の怒号(人数が居たにも拘らず間をシュートで抜かれたDFへのものか?)が示す通り、悔やまれる失点となってしまいました。

ビハインドとなった栃木ですが、落胆の色は見せずに攻め続け。
直後の16分、千葉の左に出されたパスをカットした森、そのまま中央へと流れて持ち運びチャンスエリアを突き。
エリア内に出されたパスを宮崎がヒールで戻し、そして南野のシュートがゴールを襲いましたが、ゴールバーを強烈に叩いてしまい跳ね返り。
決定機を逃す格好となりましたが、尚も勢いを保つ栃木。
組織的な攻め・ハイプレスによるショートカウンターのみならず、川名のロングスローという強引な手法も積極的に交えて同点を狙います。

栃木の気迫籠ったハイプレスの前に、ビルドアップがままならなくなる千葉。
24分にはGK藤田縦パス→小林祐介レイオフが乱れ、右サイド深めでのプレス回避を余儀なくされた末に川名がボール奪取。
そしてそのままカットインでポケットに切り込んだ川名、外から巻くシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
窮地という状況で、直後にGK藤田が短めのフィード、これを前に出た田口がフリックと手法を変えての運びを成功させます。
そして右から田中がクロスを上げ、小森がヘディングシュートにいきましたがミート出来ず終わり。

前任者(田中誠氏)とは異なり、しっかりとWBを利用する事でハイプレスを冴え渡らせる小林伸氏。
対する千葉も、前述のように手を変え品を変えてかわさんとし、途中から最終ラインを3枚で組み立てる左肩上がりのような布陣に。
しかしその姿勢が裏目に出たのが33分で、右サイドでのパスワークからGKに戻した所で、前に出ていた左SBの日高は中央に絞って受ける体勢を取り。
しかしその日高へのGK藤田の縦パスは、完全に読まれてしまい大島にカットされ。
そのままエリア内へこぼれたボールをシュートし、ゴールネットに突き刺した大島。
とうとう好循環を結果に繋げた栃木、同点に追い付きます。

尚も35分に、大島のパスに入れ替わった南野が左ポケットからシュート(GK藤田キャッチ)と、同点のみでは終わらせないとういう流れに。
しかし千葉も、ハイプレスにはハイプレスと言わんばかりにその後ショートカウンターを冴え渡らせます。
37分に栃木のパスミスを自陣で小森が拾い、彼のミドルパスを受けた田中が右ポケットまで持ち運んだ末にシュート。(枠外)
39分にも田口の敵陣でのパスカットから、遅攻に切り替えたのち左サイドへと展開し、奥へ切り込んだ高木のクロス。
クリアされた跳ね返りを横山がボレーの体勢に入りましたが、詰めに来た神戸に阻まれて撃てず。

本来の姿勢を取り戻した事で、ペースも掴んだ千葉。
終盤は攻勢に入り、45分にメンデスが左の高木へロングパスを通したのち、中央からの運びで横山がエリア内を突き。
ディフェンスにこぼされるも小森とのパス交換を経てシュートまで繋げ、ブロックを掠めてコーナーキックに。
 その左CKからの、キッカー高木の低いクロスを田口がヒールで合わせるという技ありのシュートが放たれますが、ラファエルのブロックに防がれて勝ち越しはなりません。

結局1-1のまま前半が終了。
前回対戦とは雲泥の差という、栃木の目論見は綺麗に成功した形となりましたが、勝負は後半に持ち込まれ。

自らの変身を証明するにはどうしても勝利が欲しい、そんな思いからか、後半は逆の右サイドでも川名がロングスローを投げ入れる体勢に。
しかしその初めとなった後半3分、フェイントで短く投げたものの森がスリップしてしまいボールロスト。
そして拾った横山を倒してしまい反則と、締まらない結末となり。
千葉サイドも4分、ロングパスをヘッドで合わせた小森がそのままエリア内で収めての好機も、彼のパスを田口がスルーするも繋がらずとイマイチ締まらない絵図を描きます。

そうした展開を覚ましたのはやはりショートカウンターで、5分に右サイドで縦パスをカットした森から攻撃を仕掛ける栃木。
逆サイドへ展開ののち川名がポケットへ切り込んでシュート(GK藤田セーブ)と、前半同様のキレのある動きでゲーム自体も動かしに掛かり。
すると千葉も、続く6分に敵陣での高木のカットから好機に持ち込むいう具合に、ショートカウンター合戦にも似た様相に。
ここから得たCKを2本続け立場ですが、ゴールは奪えず。

互角の流れでも、この日の栃木は一味違うという事を見せ付け。
15分、平松→森への右の縦パスを日高が前に出てカットするも、神戸がこぼれ球を繋いだ事で結局森のドリブルに持ち込まれ。
ここはクロスがブロックされ、その後のCKも反則で終わって実らずとなりましたが、全体の勢いの勝り具合がこうしたセカンドボールの繋ぎにも表れていたでしょうか。
尚、このCKの前にベンチが動いており南野→小堀へと交代した栃木。

