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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 ジェフユナイテッド千葉vsベガルタ仙台

2024-08-29 16:02:28 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(24節・熊本戦、0-2)
※前回の仙台の記事はこちら(25節・清水戦、2-1)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(いわき戦、0-3)出場停止だった佐々木がスタメン復帰。
  • メンデスが累積警告により出場停止。
  • 水曜に天皇杯ラウンド16(札幌戦、1-0)が挟まる。そこからGK鈴木椋・松田(ポジションはRSB→CB)・佐々木・品田・エドゥアルド・風間・小森と7人もの選手を継続スタメン。
  • 杉山が山形からレンタル先変更(レンタル元=J1・ガンバ)という形で加入し、25節(横浜FC戦、1-2)から登録されて途中出場。
  • 天皇杯3回戦(FC東京戦、延長2-1)で負傷した佐久間の詳細が発表され、7/22に手術実施して全治約6~8ヶ月との事。

<仙台スタメン>

  • 前節出場停止だった松井・真瀬が復帰、松井はスタメンに。
  • 前節負傷交代したGK松澤は無事に今節もベンチ入り。また前節負傷のためベンチ外となった正GK林彰が復帰。
  • 奥山がJ1・町田からレンタルで加入し、今節登録されて即スタメン出場。
  • 知念がJ3・大宮へレンタル移籍となり、前節(鹿児島戦、1-0)をもって登録抹消。
  • 長澤が海外移籍準備のためチーム離脱が決定。今節が最後の出場となる。(のちに移籍先はオーストラリア・ウェリントン フェニックスFCと発表される)
  • GK小畑の負傷が発表され、7/30に発生して全治約6週間との事。

千葉は前回観た際には、熊本に組織力の差を見せ付けられての敗戦。
そこから未勝利という、典型的な「ダメージの残る敗戦」となってしまった感があり。それを言うならば25節のATでの逆転負けの方が……

そんなタイミングで挟まれた天皇杯・ラウンド16は、J1・札幌相手に下克上達成。
意気軒昂ぶりを取り戻さんと、4日後のこの試合では、天皇杯でスタメン出場した選手をメインに構成を変えて挑みました。
これを迎え撃つのは、逆に中断明け3連勝と順風に勝ち点を重ねている仙台。

千葉はメンバーのみならず戦術も微妙に変えたのか、キックオフ後まもなくGK鈴木椋から地上で繋ぐビルドアップの体勢に入り。
最後方で仙台のプレス回避に努めたのち、持ち味の縦への速さを発揮するという攻撃方法となりました。

前半1分に早くも、GK鈴木椋が2トップの間を通しての縦パスを品田に通し、その品田はエドゥアルドとのパス交換からダイレクトで縦パスを運んで好機を作ります。(シュートには繋がらず)
最初はプレス強度が売りの仙台相手にはどうかと思ったものの、いきなりこうしたビルドアップ成功を見せられたとあれば掌を返さざるを得なく。
その後も自慢のプレスが機能しない仙台、4分には縦パス先の田中に対する(奥山の)反則でフリーキックを与える(キッカー日高がクロスも撃てず)など、ゲームプランを逸らされる格好に。

その狂いが波及したのか、7分にGK鈴木椋のロングフィードをクリアにいった高田が、着地の際に足を痛めるアクシデントが起こってしまい。
担架で運ばれてそのまま交代となり、早くもカードを切る事を余儀なくされた仙台。(真瀬を同ポジションで投入、10分)

ハイプレスに出てもいなされる仙台、その後は2トップの片割れがボランチをチェックするという方針へ変更。
しかしこれにより千葉は+2の数的優位が生まれるという具合に、何処かを切れば他方が空いてしまう状況となり。
15分に右サイドでの密集から、最終ラインで中央→左へとパスを展開した事で、エドゥアルドスルーパス→椿でビルドアップ成功となった千葉。
椿はカットインからのパス&ゴーで、品田のスルーパスをエリア内で受ける絶好機に持ち込むも、放たれたシュートはGK林彰がキャッチ。
仙台は結局ミドルプレスへの切り替えに足を踏み入れる事に。

そして「プレスが嵌らないのなら……」と言わんばかりに、仙台も最終ラインから繋ぎ始め。
この日を最後にチームを離れる長澤が中盤の底から組み立てるポゼッションを中心に、主体的な攻撃で流れを変えに掛かります。
奥山の加入と高田の負傷が絡んでか、かつての右肩上がりの布陣から、長澤が下がり目で両サイドバックが高目に位置取る形へ千葉同様に変節していた感があり。

試合が動いたのがまたもアクシデント絡みで20分、今度は椿が真瀬との競り合いで倒れ込むと、腰を強打したらしく動けずとなり。
一度は起き上がるも結局担架で運ばれてしまい、千葉は直ぐに交代できずに(風間を左サイドハーフとして)10人で戦う事を余儀なくされます。
準備の間ボール保持で凌がんとした千葉ですが、ここで仙台のプレッシングを受けた事で、下げ続けた末に高橋がロングボールを蹴らされ仙台ボールに。
そして有田が中央突破から強烈なミドルシュートを放ちGK鈴木椋がセーブ、ここからスローイン→コーナーキックと一転して攻め込まれる流れに。
尚スローインの前に岡庭を投入(田中が左SHに回る)し、数的不利は解消。

そして28分、仙台がGKからの前進体制に入ると、長澤が高い位置の奥山にロングパスを届けた事で好機に。
左ハーフレーンで奥山から引き取った中島がポケットへスルーパス、走り込んだ郷家が奥からクロスという綺麗な流れを、エロンがゴール前で合わせ仕上げます。
シュートは上半身で合わせる形となるやや不格好なものながら、ゴールに突き刺して先制点を齎したエロン。
仙台のリードとともに、遅れていた飲水タイムが採られます。

この得点により今度は千葉がペースを乱された格好となり、序盤のような好機は生む事が出来ず。
高橋のアーリークロスや田中のロングスローなど、アタッキングサードを付く事無く放り込むという攻めが膨らんでしまい。
逆に仙台はミドルプレスで構える守備を貫きながら、攻撃時はボール保持に勤しむ事で相手の焦りを増幅させんとする立ち回り。

その流れが変わったのが41分でしょうか、クリアボールを拾った風間が、奥山に寄せられながらもボールキープを果たして繋いだ千葉。
そしてエドゥアルドの裏へのミドルパスに対し、真瀬がクリアミスして左ポケットの小森に渡って好機、そのままマイナスのカットインを経て中央からミドルシュートを放った小森。
GK林彰のセーブに遭うも、綻びが見られた事で、前半の残り時間一気呵成とばかりに攻め上がります。
2名の負傷交代もありアディショナルタイムは目安5分で、さらに郷家が倒れ込んだ事で長くなり。(郷家は無事に復帰)
何とか防がんとする仙台、前述の風間←奥山のように松井が執拗にアタックを掛けるも、それにより小森を腕で止めにいった事で反則・警告を受け。

そして+5分を回るも継続する試合、千葉は日高のパスカットからポゼッションに入ると、サイドチェンジを多用しての前進を経て田中が左奥へ切り込み。
クロスがブロックされて左CKに持ち込むと、キッカー品田のクロスを大外で岡庭が折り返し、右ポケット付近の位置で収めたエドゥアルドがシュート。
難しい角度ながらもゴール上部に突き刺し、そして前半終了と、文字通り最後の好機で同点に追い付く事に成功します。

悔やまれる終わり際となってしまった仙台。
ハーフタイムで交代を敢行し、有田→相良へと代え、中島が右SHへシフトと微調整。

後半の立ち上がりも千葉の攻勢に。
しかし今度は、アタッキングサードでの精度に欠いた結果ペースを作れず仕舞いとなり。

そして後半4分さらにアクシデントが発生し、自陣左サイドでパスカットした奥山が、勢い余って岡庭と激突して笛が鳴り。
岡庭の反則となり警告が出たものの、その岡庭が倒れ込み、一方奥山は頭部を抑える脳震盪の疑いが発生と両者に被害が。
幸いここでは共に無事にプレー継続となります。

度重なるアクシデントで、乱れが生まれない方が可笑しく。
それが生まれたのは千葉の方で、7分仙台は右サイドで中島が溜めを作ってからドリブルに入ると、日高に腕で止められて反則。
ここからのFK、かなり距離があったもののキッカー長澤のクロスを實藤が合わせヘディングシュート、ゴール左隅を襲うもGK鈴木椋が何とかセーブ。
しかし左CKで尚も仙台の攻撃、キッカーは引き続き長澤でファーサイドへクロス、これを菅田がエドゥアルドとの競り合いを制しヘディングシュート。
GK鈴木椋がまたもセーブしますが、跳ね返りを中島がすかさずボレーで反応してネットを揺らします。
セットプレー攻勢を決めきり、再度リードした仙台。

しかしここで奥山が再度頭を押さえ、脳震盪(かどうかは不明、その後の交代策からして普通の交代だった可能性も)によりキックオフ前に交代の運びとなってしまい。
先程真瀬を投入したので既に控えにSBが居ない状況で、工藤蒼を同ポジションで投入する事となりました。
同時に千葉も、エドゥアルド・風間→田口・横山暁へと2枚替え。

キックオフから反撃体制に入る千葉ですが、相変わらずアタッキングサードでの精度に欠き。
しかし仙台もアクシデント塗れとなった影響か、簡単にボールを捨ててしまう攻撃へと意図せずして移ってしまいます。
千葉がハイプレスを掛けた事であっさりと蹴り出す、奪っても直ぐに裏に出して繋がらないという事を繰り返し。

