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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 ジュビロ磐田vsブラウブリッツ秋田

2021-12-17 18:28:39 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の磐田の記事はこちら(39節・水戸戦、3-1)
※前回の秋田の記事はこちら(41節・ヴェルディ戦、1-4)

中断明けは無敗と、破竹の勢いのままJ1昇格並びにJ2優勝を決めてしまった磐田。
まさに「最後まで突っ走った」という表現が当てはまるものであり、途中で鈴木政一監督の体調不良・入院という不測の事態が起こっても、ブレる事無く自分達のサッカーを貫き続けました。
その鈴木氏がベンチに復帰し、ホーム最終戦という場で大団円を迎える今季。

一方、「最後まで突っ走った」のならば、この日の対戦相手の秋田もそういったクラブ。
初のJ2を戦い、自分達のサッカーを貫き通した末の残留を確定させ、最終節を迎える事となりました。
磐田は昇格を決めてから2戦未勝利(2分)、秋田は目下3連敗中と、ホッとした訳ではないものの奮わない成績である最終盤。

前回対戦時(13節)は、秋田の特異なサッカーの前に危うく敗戦の危機に苛まれた磐田。(後半アディショナルタイムに追い付いて引き分け)
こうして優勝を果たしたチームですが、立ち上がりは最悪ともいえる成績(開幕5戦で3敗)であり、当時よりもチームの成熟度を増した事をアピールすべき試合となり。

試合開始直後(前半1分)、中盤で藤山が磐田・ルキアンに反則を受けると、早速遠目の位置からフリーキックを放り込みに掛かる秋田。
さらに右コーナーキックを得て、キッカー武のクロスをニアサイドで才藤が合わせ、ディフェンスに当たりつつもファーに流れたボールを飯尾がボレーシュート。(ブロック)
そのブレない姿勢から、まず好機を一つ作りました。

しかし王者らしく、多少の事では動じない磐田。
上記の秋田の好機では、ブロックののちのこぼれ球で、シュートにいった千田の脚が大井に入ってしまう(反則)というシーンが発生。
大井は痛みを堪えつつ、1分程倒れ込んだのちにプレーを続けます。
そして6分、秋田のプレッシングを受けつつ山本康裕・遠藤・松本・大森が流動的にパスを繋いだ末、山本康のロングパスで一気に裏を取ってエリア内右へと走り込む小川大貴の下へ。
そして小川大から放たれたシュートがゴールネットを揺らし、見事ファーストチャンスで先制点を挙げる事に成功します。

秋田は上記の失点シーンでは、プレッシングでボールホルダーを取り囲みに掛かりましたが、その結果かわされたのちに山本康がフリーでロングパスを出す体勢を作られてしまい。
個の力に差がある以上、なるべく数的優位を作ってボール奪取したいという思惑が感じ取れましたが、ボールも人も動かし続ける磐田のパスワークには分が悪いといった印象を受けました。

ともかくその後もブレる事無く、FK・CKを得ては好機に持っていく秋田。
7分には右サイドからのFK、キッカー武のクロスを中央で千田がヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
9分には自陣からのFKでGK田中が放り込み、バウンドしたボールを拾った三上から、右サイドでクロスを上げる体勢を作り。
藤山のクロスの跳ね返りをシュートしにいった千田でしたが、足を滑らせてしまい撃てず。
こうした秋田の攻撃を凌いだのち、磐田のパスワークが彩られる、という流れで試合が進んでいきます。

主に最終ラインでの繋ぎの最中に、ドイスボランチ(遠藤・山本康)を中心にポジションを変え、相手のプレッシングをいなす体勢を作る磐田のパスワーク。
特に3バックとウイングバックの間に選手を立たせ、サイドに人数を増やす手法を基本線とし、秋田にボールを奪わせずにパスを繋いでいきます。
そして先制点のシーンの如く、プレスが止んだ隙に、一気にロングパスを送っての好機を作っていき。
放送席では「ボランチの遠藤・山本康にプレスを掛け、出所を潰すべき」という解説がされていたものの、そのボランチ2人が様々な所に顔を出す(中盤で持っている間に最前線に上がる事もしばしば)中では、それを果たすのは至難の業といえました。