一方の千葉も16分に高木→岡庭へと交代。(田中が左サイドハーフに回る)
試合前の思わぬアクシデント(鈴木大の負傷)で選択肢が狭まった状態ながらも、何とか動いて勝ち越し点に辿り着かんとする小林慶行監督。

そんな執念の交錯は、時には惨劇を招いてしまうものであり。
20分、ハイボールの競り合いで宮崎と佐々木が交錯すると、体勢を崩して足を上げる格好となった佐々木。
そしてその足が宮崎の顔に入った事により、負傷してしまい倒れ込む宮崎。
出血のためそのままピッチ内で応急処置が施され、そしてピッチ外へ出て本格的な治療を受ける事に。

つまりは暫く数的不利の凌ぎとなった栃木。
その隙に敵陣へと運び、右奥からのスローインに持ち込んだ千葉は、岡庭のロングスローでゴールを脅かしに掛かり。
投げ入れられたボールは跳ね返されるも、確保に成功したのち右手前から高橋のクロスが入ると、佐々木が合わせヘディングシュート(GK丹野キャッチ)と一矢を放ちます。
その後宮崎が復帰して同数となるも、このままペースを確保して得点を狙いたい千葉。

しかし24分の栃木、自陣でのスローインからこぼれ球をその宮崎が拾い、右奥へと持ち込んで好機を齎し。(奥で相手に当てて右スローインに持ち込む)
文字通り、宮崎が戻った事で好循環を取り戻すという流れへ変えるのに成功します。
そしてその思惑通り、25分に左から攻める栃木、川名がパスワークを経て奥へと切り込み。
クロスがブロックされて左スローインと、先程と逆サイドでの同様の流れになると、自らロングスローを投げ入れる体勢に入る川名。
そしてニアに投げ入れられたボールは、合わせにいった小堀・ラファエルと防ぎに飛んだ千葉ディフェンスを越え、その奥で平松が地面に足を付けたまま合わせるヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、とうとう(今季)このカード初めて栃木がリードを奪いました。

逆に追う立場となった千葉、キックオフの前に小林祐・田中→林・新明へと2枚替え。(横山がボランチに回る)
新たな駒の投入で攻勢を作りたかった所ですが、林のファーストプレーは、ハイボールの競り合いによる平松への腕でのチャージという暗雲漂うものとなり。

従って栃木の流れは継続し、28分にGK丹野ロングフィード→小堀フリックという単純明快な前進を経て、宮崎が右奥へと持ち込んで切り返しからクロス。
これを中央で大島がヘディングシュートと決定的なフィニッシュを放ちましたが、ゴール僅か上へと外れてしまい追加点ならず。
それでもサイドからの推進力は衰えず、31分には森が右サイドをドリブルし、日高を股抜き→新明に蓋をされるも力技でボール確保した末に振り切って奥へ。
そしてマイナスのクロス(合わず)と、今まで再三アーリークロスに終始していた栃木の攻撃は何だったのかと問いたくなるような流れを築き上げたこの日。
36分にも、今度は川名が左から切り込んで、カットインシュートをポケットから放つ(枠外)など躍動は止まりません。

何とか流れを作りたい千葉。
田口を中心にパスを散らし、サイドチェンジを交えながら組み立てるものの、最終ラインの可変(3枚となる事で岡庭・日高がWB化)により皮肉にも栃木とのミラーゲームのようにもなってしまい。
従って栃木サイドの対処も楽に見え、敵陣での必死の崩しも実りません。
逆に41分には千葉のCKからカウンターを発動する栃木、小堀のドリブルでアタッキングサード右へと持ち運び、そこから細かな崩し。
小堀のヒールパスでポケットを突き、走り込む福島の中央へのパスを宮崎がフリックし奥の大島の下へ。
そして満を持してシュートが放たれ、メンデスのブロックで何とか凌いだ千葉。
同点どころか、相手の猛攻に冷や汗を掻き続ける状態に。

そんな流れからか、45分という早い段階で、CKの際にGK藤田が前線に加わる形振り構わない姿勢を採る千葉。
最後はパワープレイ風に、後方からの放り込みに賭ける体制を余儀なくされます。
栃木はそれを凌ぎ続けながら、これまで温存していた交代カードを切って時間を使いに掛かったアディショナルタイム。
川名→黒﨑へと交代、それから暫くして宮崎→矢野へ交代します。

岡庭のロングスローによる攻撃を身体を張って防ぐなど、守備面で貢献という形となった大ベテランの矢野。
その姿勢もあり、無事に逃げ切って勝利に辿り着いた栃木。
連勝によりようやく残留への光明が見えたという状況ですが、今後も老練な小林伸氏の下、この日の組織力と精神力が融合された戦いを続けたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第20節 ベガルタ仙台vsV・ファーレン長崎