これにより実にならずも、攻撃機会を増やす事に成功した千葉。
仙台は何とか落ち着けんと17分、こぼれ球を拾って保持に入ったものの、GK林彰へ戻した所に強烈にプレッシャーを掛ける日高。
そしてそのフィードをブロックし、右奥で拾い直しての好機に持ち込み。
ここはクロスに合わせた田口がミート出来ずに終わるも、仙台のやる事なす事を挫いた事が結果に繋がります。

19分、左から田中がロングスローと見せかけ、短く繋いだのち敵陣でパスワークを続け。
一度は遮断した仙台ですが、クリアボールを眼前で岡庭がカットして継続させる千葉、そのまま右奥から溜めてのクロスがピンポイントでニアサイドに。
入り込んだ佐々木がこれを合わせ、ヘディングシュートがゴール右へと突き刺さり同点に追い付きました。

またも追い付かれた仙台、長澤を気分良く送り出すためにも……という思いを集結させつつ攻め込み。
22分にエロンのバイシクルでの浮き球パスを収めた中島、中央突破を掛けた所を佐々木に倒されて反則・警告。
これによるFK、直接か放り込みかという2択が過るなか、キッカー中島が選んだのはどちらでも無くグラウンダーでの縦パス。
エロンのポストプレイでペナルティアークで格好のシュートチャンスという位置も、千葉の寄せも早く受けた實藤は撃てず、左ポケットへパス→菅田クロスに切り替えましたが結局シュートは生まれず終わり。

結局一進一退の域を出ないまま、後半の飲水タイムに。(25分)
明けたのち、仙台は既にポゼッションを貫く余裕も無く、エロン狙いのロングボール主体での攻撃へと切り替わり。

それを凌いだ千葉は、ブレイク明け最初の好機の31分。
左スローインから敵陣でパスワークの末にサイドを移し、右奥を突いた岡庭のクロス。
大外まで届くボールになると、田口は足下でのポストプレイを選択しエリア外へ、そして今度は逆から日高がクロス。
今度は中央をピンポイントで付き、走り込んだ小森により放たれたヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
とうとう逆転し、ホーム(フクダ電子アリーナ)のサポーターに歓喜と勇気を与えた千葉。

追う立場になった仙台も諦めず、再度後方からのボール保持による前進体制に。
そこから何とかサイド奥からクロスに持ち込み、ファーで折り返しというパターンを作るもののフィニッシュには繋がらず。
最後の交代として、35分に長澤・中島→松下・菅原へと2枚替え。
長澤が退いた事で工藤蒼がボランチ、松下が左SBという布陣になりました。

これにより、従来の布陣だった左SBを残しての右肩上がりとなる攻撃時の仙台。
本来ボランチの松下が残る役を務めたためその色は濃く、放送席が「3バックへシフトした」と勘違いしてしまったほどに中へ絞る松下。

そして真瀬が極度に高い位置を取るようになり、千葉がその裏を突く攻めを徹底する事で、逆に劣勢に陥る仙台。
37分、ラフなロングパスを収めた小森のスルーパスで左奥を取ると、細かな繋ぎを経て最後は日高がデイフェンスを剥がしながらの強烈なカットインでポケット奥へ。
そしてクロスでは無くシュートを選択しますが、角度が足りなく左ポストを直撃して決められず。

苦難が続く仙台、39分に中盤でボールカットの連続の末に、田口が拾って攻撃権を得た千葉が押し上がり。
左奥へ切り込んだ田中の低いクロスでニアを突き、走り込んだ岡庭はディフェンスに遭うも、こぼれ球に反応してシュート。
菅田がブロックして何とか凌ぐも左CKで継続し、キッカー品田がゴールへ向かうクロスを入れ、GK林彰がパンチングで弾くも田口がエリア内へ落として継続させる千葉。
そして岡庭が右ポケット奥へ切り込んで入れたマイナスのクロスを(ボールを要求していた横山の前に入り込んだ)佐々木が合わせ、ミート出来ずも横パスとなったのが逆に幸いし、ファーで小森がねじ込み。
試合を決定付ける4点目とともに、小森はこれが今季初のマルチゴールとなります。

その後も千葉は、品田の直接FKでゴールを脅かす(GK林彰セーブ)など果敢にゴールを狙い。
この辺りは2点差故に、従来の一本調子ぶりが我慢しきれない格好に映ったものの大勢に影響は無く。

諦めは許されない仙台、ATに入るかという所での好機、中央から松井縦パス→エロンフリックでエリア内を突いて菅原の下へ。
反転しながらダイレクトシュートを放った菅原でしたが、左ゴールポストを直撃してしまいゴールならず。
絵的にも華麗なフィニッシュで、決められていたらその後の流れは激変していた可能性が高かったですが……。

千葉が最後の交代(田中・小森→ドゥドゥ・呉屋)を敢行。
逃げきり要員にドゥドゥを使うという贅沢なベンチワークですが、ドゥドゥはその期待に応え敵陣でボールキープからの散らしを駆使して時計を進め。
そして最後は左奥へと持ち込んでキープという、ほぼ完璧な立ち回りを繰り広げました。

結局4-2で試合終了となり。
ようやく後半戦の初勝利を挙げた千葉、前年と同じく大外からプレーオフ圏を目指す戦いに固定化されたものの、それをモチベーションとした末に再現できるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 ブラウブリッツ秋田vs愛媛FC

2024-08-27 16:00:37 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(21節・清水戦、3-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(26節・いわき戦、1-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節まで出場停止(2試合)だった才藤がスタメンに復帰。
  • 河村慶がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、24節(山口戦、1-0)から登録されて途中出場、25節(いわき戦、0-2)からスタメンに定着。
  • 河村匠がJ1・ヴェルディからレンタルで加入し、25節から登録されて26節(鹿児島戦、2-0)で途中出場。
  • 丹羽がJ3・讃岐へレンタル移籍となり、24節をもって登録抹消。
  • GK圍がJ1・京都へ完全移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 小柳が群馬へレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
  • 星キョーワァンの負傷が発表され、発生日不明(TMで発生)で全治約9か月との事。
  • 24節で負傷交代した大石の詳細が発表され、全治約8週間との事。

<愛媛スタメン>

  • 水曜に天皇杯ラウンド16(広島戦、0-2)が挟まる。そこからの継続スタメンは石浦・藤原の2名。
  • 前節まで出場停止(2試合)だった石浦がスタメンに復帰。
  • 茂木が累積警告により出場停止。
  • レンタル移籍(ポルトガル・FCファマリカンへ)していた行友がシーズン終了に伴い復帰となり、前節(大分戦、3-2)から登録される。
  • 今野がJ1・ガンバから育成型レンタルで加入し(以下同文)

ボール保持率が20位(秋田)と19位(愛媛)という、下位2クラブ同士の対戦。
とはいっても愛媛はそれなりに地上で繋ぐ意思はあり、秋田との差が5%近く開いている点でも明らかであり。
アクチュアリープレイングタイムでは15位、いわき・山口などの上をいっているので、あくまで秋田のようなパワーサッカースタイルとは一線を成したクラブ。

秋田がJ2昇格し、その1年後に愛媛がJ3降格となるニアミスが起こったため、このカードは3年ぶりで通算4試合目という少なさ。
前半戦は開幕節で組まれ、その際も愛媛は秋田の激しいプレッシャーをかわすためにロングボールでの逃げを余儀なくされたという内容で何とか勝利。(1-0)
本来はこうしたスタイルでは無いものの、この試合で幕を開けたが故に、以降も中々ボール保持に精を出す事を貫けないシーズンと化した。

そんな印象である、今シーズンの愛媛。(昇格したが故の強度の問題もありますが)
2戦連続で0-4で敗戦した際(22・23節)は、このままズルズルいってしまうのではないかと思われましたが、その後も中位を確保。
前節は0-2からの逆転勝利と奮起、決して強者では無い立場ながら踏ん張りを見せています。
そうした状況で迎えた、開幕節以来の秋田との一戦。

秋田のキックオフで始まると、ボールを持った最終ラインは直ぐには放り込まず、喜岡が右ワイドを少し持ち上がって低いボールを中央へ。
その跳ね返りを才藤がダイレクトシュート(枠外)と、普段から変化を付けたような立ち回りを見せ。
あくまで保持率上は似た者同士というクラブが相手故の、慎重かつ大胆な入りに思えました。

愛媛は前回対戦時と同様、肉弾戦を避けるようなロングボール主体の立ち上がり。
ボールを確保すると地上でも空中でもアバウトかつ素早く前進、という攻撃方法で、前半4分には地上からの攻めで縦パスをフリックした石浦が才藤のアフターチャージを受けて反則。
これで得た右ハーフレーンからのフリーキックでの放り込み、クリアが小さくなった所を藤原がボレーシュート(枠外)と、こちらもファーストシュートは相手のクリアを直接撃つものとなり。

お互いアバウトな立ち回りのぶつかり合いで、秋田は辿り着いたクロスも、6分に村松が極端に高いボールを上げる(GK辻がパンチング→河野がダイレクトシュート・枠外)などアバウト気味に。
そして得意のロングスロー攻勢に入った末に、この日初のコーナーキックを得たのが13分。
この左CKで諸岡と佐藤大の2人がキッカーに立ち、佐藤大がストレート系のクロスをファーサイドへ、と変化を付け。
これを小松がボレーシュートで合わせると、ボールはゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。(そのボールが吉田伊吹に当たりオフサイドで終了)
決めていれば、綺麗に相手の裏を掻いたという事で精神的にも相当楽になったでしょうが……