前半、秋田がボールを奪って好機に繋げられたのは、13分と39分の2度ぐらい。(自分の推計です)
その間に、追加点を奪って優位に立つべく決定機を作る磐田。
22分には右サイドで受けた小川大が細かいタッチで切り込み、カットインを経てエリア手前右からシュートを放つもGK田中がセーブ、秋田DFのクリアボールをルキアンがシュートするも枠を捉えられず。
36分、ここも秋田のプレッシングをショートパスで剥がしたのちに右サイドでスルーパス攻勢、大森スルーパス→小川大スルーパスでエリア内右を突き。
走り込んだ大津がシュートを放つも、右サイドネット外側。

ここまでは磐田ペースといえましたが、その道中は決して楽では無く。
27分には空中戦で伊藤槙人と秋田・藤山が、頭部同士で激突してしまい倒れ込む事態が発生(藤山の反則・警告)し、伊藤槙は脳震盪の疑いと共に止血の措置も取られる事となり。
一度足を踏み外せば、前回対戦時同様に秋田のパワーサッカーに呑まれかねない状況ともいえました。

そして37分の秋田のゴールキックからの攻撃、ロングフィードから中村のフリックを経て武が落とし、拾った茂が左サイド奥へ切り込んでクロス。
このグラウンダーのボールを三上がポストプレイで後方へ送り、走り込んだ中村のシュートが左ゴールポスト内側を叩いてゴールへと突き刺さり。
少ないパス数で正確に繋ぎ、同点に追い付いた秋田。

その後は秋田の流れの中からの攻撃も増え、スコア通りに互角の様相へ。
AT(5分)も最終盤、再び山本康のロングパスがエリア内へと通り、収めたルキアンから右サイドへ展開。
小川大の低いクロスが鋭く中央を突き、逆サイドである松本が足で跳び込みましたが、僅かに合わず。
最後は大外から大外という好機のシーンとなり、前半を終えました。

負傷以降も気合(?)でプレーを続けた伊藤槙でしたが、ハーフタイムを経て交代の措置が取られ。
同時に大井も開始直後の負傷の影響か退き、森岡・今野を投入して後半に臨む磐田。(伊藤槙は脳震盪による交代)

どちらも攻撃機会を得られない流れが長く続いた入りを経て、後半4分に磐田が最終ラインでパスミスを犯し、エリア内で武が拾う絶好機を迎えた秋田。
しかしGK三浦のブロックに阻まれ、武が倒されるも反則は無し。
前節スタメンだったベテラン・今野はともかく、森岡は21試合ぶりの出場であったため、急造的になったのが拙かったでしょうか。
このシーンが幕開けとなり、後半は一転して秋田のプレッシングが冴え渡る展開となり。
磐田は機能不全とは言わないまでも、前半のようなパスワークは陰りを見せ、フリーでロングパスを供給するという余裕も無くなります。

11分には再び敵陣深め右サイドで武がカットした秋田、今度はカットインからミドルシュート(ゴール左へ外れる)とフィニッシュに繋げ。
12分は左からのスローイン、左ハーフレーンで受けた武がすかさずシュート(ブロック)と、少ない手数でゴールを狙うという意識も色濃くなります。

思うようにいかなくなってきた磐田サイドが先に動き、16分に大津・小川大→小川航基・金子へと2枚替え。
それを受けてか秋田もすかさず動き、18分に三上・中村・武→沖野・齋藤・吉田と3枚替え。

この日は前半から流れの中から繋いでの攻撃も目立っていた秋田ですが、主に左サイド重視での展開が目立ち。
右サイドハーフの三上までもが、中央~左でパスワークに絡むほどでありましたが、その三上が退き代わって右SHに入った沖野。
21分にはGK田中のロングフィードからの攻撃で、その沖野が右からクロスを入れるシーンが作られるなど、左重視の形が改められた風でした。
この場面は沖野の速いクロスがエリア内を突くも、GK三浦が判断良くパンチングで掻き出し撃てず。
しかし磐田はこのタイミングで大森が足を痛めて倒れ込んでしまい、続行不可能となり。
同時に飲水タイムが挟まれ、明ける際に大森→鹿沼へと交代する磐田でしたが、今度は秋田にアクシデントが発生。
試合再開というタイミングで稲葉が倒れ込んでしまい、担架で運ばれて交代となってしまいました。(江口と交代)