2024-06-19 16:41:24 | サッカー視聴記(J2)

※前回の仙台の記事はこちら(15節・群馬戦、2-1)
※前回の長崎の記事はこちら(16節・鹿児島戦、3-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(2節・長崎 1-2 仙台)

<仙台スタメン> ※()内はリーグ戦前試合のスタメン

  • 天皇杯2回戦(徳島戦、0-1)からの継続スタメンは無し。唯一、有田が序列を上げたか3節(水戸戦、1-0)以来のベンチ入り。
  • 14節(鹿児島戦、1-0)で負傷交代した工藤の詳細が発表され、全治約8週間との事。
  • マテウス・モラエスの負傷が発表され、5/16に手術実施して全治約12週間との事。

<長崎スタメン>

  • 19節(いわき戦)は、ルヴァン杯開催(新潟戦、2戦合計2-3で敗退)のため6/26に順延となる。
  • 天皇杯2回戦(讃岐戦、3-2)からの継続スタメンは無し。レギュラー組は、ルヴァン杯2戦目で揃ってスタメンと約1週間の間隔を保っての出場。
  • 長らく負傷離脱していた中村が復帰し、天皇杯2回戦からベンチ入り。
  • 青木(法政大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり17節(千葉戦、1-0)から登録される。

リーグ戦ではとうとう1敗しかせずに、折り返し地点にまで辿り着いた長崎。
その屈強ぶりは誰もが認める所で、何処がこの流れを止めるかに注目が集まり。

しかし前半に唯一の敗戦を齎したクラブが、この日の相手である仙台。
同じ目に遭わせる期待が……とは言っても、前回当たったのは開幕直後の2節。
その時は長崎サイドが、チームの完成度の低さがありありという内容で、この時点ではとてもここまでの成績を残すとは思えないものでした。
戦術とメンバーを調整し、軌道に乗せる事が出来たのは見事ですが、不安材料を払拭するには仙台を打ち破るのが必須といえる一戦に。

お互い上位を維持する戦いぶり故に、そのスタメンも固定傾向が続き。
完全ターンオーバーで挑んだ天皇杯を挟んでも、序列は大きく変わらずぶつかる事となり。

前半2分、長崎の右からの攻めを長澤が縦パスをブロックした事で一転仙台の攻撃に。
拾った相良がすかさず持ち運び(シュートまではいけず)、相手のパスワークを遮断してからの素早い攻撃を見せ付け。
しかし長崎も3分、自陣での笠柳のボール奪取から、拾ったエジガルが中央をドリブル突破。
そしてエリア手前で右へ叩き、ギリェルメがカットインシュートを放つと、高田がブロックで防ぐも左コーナーキックに持ち込まれ。
ここからキッカー加藤のクロスを中央でエジガルがヘディングシュート(GK林セーブ)と、こちらも数多抱える助っ人の威力を発揮せんとします。

ストロングポイントの交錯となった入りを経て、訪れたのは長崎のボール保持の時間。
前回対戦時と同様に、常時アンカー秋野が切られている状況故にサイドからの運びを強いられるのは変わらず。
しかし増山が右サイドバックに入った事により(前回の時は本職で無い山田)、ギリェルメとのポジチェンチェンジで仙台サイドを惑わし。
センターバックから右への縦パスをギリェルメが降りて受け、その隙に増山が追い越す形で、巧くチェックを外してパスに流動性を齎します。
他方左サイドも、9分に左ワイドに流れた田中の縦パスを笠柳がフリックし、追い越した米田が奥に抜け出してクロス(ニアでエジガルがヘディングシュートも枠外)と同様の流れで攻め立て。

そして13分、右から櫛引の縦パスをギリェルメが受けるという同様の流れから、今度は加藤とのワンツーを経て自ら持ち運ぶギリェルメ。
防ぎに来た菅田も裏街道でかわして奥に切り込み、満を持して上げられたクロスを手前でブロックにいった小出。
しかしこれを左腕に当ててしまった事で、主審の笛が高々となり響きハンドによるPKという結果となります。
華麗なドリブルで絶好機を齎したギリェルメ、最初はキッカーを頑として譲らずという姿勢を見せたものの、結局チーム得点王のエジガルへ託し。
そのエジガル、今季まだ失敗無し(5本)というその実績の通りに落ち着いてゴール左へと蹴り込み、ネットを揺らします。
サイドアタックの形が結実する格好で、先制した長崎。

仙台はビハインドとなった事で、ボールポゼッションによる攻撃の色を強める形に。
しかし直後の16分、最後方の菅田がワンタッチパスを繋がんとするも、眼前のエジガルにカットされる失態。
そして前進を経てペナルティアークから放たれたエジガルのシュート、ゴール左へ外れて何とか命拾い。
焦ってダイレクトの繋ぎに頼るのは死を招く、という絵図になり。