冷や汗を掻いた愛媛は17分、本来の意思である最終ラインからショートパスで繋ぐビルドアップ。
右への展開からパスを受けた石渡が諸岡のプレッシャーでこぼされるも、拾い直してドリブルに入って前進に成功。
その後の窪田へのパスも遮断されますが、エリア内へこぼれた所を窪田が拾って好機到来と、秋田サイドにとっては奪いきれずに招いた危機。(その後左ポケット奥から窪田がクロスも撃てず)
前進とボールゲインは紙一重、といいたくなる攻防の場面。

ともかくこれにより徐々に愛媛が攻撃権を掴み、その中で18分にもボックス内を突いた好機。
ここも最終ラインでの保持から、今度は小川が左奥へのロングパスを選択すると、走り込んだ窪田が秋田サイドを彷彿とさせるようなラフに高いクロス。
落下点はエリア手前になるも、パクゴヌが足下で前へ送ると、石浦が抜け出して走り込む決定機に。
しかし河野のスライディングで倒されると、これが「反則を貰いにいった(放送席の談)」との判断で反則無しに終わります。
初見では際どい判定に見えましたが、リプレイを見ると確かに自ら掛かりにいっている「シミュレーションで無くて良かった」といった倒れ方に映り。

25分に飲水タイムとなり、ブレイク明け最初の好機は(才藤の)ロングスローの絵図に持ち込んだ秋田。
しかしクリアボールを回収した所に、プレッシャーを受けた河村慶が奪われた事で愛媛のカウンターに移り、窪田が中央を強烈に突破。
3対2という状況で、窪田の前方にパクゴヌと藤原が走り込むという格好の状況になりましたが、溜めた末に右の藤原へとスルーパスを送るもその抜け出しとは僅かにタイミングが合わず。
オフサイドを取られて終了になってしまいました。

秋田はこの危機で尻込みしてしまったか、30分にクリアボールを拾った諸岡、中盤の底でスペースもあるという絵図のなか慎重なボールキープ。
しかしこれが裏目に出て石浦のプレスバックに気付けず奪われてしまい、今度はショートカウンターに入った愛媛。
石渡のパスを受けたパクゴヌが右ポケットを突いてシュート(才藤がブロック)と、普段の秋田らしからぬ中途半端な立ち回り。

愛媛はその後もセットプレーから、31分のCKでクリアボールを石浦がダイレクトシュート。(ゴール左へ外れる)
35分にはFKから、またもクリアボールを窪田がダイレクトシュート、ブロックされるも石浦が拾ってさらにミドルシュート(GK山田キャッチ)とフィニッシュを重ね。
一方の秋田は得意の空中戦から好機を作るには作りますが、いつものようなキレは見られず。
才藤はロングスローのみならず、こぼれ球をすかさず最前線に送るなどで厚みを齎しますが、同時に彼の居る左サイド偏重となってしまった感があり。
逆サイドの村松・河村慶も左へと圧縮し、ワンサイドアタックのような陣形を取るので、サイドチェンジもままならずといった前半に。

終盤はお互いフィニッシュが生まれない展開となった末に、スコアレスのまま前半が終了。
ハーフタイムでの交代も無く、神経戦の要素が一層強まるであろう後半戦が幕を開けました。

最初の好機は愛媛で後半1分、空中戦からボールを確保したのちの右サイドアタックを経て、クロス攻勢に入るも跳ね返され続け。
すると3度目でパクゴヌが奥からカットインと切り替え、ポケット奥からの戻しを経て谷岡がシュート。
しかし河野のブロックに阻まれ、跳ね返りを自ら落とした谷岡ですが、藤原に渡った所オフサイドで途切れ。
特徴である、右センターバックがサイドバック化しての攻撃が活きた場面となりましたが決めきれず。

愛媛の良さが発揮された立ち上がりとなり、やり返したい秋田は6分例によって左サイドから押し上がると、クロスの跳ね返りを再度左で拾ったのちサイドを変えに掛かり。
そして中央最後方から喜岡がライナーで縦パスを送ると、小松のフリックでエリア内へ送られたボールに村松が抜け出す決定機となります。
しかし足を振った村松はミート出来ず、何とかボールを確保するも戻しを選択せざるを得ず、逃してしまう事に。
それでも課題と向き合う秋田、左からロングスローと見せかけて戻しを経て右へとサイドを変える(8分、その後クロスの跳ね返りから河野がミドルシュート・ブロックを掠めて枠外)といった立ち回りで、その姿によりこの日は保持率も50%とそれなりに高くなりました。

ややもするとボール保持同士のぶつかり合い、と化したような展開ですが、そうなると愛媛の方が能力的に上回り。
10分の愛媛、クリアボールを拾った菊地がゲーゲンプレスを受けながらもキープを果たすと、そこから保持に入り攻撃。
石渡がパスを散らしながら組み立て、左からの前進に入るとユイェチャンが中央へ縦パスを差し込み。
これを藤原フリック→パクゴヌスルーと2段階を経て、フリーの石浦に決定的なボールが送られたものの、ダイレクトで放たれたシュートはゴール左へ外れて惜しくも先制ならず。

そんな好試合から一転したのが、やはり身体のぶつかり合いという要素。
直後の秋田のゴールキック、GK山田が小松をターゲットにしたロングボールを送ると、競り合った石渡がチャージを受けて倒れ込み。
しかし反則は無くその後も秋田の攻撃が続き(右からのクロスを才藤がボレーで合わせるもミートせず)、途切れても尚長らく倒れ込む石渡。
2分近く掛けて起き上がり、ピッチ外→復帰の運びとなった石渡ですが、その後にも事案が発生します。
14分に浮き球を石渡が落とした所、拾いにいった石浦がスライディングで確保しようとするも、才藤の足を削ってしまい反則に。
これには秋田サイドもいきり立ち石浦に対しヒートアップ、退場をアピールせんとする吉田謙監督の異議も飛ぶ事態となり。
何とか警告止まりに落ち着かせた審判団ですが、FKで再開せんとした所、今度はその審判団の無線機トラブルにより中断に入り。(秋田ベンチもこの際に吉田伊→青木へと交代)

この水入りにより愛媛もボール保持は萎み、19分に最終ラインにプレスを掛けられた末にタッチラインを割ってしまい回避失敗。
一方圧力を増す秋田により、従来通りのパワーサッカーのスタイルへと戻りが果たされたでしょうか。
23分にはゲーゲンプレスでボール奪取を見せるなど、自分達の土俵に引き摺り込みに掛かり。

しかし24分、愛媛はゴールキックを短く繋いでの攻めによりそれに逆らい。
そして石渡が、諸岡の腕でのチャージを振り切って持ち運び、最後は倒されながらも前方へパスを繋ぎ。
当然アドバンテージで、受けた窪田もドリブルで中央を運びに掛かると、栗本が後ろから倒してしまいようやく反則で途切れ。
これにより栗本のみならず、流された諸岡のプレーにも警告と、一度に2人も警告を受ける破目となりました。
それだけに止まらず、この際に栗本が足を攣らせてしまい、交代の運びとなった所で秋田ベンチは3枚替えを選択。
更に愛媛も交代の準備と、再び長らく試合が止まる事となります。(その影響か、後半は飲水タイムは無しに)

秋田が栗本・河村慶・佐藤大→小野原・畑・水谷へ、愛媛が石渡・藤原→谷本・曽田へとそれぞれ交代。
そして愛媛の直接FKで試合再開となったのが29分。
中央ながら遠目からという位置でしたが、キッカー・ユイェチャンは直接シュートを選択。
これが無回転でゴール上部を襲い、GK山田が辛うじてセーブとヒヤリとさせるものになります。

その後秋田が平常運転を取り戻し、左からのみならず右からも村松がロングスローと、お馴染みの光景で押し込み。
この空気を換えたい愛媛、36分に再度地上からの繋ぎで前進し、パクゴヌのスルーパスで右奥を取ったのちも中央からの攻めを選択。
戻しを経て、右からの縦パスを石浦が中央で受けるという、先程(10分のシーン)とは逆バージョンの絵図となりましたが今度は秋田ディフェンスも堅く撃てず。
ここでフィニッシュに持ち込めなかった事で、終盤の体力低下とも相成って秋田ペースへと固定化されてしまい。
(39分に窪田→曽根田へと交代)

その秋田の攻勢は、やはりロングボール中心にサイドを突いてのクロスというもの。
38分にクリアボールを青木がフリックして右奥の畑に渡り、入れられた低いクロスに水谷が走り込むも僅かに合わず。
41分に最後の交代、小松→中村で、中村は従来の右サイドハーフでは無くそのままFWに入ったこの日。
クロス攻勢には持ち込めているため、彼の力は(サイドには)必要無いといった思惑でしょうか。

フィニッシュには持ち込めなかった時間が続きましたが、44分に得た右CKからの二次攻撃、再度の水谷のクロスをファーサイドで青木がヘディングシュート。
ゴール左を襲うもGK辻が横っ飛びでセーブ、しかし尚も拾った中村が左ポケットでのキープの末にシュート。
これもGK辻がセーブし、さらに拾った青木のクロスをブロックと、何とか凌いだ愛媛。

しかし怒涛の大攻勢の幕開けとなった秋田、それを援けるアディショナルタイムは度重なる中断により+8分と長丁場。
才藤のロングスローから、跳ね返し→エリア内へヘッドの応酬の末に、水谷のヘッドから青木がヘディングシュートに持ち込み。
これもGK辻がセーブと、ひたすら守勢を強いられながらも良く防ぐ愛媛。
その後再びロングスロー攻勢へと持ち込んだ秋田は、村松のフェイントで短くスタートののち、諸岡の右ポケットへの進入からのクロス。
クリアされるも河野の折り返しを経て、中村が中央でヘディングシュートを放つもゴール左へと外れ。

