ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2020年J1リーグ第7節 サガン鳥栖vsセレッソ大阪

2020-07-31 19:23:48 | サッカー視聴記(2020年以前)

開幕節からの4-3-3というフォーメーションから一転、この日はオーソドックスな4-4-2で試合に臨んだ鳥栖。
FWの手駒は色々居るものの、長年チームを支えてきた豊田は最晩年で、助っ人のチアゴ・アウベス、レンゾ・ロペスは過去にJクラブに在籍したとはいえ実績面では物足りず。
前節・清水戦で金森が故障し、若手の林・石井を起用せざるを得ない苦しい状況となってきました。

3トップというフォーメーションながら、とにかく点が取れない。
前節でようやく今季初得点という遅さで、しかも未だ0勝という成績では、マッチしない故の変更と採られても仕方が無い。

それでもチームの根幹は失われていなかったようで、この日は出足の良さ、球際の激しさを武器に序盤からペースアップ。
開始6分で3本コーナーキックを得るというハイペースで、主導権を握らんとします。

一方のセレッソ、堅守が売りのチームですが、ありがちな「堅守速攻」という形では無く。
こうした鳥栖の攻勢を巧くいなしたうえで、ボールキープ時は基本的に遅攻。
堅守のチームに良くあるカウンター重視のスタイルとは一線を成し、ボールを握る時間を出来る限り増やし、相手の攻撃機会を減らす事で守備に役立てるというもの。(前年の広島も一時期こうしたスタイルでしたね)
それ故、押し込まれてもセーフティにクリアで逃げるという局面が目立ち、結果相手のCKになっても慌てない。

得点力不足の現状の鳥栖にとってはとても厄介な相手ともいえましたが、この日の鳥栖は一味違っていました。
無理にプレスを掛けて来ないセレッソ故、ボールを持たされる展開にされていた攻撃面。
守備面では、セレッソのビルドアップに対しハイプレスを敢行。
そのどちらも、上手くいかない場面も目立ちましたが、荒々しさで強引にセレッソからペースをもぎ取っていたという印象の前半でした。

前半22分に鳥栖が得た右サイドからのフリーキック、原川のファーサイドへのクロスを高橋秀人が折り返して中央へ。
これを原がヘディングシュート、GKキムジンヒョンがセーブしたこぼれ球を詰めたのは豊田。
ゴール間違い無しという距離でしたが、ライン上でセレッソ・松田がブロックするファインプレーで得点出来ず。
しかしこの「ファーへクロス→折り返し」という鳥栖のセットプレーのパターンは徹底されており、この前にもCKで2度高橋秀の折り返しを交えていました。
もっと言えば前年観た時も徹底して行っており、鳥栖の伝統ともいえるでしょうか。

一方すんでの所で先制を免れたセレッソ、その後はボール支配率を高め落ち着きを取り戻す、という普段通りの流れ。
その傍ら、長いポゼッションからフィニッシュに繋げるという攻撃も織り交ぜていきます。
30分、センターバック2人の間に降りる藤田からスタートし、左右へのパスを織り交ぜたのち右から松田がグラウンダーでクロス。
これが鳥栖ディフェンスに当たりずれるも、そのおかげで柿谷にエリア内で渡る好機。
切り返しの連続からシュートを放つ柿谷、ブロックされた後も清武に繋ぎますが、清武のシュートもブロックされてモノに出来ず。
32分は後方で鳥栖のプレスをレアンドロ・デサバト→丸橋→木本→デサバト→GKキムジンヒョンと繋いでかわし、キムジンヒョンの右への長いパスで逃げ切り成功。
その後もパスワークで遅攻を繰り広げるも、ここはシュートまでは繋がらずでしたが、持ち味を存分に発揮していくセレッソ。

しかし終了間際の43分、柿谷が足を痛めて動けなくなるシーンが。
一旦ピッチから出て、その後復帰しましたが、後半頭に退く事となりました。(片山が出場)
それに伴ってかは不明ですが、アディショナルタイムには鳥栖が左サイドを突破した小屋松がカットインからミドルシュート(GKキムジンヒョンがセーブ)という際どいシーンを作り、流れが変わった予兆を感じつつ前半を終えます。

鹿島の不振ぶりが一際目立つ今季のJ1ですが、その裏で清水・鳥栖もこの日まで未勝利。
「新しい事をやろうとして失敗する」という図式が、今季からサッカーの路線変更を謳っている鹿島・清水から浮かび上がって来ます。

一方の鳥栖も4-3-3を取り入れるなど一見すると共通っぽいですが、守備意識は忘れていないようで、また前年から金明輝(キンミョンヒ)監督が続投しているのも上記2クラブとは違う点。
鳥栖は過去2年、上記の失敗を嫌という程経験しており(フェルナンド・トーレス入団とか、ルイス・カレーラス監督とか)、過去2年シーズン途中から監督を務めた金氏としては「残すべき点は継続する」思考に行き着くのは当然すぎる事かも知れません。

こうした「伝統を踏みにじる行為」が深刻な影響を及ぼしたのか、シーズン前には、スポンサーの契約終了(今年途中までの契約らしい)に伴っての経営問題が浮上。
鳥栖に限らず、九州のクラブはこうした事が目立ち、2009年には大分がチーム消滅の一歩手前まで追い詰められる程の経営危機に。
福岡も同時期に表面化し、大分ほど深刻では無かったものの2014年頃まで引きずる始末。
長崎はジャパネットのおかげで立ち直りましたが、逆に言えばそれが無ければ今頃は……といえたでしょう。
身の丈経営の大切さはこうした近所(?)の事象からも思い知らされますが、鳥栖は既に2003~2004年にも経営危機に直面しているので、得たはずの教訓を忘れていやしないかと不安に駆られてしまいます。