先制した長崎も、ボール保持によりペース維持の思考が一層強まった事で、そこをハイプレスで突きたい仙台。
23分に右ワイドでボールを持つキーマンの増山に対し、松井がプレッシャーを掛けた事で後ろを向かせた所に郷家がプレスバック。
そしてボール奪取に成功するも、パスを受けた松井のドリブルが止められて好機に繋げられず。
一方こうしたシーンを作るのは避けたい長崎、28分にCBから繋ぐ体勢で、田中に対しアンカーを切りながらプレッシャーにいく郷家。
しかしその背面で秋野がポジションを(中央→左ハーフレーンへ)ズラし、そこに田中がパスを通すという頭脳的なプレーを見せると、すかさず秋野は右へとライナーでロングパス。
受けたギリェルメが加藤とのパス交換を経ての突破でクロスに持っていく(GK林キャッチ)という具合に、ハイプレスのいなしも前回とは雲泥の差であり。

中々ショートカウンターの機会を作れない仙台、結局は自身も(たまにオナイウの裏抜けを交えながら)ポゼッションを貫く体制に。
30分、自陣深めからサイドを振りながら地上でパスワークを展開し、長崎のプレッシングをかわしつつの前進。
ザ・遅攻というその絵図により、(GK以外)全員が敵陣に入り込む状況を作ると、最後方から小出縦パス→中島ポストプレイ→真瀬エリア内へ切り込みとテンポアップを仕掛けましたがフィニッシュは撃てず。
36分には再度小出が右サイドで縦パスを送り敵陣で繋ぐ状況を作ると、郷家の戻しを経て長澤がダイレクトでサイドチェンジ気味のクロスを大外へ。
そして相良がこれをボレーシュートで合わせましたが、ゴール左へ外れて惜しくも決められません。

やはり遅攻では効率が悪いと感じたか、40分には秋野にプレスバックを掛けた郷家によりパスミスを誘発させ、拾った松井がすかさずエリア内へ縦パス。
これを中島が反転しながらダイレクトでシュートにいくも、体勢悪くジャストミート出来ずに終わり。

一方の長崎も43分、GKから繋ぐ体勢と見せかけて秋野が裏へのロングパスをエジガルに届け。
エジガルはこれを入れ替わりで受けた事で直接左ポケットに進入、そのままシュートを放ちましたがGK林がセーブ。
少ない手数で決められればそれで良い、という思考は長崎も同様であり。

結局0-1のまま動かず、終了となった前半。
気になったのはこの日の長崎のキーマンに見えた増山が、終盤に足を伸ばす仕草をしていた事で、負傷のリスクを抱えながらのプレーを強いられていたでしょうか。
後半は持ち味であった、ギリェルメを追い越すシーンは殆ど見られなくなりました。

共に交代無く始まった後半。
長崎は再度右サイドアタックを仕掛ける入りとなるも、増山のその変節により、単騎突撃をしなければならなくなったギリェルメ。
それでも脅威は十分で後半1分に早速右ポケットへ切り込んだギリェルメ、ラストパスを中央前方のスペースへ送ったものの、走り込むジェズスには僅かに合わず逃す形に。

一方仙台は、自身での繋ぎは小出の縦パスを起点とし、その先・主に右サイドでオナイウ・真瀬を活かすという立ち回りで入り。

こうして5分が経過するという所で、長崎はGKから繋ぐ体勢を取った所、そのGK原田に郷家が強烈なプレッシャー。
慌てての縦パスを余儀なくされた原田、これを松井がカットして中央を縦に素早く運ぶショートカウンター、松井→中島→郷家と経由してエリア内を突き。
シュートには辿り着けず終わるも、前半よりも鋭さを増したハイプレスにより主導権を握る事となった仙台。
直後の右スローインからの攻撃で、長澤がカットインから角度の付いたクロスを送ると、ファー奥で相良が合わせヘディングシュート。
これが左ポストを直撃→GK原田の背面に当たってCKと、際どいフィニッシュでも脅かします。

前半とは一転し、ペースを確保するのも困難となった長崎。
8分にハイプレスを受けながらの繋ぎで、GK原田ロングフィード→エジガル収めで何とかプレス回避、保持に入ったものの流れを取り戻すには至りません。

そして10分、ここも小出が前に出てパスカットに成功し、長澤の中央の持ち運びを経て右ハーフレーンでパスを受けたオナイウの鋭いクロス。
これを郷家がヘッドで合わせ、ゴール左へと突き刺して同点に追い付く事に成功します。
呼び込んだ好循環をしっかりと得点に繋げる、長崎同様に強者の立ち振る舞いで対抗する仙台。