26分には秋田の中盤でのFKから、再度沖野が右サイド奥からクロスを入れるも、GK三浦にパンチングされ。
この日の勝負手ともいえた右からのクロス攻勢も、中々フィニッシュに繋がらず。
磐田も決定打を欠くといった流れの中、29分に再度空中戦で、磐田・森岡と秋田・吉田が頭部同士で激突。
これが原因で交代となった伊藤槙に続き、代わって入った森岡まで同じ目に……という危惧が生まれたシーンでしたが、ここは1分程で両者起き上がり軽微で済みました。

磐田は鹿沼投入により、3ボランチといった感じのポジションとなったでしょうか。
山本康がアンカー的に振る舞い、遠藤・鹿沼が3列目から前に出て攻撃を展開する役目で、前線はルキアン・小川航のハッキリとした2トップへと移り。
そしてその形から磐田に勝ち越し点が齎されます。

34分、森岡がドリブルで1枚剥がし、鹿沼を経由して受けたルキアンが左サイドから中央へ向かいドリブル。
エリア内を突いたのちバックパスを出すと、受けた鹿沼がエリア手前から果敢にシュート。
これが右サイドネットに鮮やかに突き刺さり、鹿沼にとっては嬉しい初ゴールともなりました。

再度ビハインドとなった秋田、直後の35分に敵陣深め左サイドでボール奪取し好機に繋げる(シュートまではいけず)など、決して諦めない姿勢を見せ。(36分に茂→井上に交代)
40分には中盤からのFK、キッカー江口のロビングがこぼれた所を、中央で沖野がシュートにいきましたがミート出来ず。
続く41分も、磐田のロングパスを跳ね返しての好機、中央から吉田がミドルシュートにいくもこれもジャストミート出来ず。(GK三浦キャッチ)
フィニッシュでのミスが目立ってしまったこの時間帯。

一方の磐田、40分にルキアン→ファビアン・ゴンザレスへと交代。
得点王がこの日もう一つの目標となっていたルキアンが退いた事で、来季のJ1での戦いに向けて彼に次ぐ得点源の発掘へと方針転換したでしょうか。
小川航・ゴンザレスの2トップとなった事で、当然期待が掛かるのはその2人。

ゴンザレスはパスワークを経てエリア内で受けるも、何故かパスを選択してシュートは撃たないなど、助っ人らしくないシーンが散見。
フィニッシュシーンはもう一方の小川航が務め、45分には金子の右からのクロスをニアサイドでヘディングシュート。(GK田中キャッチ)
ATには果敢にミドルシュートを放つも枠を捉えられずと、積極性は見られたものの得点は奪えずに終わりました。

そのATで、磐田が敵陣でパスワークを展開し続け時間を使うという流れも生まれた末に、2-1のままスコアは動かず試合終了の笛が鳴り響き。
この試合での磐田の勝利と同時に、2021年のシーズン終了が告げられ(J3はこの時点で続いていましたが)る事となりました。

その1時間後に試合終了となったJ3では、熊本・岩手の昇格が決定。
今季は宮崎の存在で最後まで危ぶまれたものの、2018年以降は昇格2枠でキッチリと2クラブが上がってくるシーズンが続いており。
2018・2020年は新規組が、2019年は復帰組が2クラブ揃っての昇格でしたが、今季は熊本が復帰・岩手が新規と半々に分かれたのが趣深くもあります。
「今から来季のスタート」という声もある程待ち遠しい来シーズン、どんな形で迎えられるでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 ヴァンフォーレ甲府vs水戸ホーリーホック

2021-12-16 16:07:21 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(41節・山口戦、1-0)
※前回の水戸の記事はこちら(39節・磐田戦、1-3)

3年に渡って昇格争いを繰り広げた甲府ですが、今季も後一歩の所で昇格は果たせず。
僅かな可能性を掴むべく連勝を続けていましたが、負けない京都の前に夢破れる事となってしまいました。