それはともかくとして、セレッソが柿谷を失って始まった後半戦。
その影響か右サイドの坂元にボールを集め、彼の突破力に期待をかけるセレッソと、彼を阻止したい鳥栖とがぶつかり合う立ち上がり。
右サイドの深めで坂元に対する反則が発生する事2度、しかしそれはシュートには結びつかず。
この反則連発の影響か、以降はCBのエドゥアルドが、ボールを持つ坂元にアタックするというシーンも目立ちました。

しかしこれにより流れを得たのは鳥栖の方だったか。
後半6分、GK高丘の右サイドへの長いパスから、受けた森下が前方へスルーパス。
走り込んで上げた原川のクロス、中央で豊田が合わせられなかったものの、小屋松が拾い石井に横パス。
ダイレクトで石井が左足のシュートを放つと、綺麗な軌道でゴール左へと突き刺さり、先制に成功。
まさかとも言うべき、「最弱の矛」が「最強の盾」を破る展開に。

先制されたセレッソ。
Jリーグでは特異なチーム戦術なため、先制されると脆いのは4節・名古屋戦(0-2)で証明済みで、文字通りの窮地。
ポゼッションは握れる下地はあるだけに、守りに入る相手をどう崩していくか。

しかしその後も鳥栖はチャンスを作ります。
10分は縦パス→ポストプレイの連続で前進し、小屋松がキープして出したパスを再び石井が受け、エリア手前やや左からシュート。(ゴール左に外れる)

前年J2で猛威を振るった2人、内田(前徳島)と小屋松(前京都)が揃った左サイドの突破力は、堅守のセレッソと言えどもかなりの脅威。
19分には小屋松から受けた内田の突破を、藤田が後方から倒して反則・警告を受ける場面もありました。

飲水タイムを挟み、何とか流れを取り戻したいセレッソは28分に3枚替え。
丸橋・清武・豊川→小池・奥埜・鈴木へと交代。
都倉とブルーノ・メンデスがベンチ外な状況のこの試合でしたが、手駒はまだまだ健在とばかりに、大胆に実績ある選手を同時投入しました。

すると30分。
木本の縦パスを受けた鈴木が反転し坂元へ渡すと、坂元がエリア手前から思い切ってシュート。
豪快にゴールネットに突き刺さり、同点に追い付いたセレッソ。

交代で流れが変わったと踏んだか、鳥栖サイドも34分に動きます。
原川・小屋松に代えて、樋口・安庸佑(アンヨンウ)を投入。
樋口がボランチ・安が左SHに入り、それまでボランチの松岡が右SHへシフトします。
すると35分、セレッソ同様直後に好機到来。
右からのクロスが流れた後、安が左奥で拾って内田がクロス、これがクリアされるとボールは変わったばかりの樋口の下へ。
樋口は坂元と同様に思い切ってミドルシュートを放ち、これが木本に当たって僅かにゴール左に外れる際どいものに。

セレッソも40分、デサバトの後方からのドリブルで前進してから右サイドへ展開し、松田がスルーパスで奥へ。
受けた坂元からエリア内の鈴木へ渡り、鈴木のグラウンダーでのクロスに小池が走り込むも、松岡のディフェンスで倒れシュート出来ず。(反則無し)
45分には奥埜がドリブルからエリア内へスルーパス、これに片山が走り込んでシュートするも、GK高丘の飛び出しでコースは無く防がれます。
セレッソ側も、試合終了が迫った事でなりふり構わずチャンスを作るスタイルへ移行していたのでしょうか。

しかしATに突入後、最後のチャンスを得たのは鳥栖。
これもCKからで、キッカー梁勇基(リャンヨンギ・エドゥアルドと交代で出場)のクロスがファーに流れると、林がトラップから折り返しという鳥栖の形に。
そしてエリア内の逆サイド(左)で原がトラップする絶好機となるも、シュートは松田がブロックして勝ち越しならず。
「松田が居なければ……」という鳥栖サイドの叫びが聞こえるかの如く、そのまま1-1で試合終了となりました。

結局この日も勝利には届かなかった鳥栖。(清水が勝ったため唯一の未勝利に)
グラウンドレベルと同じように、経営面の問題でも、この時勢の中すぐに解決に向かえず相当苦労する事になるでしょう。
一度は暗雲を跳ね除けた経験を持つクラブだけに、生き残りを果たして欲しいものです。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第8節 水戸ホーリーホックvsヴァンフォーレ甲府

2020-07-30 18:37:26 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の水戸の記事はこちら(4節・山形戦)
※前回の甲府の記事はこちら(4節・金沢戦)

再び水曜の試合、という事で双方中3日。
甲府は大幅にスタメンを変更し、その数は何と9人。
大ベテラン・山本を3バックの中央で起用する事で、そんな不安な陣容を締めに掛かりたい所ですが、前回同じような意図で挑んだ5節・ヴェルディ戦では4失点の敗北。
そしてその他のメンバーも5節以降のスタメンである選手(山本の他中村・太田・中塩・荒木・山田陸)が多く、言うなれば前回のリベンジといったこの日の位置付けでしょうか。
また、特別指定の関口が右ウイングバックで初スタメンを果たしたのが目に付きました。

開幕戦から4バックで挑んできた甲府ですが、5節で3バックにシフトして以降は、4バックと3バックを流れの中で変更するという可変システムを取り入れている伊藤彰監督。
この日は後半開始直後、攻撃時に山本がボランチに上がる場面が見受けられたものの、それ以外では3バックでほぼ固定。
やはり大幅な駒落ちの状況ではリスクが大きいようです。

静かな立ち上がりを見せたのち、前半6分に水戸の攻撃、右サイドから形を作った後目下売り出し中の松崎がドリブル突破。
そしてエリア手前でカットインからシュートを放つ(GK岡西キャッチ)という、自慢の突破力を生かした思い切ったプレーを披露します。