追い付かれた長崎、その後も右サイドから攻め上がるものの、やはり増山はそれに絡む事無くギリェルメの突破頼みという状態は続き。
13分に田中ロングパス→中央でエジガル収めて右へ→加藤ダイレクトでスルーパスという流れでギリェルメに渡すと、再度ドリブルで右ポケットを突いてジェズスへラストパスを送るギリェルメ。
今度は足下へのパスで、それをダイレクトでシュートに持っていたジェズスですがGK林のセーブに阻まれ。
不穏な流れながらも、助っ人の威力を活かせば互角以上に戦える。
そんな思惑も窺えましたが、続く14分にはそのギリェルメが長澤に奪われ、逆起点となりかけたためプレスバックを掛けるも長澤を倒してしまい反則・警告を受ける事態に。

結局先にベンチが動く事を余儀なくされた長崎。
笠柳・エジガル→松澤海・フアンマへ2枚替えと、定番の持ち駒を投入したのが20分。
しかし流れはそれほど変わらず、24分には増山が高田のチャージを受けて倒れ込むなど、危惧の方が膨らむ展開を強いられます。

一方仙台ベンチは25分に相良→名願へと交代。
すると27分早速その名願に好機が訪れ、最終ラインでプレスを引き込んだ上での菅田のロングパスが右の真瀬に通り、スルーパスに走り込んだオナイウのクロス。
これをファーでヘディングシュートにもっていくも、枠を捉えられず。
退いた相良と同様に、ドリブラー兼ファーサイドのターゲットとして振る舞う名願。

29分、長崎は加藤が足を攣らせて倒れ込む事態が発生、すかさず動くベンチ。(加藤→山田)
その後はお互いにGKからの繋ぎで前線に運ぶという、疲労感による守備時の間延びを気にしながらのフェーズへと移行したでしょうか。

34分の長崎、左サイド深めからワンタッチパスの連続でプレス回避の末に、中央でのフアンマのポストワークからのドリブルで前進に成功。
右奥からの戻しを経て増山がクロスを入れ、跳ね返りを拾った松澤海のラストパスを受けたジェズスがシュート。
しかしこれもGK林のセーブに阻まれるという具合に、この日は最後の場面で運に恵まれずとなったジェズス。
その後37分にもエリア内中央からシュートを放ったジェズス、ブロックされてCKとなった所で双方選手交代。
長崎は助っ人2名(ジェズス・ギリェルメ)を退かせ、名倉と復帰したての中村を投入。
仙台はオナイウ・中島→有田・中山と、ともに疲弊した前線の矛を取り換えるという形となりました。
長崎の右CKで再開し投入された中村がキッカーと、試合勘を取り戻させるとともに、懐かしさも感じさせる振る舞いとなり。

40分の仙台、菅田が右へ低いロングパスを通して深さを取り、松井がキープする所名倉に反則を受け。
これでセットプレーの好機となり、キッカー長澤のクロスがファーへ流れたこぼれ球を繋ぎ、高田のミドルシュートにもっていくもブロックされて左CKに。
今度は左からのキッカー長澤のクロス、これを名願が合わせヘディングシュートを放つも、ゴールバーを直撃し跳ね返り。(その後混戦のなか郷家がシュートもブロックされる)
期待通りにヘッダーの役を果たす名願でしたが、結果が付いて来ずとなりました。
45分、仙台は残されていた交代カードを使用(高田・長澤→内田・松下)し最終局面へ。

そしてアディショナルタイム、それに相応しいオープンな展開から勝ち越し点が齎されます。
GK林のロングフィードがターゲットの中山を越え、右奥を突いたボールに有田が追い付いて折り返し。
これを中山が足でフリック、中央へ流れた所でシュートを放ったのは松下。
長崎は意表を突かれたか、GK原田も動けずにゴール左へと突き刺さり、投入されて間も無く勝ち越し点を叩き出す事となりました。

胸すく逆転劇に、勝利を確信させたかのようなホームチーム。
その後も左奥に持ち込んで時間稼ぎに入るという具合に、それを固定化させる振る舞いを貫きましたが、喜ぶにはまだ早かったか。

何とか仙台の時間稼ぎモードを切り、フアンマを軸としたパワープレイを仕掛ける長崎。
それが奏功し、跳ね返しを拾いにいった増山が中山に反則を受けた事で中盤からのFKとなります。
焦ってヘッドでクリアせんとした中山が増山に乗っかる形となるなど、直ぐ先に待ち構える栄光しか見えていなかった感があり。

結局その姿勢が高く付く事となり、GK原田の放り込みをエリア内左でフアンマが落とし、それを中央で山田がボレーで合わせにいく好機に。
放たれたシュートはジャストミートせず、バウンドの末に菅田にクリアされるも、右サイドで拾った中村からクロスが上がり。
そして満を持して放たれたのはフアンマのヘディングシュートで、ゴール右へと突き刺さり起死回生のゴールとなります。
歓喜に沸く長崎サイドとともに、鳴り響く試合終了のホイッスル。
引き分けに持ち込み、連続無敗記録は後半戦にも継続される事となりました。