最終節を迎える前に、そんな戦いの指揮を執っていた伊藤彰監督の退任が決定。
昇格の夢は先輩的存在の渋谷洋樹氏に託す……と、これだけを見ればドラマティックな展開でありますが、来季J1に昇格する磐田の監督に就任という噂が流れている伊藤彰氏。
J1クラブを率いる魅力には勝てなかったという事でしょうが、社員選手からのスタートであった現役時代の伊藤彰氏、その成り上がり精神は指導者になっても健在だったようで。
過去(2017年)に斜陽の大宮を率いた事はありますが、残留争いに明け暮れた挙句に最後まで戦えなかったとあり、自身の色を出してJ1を彩る事は出来るでしょうか。

昇格はならなかったとはいえ目下4連勝中の甲府ですが、前節は明らかに相手(山口)に内容で上回られ、ウノゼロでの辛勝といった試合。
望まずながらも昇格争いのプレッシャーから解放された事で、ホーム最終戦のサポーターの前でどんな戦いを見せるのか。

前半2分、攻撃が途切れてのトランジションの末に野津田がボール奪取して再度攻撃、拾った長谷川が左サイドからカットインしてシュート。
GK牡川にセーブされ、尚も繋がったボールを中央遠目から新井がシュートしましたが、これもGK牡川がキャッチ。
ペース配分重視の立ち上がりが主体といった甲府のイメージでしたが、積極的な入りを見せたこの日。

しかし3分に右サイドバック・黒石が前に出てパスカットするなど、ハイプレスで甲府の流れを断ち切りにかかる水戸。
甲府サイドは攻撃同様に積極的な姿勢を見せようにも、1トップにウィリアン・リラを起用している以上ハイプレスは掛けられず。
そんな甲府の苦難が表れるように、8分の水戸は中里の裏へのロングパス一本で、一気に安藤がエリア内右からシュート(ブロック)という好機を作り。
その後同じく8分に中山仁斗がミドルシュート(GK河田キャッチ)、9分に中央から安藤がシュート(ブロック)と、短い周期でフィニッシュに繋げていきます。

水戸のプレッシングを受ける立場になり、いつものような新井が一列前に出るビルドアップの体勢は取らず、3枚の最終ラインから繋ぐ甲府。
15分、右サイドへの展開から中央へと渡ったのち、メンデスが左ハーフレーンを前進してスルーパス。
走り込んだ須貝がマイナスのクロスを入れると、長谷川のスルーを経て荒木が中央でシュート、しかし水戸・大崎がブロックで防ぎ。
16分には右サイドでのスローインを素早くスペースに送り、奥で受けたリラがカットインでエリア内へ。
クロスがブロックされ、こぼれ球を拾った長谷川がシュートを放ちましたがGK牡川のセーブに阻まれ。
水戸の圧力にも屈せず好機を作り続ける甲府。
逆にピンチが続いた水戸、甲府のコーナーキックの際の競り合いで中里が顔面を負傷する事態となり、そのまま交代を余儀なくされてしまいました。(木村と交代・21分)

アクシデントに見舞われた水戸ですが、22分に中盤でのパスカットから、木村のミドルシュートがブロックに当たってCKに。
ここから3本続くCK攻勢(キッカーは左右とも大崎)となり、1本目で二次攻撃からエリア内右を突いた鈴木からのクロスを、ファーサイドで黒石が合わせボレーシュート。(甲府・山田陸がブロック)
3本目ではクロスのこぼれ球を直接新里がシュート(枠外)と攻め立てるもモノに出来ず、直後に飲水タイムが挟まれます。

水戸がプレスを嵌める事で攻撃リズムを掴んでいる印象で、対する甲府がペースを得るにはどうするか。
30分にプレッシングを受けつつも右サイドでパスを繋ぎ、GK河田から逆の左へフィードして脱出。
収めた須貝から中央→右へと(長谷川のドリブルを挟み)サイドを変え、荒木からのクロスを中央でリラが合わせヘディングシュート。
ゴール右へ外れるも、プレスをいなして好機を作った事で好循環が生まれ、続く32分。
再び最終ラインからのパスワークで前進し、中村のパスを須貝が入れ替わってエリア内へ進入し、そのままシュートを放つもGK牡川がセーブ。
水戸サイドは33分に長谷川のドリブルを三國スティビアエブスが反則で止めて警告を貰うなど、一度守勢に回ると苦戦は否めず。