一方甲府の右サイドは、前述の通り新顔の関口。
そのため早いうちにプレーに慣れさせようとしたのか、序盤の甲府は右から攻撃を組み立てるシーンが多々。
4分に中塩のインターセプトから、中村・小柳とともに攻撃の組み立てに参加する関口、中村のスルーパスで奥に走り込みます。
これは一旦水戸・瀧澤に拾われるも奪い返し、奥に進入してコーナーキックをゲット。
その後も小柳のロングパスに反応したり、縦パスをダイレクトで中央に送ったり、自身がハーフナー・マイク目掛けて縦パスを送ったりと、初出場ながら他者との連携を見せていく関口。
しかし自身で突破するシーンはあまり見られず、21分に右サイド奥にドリブルしたのを水戸・山谷に対応されたぐらい。
相手の水戸も3バックだったため、ウイングバック同士でマッチアップを強いられたも原因だったでしょうが、この辺は要修練という感じでした。

右サイド重視ながらも、有効打が中々出なかった序盤の甲府。
すると24分、山本のロングパスから今度は逆の左サイドで攻撃。
これを収めた荒木が太田にパス、カットインを仕掛けて一旦は奪われかけた太田ですが、拾い直すと大胆にミドルシュート。
これが無回転のボールでGK牡川のキャッチを弾き、ゴールに吸い込まれる破壊力を見せたシュートとなり、甲府が先制します。
しかしここから激しくスコアは動く事に。

甲府ペースで推移して中々攻撃の形を作れなかった水戸。
27分右サイドでの攻撃で、岸田縦パス→奥田開いて受ける→岸田の追い越しを待ってスルーパスで奥へ進入。
岸田がスライディングで収めようとしてこぼれ球となるも、松崎が拾い切り返してからクロスを上げると、これが中央のアレフ・ピットブルの頭へドンピシャリ。
綺麗なヘディングシュートでたちまち同点、となったのも束の間の28分でした。
中塩の縦パスを太田がフリックし、受けた中村が裏へスルーパスを送ると、走り込んだ松田がGKと一対一になる絶好機。
右奥へ切り込む動きを見せた松田、GK牡川を反応させたうえで浮き球で左を抜くシュートを放ち、見事モノにするのに成功しました。

あっという間に1-2というスコアに。
しかしその後甲府は守備で落ち着きを見せ、5-4-1のブロックをひたすら強固に固める戦術に。

試合毎に4バックと3バックを使い分けている今季の水戸。
この日は3バックで挑んだものの、この甲府のブロックの前に、ビルドアップで難儀します。
1ボランチの3-3-2-2というフォーメーション故、その1ボランチ(この日は平野)が徹底的に消されるという対策を採るのが相手の常。(この日の前半はハーフナーが徹底してCBのパスコースを切っていた)
そのため両WBを下げ気味にして、まずはそこに出したうえでサイドを揺さぶる、というビルドアップが基本なのでしょう。(個人の見解です)
しかしこの日の甲府はブロックが強固で、左右に揺さぶっても糸口が見えないのが辛かった。
2列目の部分がしっかりとスライドしてくると、スペースを探すのに難儀するのは当然で、こうなると単純なパスワークでは崩せない。
松崎の突破力という違う武器は持っていても、それが対応されないうちに、違う突破口を見せたい展開に。

そんな兆しの攻めが35分。
ンドカ・ボニフェイスが縦パスを送ると、シャドーから降りてきた山田康がポストプレイでボランチ・平野にボールを渡すのに成功。
そののち松崎ドリブルで前進→右の岸田へ→奥で岸田切り返しの連続→松崎と渡っていき、松崎のクロスから山谷がヘディングシュート(枠外)という形を作りました。
中々絡めなかった平野を経由した攻撃を見せて反撃の狼煙。
それでも終了間際の45分、松田が遠目から際どいシュートを放った(GK牡川セーブ)甲府。
どちらが先に次の得点を挙げるか、という雰囲気の中前半を終えます。

その得点が是が非でも欲しい水戸サイド、後半頭に3枚替えと勝負。
滝澤・山谷・山田康→乾・外山・山口と交代します。
特に既に2得点を挙げ、前回取り上げた山形戦では素晴らしいゴラッソでスーパーサブぶりを発揮した山口に期待が掛かる所。

後半立ち上がりは、前述した甲府の4バック可変モードもあり、何度か水戸ゴールに迫る甲府。
しかしそれが終わると、試合はほぼ一方的に水戸が攻撃するという構図になりました。
ハーフナーの運動量あるいは集中力が落ちたのか、前半とは違って平野がボールに絡めるようになり、ゲームを作っていく水戸。
後半10分に交代出場していた乾が頭部にボールを受け、脳震盪でインアウト(村田と交代・以降4-4-2へシフト)を余儀なくされても、それは変わらず。
しかし肝心のシュートには持ち込めず、4分に直接フリーキックを山口が狙った場面のみ。(壁に当たってゴール左へ逸れる)
逆に甲府が18分にシュート(小柳のクロスを松田が合わせる)の場面を作るなど、ポゼッションvsカウンターの図式にも似た様相に。

結局飲水タイムを挟むまで、後半は流れの中からは一度もシュート出来ずという有様だった水戸。
そんな状況で心理的にも溜まるものがあったか、26分には岸田の浮き球のパスを収めた村田が右へ展開すると、山口はクロス気味にゴールを狙います。(GK岡西キャッチ)
まずはシュートを放ちたいという意思を表し、さらに攻めかかる水戸。

そして32分、CKから中山仁斗(ピットブルと交代で出場)がヘディングシュートを放つも、ゴール前でハーフナーがブロック。
さらに二次攻撃で、後方からのロングフィードが左に流れた所を山口が拾い、クロスを上げるとニアサイドにンドカが飛び込んでヘディングシュート。
ゴールに突き刺さり同点、そう思った刹那、中央で中山仁がオフサイドポジションに居たため笛が鳴ってノーゴールに。