一息ついた愛媛、その後の秋田の攻撃を切ると、クリアボールを右サイドで拾ったパクゴヌ。
上がりを待ったのちに中央へロングパス、曽根田のポストプレイにより紛れを生み、掻き出されたボールを菊地がミドルシュート。
ブロックされるもCKに持ち込み、ここから3本続くCK攻勢。
その2本目で一矢を放ち、小川のヘディングシュートがゴールを襲いましたがGK山田がセーブと、こちらも好守備に阻まれます。

そして最終盤、秋田は自陣からのFK(この際の反則で谷本に警告)で最後のチャンスと思われましたが、クリアボールを繋いで右奥へと持ち込んだ畑。
そして三原(ユイェチャンと交代で出場、このFKの直前に)に反則を受けた事で、ほぼ右CKという位置でのFKが本当に最後となり。
そして水谷のクロスから中央で中村がヘディングシュート、秋田サイドの希望を乗せたこのフィニッシュはゴール上へと僅かに外れ。
「惜しい」だらけのATはこうして幕を閉じ、結局スコアレスドローに終わりました。

泥臭さ勝負となれば秋田の独壇場ですが、保持率下位同士の対決らしくこの日はボールを持たされる状況も多くあり。
そんな対策も進むなか、このスタイルで何処まで行けるか、一戦必勝が求められるリーグ終盤で試される事となるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第28節 藤枝MYFCvsモンテディオ山形

2024-08-26 16:03:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(22節・群馬戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(24節・いわき戦、1-2)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • DAZNでのフォーメーションは、矢村・千葉寛の2トップかつ梶川をトップ下とした3-4-1-2。
  • 千葉寛が清水から育成型レンタルで加入し、23節(水戸戦、3-1)から登録されて途中出場、中断明けの25節(鹿児島戦、3-2)からスタメンに定着。
  • 世瀬がJ3・鳥取から完全移籍で加入し、25節から登録されて途中出場、前節(山口戦、3-0)からスタメンに定着。
  • モヨマルコム強志が長崎から育成型レンタルで加入し、前節から登録されて途中出場。
  • 中島がレンタル先変更という形で水戸に移籍(レンタル元はJ1・札幌)となり、25節をもって登録抹消。
  • 小笠原がJ3・相模原へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 水野がJ3・岐阜へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 西矢がJ1・鳥栖へ完全移籍となり(以下同文)
  • 天皇杯3回戦(鹿島戦、1-2)で負傷交代したアンデルソンの詳細が発表され、全治約6週間との事。
  • 河本(AIE国際高)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり25節から登録され、26節(甲府戦、0-3)途中交代で初出場。
  • 中村(札幌大)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり前節から登録される。

<山形スタメン>

  • 土居がJ1・鹿島から完全移籍で加入し、25節(岡山戦、1-1)から登録されて即スタメン出場。
  • 城和が群馬から完全移籍で加入し、前節(長崎戦、4-2)から登録されて途中出場。
  • 阿部がJFL・ブリオベッカ浦安へ育成型レンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 杉山がレンタル先変更という形で千葉に移籍(レンタル元はJ1・ガンバ)となり(以下同文)
  • レンタル移籍(ブラジル・CRアトレティコ・カタラーノへ)していた荒川が、JFL・ヴィアティン三重へ再度レンタル移籍。
  • 吉田の負傷が発表され、8/10に発生して全治約8週間との事。

2点以上取れれば勝ち、そうでなければ負け、という流れがハッキリして来た最近の藤枝。
3得点で勝利→無得点で敗戦のサイクルを5試合も保てばそう思わされるのは当然で、この分だとこの日は無得点となる予想が立ってしまい。
それを覆したいのは当然ですが、同時に残留争いという観点では、この1勝1敗ペース(2試合で勝ち点3)を保つだけで安全圏が確保されるため外野からは「このままで良いか」とつい思ってしまうものであり。
現在の藤枝もそれに伴い、降格圏とはかなり差が生まれました。(18位・栃木との差は11)

そんな藤枝と勝ち点が並んでいる山形は、開幕前に優勝が目標とぶち上げただけあり、全く満足できないのが現状でしょう。
そして浮上すべき秘策として、鹿島から土居の獲得と一念発起ぶりが炸裂した夏の移籍期間。
地元出身とはいえ、鹿島でワンクラブマンの道を歩んでいた選手の加入というビッグニュースに歓喜の声が上がらない訳が無く。
徳島の岩尾加入の件然り、物語性の担保は後方から追いかける立場のクラブにとって非常に重要な武器となり得るものであり。
J2である以上補強策も限度があり、選手を増やしてもその効果はいささか不透明なため、理論値とは一線を成す要素であるものの最後はそれが有難がられるのは必然。
加入した土居はデビュー戦で早速ゴールを挙げるなど、上昇機運を齎す存在になったとあればそんなオカルトじみた要素も信憑性が生まれるものです。
強化部も物語を完結するため、群馬のキャプテンだった城和を獲得と強引な引き抜きも敢行するなど、前を向く体制を緩める事は無く。

かくして中断明け以降無敗を保っている山形ですが、昇格争いのためには勝ち続けない状況なのは変わらず。
早速の前半1分に、右サイドでスルーパスに走り込んだイサカのクロスを、ニアでフリック気味に合わせヘディングシュートを放った土居。(枠外)
システム的には、イサカとは逆の左ウイングである國分が肝で、純正サイドアタッカーでは無い彼が中央寄りになるという流動性を絡めた攻めのシステムと化しており。

一方の藤枝も、通常の3-4-2-1とは一線を成すシステム。
守備時は矢村・千葉寛の2人が最前線となって前線から果敢な守備体制を採る状況が多く。
しかし攻撃時には、梶川が降りてボールを受ける事で2トップ化するという具合に、同じ3-5-2でも「2トップ化」か「3ボランチ化」かの違いと言うべきでしょうか。
そんな可変システムを採るも、根幹をなす部分は変わらず。
つまりは前に出てボールに触れるGK北村をスタートとする、最終ラインが幅広く距離感を取ってのビルドアップ。
これにより、主に右ワイドに開く久富により大曽根がハーフレーンに絞る立ち位置がメインとなりました。

入りの山形ペースも直ぐに途切れ、こうしたシステムによるボール保持の体勢に入る藤枝。
しかし10分、新井のエリア内へのスルーパスが通らず攻撃終了となると、山形はGK後藤雅のスローから素早く攻めに入りカウンターに。
左へ展開ののち山田がスルーパス、走り込んだディサロのクロスで鋭く裏を突く攻撃、イサカがこれを足で合わせて完遂させるもののシュートはゴール右へと外れて先制ならず。

この山形の鋭い槍に苦闘の色を隠せず、13分には國分とディサロのワンツーに対しアフターチャージでディサロを倒してしまった新井が警告を受け。
これによる左サイドのフリーキックから、放り込みと見せかけてパス交換から左ポケットへスルーパスを送ったキッカー國分。
走り込んだディサロがクロス気味にシュートを狙ったもののこれも(中央に西村が走り込むも合わずに)ゴール右へと外れ。

一方の藤枝も、20分に矢村が縦パスを受けた所西村に倒されて反則、左サイド遠目からのFKを得。
キッカー梶川はここから放り込みと見せかけて同サイドへスルーパスと山形と類似する立ち回り、走り込んだシマブクのクロスと変化を付けます。(その後逆サイドに流れ、久富のクロスの跳ね返りを梶川がミドルシュート・枠外)

山形の攻撃に苦労しながらも、立ち回りで互角に渡り合う姿勢を保つ。
そんな藤枝の様相でしたが、それを揺るがす事件が27分に発生します。
自陣で反則を受けた山形、素早いリスタートを選択して高江が一気にダイレクトで最終ライン裏へロングパス。
そこには判断良く抜け出していた山田が居り、そのままワントラップでエリア内を窺うという所で、追いすがった大曽根が後ろから倒してしまい。
反則を告げる笛が甲高く鳴り響くと、すかさず大曽根に対し突き付けられたカードは退場を告げる赤色のもの。
辛うじてエリア手前という位置でPK献上は避けられたものの、決定機阻止による一発退場で大曽根がピッチを後にする事を余儀なくされてしまいました。
試合が止まった瞬間という、気を抜き易いものの抜いてはいけない場面を突かれる格好となり。
思い出すのが前年の開始12秒で山原が退場となった試合(28節・仙台戦、1-1)ですが、そのリスクが常時付いて回るのは避けられないのか。

ともかく、PKでは無いもののエリアからすぐ手前という位置での直接FKとなった山形。
横軸は左ハーフレーンなため、右足即ち國分が蹴るという選択をすると、放たれたシュートは壁を越えてゴール左を襲い。
しかしポストを叩いて跳ね返り、尚もイサカがエリア内で拾うも撃てずに終わります。

これによりスコアレスのままで10vs11での戦いに突入し、藤枝は久富・シマブクをサイドバックにした4バックへシフト。
前線は相変わらず矢村・千葉が「1.5トップ」といった流動性を取るも、基本的には4-4-1で凌ぐ体勢となり。