その後立ち上がりのようにロングパスでひっくり返さんとする水戸ですが、有効打とはならず。
主に甲府のペースで進むも、水戸を圧倒するような仕掛けは出来ず。
結局スコアレスのままと、この段階では点の取り合いになる事が想像も出来ないという展開で前半を終えました。

前年リーグ最多得点を記録した水戸ですが、今季は得点・失点ともにやや落ち着きを見せ、現在は得点56・失点47。
しかし最近4戦(2勝1敗1分)で得点8・失点7と乱戦気味で、リーグ閉幕を迎えるに辺り、再び戦闘集団の血が騒ぎ出したのでしょうか。

シーズン前にンドカ・ボニフェイスが、シーズン中に住吉ジェラニレショーンが移籍と、最終ラインを整えるのに四苦八苦する要因が絡み。
そして前回観た際には守備崩壊を受けて前半途中でタビナス・ジェファーソンが交代され、以降起用されずと、頭を悩ませてる風が見て取れます。
ハーフの選手が牛耳っていた最終ライン(+ブラウンノア賢信)も、三國が最後の砦といった感じでセンターバックを務めている現状。
そんなディフェンスラインの脆弱さを、プレッシングで隠しているようなこの日の内容であり、後半に破綻するのはある意味必然だったのかもしれません。

既に前半でアクシデントで交代枠を使用していた水戸、ハーフタイムにさらに動いて安藤→伊藤涼太郎へと交代。
伊藤涼をトップ下気味に配置し、4-4-1-1ないしは4-2-3-1へとマイナーチェンジして後半に臨みました。

前半同様、積極的にプレッシングを掛ける水戸。
その姿勢が早々に実る事となり、後半2分に一旦攻撃が途切れるも新里が敵陣でカットしてそのまま上がり、拾った松崎からのスルーパスに走り込んでエリア内右からマイナスのクロス。
ニアサイドで伊藤涼が合わせると、見事に左サイドネットに突き刺して先制点を挙げました。

水戸は貫いた姿勢が結果に結び付く快感を得たでしょうか。
甲府サイドは4分にリラがエリア内で受けて反転シュートを放つ(ゴール右へ外れる)も、それ以外では水戸のプレッシングに悪戦苦闘。
5分には須貝のパスミスが中央エリア手前へと転がってしまい、水戸・中山仁が拾わんとする所を、前に出たGK河田が辛うじてクリア。

前半のように、最終ラインからの攻撃でペースを握る事が不可能な状況に陥った甲府。
しかし9分、敵陣左サイドで野津田がカットして攻撃機会を得ると、山田陸が細かな前進を経てリラへとパス。
リラが溜めている間に走り込む山田陸、リターンをエリア内で受けてそのままシュートを放ち、同点のゴールを齎します。
水戸と同様、敵陣でのボールカットから得点に結び付けた甲府。

これで落ち着きを得たかに見えた甲府ですが、水戸・松崎の突破力が襲い掛かり、たまらずメンデスが引っ掛けてしまい反則。(10分)
その後のフリーキックはフィニッシュに繋がらずも、これで色を失った感があり、水戸が攻撃権を得る展開に。

甲府は14分に須貝→関口へと交代(荒木が右ウイングバック→左WBへシフト)し、流れを変えに掛かったものの、その直後の15分。
左サイドで水戸・大崎のスルーパスをメンデスがカットするも、GKへのバックパスがエリア内でカットされる事態を招いてしまい。
奪った松崎に対しGK河田が何とかこぼすも伊藤涼に拾われ、中央の中山仁へと横パスを出されて万事休す。
中山仁のシュートがゴール右へと突き刺さり、パスミスの流れを改善出来ぬまま失点してしまった甲府。