一方の甲府は押し込まれる展開を受け、終盤は逃げ切り体制に。
しかしメンバーを落とした影響か、ベンチの駒が不足しているのが悩み所で、もう一人の特別指定・長谷川元希を投入(ハーフナーと交代・同時に中村→武田も交代)するやりくり。
40分も過ぎると、攻撃機会を得てサイド奥に進入しても、クロスを上げずパス回しで時間を使うシーンも見せます。

それ故水戸もシュート数を伸ばせず、このまま甲府勝利か、という雰囲気が漂いつつ突入したAT。
最後方からのビルドアップでンドカも何処に出したら良いか迷っているような状況の中、2度目に左の外山に出すと、アタックにいった甲府・長谷川元に引っ張られつつも外山はボールキープ。
そして中央に繋がり、平野の縦パスを受けた松崎がキレの衰えないドリブルを見せると、エリア内左へパス。
そこには先程執念のキープを見せた外山が上がっており、彼のグラウンダーのクロスが入ると、ニアサイドで山口が合わせて今度は正真正銘のゴール。
まさに全員の総力で、甲府の守備の壁を破った瞬間でした。

尚もこの後攻め込む水戸でしたが、結局2-2のまま動かず、引き分けで試合終了。
内容的には良いサッカーを繰り広げている今季の水戸ですが、この日でようやく勝ち点9と結果はあまり伴わず。
やはり大幅に選手が入れ替わったうえ、積極的に若手・新人の起用がなされるという状況では、勝ち点を掴むしたたかさが足りなくなるのはある意味仕方の無い事。
言い換えれば「ピュアである」という表現がピッタリ来るでしょうか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第7節 FC町田ゼルビアvs栃木SC

2020-07-29 18:26:00 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の栃木の記事はこちら(5節・大宮戦)

似た者同士の性質のクラブによる対決、と盛んに放送席で謳われていた試合。
ポゼッション率の低さやタックル数の多さといったスタッツについて触れられていました。
それ以外にあえて共通点を求めるならば、やはり両監督でしょうか。

今季から町田の監督を務めるランコ・ポポヴィッチ氏と、栃木の監督2年目という立場である田坂和昭氏。
両名はJリーグでの監督業を大分で始めたという共通のキャリアを持っています。

ポポヴィッチ氏が大分の監督に就いたのは2009年シーズン途中。
故障者続出もあり、リーグ戦14連敗を喫するなど半分消化で勝ち点僅か4という大不振に喘いでいたチームを救うために就任しました。
しかしクラブを覆う闇はそういった成績面では表向きでしか無く、J2降格が決定した後、試合を運営する事すら困難という状況にまで陥った経営面の方が大きかった。
ポポヴィッチ氏は彼らしくチームを立て直し、翌年も続投を望んでいたらしいですが、人件費削減の煽りを受けて契約更新はならず。
その後のポポヴィッチ氏は当時JFLだった町田の監督を務め、Jリーグ参入を果たした後にJ1・FC東京の監督に。
そして巡り巡って今季再就任という経歴は、前任だった相馬直樹氏と似通っています。

一方深刻な経営危機に陥った大分は、皇甫官(ファンボクァン)氏を挟んだ後の2011年、田坂氏が監督に就任。
翌2012年折りしも始まった昇格プレーオフを味方に付け、何とか経営問題も一段落させて、J1昇格を達成。
しかし1年で降格し、2015年にJ2でも下位に低迷する不振ぶりで田坂氏は解任され、その後大分はJ3降格の憂き目に遭う事に。

一時はタイトル(ナビスコカップ・2008年)も獲得するなど全盛を築いた大分、その後の凋落・苦難の時代に監督を務めた両氏。
2016年以降、片野坂知宏監督就任とともに浮上を開始した大分ですが、それはまた別の話でしょう。

これまでのクラブ(主にFC東京やセレッソ)ではポゼッションスタイルを基調としてきたポポヴィッチ氏。
しかし町田は相馬氏が6年間監督を務め、ワンサイドアタックという特異な戦術に行き着いたチーム。
ここに逆のサッカーを落とし込むのは相当な時間が掛かるはずで、とりあえず理想を一時置いておく事にした、というのが前述のスタッツから伺えます。

一方の田坂氏も、大分時代は攻撃的なサッカーを指向する監督だったとの事。(当時は観ていなかったので詳しくは解りませんが)
そして前年、栃木で残留争いを戦うにつれて、現在の守備・ハードワーク重視に流れ着き現在に至ります。
そんな両名が率いるクラブの対決は、やはり持ち味通りの試合となりました。

町田は理想を捨てたとは言っても、普通にビルドアップをするようになったというだけで前年のサッカーと大きな違いを生み出す事となるチーム。
両サイドに選手を広げ、パスの幅を増やすという普通の事が異様に斬新に思えてしまいます。
それでもカウンタースタイル・セットプレー重視が目立ったこの試合。

前節・水戸戦は0-4の大敗だけでなく、途中出場したステファン・大谷の2人もが負傷により途中交代、通称インアウトの形になってしまったという手痛い試合。
アタッカーのジョンチュングンも故障中と苦しい陣容になって来ましたが、この日はステファンは何とかベンチ入り。
そしてマソビッチを左サイドハーフに転用(FW登録なのだが、本職は解らない)、平戸をセカンドトップの位置に置く4-4-1-1っぽいフォーメーションで挑んだ町田。

試合内容は、双方セットプレーでシュート数を稼ぐ展開となった前半。
流れの中での好機はというと、前半9分に栃木が、矢野が中盤で町田・吉尾をショルダーで吹っ飛ばしつつボールキープ。
その後彼からパスを受けた明本がドリブルの後、榊とワンツーで中央突破した末に矢野にパス、そしてエリア内右に入ってシュート(サイドネット)というものぐらいでしょうか。