一方ラストプレーで追い付かれるという、悲劇的な結果に終わった仙台。
それでも内容的には悲観的になる事は全く無く、今後長崎はじめ第1グループ(清水・横浜FC)を追い掛ける糧としたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第20節 いわきFCvsヴァンフォーレ甲府

2024-06-18 16:01:35 | サッカー視聴記(J2)

※前回のいわきの記事はこちら(13節・千葉戦、1-0)
※前回の甲府の記事はこちら(16節・岡山戦、0-2)

<いわきスタメン> ※()内は前試合(リーグ戦)のスタメン

  • 前節(長崎戦)は、長崎がルヴァン杯出場のため6/26に延期となる。そのため↓は18節(仙台戦、1-2)のスタメン。
  • yahooスポーツナビ・DAZN予想ともに、山下アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)の布陣。ただし守備時は山口がボランチに降りるので3-4-2-1表記とする。
  • 天皇杯2回戦(秋田戦、2-0)からの継続スタメンは、石田・山下・坂岸・加瀬・西川・山口・有馬の7名と多い。
  • 17節(徳島戦、1-1)で負傷交代した大西の詳細が発表され、5/31に手術実施して全治約2か月との事。
  • 同じく17節で負傷交代した照山もベンチ外が続くが、天皇杯2回戦でスタメン出場と復帰はしている模様。

<甲府スタメン>

  • アダイウトンが累積警告により出場停止。
  • 天皇杯2回戦(HondaFC戦、2-0)からの継続スタメンは、今津・関口・林田・ゴンザレスの4名。
  • 三沢の負傷が発表され、5/18に発生して全治約4~6週間との事。
  • 前節(仙台戦、1-1)負傷交代したヘナトはベンチ外に。
  • 負傷離脱が発表されていた小林・木村は復帰し、途中出場を重ねている。

38試合の半分を消化したJ2、今節から後半スタート。(ただしいわきは19節を未消化)
その前に天皇杯2回戦が挟まったとあり、全体の日程的にも丁度区切りの良いものとなりました。

前半戦を8位という好位置でターンしたいわきですが、放送席の談によると開幕前の目標はもっと上との事(6位以内)であり。
前年の21位ターンならびに、同時期の監督交代もあり停滞・迷走感が充満していた状況からは雲泥の差な今季。
しかしそれに飽き足らず……という典型的な流れで、視界に光明が広がっているからこその思惑なのは言うに及ばず。
果たして更なる上昇を果たし、目標達成といくかどうか。

その後半戦の開幕は、甲府をホーム(ハワイアンズスタジアムいわき)に迎えての一戦となり。
この日はアダイウトンの欠場でイレギュラーな布陣を余儀なくされ、ゴンザレスの1トップとなった前線。
おまけに最近の3バックへの布陣変更もあり、持ち味のハイプレスは一重に影を潜めた状態に映りました。

一方の攻撃も、ゴンザレス狙いのロングボールに偏重。
救いは大ベテラン・山本のフィード力で、前半4分にはその山本のロングパスを収めたゴンザレス、右サイドで溜めを作ったのちにスルーパス。
そして鳥海が走り込むという、一本の線から生み出した綺麗な好機、となりかけたもののオフサイドで実らずとなり。

しかしそれも、地上から繋ごうとすれば、容赦なく襲い掛かるいわきのハイプレスあっての事であり。
7分に右サイドで繋ぐも深めに追い込まれ、ボランチの山下までも果敢に最前線に掛けるプレッシャーによりついに坂岸がボール奪取。
拾った山下がすかさず左ポケットにパスを送るショートカウンターとなるも、受けた谷村が佐藤のプレスバックで倒されて(反則無し)モノに出来ず終わり。
それでも積極性はこの後も健在で、11分には甲府の左スローイン、プレッシャーを嫌がって中央方面に投げられるも加瀬がそれに付いていってボール奪取。
拾った谷村が中央をドリブルで運び、そのままペナルティアークからシュート、ブロックでエリア内にこぼれた所をさらに自ら拾い直し。
しかし前に出たGKコボンジョに阻まれ、追撃のフィニッシュは放てず。

マイボールの際のいわきは、甲府とはうって変わって地上で繋ぐ姿勢が強め。
前年とは両クラブの思考が反対になったような絵図ですが、現在の順位的な立場も入れ替わっているその状況故に納得感があり。

無理なハイプレスは掛けずに、反撃の時を待つという姿勢の甲府。
転機が訪れたのが19分で、いわきの自陣でのスローインを佐藤がヘッドで跳ね返し、右奥でゴンザレスが拾った事による好機。
しかし入れられたマイナスのクロスを、受けた宮崎は収められず、左へ流れたボールを拾い直すもそこに襲い掛かるいわきのプレッシャー。
荒木との苦し紛れのパス交換も実らず、五十嵐が奪った事で逆にいわきのカウンターへと移り変わります。
加瀬が右サイドをドリブルで突き進み、上がったクロスを中央で跳んだ有馬のヘディングシュート、という青写真はその上を越えた事により覆され。
ファーで山口の折り返しから、足下で合わせるシュートとなった有馬、ジャストミートせずもGKコボンジョに当たった事でゴールへと転がるボール。
理想のフィニッシュから一転という絵図となったものの、ゴールという結果は揺るがず、先制点に辿り着きました。