34分(GK以外)全員敵陣に入り込んで攻める山形、左サイドで奥へ切り込むと見せかけ、土居のレイオフを受けた山田の手前からのクロス。
角度を付けて上げられたこのボールを、ファーでディサロが綺麗に合わせて右サイドネットを揺らしたものの、角度が付いた故のオフサイド判定に引っ掛かってノーゴール。
防戦を強いられる藤枝は、こうした危機一髪のシーンを凌ぎながらも、チームスタイル的に何処かで押し返したいのは明らか。
39分にそのチャンスが訪れ、梶川が最終ラインに降りての組み立てと見せかけ、GK北村は前に位置を変えた世瀬をターゲットとしたフィード。
彼の落としから素早く前進に入り、縦パスを受けた矢村が前を向くものの、小西のプレスバックで倒されて奪われ。
反則無しどころか山形のカウンターを招いた(右ハーフレーンから土居がクロス気味にシュート・枠外)事で、先程の退場と相成って主審に猛反発を見せる藤枝サイド。
起こった一悶着の末に須藤大輔監督が警告を受ける、憚らずもピッチ内で異議を飛ばさんとしていた梶川への被害を請け負う形となりました。

その後自陣での繋ぎでのミスを拾われての危機(42分、國分の左ポケットからのクロスがゴールに向かうもGK北村キャッチ)など、判定への苛立ちが悪影響を呼び込んでしまう藤枝。
この流れのうちに決めたい山形はアディショナルタイム、最終ラインから距離感の長いパスでサイドを変えながら地上での前進。
そして川井のスルーパスに走り込んだイサカが右からクロス、グラウンダーでGKとDFの間を突いたこのボールに、ニアで土居が跳び込むも合わずに流れたボールをGK北村が脚でクリアの形で跳ね返し。
最後方の奮闘でゴールは割らせずに、何とかスコアレスのまま前半を終わらせた藤枝。

ハーフタイムでの交代は行わず、出来るだけ主力を引っ張る選択をした藤枝・須藤監督。
始まった後半戦、1人1人がより頑張らなければこの不利を打開できないのは当然であり。
後半3分、例によって前に出たGK北村から攻撃を始める藤枝、山原・中川創の両CBもGKを中央にして大きく開いてパスを受ける体勢を採り。
ここからパスワークでの前進の末、新井の右ポケットへのミドルパスに走り込んだ久富がマイナスのクロスに辿り着き。
最後方に伴いSBも押し上げられるその体制はまさにリスキーですが、こうでもしなければゴールに辿り着けないのも確か。

直後の4分、山形のGKからのビルドアップに対し2トップが追い掛け続けると、GK後藤雅のパスミスを生んでショートカウンターの絶好機が訪れ。
左サイド深めで拾った梶川から、パスを受けたシマブクがカットインを経て中央からシュートを放つも、右へ大きく逸れてしまい(タッチを割る)モノに出来ません。

その藤枝の体制に度肝を抜かれる格好となった山形。
しかし冷静さを取り戻し、藤枝2トップの間に位置取るボランチ(主に小西)からの組み立てを冴え渡らせ、ペースを取り返します。
6分にはその位置でパスを受けた小西が左に大きく展開するロングパスでビルドアップ成功、その後クロス→跳ね返しを経て右からイサカのクロス。
これをファーで土居が胸で収め、すかさずボレーシュートを放ったもののふかしてしまい決められず。
続く8分には逆手に取った、左サイドに開いた高江からの前進と、藤枝に的を絞らせずに攻撃権を支配します。

ラインアウトが精一杯となる藤枝ディフェンスの前に、量産されるセットプレーからもゴールを狙う山形。
11分にコーナーキックからの二次攻撃、左サイド奥でディサロのスルーパスに走り込んだ國分がクロス、低いボールでニアを突いた所を川井が合わせ。
山原が眼前でブロックするも、脇にこぼれたボールを拾い直し再度シュートした川井、しかしこれもふかしてしまい決定機を逃し。
13分にも左CKから、キッカー國分のクロスを直接安部がヘディングシュートに持っていき、GK北村が横っ飛びでセーブするも尚も繋ぐ山形。
そして右手前からのクロスを再度合わせた安部ですが、このヘディングシュートもゴール上へ僅かに外れ。

膨らむ決定機に、何とか凌ぐ藤枝も決壊は避けられない運命となってしまったか。
15分、右サイドで西村・川井・イサカのローテーションでのパス回しから、裏へのミドルパスに高江が走り込むという崩し。
これは遮断した藤枝ですが、こぼれたボールを拾わんとした新井と高江が交錯すると、笛は鳴らずに継続となった結果拾ったディサロがゴールに迫り。
そして土居とのワンツーを経て右ポケットからシュートが放たれると、左ポスト内側を叩いてゴールへ吸い込まれ。
押し込み続けた末に、待望のレレマスク先制点に辿り着いた山形。

一方藤枝サイドはここでも反則を巡って異議を飛ばすも、覆るどころか梶川への警告という余分な被害を受けるのみに終わり。
意気消沈しかねない流れで、19分には自陣でのプレス回避がままならずディサロに奪われる危機となり。(前に出ていたGK北村がクリアして凌ぐ)

これを変えたのが交代選手で、22分に久富・梶川→モヨマルコム・浅倉へと2枚替え。
新戦力のモヨマルコムが、その身体能力を活かしたプレーでチームに再度前向きのベクトルを齎します。
右サイドを強引なドリブルで突破し、前に出てのターゲットにもなれ、ロングスローも会得しているという八面六臂の活躍。

その圧力にさしもの山形サイドも委縮せざるを得ず。
23分にはディサロのポストプレイがズレた所を千葉が拾ってショートカウンター、矢村のミドルシュートがゴールを襲うもGK後藤雅がセーブ。
一気に塗り替えられた試合絵図に、ベンチも25分に土居・國分→藤本・氣田へ2枚替えを敢行(ディサロ・藤本が2トップの4-4-2へシフト)したものの流れを取り戻せません。
その後もモヨマルコムのドリブルやロングボールのフリックに苦しめられ、26分にはそのモヨマルコムのクロスをブロックした山田が足を攣らせてしまい。
直後の藤枝のCKの攻めが途切れた(クロスのこぼれを浅倉がシュート・枠外)所で倒れ込んだ山田、担架で運ばれて交代となり。
城和が投入され、安部が左SBに移る事で穴埋めを図ります。

31分にようやく、藤枝がモヨマルコムのロングスローという局面から、クリアボールを高江が拾い持ち運んだ事でカウンターの好機が訪れた山形。
スルーパスを受けたイサカが右ポケットから低いクロスを送るも、中央に走り込む藤本の手前で、戻ったモヨマルコムがクリアと何とか凌いだ藤枝。
数的不利により忘れられていた「『超攻撃的』の裏を突かれる事での危機」が蘇るも、形振り構っている余裕は何処にも無く。
33分にさらに動き、新井→カルリーニョスへと交代します。
(山形も直後にイサカ・ディサロ→横山・南へと2枚替え、再度1トップに)

35分にパスワークで攻め込む藤枝、エリア手前でパスを受けた千葉が安部にチャージされながらもボールキープし、そのまま強引に右奥へと切り込み。
それでも引っ張り続けた安部により倒されると反則・警告となり、このエリアラインすぐ脇からのFKで、キッカー・シマブクはグラウンダーでマイナスのクロスと変化を付け。
矢村のスルーを経て千葉がシュート、と意表を突きに掛かるも山形ディフェンスは釣られずに対応した結果不発に終わります。

その後山形も、マイボールの際は保持を重視(38分のカウンターチャンスでは戻して作り直しを選択)し落ち着きを図り。
その結果、藤枝の溜め込んでいた不満も原因か反則塗れという流れにもなり、42分に城和が・45分にモヨマルコムが警告と双方被害も膨らみます。
前半からカードが出やすい展開に突入していた側面もあり、ある程度は仕方無く。
齎されるFKから、42分に安部がヘディングシュートを放つ(ゴール右へ外れる)という具合に尚もスコアを動かす余地は見られ。

ATに突入し、山形は小西が左ウイングバックを務める、5バックシステム(3-4-2-1)へと布陣変更。
しかしその後敵陣でボール保持する局面になると、左から氣田がカットインでポケットを急襲、そのままシュート。
GK北村がセーブした跳ね返りを、さらに横山が詰めてシュートしますがこれも右ポストに当たり、跳ね返りが中川創に当たるも左ゴールへと逸れる決定機逸に。
結局追加点は得る事が出来なかった山形、1点差を逃げきる体制へと移り。

数的不利はどうしようも無い藤枝。
交代の駒による優位性も薄れていき、結局最終盤はFKによる放り込みしか出来る事が無くなるに至りました。
目安6分のATを凌ぎきった山形が、0-1のまま勝利に辿り着き。

完勝とは言い難い数的優位での戦いでしたが、シーズン序盤から渡邉晋監督が連呼して来た「どんな形でも勝利する事がまず大事」という精神が、ようやく本当の意味で重要となる局面。
そしてその通りに勝ち点3を積み重ねた事で、逆転への体制は整えられたか……を考えるより、貪欲に目の前の勝ちを拾いにいく事でしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2024-08-20 16:00:44 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(23節・甲府戦、3-1)
※前回の岡山の記事はこちら(23節・仙台戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 加入決定していた岩尾・ターレス・鈴木輪太朗イブラヒームが24節(仙台戦、2-0)から登録される。岩尾は即スタメン出場。
  • 鹿沼がJ1・磐田から完全移籍で加入し、25節(愛媛戦、1-0)から登録されて途中出場。
  • 山口が愛媛から完全移籍で加入し、前節(山形戦、0-1)から登録され即スタメン出場。
  • J3・大宮からのレンタルの身であった高田颯が、完全移籍へと移行。
  • レンタル移籍(ポルトガル・ボアヴィスタSCへ)していた渡井の復帰が決定。(登録は未だされていない)
  • J3・八戸へレンタル移籍となっていたオリオラ・サンデーが、J3・大宮へ完全移籍となり籍を離れる。
  • 玄理吾が栃木へレンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 橋本がJ1・新潟へ完全移籍となり(以下同文)
  • GK後東がJ3・YS横浜へ育成型レンタル移籍となり(以下同文)
  • 棚橋がJ3・相模原へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 中野がJ3・八戸へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。