そのセットプレー、町田は変化を付ける事を重視。(キッカーは平戸でほぼ固定)
4分の左サイド奥からのフリーキック、ここはグラウンダーでやや遠目へのクロスを入れると、吉尾がダイレクトでシュート。
DFに当たって左コーナーキックとなると、これもショートコーナーの後、平戸はグラウンダーで入れる事を選択。
これを水本ポストプレイ→高江→吉尾シュートと繋ぐも枠外に。

一方の栃木も13分の左CK、キッカー榊のニアへのクロスを矢野がスルーし、中央で受けた禹相皓(ウサンホ)がシュートを放つも町田・高江のブロックに防がれます。
両チームとも工夫が見られたCKでしたが、明暗を分けたのは栃木の守備だったでしょうか。

町田が右サイドでのCKを得た23分。
再びのショートコーナーで、パスを受けた吉尾はリターンせずにそのままクロス。
すると中央でマソビッチが頭もとい肩でヘディング(?)シュート、威力は無いながらもゴール右に決まりました。

町田先制と同時に飲水タイムに入り、明けた先の展開は栃木が攻勢に。
しかし流れの中ではシュートまでが遠く、逆に28分には町田が好機。
左サイド中盤から佐野が中央へロングパス、これを吉尾がダイレクトでエリア内へ送ると、安藤が走り込んでシュート。(GK塩田セーブ)
栃木はセットプレーに活路を見出すも、37分のエリアすぐ手前からの直接FKは、榊が左足で直接狙いにいくもシュートはゴールの上へ。
41分の右サイド奥からのFKはニアへのクロスがこぼれた所を、矢野がバイシクルを狙うも空振り、こぼれ球を高杉がシュートするもブロックに阻まれます。

攻勢ながらも得点を奪えないでいると、逆に45分の町田の右CK。
先程と全く同じのショートコーナーからの吉尾のクロス、今度は栃木・矢野の前に入り込んだ小田が合わせてヘディングシュート。
これが左ゴールポストの内側を叩いてゴールに入る、シュート以外はリプレイかと疑ってしまうような2点目が生まれました。
飲水タイム明けから前半終了まで、町田の攻撃機会は3度だけという少なさ(栃木は16度、自分の集計)でしたが、効率良い攻撃を披露する結果となりました。

2点差を付けられた栃木、こうなってしまうと現状のサッカーでは跳ね返す事は非常に厳しく。
失点シーンは全く同じパターンであり、ショートコーナーの対処が抜け落ちていた(と思われる)のが高く付いた格好となりました。

そんな後悔があったのか、後半2分のCK、榊のショートコーナーを受けた明本がすぐさまクロスという失点パターンを自分達で再現。
すると中央で矢野のヘディングシュートが炸裂するも、コースはGK秋元の正面でセーブされてしまいます。(その後高杉がボレーシュート→枠外)
これが決まっていればまだ判らなかったでしょうが、以降は町田ゴールを脅かすようなシュートは撃てず仕舞い。
40分に、高杉のエリア内へのロングパスが跳ね返されたボールを、佐藤が走り込んでシュート(ゴール上へ外れる)したのが最も惜しかったでしょうか。

逆に5分、マソビッチのエリア内への落としに走り込んだ安藤に対し、GK塩田が飛び出して防いだ所に安藤の足が入り塩田が負傷する事態に。
一旦は起き上がってプレーを続けた塩田でしたが、13分に再度倒れ込んで交代する事となり(川田修平が出場)、アクシデントも流れを悪くした要因でしょう。
終了間際には悪天候の中鳴り響いた雷鳴を受け、既にアディショナルタイム4分という時間帯で中断の措置が採られるなど、ビハインドの側にとってはリズムを保つ事が困難な試合でした。

町田はマソビッチをサイドで起用したのが吉と出たでしょうか。
開いてターゲットとなるため栃木側も対処が難しく、FWの安藤もスムーズにエリア内でチャンスボールを受けられていました。
そして自身は来日初ゴールと良い事ずくめ。
対称的だったのが、マソビッチと同じく新助っ人の立場であるステファン。
後半29分に投入(安藤と交代)されたものの、目立った場面は殆ど無く試合を終えてしまいました。

ATの栃木のパワープレイ(センターバック田代が最前線へ上がる)も無事いなし(+7分の大﨑のシュートは危なかったが)、今季2勝目を手にした町田。
これまで4引き分けという多さが生きるシーズンに出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第7節 V・ファーレン長崎vs京都サンガFC

2020-07-28 18:14:51 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の長崎の記事はこちら(3節・福岡戦)
※前回の京都の記事はこちら(5節・北九州戦)

無敗、しかも引き分けも僅か一度だけと無類の強さを発揮している長崎。
しかし4節(愛媛戦・2-0)以外は全て1点差での勝利と、相手を圧倒して……という試合では無いのがミソでしょう。
果たして相手との僅かな差を悉くモノにしているだけなのか、あるいは点差以上の横綱相撲を発揮しつつあるのか。

開始直後の前半2分、右サイドからのフリーキックを得た長崎。
キッカー秋野のファーサイドへのクロスを、フレイレが折り返すも二見には僅かに合わず。
しかし問題はその後で、着地に失敗したフレイレは、あろう事か競技場部分のコンクリートに身体を叩きつけてしまいます。
肩を激しく痛め、その後復帰して気丈にプレーしたものの、早くも不安要素を抱える事となった長崎。

それでも長崎は序盤からゲームを支配。
試合毎に微妙にフォーメーションを弄り、3-4-2-1や4-2-3-1も併用する中、この日は基本形であろう4-4-2。
2センターバック(フレイレ、二見)+ドイスボランチ(秋野、カイオ・セザール)のボックス型でのビルドアップを基調とし、攻撃の形を作っていきます。

その長崎のビルドアップの様子を観ていると、時間帯ごとに、テーマを持っているような感じが見受けられました。
序盤のセットプレー攻勢が終わった後、16~18分には、FW富樫が降りて来てのポストプレイを絡めての攻撃。
そこから17分には、亀川の左からのクロスが跳ね返された後カイオが拾ってミドルシュート。(ゴール左に外れる)