しかし守り切る能力に欠ける節がある現状の水戸だけに、まずは落ち着いて攻撃権を得たい甲府。
迎えた18分、左サイドでメンデスの縦パスを受けて溜めを作った長谷川、その後野津田の裏へのミドルパスに走り込んでチャンスメイク。
受けた長谷川からさらにエリア内へスルーパスが出され、走り込んだ荒木のマイナスのクロスにリラが合わせてシュート。
ゴールネットを揺らし、攻撃権を奪うまでも無くすかさず追い付く事に成功した甲府。

その後22分に水戸が伊藤涼のシュート(GK河田キャッチ)、24分に甲府が中村のヘディングシュート(GK牡川セーブ)と、お互いにゴールを脅かし。
26分に飲水タイムが挟まれ、明ける際に共に選手交代。
水戸は中山仁・奥田→藤尾・金久保へ、甲府は野津田・リラ→鳥海・三平へと交代し、今季最後の第4クォーターへと突入しました。

水戸のプレッシングが甘くなってきた影響か、サイドでスルーパスを多用して揺さぶる甲府。
31分のエリア内での長谷川のシュート(ブロック)に続き、32分も長いポゼッションで好機を作り、鳥海がエリア内右奥からクロス。
ここもフィニッシュにいった長谷川ですが、ボレーシュートは空振りに終わり、尚も繋ぐもボールはエリア内右へとこぼれ。
このボールが、拾いにいった山田陸に対し、シュートにいった鳥海の脚が入ってしまい倒れ込むという珍事を招いてしまいます。

幸い山田陸は無事で、以降もペースを継続する甲府。
次第に劣勢を強いられる水戸ですが、突破口となったのはやはりこの男のドリブルでした。
37分右サイドで黒石からパスを受けた松崎、そのまま中央方向へとドリブルで突き進み、エリア内へとスルーパス。
走り込んだ伊藤涼のシュートがゴールネットを揺らし、三度の勝ち越しとなった水戸。
立役者の松崎は直後に交代となり、タビナス・ジェファーソンが投入され、3-4-2-1のフォーメーションへと移行します。

5バックシステムと、物理的な守備固めの体制を作りに掛かった水戸・秋葉忠宏監督。
再度リードを奪われたのもあり、焦りが見える甲府。
41分にまたも自陣でミスを犯した所を突かれ、金久保のスルーパスに抜け出した藤尾が、エリア内でGKと一対一を迎えます。
追加点かと思われたシーンでしたが、藤尾のゴール右へのシュートはGK河田がファインセーブし、敗北確定は免れ。
反撃機運を高めるべく、大ベテラン・山本を投入して(山田陸と交代、同時に長谷川→宮崎へと交代・44分)最終局面を迎えます。
水戸が1トップ2シャドーへとシフトした以上、最終ラインは3枚も必要無くなり、新井・山本のドイスボランチへと変形しての攻撃を見せる甲府。

しかし勝負を分けたのは、そうした形とは無縁のセットプレー。
2度のCKが防がれ、アディショナルタイムに突入した所で今度は左から荒木がロングスロー、ニアサイドでメンデスが合わせにいくもこぼれ。
拾って左サイドで繋いでいる間にポジションを移すメンデス、荒木のクロスが上がると、ファーサイドで跳んで打点の高いヘディングシュートを放ち。
水戸サイドはポジションチェンジしていたメンデスに対し目を切っていたのか、どうしようも無くシュートがゴール左へと突き刺さり。
流石はセットプレーのメンデスの存在感、といった同点ゴールとなりました。

尚も攻勢が続く甲府に対し、水戸は完全な守勢で攻撃機会を得れず。
再びのCK攻勢を迎えてその2本目、右からキッカー荒木のクロスが入ると、三平がヘディングシュートを放ったもののGK牡川のセーブに阻まれ。
ホームの観衆の前で、惜しい所まで詰め寄ったものの勝ち越し点は生まれず。
試合終了の笛が鳴り響き、後半だけで3点ずつを取り合った死闘は引き分けで幕を閉じました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 アルビレックス新潟vsFC町田ゼルビア

2021-12-15 16:04:23 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(40節・群馬戦、0-0)
※前回の町田の記事はこちら(41節・大宮戦、0-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(14節、町田 2-1 新潟)