<岡山スタメン>

  • 嵯峨がいわきから完全移籍で加入し、24節(栃木戦、1-1)から登録されて途中出場、25節(山形戦、1-1)からスタメンに定着。
  • 一美がJ1・京都から完全移籍で加入し、25節から登録されて即スタメン出場。
  • 神谷(元清水)が韓国・江原FCから完全移籍で加入し、25節から登録されて途中出場を続け、今節初のスタメンに。
  • 仙波が群馬へレンタル先変更という形で移籍(レンタル元はJ1・広島)となり、24節をもって登録抹消。
  • ガブリエル・シャビエルが双方合意の下で契約解除となり、25節をもって登録抹消。
  • 河野が鹿児島へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 23節で負傷交代したルカオは以降ベンチ外。
  • 家坂(中央大)の来季加入が決定、同時に特別指定選手となり24節から登録される。
  • 藤井海和(流通経済大)の来季加入が決定、後日特別指定選手となり今節から登録される。

リーグ序盤の暗黒期から脱し、昇格を狙える状況にまで浮上してきた徳島。
波乱万丈な軌跡をドラマティックに締めるかのように、夏の移籍期間では岩尾の獲得・復帰が決定となり、待っていたかのようにボランチとして即スタメンに定着する運びとなりました。

その岩尾の入団の際のコメントが、心を打たないファンは居ないと言いたくなるような内容であり。
この流れを狙って作り上げたのならば素晴らしいの一言ですが、だったら序盤の迷走はやる必要は無い、と一言放ちたくもなってしまい。
ともかく再び前を向く事に成功したフロントは、橋本の個人昇格というトラブルに対しても、すかさず隣県(愛媛)から山口を引き抜き補強するという具合に対処が早く。

一方の岡山も夏場に激しく動き、昇格という目標への向き直しを図ったチーム。
加入した嵯峨・一美・神谷が揃ってスタメン出場となったこの日。
一美の獲得は負傷離脱したグレイソンの穴埋めなのは言うに及ばずで、彼の他にシャビエルも突然の契約解除に襲われ。
ルカオの負傷離脱も絡んだ事で、GK以外は日本人選手を主体としての戦いを余儀なくされた格好ですが、その顛末や如何に。

徳島のホーム(ポカリスエットスタジアム)ながら、近隣である岡山も大挙してサポーターが訪れた一戦。
どちらも勝ち点3が欲しいのは当然で、試合開始から徳島は追い風を生かす、それも柿谷の飛距離の長いスローインからの攻勢。
それを裏で受けたブラウンノアが田上に倒され、以降左奥でのフリーキック→コーナーキック2本と、ひたすらセットプレーを続けるという流れに。

ボール保持に長けた徳島らしからぬ流れは、それを象徴するような得点で締められます。
6分、左サイドから柿谷がスローインを裏に送り、タイミングよく左奥へ抜け出したブラウンノアと先程と類似した絵図に。
そしてダイレクトでマイナスのクロスが中央に入ると、走り込んだ渡が果敢にダイレクトシュート。
鈴木喜のブロックを掠めて方向が変わり、GKブローダーセンの逆を突いてゴールに突き刺さります。
大胆な姿勢が見事結果を齎し、徳島が先手を取るという幕開けになりました。

ビハインドとなった岡山は、以降最後方からボール保持を試みるという、追い掛ける立場を如実に示す絵図となり。
可変の肝となっていた柳貴博が不在のなか、やはりその右サイドで新たな形が見え。
神谷がセンターバック(本山)とウイングバック(嵯峨)の間に降りてパスを引き出す事で、ミラーゲームとなっている状態を動かしに掛かるビルドアップが主体となりました。
これにより、CBの本山も前線に絡みながらのパスワークを軸として押し込みを図り。

しかしその間にも、徳島は柿谷のロングスローでボックス内を脅かす等攻め手を緩めず。
13分にはGKブローダーセンのフィードをエウシーニョにカットされ、渡がレイオフで繋いだボールを受けたブラウンノアがミドルシュート(ブロックに当たり枠外)と、圧力をまともに受けた末に少ない手数で仕留められるという流れは中々覆せない状況に思われました。

それでも15分、上記の攻めの形から神谷が裏へミドルパスを送り、セカンドボールを拾うという組み立てを経て中央→左へとサイドを移し。
そして左ポケットでパスを受けた末吉が奥へ切り込み、クロスに辿り着いた事で左CKを得ると、その二次攻撃でした。
クロスの跳ね返りからすかさず左奥でキープする状況を作ると、鈴木喜のクロスがピンポイントにニアサイド一番手前に位置取っていた岩渕に合い。
そしてフリック気味に綺麗に放たれたヘディングシュートが右サイドネットを揺らし、早期に同点に追い付く事に成功した岡山。

振出しに戻ると、徳島は思い出したかのように本来のボール保持の体勢に。
18分にGK田中颯の縦パスを降りて受けた岩尾、それに対し藤田息が喰い付いた事で、戻しを経てのGK田中颯のロングフィードが生まれたスペースへ。
収めた柿谷のポストプレイから、青木がさらに裏へロングパスを送りブラウンノアが走り込む(繋がらず)という具合に、ロングボールによる攻撃でもキッチリと相手を動かして崩す意識が見られるその徳島のポゼッション。
やはり「縦に速い攻撃」を指標した吉田達磨前監督の時期は無d

一方岡山もロングボール主体の攻めに意識を移し、徳島の攻勢の裏を突きに掛かり。
しかしハイプレスは仕掛けずに陣形を保つ徳島ディフェンス、メインターゲットとなる一美を囮としつつその裏で岩渕が合わせにいくという攻めに対しても、CBは釣られずにしっかりと対処するなど中々綻びは生まれません。

復帰した岩尾の動きは多彩の一言で、自ら中盤の底でパスを散らすプレーを主体としながら、時には25節で魅せたような最前線への抜け出しも混ぜ合わせ。
自ら相手のプレッシャーを剥がすという事はあまり期待出来ずも、こうしたプレーにより岡山サイドも、彼に対しボランチの守備対応が曖昧となり。
前述のように何度か喰い付いて規制を掛けにいくも、効果的とはならず次第にリトリートを強いられる状況になっていきます。

この日は何故か飲水タイムは挟まれず、25分過ぎ辺りから徳島の反則が目立ってきて試合がブツ切りになると、しきりにピッチサイドで水分補給にいくという絵図が目立ち。
それに伴い停滞する徳島の隙を突き、GKブローダーセンのロングフィードから左CKを迎えた岡山。(31分)
キッカー神谷のニアへのクロスに、本山は合わせられずもこぼれた事でボックス内で紛れが生まれましたが、シュートは撃てずに終わり。

何とか失速からの失点は避けられた徳島、34分にバックパスを受けた岩尾、児玉に託すとともにパス&ゴーで最前線へ。
児玉はその動きを囮として自ら持ち運び、中央から果敢にミドルシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
39分今度は右サイドからの攻めでエウシーニョが軸となり、縦パスを送ってブラウンノアポストプレイ→児玉裏へミドルパスに走り込むエウシーニョ。
これは遮断されるも渡がこぼれ球をさらに裏に送り、結局繋がって最奥からエウシーニョのクロスがファーに送られると、柿谷が合わせヘディングシュート。
しかしゴールポストを直撃と、惜しい所で決められず。

その後もボール保持で主導権を握る徳島。
突入したアディショナルタイムでも、パスワークで上下動させた末に、最後方からのロングパスで一気に裏を突いての決定機。
渡が収めてエリア内からシュートを放つも、GKブローダーセンがセーブと守護神に立ちはだかられ決められません。
結局1-1のまま前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半は、岡山が追い風を得る状況となる事でその変化が予想される試合展開。
どちらかといえば、アバウトな攻めが脅威となり得る岡山のスタイルだけに尚更であり。

しかし後半3分、敵陣でGKブローダーセンのフィードを岩尾がカットして徳島の攻撃。
右サイドで溜めを作ったエウシーニョが中央へ縦パスを打ち込むと、渡のスルーを経て、ダイレクトで放たれた柿谷のシュートがゴール右を襲い。
惜しくも外れたものの、後半になっても泰然自若という様相で好機を作りにかかる徳島。

それでも岡山はハーフタイムで修正を施したようであり。
守備時は、岩尾に対しボランチがマンマーク気味に付く事を徹底してボールタッチを減らしに掛かり。
攻撃時は竹内が最終ラインに降りるという具合に形を変え、保持力を高めて敵陣に押し込みを図ります。

直ぐに流れは変わらず、9分にも徳島の攻撃でエウシーニョが右から切り込んでクロス、ファーに走り込む柿谷の手前でクリアするも左CKに。
クロスの跳ね返りをエリア内で拾った森のシュートをGKブローダーセンがセーブと、必死のディフェンスで何とか流れを変えんとする岡山。
そしてその姿勢は報われ、12分の徳島の左サイドからのFK、この日初めてキッカーを務めた山口(それまでは全て岩尾)のクロスは精度を大きく欠いてしまい。