喜びに沸いたのも束の間、直後の甲府のキックオフからの攻撃、後方のロングパスが左ポケットを突いた所に走り込んだ宮崎がシュート。
GK立川が足でセーブと、油断大敵という言葉を浴びせられます。

甲府は追い掛ける立場となった事で、本来の姿であるハイプレスの色を強め。
それまでは守備を固める姿勢といっても、いわきのビルドアップに簡単に崩されていた印象が強く。
最終ラインからサイドに展開し、張り出すシャドーへのパスを阻めない事が綻びとなっており、どうにも5-4-1ブロックでのリトリートはまだ形になっていないようでした。
それ故にこの切り替えは様になったものの、得られたのはいわきのペースを乱し攻撃機会を減らすぐらいで、決定的なショートカウンターの好機は得れない甲府。

そして主体的な攻撃はというと、相変わらずゴンザレス狙いのロングボールが中心。
フィジカルに長けたいわきに対抗する事で膨らむ反則により、FKでは遠目からでも放り込みを選択するなど、「満足なメンバーではない故のロングボール攻勢」といった事情が伺える立ち回り。
それでも、ノンプレッシャーのFKにより山本のフィードが冴え渡る事で形にせんとします。

朧気ながらも、次第にペースを掴み始める甲府。
32分に流れの中で関口が裏へロングパスを送ると、走り込む宮崎を見てGK立川が前に出る姿勢を取るも中途半端になり防げず。
そしてトラップで左に流れた宮崎、そのままGK不在のゴールにシュートを放ちますが、角度が小さいかつ威力に欠けたため大森にクリアされ決められません。
38分には敵陣での左スローイン、投げられたボールを例によって収めてキープするゴンザレス。
デイフェンスでこぼれた所を鳥海が拾って好機到来、という所で山口に倒されて反則となり、これで直接FKの好機。
左ハーフレーンという位置で、右足の佐藤が直接シュートを放ったものの壁を直撃とこれも決められず。

一方のいわき、ハイプレスを受ける事で長短交えた立ち回りへと変更。
36分にはGK立川が山下とのパス交換で引き付けたのちにロングフィード、そのセカンドボールを繋ぎ、西川がデュエルを制してのボールキープを経て右ポケットへ切り込み。
そしてシュートを放つ(ゴール右へ外れる)という具合に、力強さと組織力がミックスされての攻めによるフィニッシュ。

その後も五十嵐のロングスローという、力技を交えながら追加点を狙いに行きますが果たせず。
逆に終盤には、パワーへの傾倒による粗雑さが目立ち甲府の攻勢を受ける事となりますが、甲府サイドも荒木のロングスローなどその立ち回りは類似するものであり。
結局ゴールは生まれず、甲府のFKを妨害した事で警告を受けた坂岸が悪目立ちするという流れを経て、1-0のまま前半を終えます。

追い掛ける立場の甲府、ハーフタイムでベンチが動き。
宮崎→ウタカへと交代し、ウタカ・ゴンザレスの2トップとなり3-3-2-2(3-1-4-2)へと布陣を変更して後半に臨む事となりました。(アンカーは林田)
また最終ラインも、今津と関口の位置を入れ替え、本来の右サイドを関口が務める布陣に。

後半もプレッシャー強めに入るいわき、後半1分に加瀬が相手のロングパスを眼前でブロックし、こぼれ球を繋いで好機に持ち込み。(フィニッシュには繋がらず)
しかし前半終盤の流れのような粗雑ぶりは改善出来なかったでしょうか。
スローインからの攻めを交えながら押し込みますが、それが途切れた7分に甲府は山本のフィードが最終ライン裏へ。
走り込むゴンザレスに石田が蓋をしたものの、前に出てクリアにいったGK立川はあろう事かキックミス、そしてエリア内に転がるボール。
拾いにいくゴンザレスの前で何とか石田がクリアして難を逃れるも、結局このバタバタ感を改善出来ず失点まで時を過ごす事となりました。

9分にも、GK立川のパスがズレた所をウタカがエリア内で拾いにいくシーンを招き、またも何とかクリアという絵図に。
続く10分には左サイドで坂岸の蹴り出しが飯田にブロックされ、その勢いのまま脚が入ってしまい、飯田が倒れて反則。
そして甲府の右ワイドからのFKとなり、キッカー佐藤のクロスを今津が合わせヘディングシュート(枠外)と、ミスが失点に直結しかねない流れは続く事に。