京都の反撃を挟んだ後の23~24分、今度はフレイレの右→左へのサイドチェンジのパス、これが3度も行われます。
これを受けた亀川はいずれも中央のカイオへパス、という所までパターン化していたこの時間帯。
結局ルアンの遠目からのシュートがゴール上に外れた(24分)所で、飲水タイムに突入。

そんな遅攻の長崎と相対した京都。
前年は「3トップのポゼッションスタイル」として名を馳せ昇格争いに絡んだものの、今季はポゼッションでは目立った数字を残せず。
今季から監督を務めるのは實好礼忠氏、コーチとして前年のサッカーに拘わっていましたが、やはり大幅に選手が入れ替わっては継続するのは困難なのか。

ビルドアップは3バックの両CBが左右に開き、そこにボランチ・庄司が降りて来るという、「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督・以下ミシャ)式」と呼ばれる形。
それをなぞってはいるものの、前半はまるでボールを前に運ぶ事が出来ず。
ミシャ式の申し子というべき森脇が故障離脱中なのも響いたか、長崎にペースを握られっぱなしで時間を消化していきました。

飲水タイム明けも長崎の攻勢は変わらず。
右サイドでのボール奪取からショートカウンターを2度見せた後の、29分でした。
左サイドで亀川のスルーパスを受けた澤田、奥まで進入するも戻して遅攻の構え。
ボランチのパス交換からさらに最終ラインに戻り、ここからゆっくり押し上げるかと思われた刹那、フレイレが左へ縦パス。
これを左ハーフレーンで受けた澤田、京都の中央が整う前にエリア手前からクロスを上げると、ボールは守備の居ないファーサイドへ。
FW富樫が素早く落下点に入り、目一杯跳んでのヘディングシュートは見事ゴール右を捉え、先制に成功。
遅攻から一転しての縦に速い攻撃が炸裂した瞬間でした。
これまで同じパターンの攻めを繰り返し、印象付けに成功したのも京都の対処の遅れに繋がったでしょうか。

その後は前半終了まで、サイドハーフのルアン・澤田の左右が入れ替わりを見せた長崎。
34~36分には、長い縦パスからビクトル・イバルボがポストプレイする場面が目立ち、36分の好機に繋げます。
イバルボからのポストプレイを受けたのはルアン、その後秋野と何度かのパス交換の後、エリア内へロングパス。
イバルボが京都ディフェンスの裏を取り、エリア内左で切り返してからシュートを放ちますが、ヨルディ・バイスのブロックに阻まれゴールならず。

前半終了も間近になり、反撃に出たい京都の攻撃回数が増えていきます。
中々仕事が出来ていないエースのピーター・ウタカも、中盤まで降りてボールを貰いに来るシーンも。
しかしその甲斐無くシュートを撃てないでいると、アディショナルタイムに長崎にビッグチャンスが。
秋野がパスカットに成功してそのまま縦パス、イバルボが入れ替わって受けて抜け出し、エリア手前で右にパス。
受けた富樫はエリア内で完全フリーとなり、飛び出してきたGK若原の上を抜くシュートを放つも、ゴール寸前でバイスがクリア。

完全に1点もののシーンでしたが、追加点を奪えなかった長崎。
さらに終了直前、フレイレが限界を訴えてハーフタイムに交代する破目に。(徳永が出場)
結果的に嫌な流れを呼び込んでしまっての前半終了となりました。

代わって入った徳永、FC東京で15年間もプレーしていた事で有名な大ベテラン。
ディフェンスラインの何処でも出来る利便性で、J1通算386試合出場というキャリアを重ねてきました。
しかし今季はこれがまだ2試合目の出場と、アクシデントによる出番故試合勘がどうなっているか気掛かりな所。

果たしてその不安通り、後半立ち上がりは京都の攻勢が続きます。
同点に追い付かんとする京都に攻撃機会で圧倒され、シュートこそ枠外に終わるものの一方的に攻められる長崎。
その流れの悪さを受けてか、先手を打って後半9分に早くも2枚目の交代枠を使用(ルアン→大竹)。
対する京都も12分に2枚替えを敢行(飯田→石櫃・宮吉→野田に交代)。

シュート意識の強さを見せるFW野田、今季はそれが良い方向に働いているようで、ウタカ以外で得点を挙げているのは野田ただ一人という現状の京都。(ウタカ5得点・野田2得点)
早速交代直後の13分、彼の下に好機が。
荒木が左サイドから中央へ向かいドリブルで前進、彼のパスをエリア内でウタカがポストプレイをするも、野田はシュートを空振り。
しかしそこから京都は押し込み、荒木が拾ってシュート(ブロック)→右サイドにこぼれた所を石櫃走り込んでシュート(ブロック)→ウタカ拾ってクロスと攻撃を続け、最後は野田がヘディングシュート。
しかしGK徳重に片手でセーブされ、蜂の巣状態だった攻撃を締められず。

この攻勢を逃すと、長崎の交代効果もありペースは一転。
17分、スローインからイバルボ→亀川→澤田→大竹と渡り、大竹が富樫へラストパス。
富樫はワントラップで巧くエリア内に進入してシュートするも、ボールは惜しくもゴール左に外れてしまいます。
19分は中盤での富樫のパスカットから、澤田がドリブルで一気に前進。
彼のパスを受けたイバルボがエリア内に入りシュートするも、これも惜しくもバイスのブロックに阻まれます。
追加点を奪えなかった長崎、しかもこのシュートでイバルボが足を捻ったのか倒れて動けなくなり、再びアクシデントによる交代を余儀なくされます。(畑が出場)