失速の気配が漂った徳島に対し、14分に岡山ベンチが先んじて動き。
末吉・神谷→高橋・木村へと2枚替え、前線に変化を付けに掛かります。

そして16分、右サイド・アタッキングサードでパスを受けた嵯峨が、ボールキープに努める所山口に腕でのチャージを受けて反則。
これによるFKから、CK2本と続いてのセットプレー攻勢で、攻めの時間を増やすとともに徳島の焦りと苛立ちを膨らませる流れに。

流れの中での攻撃では、最終ラインに加わる竹内からの間を通す縦パスで崩しを図り。
それによりアタッキングサードでの展開を増やしますが、リトリートに徹する徳島も中々崩れず。
特にマンマークで喰い付くという姿勢は他チームに比べ少なく、細かくパスを繋いでも決定的な場面を生み出す事は難しい岡山。

そうこうしているうちに時間が経過するも、後半も飲水タイムは取られず。
これが誰の意思決定なのかは不明ですが(湿度が低かったからか?)、実際プレーが途切れた際の水分補給は岡山サイドの方が盛んに行っていた節があり、ホーム側が運営レベルで暑さを若干甘く見ていた感があったでしょうか。

その因果関係は不明ながら、25分辺りから目に見えて失速が目立ってきた徳島。
28分に動き、ブラウンノア・渡→チアゴ・坪井へと2枚替えを敢行して流れを変えに掛かった増田功作監督。
しかし、前岡山なため必然的に生まれるチアゴへのブーイングにより、そうはさせまいという岡山サポーターの意気込みがヒシヒシと感じられるスタジアム内。
その通りに、以降も全く好機を作れないままの徳島の攻撃。

この流れのなか、仕留めたい岡山は34分に右サイドからのFKという好機。
キッカー高橋のクロスがファーサイドに上がると、田上が身体を崩しながら合わせヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、思惑通りの勝ち越し点か、と思われたもののオフサイド判定に引っ掛かって残念ながらノーゴールに。

34分に再度動く徳島ベンチ、後半は目立てなかった岩尾に代えて永木を投入。(同時に柿谷→杉森に交代)
それを見た岡山サイドも、36分に藤田息・嵯峨→田中雄・柳育へと2枚替え。
シャドーに入った田中雄・右CBに入った柳育に伴い、木村が右WBへ、本山がボランチへ回りました。

共に采配が交わり局面がどう変わるか、という所で徳島はさらにアクシデントに見舞われ。
エウシーニョが倒れ込み、その様相は足を痛めたか攣ったか不透明なものであり、交代を余儀なくされてしまいます。
すぐさま高田颯を投入し、5人の枠を使いきる格好に。

運動量を保つのも難しくなってきた徳島。
40分に岡山がカウンターに持ち込んだ所、一美の中央突破に対し森が反則を犯してしまい警告。
その後も45分に同様のシチュエーションで一美を反則で阻止し、今度は児玉が警告を受けるなど被害は膨らむ一方となり。
これらに加え、43分の杉森のハンドも絡んで岡山の敵陣でのFKの局面が目立った終盤戦。
キッカー田上が中央から直接シュートを狙う(ゴール上へ外れる)など、この有利な状況で勝ち越しを果たしたい岡山ですが決められず。(42分に岩渕→齋藤へと交代)

そのまま突入したAT、岡山サイドも息切れが目立つ状況で、後は気力勝負。
それを示すかのように、左から本山のロングスローを一美がフリック、ファーに流れた所に走り込む田中雄。
しかしGK田中颯を削ってしまい、田中に対する田中の反則という珍妙な絵図を作り上げるのみに終わります。

その後徳島も攻め上がりCKにまで持ち込むも、それが精一杯で再度岡山の攻勢に。
ゲーゲンプレスをいなし、田中雄がドリブルに持ち込んだ所をまたも(高田颯が)反則・警告で阻止する破目となった徳島。
ここからFK→右CKとセットプレーを続けた岡山もフィニッシュには持ち込めず。
結局1-1のまま試合終了、序盤の点の取り合いから全く動かないという、痛み分けというフレーズが最も相応しい内容の引き分けとなりました。

物語性を盾に浮上したい徳島は、さらに渡井がレンタル復帰という形で再加入。
これらの補強に伴い、玄をはじめ若手選手は軒並みレンタル移籍にかける運びとなりましたが、ハッピーエンドの結末に辿り着けるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 清水エスパルスvsヴァンフォーレ甲府

2024-08-19 16:00:27 | サッカー視聴記(J2)

※前回の清水の記事はこちら(25節・仙台戦、1-2)
※前回の甲府の記事はこちら(25節・群馬戦、1-0)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 原は体調不良との事(放送席の談)でベンチ外に。
  • 高木がプロA契約を締結。

<甲府スタメン>

  • 水野がJ3・岩手へレンタル移籍となり、前節(藤枝戦、3-0)をもって登録抹消。

富士山ダービーという事で、熱狂する清水・甲府の各サポーター。(観衆は16,943人)
しかし清水のホーム(IAIスタジアム日本平)故に、甲府はアウェイの空気を跳ね除けるまでには至らず。
ちなみにこの試合で累計入場者800万人を達成したとの事で、ホームゲームの強さとも相成り、難攻不落にも思える状況に。
そんな空気のなかパンイチで選手入場の後に付いてきた甲府のマスコット・ヴァンくんのメンタルの強さよ

それをサッカーで跳ね返したい、という甲府。
その手段は前線からのプレッシングで、立ち上がりから果敢に清水のビルドアップを阻みにいくという、最近のスタイルに反する立ち回り。
特に古巣対戦となったヘナトのモチベーションは相当なもので、規制を掛けられつつも送られる清水最終ラインの縦パスを、前に出て悉くカットに成功。
前半4分にそのヘナトのパスカットから、拾った荒木を経由し中央でウタカに渡ると、宇野に倒されて反則。
この直接フリーキック、距離はあったもののヘナトが直接狙いにいき、ゴール上へ大きく外す結果になったものの意気込みの強さをひしひしと感じる絵図となりました。

そんな相手の立ち回りに度肝を抜く格好となった清水。
5分には中山のラフな裏へのロビングを、走り込む鳥海に対し住吉が防ぎにいくも、交錯しながら鳥海がボールキープに成功し反則の笛も鳴らず。
そのまま左ハーフレーンからカットインしてミドルシュート(GK権田キャッチ)と、精神的に優位なうちに仕留めに掛かる甲府。
そして10分に最大の決定機が訪れ、自陣で関口が反則を受けると、そのFKを素早くリスタートさせ直接裏へとロングパスを送る関口。(この際さらに北川に倒されるも流される)
絶妙な位置へ落ちたボールにウタカが走り込むと、前に出たGK権田に先んじて触ったウタカのループシュートがゴールへ向かい。
権田を抜いて完全に決まったと思われたこのフィニッシュに、必死に戻った高橋がスライディングで掻き出しに成功、間一髪で失点を防ぎます。
しかしプレーは継続し深めでのプレス脱出を強いられた清水に対しヘナトが縦パスをカット、そして鳥海を経由して中山が左からカットインを経てミドルシュート(GK権田キャッチ)と、同様のパターンで締められた攻撃。

ゴールは生まれずも明らかに甲府ペースという立ち上がり。
反撃したい清水は、17分に最終ラインのパスワークで徐々に押し込んだのち、宇野の前進を経て左サイド奥でカルリーニョスに持たせる絵図を生み出し。
そしてマイナス方向へのカットインからミドルシュートが放たれ、枠外となるもブロックを掠めたためコーナーキックに。
ここから3本も続いたCKののち、スローインを挟んで尚も2本CKが続くという長丁場のセットプレー攻勢に入ります。

甲府の攻めたいという気持ちをそらし、焦りを生むには十分な攻勢。
しかし5本目の右CKののちの二次攻撃で、左から乾がクロスを上げたその刹那、突如ピッチが真っ暗に。
照明トラブルなのは明らかで、数秒後に復帰・再点灯した際ボールは既にファーサイド奥に転がるという状況に。
これで甲府のドロップボールから再開となりましたが、乾ならびに清水サイドは恐らく「クロスののち誰も触っていなかったためこっちボールだろう」という異議を主審に向けたものの、徒労に終わる事となり。
結局流れが途切れてしまい、そのまま0-0で飲水タイムに入ります。

ショートカウンターに持ち込みたいのは明らかな甲府の立ち回り。
第2クォーターでもそれは継続され、27分にもヘナトが距離を詰めて宮本のパスをブロックし、拾った荒木がウタカへ向けた裏へのロングパス。
しかし精度を欠いて右側へと流れてしまい、ウタカが走って拾ったものの結局遅攻となってしまう状態に。(その後右からクロス→アダイウトン合わせるも北爪に防がれる)
ハイプレスに舵を切ったものの、以前の頃(篠田善之前監督の全盛期)からは迫力も精度も落ちるのはある意味当然といった所でしょうか。
しかし29分またも敵陣で鳥海がカットし、こぼれ球をヘナト1タッチで縦パス→ウタカポストプレイを経て、アダイウトンが左ワイドからのカットインでエリア内へ突撃。
そして高橋を剥がした末に放ったシュートが、住吉のブロックを掠めてゴールを襲いましたが、ゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。
またも決定機を逃す形になってしまうと、以降尻すぼみを余儀なくされる事となります。

清水のターンとなると、最後方からの組み立てで、乾をはじめ流動的に動く前線の選手へと縦パスを通す攻めが冴え始め。
そして32分、ブラガが送った縦パスを北川のポストプレイで受け直し、左へ展開ののち乾を経由して奥から山原のクロス。
ニアで北川が跳んだその奥で、カルリーニョスが脚で合わせるという完璧な流れで放たれたフィニッシュがゴール右へと突き刺さります。
失点を防ぎ続けた末に待っていた、先制点に辿り着いた清水。