15分にいわきベンチが動き、坂岸・西川→下田・近藤へと2枚替え。
それに伴い山下が左ウイングバックに・有馬が右シャドーへ回るという具合に、ポジションチェンジで締め直さんとしましたがそれは果たせず。
(甲府も同時に佐藤→木村へと交代)

直後の16分、右サイドからの攻めで鳥海が山口を股抜きでかわして前進に入り。
下田がそれを阻んだものの、こぼれ球が直接ゴンザレスの足下へ転がる事自体となり、そのまま抜け出してエリア内へ運ぶゴンザレス。
たまらず前に出たGK立川ですが、防ぎにいった結果ゴンザレスを腕で引っ掛けてしまう格好となり、倒れた事で反則の笛が鳴り響き。
当然ながらPKで、激しく痛むゴンザレスにより「警告が出なかっただけまだマシ」という判定だったでしょうか。
治療を受けた事によりピッチ外に退くゴンザレスを尻目に、キッカーはウタカが務め。
そしてゴール左に放ったシュートでGK立川の逆を突き、キッチリと決めて同点に追い付きます。(ゴンザレスはキックオフの前に復帰)

反省の残る流れにより失点してしまったいわき。
何とか攻撃権を取り戻しに掛かりますが、追い付いたものの強みか甲府の方が優勢に立ち。
山本のしっかりとスペースを突いたミドルパスを、ウタカがポストプレイで繋げる(22分、その後左ポケットに走り込んだ荒木がクロスもブロックされる)という具合に、緻密さを取り戻して逆転せんとします。
そして24分、最終ラインからサイドを変えながらじっくりパスを回す甲府、右ワイドで受けた飯田のレーンチェンジからのスルーパスに走り込むウタカ。
奥から上がったそのクロスを、走り込んだゴンザレスを囮として木村がヘディングシュートと完璧な流れでフィニッシュを放ちましたが、ゴールバーを直撃と惜しくも決められません。

一方のいわき、敵陣でのボール奪取により何度か好機を作りますが、その後の繋ぎに精度を欠いた結果決定機には持ち込めず。
パワーを前面に出した弊害を中々振り払えず、という流れをズルズルと続けてしまったでしょうか。
故障離脱も目立つ状況故か、その後それを変えるべき交代も行わずと、ベンチワークも不完全燃焼に終わり。
唯一の変化が、山下を再びボランチに戻す(山口が左WBに回る、31分から)というもので、山下の能力により繊細さを取り戻さんとした風に映ったものの果たせず。

一方、31分に鳥海・ゴンザレス→中山・武富へと2枚替えを敢行した甲府。
37分からのセットプレー攻勢(FK→CK2本)のなかで、1本目の左CKから、クロスの跳ね返りを拾った飯田の逆サイドからのクロスにウタカが合わせヘディングシュート。
ポイントゲッターによる決定的なフィニッシュが放たれるも、GK立川のセーブに阻まれます。

甲府優勢なのは明らかな状況で、それを強引にでも剥がさんとするいわき。
すると39分、下田の反則気味のアタックによりボール奪取し、右サイドから五十嵐ミドルパス→収めた有馬のボールキープを経て五十嵐が前進に入り。
そしてそれが木村に腕で倒されて反則となると、脇に居た加瀬と荒木の激しい言い争いを招く事態となり。(この際に荒木に警告)
何とか収まっていわきのFKになるも、今度はポジション取りの段階で、ウタカと有馬が激しく言い争う事態に。(原因は不明)
両軍激しく入り乱れてそれを止める状況にまで発展し、主審(清水修平氏)も何とかカードの類を出さずに収めます。

何とも気まずいムードとなりましたが、この右ワイドのFKからの二次攻撃、左からの下田のクロスを大森がヘディングシュート(枠外)とフィニッシュに繋げた事で仕切り直し。
それでも試合は既に終盤、強引にでも次の得点を狙うべき局面故に甲府も緻密さを失う事となり。

45分に甲府は中盤からのFK、例によって山本のフィードを利用しての攻め、跳ね返されるも尚も繋いで右から関口が中央へとミドルパス。
これをウタカが胸トラップ、その流れでエリア内へ抜け出し、そのままシュートを放ったウタカ。
先程のあわや乱闘というシーンを振り払う決定機を生み出しましたが、これもGK立川の足でのセーブに阻まれ勝ち越しならず。

その後甲府のCKからカウンターに持ち込む場面も作る(加瀬のアーリークロスを近藤が合わせるも決められず)など、ノーチャンスでは無かったいわきですが、やはり最後まで流れを取り戻せず。
守護神の好セーブで何とか勝ち越しは許さずという展開からは抜け出せず、結局1-1のまま試合終了と相成りました。

いわき・甲府共に後方から追う状況故に、痛み分けの色が濃いような引き分けで滑り出す事となった後半戦。
離脱者が多いのも共通する両チームですが、早めに好循環を取り戻すのはどちらになるでしょうか。

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