飲水タイムを挟み、尚もゲームを作っていく長崎。
最終ラインが代わった影響か、前半とは一転して、ボランチ1人が降りて来る「丁の字型」でのビルドアップも何度か見られます。
29分の攻撃は徳永から右へ展開されると、パスワークで中央→左へと渡り、亀川のドリブルも交えて相手を揺さぶる遅攻。
そしてカイオの右へのサイドチェンジから毎熊→畑→大竹と渡り、再び大竹からエリア内の富樫へラストパス。
受けた富樫は反転シュートを見せたものの、GK若原がセーブ。
この日何度も決定機があった富樫、1得点を挙げたものの物足りないように映ったのはそのせいもあるでしょう。
試合前にはJ2で100試合出場のセレモニーが催されたのもあり、何時しか彼にチャンスが舞い降りる試合展開になっていたのか。

前半とは一転して、ボールを握る時間が増えた京都。
しかし絶好機を作るのは速攻から、という側面が目立ちました。
31分、バイスの長いパスからカウンター攻撃、荒木が左サイドのドリブルからエリア手前でカットインしようとした所を長崎・毎熊に倒されて反則。
このFKからの攻撃で再び蜂の巣状態に持ち込む京都、庄司のミドルシュート(ブロック)→こぼれ球を金久保落として混戦に→エリア内左でウタカがシュート(ブロック)→ウタカが再度シュート(ブロック)と放つも、最後は野田のハンドで攻撃終了。
そして41分、長崎のパスミスから庄司が縦パスを出して一気にカウンター。
ウタカがエリア内に持ち込み、GK徳重を引き付けた上で野田にラストパスを送ると、エリア内右からの野田のシュートはゴールポストを直撃。
最高の形は作るものの、決められない京都。

長崎側も40分、カウンターから畑がシュートするもゴール上に外してしまうシーンを作るなど、前半とは打って変わって入り乱れての好ゲームの様相に。
それでも43分に長崎は富樫→加藤大へと交代。
FWを減らしてボランチを投入という、解り易いクローズの体制へと入りました。
4-2-3-1で加藤大がトップ下に入りましたが、その後カイオが足を攣らせるというアクシデントにまたもや見舞われ、カイオがトップ下へと変更。

ATに入り、バイスが前線に上がる総攻撃体勢を採る京都。
CKからのこぼれ球を庄司が拾い、ミドルシュートにいった所、ブロックした毎熊に勢い余って削られて反則。(毎熊に警告)
終了間際で直接FKという、最後の好機を京都が迎えましたが、キッカー・バイスの直接シュートは上に大きく外れてしまい万事休す。
そしてそのまま試合終了を迎え、長崎は早くも6勝目となりました。

前半の一方的な展開からしてどうなる事かと思われましたが、結局はどちらも見せ場が多かった好試合に落ち着いた一戦。
その中で故障者を2人出してしまい、犠牲を払っての勝利という色合いにもなった長崎。
今後予想される苦境も、この日見せた組織力の高さで跳ね返せるでしょうか。

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DAZN観戦 2020年J2リーグ第7節 ジュビロ磐田vs徳島ヴォルティス

2020-07-27 18:54:16 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の徳島の記事はこちら(4節・琉球戦)

ともに勝ち点10でかつ、J1昇格を目指す気満々のクラブの対戦。

3勝はいずれも複数得点差で勝利という具合に、地力の差を見せ付けている徳島。
しかし前節は、同じ上位の福岡相手にどうしても1点が取れずウノゼロの敗戦。
中下位が予想されるクラブ相手に取りこぼさないのも重要ですが、長いシーズン内には何処かで上位を叩かなければならない試合もあるのが常。
レギュラーの微調整が得意である(と個人的に思っている)リカルド・ロドリゲス監督も、今季は水曜に試合がある週が多いため、疲労によるターンオーバーが主で中々行われていない様子。
そんな中でも正GKが上福元→長谷川に代わったり、田向がディフェンスラインの一角に収まったりと、修正は幾つか見られています。

キックオフから、徳島は盛んに長短のパスを織り交ぜて敵陣に攻め込むも、決定打は出ず。
前半3分に、中央センターバックの石井から長いパスで左へ展開、これを受けた清武から田向へ。
すると田向はDFながらもドリブルで前進、そしてエリア脇からグラウンダーでクロス。(カットされる)
シュートには繋がらなかったものの、DFの果敢な切り込みが後の伏線となります。

磐田側が5分、松本のエリア内右からマイナスの折り返しに、上原が走り込んでシュート(ゴール左に外れる)というチャンスを見せた後の徳島の攻撃。
右コーナーキックを獲得すると、キッカー藤田征也はゴールからやや遠めの中央へクロス。
これに清武が後方から走り込んでノーマークでヘディングシュート、豪快にネットに突き刺して先制ゴール。
今季冴え渡るセットプレーをこの日も発揮しました。

その後磐田はボールを握って反撃体制に。
CBの右脇にボランチの一人が降りて来て(上原・山本どちらかは決まっていない)のビルドアップが基本形で、左右へのグラウンダーの長いパスを中心に組み立て。
これに縦パスからのルキアンのポストプレイを交えてパスを回していくスタイルで、何処にでも降りて来るルキアンの他、頻繁に逆サイドに張り出す左サイドハーフ・大森の存在もあり重厚な攻撃を仕掛けていきます。
18分にはルキアン・大森のそんな動きを交えつつの長いボールキープを経て、最後は上原がミドルシュートを放つも枠外に。

しかしボールポゼッションは徳島自身のスタイルであり、見慣れたものでもあるでしょう、徳島守備陣を揺さぶる事はあまり出来ずに時間を浪費。
すると21分の徳島の攻撃、藤田征の右サイドからのクロスがブロックされてのスローイン。
エリア内に投げられたボールを垣田がポストプレイ、これに内田が後方から走り込んで受け、そのままエリア奥に入ってシュート。
ブロックに入った藤田義明の振り上げた腕に当たり、当然ハンドの反則でPKに。
内田の果敢なプレイで得たPK、キッカーの岩尾がしっかりとGK八田の逆を突き、早い時間帯で追加点。
前年盛んに見られた、DFが積極的に仕掛ける徳島の攻撃がようやく戻って来たと思わされた序盤でした。