その後も相手に流れを渡さず、37分に縦パス攻勢で前進の末に宇野がミドルシュート。
ブロックを掠めて外れるもここからCKを2本続けるなど、リードした事で「甲府に焦りを生ませる」ミッションは概ね成功しつつあり。

何とか攻撃権を取り返した甲府ですが、その手法は縦に速い運びのみという感じに。
ビハインドとなった事で必然的に主体的な攻めをしなければならない状況となりますが、間を通す縦パスを成功させても、その後スルーパスかサイドへの展開と前へのベクトルしかない状態となります。
熊本や山口の得意手である、敵陣でパスを上下動させる事で清水ディフェンスの弱点(バックパスに喰い付いて裏を取られる)を誘発させられれば、もう少し展開は変わったかもしれませんが……。

結局3分あったアディショナルタイムも、清水がボールポゼッションを貫く時間が大半で終わり。
甲府は立ち上がりの優勢ぶりは雲散霧消……という展開を強いられ、1-0のまま終了となりました。

現場もそんな空気を敏感に感じ取ったか、ハーフタイムで2枚替えを敢行。
中山・ウタカ→木村・マクーラへと交代し、反撃の狼煙を上げに掛かります。

後半のキックオフ、という所で、左側のゴール(前半は清水ゴール)ネットの補修作業のため先延ばしに。
立て続けに起こる運営レベルでのトラブル、これに苛立ちを見せたのはキックオフする側の清水で、改めて笛が吹かれると蹴り出されたボールを乾がそのままロングシュート。
貯め込んだストレスを吐き出すような手段で、とりあえず空気を整えに掛かったという立ち回り。

これを抑えた甲府は早速ベクトルを反転させ、GK渋谷のロングフィードをマクーラがフリック、アダイウトンに渡ってアタッキングサードを突く攻撃と化した清水キックオフからの流れ。
しかし一旦パスワークを経て戻して作り直しとなると、(関口が)再度マクーラを狙ったロングボールを送り、これが事件へと発展する事に。
今度もフリックで繋いだマクーラ、競り合った高橋と激突するのを尻目にまたも受けたアダイウトンが、エリア内へ切り込む決定機が生まれます。
ところが生まれたのは得点では無く、GK権田が前に出て抑えた所を勢い余ってチャージしてしまったアダイウトン、たまらず反則を告げる笛が鳴り響き。
そして主審(窪田陽輔氏)がカードを突き出した所、その色が一発退場を示す赤だった事で一転して騒然となるピッチ上。
納得出来ないという態度を示すアダイウトンですが、それと同時に激突した高橋とマクーラの容態も案じられたためそれ所では無くなった清水ゴール前。
マクーラは無事だったものの、高橋は倒れたまま起き上がれず、そのまま交代の運びとなってしまい。
蓮川が投入される事となり、高橋は自力で何とか起き上がりピッチを去るもその足取りは覚束ないものに。
しかし判定に不服な甲府はそれに対し苛立ちを見せてしまった(恐らく思いやりの無い遅延行為をアピールしたと思われる)事で、大塚真司監督自身が警告を貰ってしまい(なお放送席は、ベンチの今津が貰ったと勘違い)、この騒動は集結となりました。

数的不利となった甲府は、以降も3バックを継続し、ヘナトをアンカーとした3-5-1(5-3-1)の布陣を選択。
後半9分にはヘナトが乾から反則気味にボール奪取し、そのまま右へ流れてドリブルで運ぶという強引な好機の作り方。
そして右スローインに移ると、ポケット付近に投げられたボールをマクーラが胸でフリックし、鳥海が狭い所をカットインで抜いて中央からシュート。(住吉がブロック)
一人一人がより頑張らないと、この苦境は跳ね返せないという好機の作り方。

しかし俄然優位な清水。
この日ベストなプレーを見せていた高橋の負傷交代も、代わって入った蓮川の持ち運び能力が10人の甲府を自陣に押し込むのにうってつけとなった事で怪我の功名に。
彼が左ハーフレーンを運び、甲府ディフェンスがそれに対応せんとするとカルリーニョスが手薄となるので、簡単に左サイドアタックが成立する状況を生み出します。

そして12分、CKでの好機から戻して作り直すと、右→左への対角線のロングパスがカルリーニョスに届けられて再度アタッキングサードを突き。
カットインで中央に流れて右ポケットへスルーパスを送ったカルリーニョス、走り込んだ北爪のクロスはブロックで防がれるも、再度送ったクロスが大外の乾に収まり今度は左ポケットから仕掛け。
忙しなくサイドを動かした末に、戻しを経て放たれた山原のシュートがGK渋谷にセーブされるも、跳ね返りを眼前でブラガが詰めてゴールに突き刺します。
位置的に山原の左足でのシュートはクロスともとれるもので、却って他選手が合わせに前に出る姿勢を誘発できたでしょうか。(手前では北川が合わせにいっていた)

これで2点差となり、その後も清水は14分にカルリーニョスが突破から低いクロス、ニアで北川が合わせる(枠外)という具合にストロングポイントを押し付け。
何とか前に出んとする甲府の裏を突くシーンも数多で、16分には縦パスをカットした山原から、逆に縦パス→乾受けてスルーパス→北川で完全に背後を取り。
そしてエリア内へ進入し、小さいループシュートでGK渋谷を抜いた北川ですが、右ゴールポストに当たりモノに出来ず。
2点目と同じく眼前に詰めたブラガも今度は合わせられずと、得点にはならずも甲府を委縮させるには十分な決定機。

一方の甲府は、15分に村上→武富へ交代した事で微調整。
関口を右サイドバックとした4-4-1の布陣へ代え、前への人数を保つ事で対抗姿勢を取りに掛かります。

しかし19分、ここまで奮闘してきたヘナトが、スライディングで守備をした所で足を攣らせてしまい。
普段以上に稼働していた感が強く、その分限界も早く訪れたという感じでした。
古巣の清水サポーターからの声援にも応えながら、ピッチを去ったヘナト。(今津と交代し、林田がボランチに回り穴埋め)

その後もカルリーニョスの突破力に難儀し、押し込まれる状態を打開できずに時間を消費していく甲府。
25分に地上での繋ぎで敵陣へ運ばんとするも、右ワイドで持った関口はアーリークロス気味のロングシュートを選択せざるを得ず。
ゴールバーを掠めるあわよくばの軌道となりましたが、手法という面では苦し紛れの域を出ないものであり。

25分に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターとなってもやる事は限られる甲府。
その最初の好機(27分)では、敵陣でマクーラがボール奪取に成功し、拾った鳥海から受け直したマクーラがそのまま単騎突撃。
フェイントを混ぜながらエリア内へ進入し、その所為でスリップし転倒してしまうもそれでもキープを果たすマクーラ。
何とか林田へ横パスを繋げたものの、この個での奮闘もシュートには結び付きません。
その直後、後方でのパスミスを突かれて清水のカウンターとなり、カルリーニョスの中央突破からのスルーパスがエリア内へフリーで走り込む乾の下へ。
決定的なシュートが乾から放たれるも、ゴール左へ外れて何とか命拾いと、好循環を僅か一手でフイにされるという流れに。

直後に清水は2枚替え、宮本・カルリーニョス→中村・矢島へと交代。(ブラガが左サイドハーフに回る)
これにより前面に押し出していたカルリーニョスの突破力が無くなるも、矢島を加えてのパスワークが冴え渡る流れへと移行します。

それに対し甲府は何とかプレッシングで対抗せんとしますが、やはり1人少ないという状況を変えられず。
後方でも巧みにかわす清水、時にはボックス内でGK権田もパスワークに加わりながら、数的優位を活かしてプレス回避を果たしていきます。
40分にはGK権田から右へ展開した清水に対し、浮き球パスを受けにいった北爪に荒木が寄せてこぼさせるも、住吉に拾われた事で結局繋がれてしまい。
そして空いていたボランチから運ぶ清水、という具合に何処かに空きが出来る状態はどうにもならず。(その後敵陣でポゼッションによる攻めもシュートは撃てず)
41分に最後の交代を敢行、鳥海→内藤へと代えるも、既にベンチワークで変えられるというものでも無く。

一方清水の最後の交代は38分で、ブラガ・北川→吉田・ヤクブへと2枚替え。
吉田が左SBに入る事で、山原が左SHに回って最終布陣となります。

大きく展開が変わる事無く迎えた最終盤。
44分から長らく最後方でポゼッションを続ける清水、それに対し甲府も関口が前に出て吉田に規制を掛けるなど懸命に対抗しますが、無残な結末に終わり。
住吉ミドルパス→ヤクブ胸でフリックにより一気に裏を突かれ、抜け出した矢島がエリア手前まで持ち運んだ末にラストパス。
そして並走していたヤクブが仕上げのシュートを放ち、止めの3点目を齎しました。

突入したATも、最後の意地を見せんとする甲府を嘲笑うかのように、清水がその裏を突く展開に。
何度もヤクブが脅かさんとし、GK渋谷が前に出てそれを防ぐという際どい守備を強いられます。

そして試合終了の笛が鳴り、3-0で快勝という結果に辿り着いた清水。
群馬・甲府と、監督交代を経て未だ組織力がいささか不透明な相手での連勝であり、その本質は推し量れないものの首位キープしている事実は変わらず。
この日のように受けに回る事無く、流れを維持出来るサッカーを上位相手にも行えるかどうかがカギでしょうか。

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