直後に飲水タイムを挟んだ後、互角の展開を描いた後は、磐田が一方的に攻撃を仕掛ける展開になっていきます。
31分の右からのCK、キッカー山本の中央へのクロスがこぼれた所を伊藤がシュート、徳島・内田にブロックされた後さらにエリア外で上原がシュートするもゴール左に外れます。
43分、右サイドで山本のパスがこぼされたボールを松本が拾い中央へ。
その後小川大貴→小川航基→ルキアンポストプレイと繋がり、小川大がシュート。
徳島・内田にブロックされて右CKとなり、山本の中央へのクロスに、これまで消え気味だった小川航がヘディングシュートを炸裂させるもGK長谷川がセーブ。
ゴールバーに当たったボールをルキアンが詰めるも、突き刺さったのはサイドネットで得点ならず。
2点差のまま前半を終える事に。

前年J1最下位で2度目の降格と、汚泥に塗れた1年となってしまった磐田。
これで94年以降~J2創立前にJ参入を果たしたクラブは、いずれも2度以上降格を経験した事になりますが、京都・福岡そして磐田以外のクラブは現在J1。
湘南・柏・セレッソ・神戸・札幌の5クラブがその内訳ですが、苦労の末サッカーに一定のアイデンティティが確立された感がある顔ぶれ。まあ監督人事に成功しただけ、という側面もありますが

そんな訳で、磐田が再浮上を目指す道もまさにそこだと思われ、前年からフェルナンド・フベロ監督の続投が決定。
降格となってしまったものの、前年終盤には上昇の兆しが見られた星取でシーズンを終え、続投は至極当然であったでしょう。
継続性を持って今季に臨みましたが、J2という決して楽では無い舞台で果たして磐田のサッカーが確立出来るのか。

これまで6試合中、5試合でポゼッションで相手を上回っている辺り、一定のボールを握りたいという意思はあるようです。
しかしガチガチのパスサッカー、という感じでは無く。
ルキアンや大森を動かしつつ、スペースを作って崩していくのが狙いでしょうか。
しかし守備を固める徳島に対して、「リードされたチームがボールを持たされる」という域を出ず、それは後半も同様でした。

ルキアンのその能力の高さは、後半開始早々露わに。
後半1分に松本が右サイドへ長いパスを出すと、それを拾いにいったルキアン、徳島・田向をあっさりと追い越してライン際でトラップ。
大きくなったトラップを、尚も反転して拾いにいったルキアンにスピードで翻弄される田向、両者もつれ合って倒れてしまいます。(反則は無し)
彼の「何処にでも顔を出すポストワーク能力」を支える脅威のスピードが垣間見えたシーンでしたが、それが決定打にならないもどかしさ。

ルキアンとは反対に、中央に構えて守備を威圧する反面、この日はCKからの決定機以外はあまり目立たなかった2トップの片割れの小川航。
開幕節(山形戦)の2ゴールで一躍警戒される存在になり、以降は対策も進んだのか彼の得点力が火を吹く事は無く、日程を消化しています。
そしてこの日も同じで、そのまま14分に中野と交代。
彼が磐田を覆うもどかしさの殻を破る日は来るでしょうか。

ボールを握るも、前半と違いシュートに持ち込めない磐田。
それを尻目に徳島サイドは、後半頭から出場した渡井(杉森と交代・同時に清武→岸本に交代)が随所で積極的なプレーを見せます。
18分、クリアされたボールを渡井が拾いカウンターの流れに。
垣田にパスを出した後、その垣田のヒールパスを受け取りドリブル体勢に入るも、藤田義に倒され止められます。(こぼれ球が繋がったため反則無し)
この後西谷が拾いドリブルシュート(枠外)を放っただけに、見せ場を奪われた格好となった渡井。
21分には長いポゼッションでの攻撃から、右サイド奥でボールを受けた渡井。
磐田ディフェンスに囲まれるも、ここから2人かわしてエリア内に進入する突破力を披露。(この後クロスを入れるも合わず)
28分に先程のお返しというようなドリブルシュートを見せた(枠外)渡井、この日は結果には繋がりませんでしたが、地元への凱旋試合という事で気合十分のプレーは示せたでしょう。

34分、中野がエリア内左でボールを持ち、手前に切り返してからシュート。
これを顔面でブロックした徳島・田向が、鼻血を出してしまいピッチ外へ出てそのまま途中交代。(福岡と交代)
これが号砲となったか、終盤に来てようやく磐田がシュートを浴びせる展開に。
37分、針谷(山本と交代で出場)の縦パスをエリア内でルリーニャ(上原と交代で出場)が受け、右サイドに流れた後に櫻内(小川大と交代で出場)がクロス。
ファーサイドで中野がヘディングシュートをネットに突き刺すも、サイドネットで残念無念。
45分にはクロスをGK長谷川がパンチングするも、そのボールをPアーク付近の中野が拾う好機。
飛び出してきたGK長谷川をかわす中野のパスを受けたルキアンがシュートするも、戻りながら長谷川がセーブしてCKへ。
そのCK、キッカー針谷のクロスは跳ね返され上空へ上がると、これをルリーニャがヘディングシュートに持っていきますが惜しくもゴールの右。

結局得点が生まれる事は無く、アディショナルタイム3分頃から徳島がパスを回すシーンを描いたのち、試合終了と相成りました。
磐田のやりたい事は理解出来た試合でしたが、先行されて守りを固められるとやはり爆発力に欠けるため厳しいという印象でした。
それは今までの試合(特に岡山戦や福岡戦か)でも十分味わったはずで、今後改善して昇格のための勝ち点を稼ぎたい所でしょう。

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