序盤は最も勢いが良かった新潟も、この試合に勝てば5位が確定、という立場で最終節を迎え。
攻撃サッカーを唱えた割には、31節以降複数得点試合は1度のみ(39節・愛媛戦、2-0)と、尻すぼみ感が否めない戦績を描いている近況です。

アルベルト・プッチ・オルトネダ監督はそんな衰退機運を振り払おうとしたのか、田中の今季限りでの引退を受け、ホーム最終戦という場で大体的な送り出しをする事に。(あるいはアルベルト氏自身が出ていく立場なので、選手にも最大限の敬意を払わんとしたのか)
田中をスタメン1トップで起用(本来1トップの鈴木は左サイドハーフ)、さらに試合前のインタビューで「前半途中での交代」を明言。
放送席曰く、海外サッカーで良く見られる儀式との事であり、Jリーグで通例の「後半も時間が押し迫っての途中出場」とは一線を成した敬意を払った振る舞いを見せました。

試合の方はというと、ファーストシュートは町田で前半4分。
ドゥドゥの右への展開を受けた吉尾がカットインを仕掛け、エリア内右へ進入してシュート。(ブロック)
先制攻撃を仕掛ける良い流れを得た町田、以降は新潟のビルドアップに対し、果敢かつ組織的なプレッシングで対抗姿勢を見せます。

GK阿部を前へ出し、数的有利の状況を作ってボールを運ばんとする新潟。
それでも、中盤(主にボランチ)へのパスコースを切りながらプレスを掛ける町田に対して難儀し、サイドに叩けばサイドバックまで果敢に前に出て進路を阻みに来る姿勢を見せられ。

そんな状況の中、田中は1トップらしく、ポストワークで縦パスを受ける姿勢で前進を助けに掛かります。
全盛期はスピードストライカーであった田中ですが、技巧を交えるなど変節を果たさなければ、この年齢まで戦うのは至難の業という思考が見て取れました。
10分には高木のドリブルからのパスを中央で受け、すかさず左へ叩いたものの、受けに入った田上があろう事か転倒してしまい繋がらず。
13分には再び高木のパスを受けた田中、エリア内へ切り込む姿勢を見せたもののシュートは撃てずと、トップ下の高木との関係性も目立ちました。

町田は次第にプレッシングがかわされる事が多くなってきましたが、それを踏まえつつビルドアップによる主体的な攻撃も混ぜ始め。
18分最終ラインから左へ展開ののち高江が逆の右へロングパス、サイドを振っての攻撃からクロス攻勢。
右から吉尾のクロス、左から三鬼のクロスが防がれたのち、左から平戸の3度目のクロスが入ると中央で吉尾がヘディングシュート。
GK阿部がセーブして右にこぼれたボールを尚も奥山が折り返し、ドゥドゥが合わせシュートしましたが、右ゴールポストを直撃して先制ならず。
24分には敵陣右サイドでボールカットした吉尾、そのままドゥドゥのスルーパスを受けた所を新潟・舞行龍ジェームズに倒されて反則。
この右サイドからのフリーキックで、キッカー吉尾はクロスをクリアされたのち自身で拾い、エリア内右へカットインを仕掛けてマイナスのクロス。
これをニアでドゥドゥが合わせるもふかしてしまい、同時に飲水タイムへ突入します。

ブレイクが終わり、目安と見られる30分が近付いてきた所で、新潟サイドは三戸を投入する準備に掛かり。
徐々にその瞬間が迫ってくる中、その30分に三度ドゥドゥが、奥山のカットインからのマイナスのクロスに合わせシュートするもまたもふかして枠外に。
そしてその直後に、田中の今シーズン並びに選手生活が終わりを告げる交代となり。
すると両チーム総出(ベンチメンバー・スタッフも含む)で花道を作り、ピッチを去る田中を送り出すという粋な計らいが行われ、スタンドからも大喝采(拍手のみですが)が送られました。

こうして無事に田中引退試合の演出をやりきった新潟(鈴木がFWへシフトし、三戸が左SH)でしたが、以降町田の攻勢が始まり。
新潟にとっては「田中の送り出しに力を使い尽くした」と揶揄されかねない展開を強いられます。

39分には一旦攻撃が途切れた後、敵陣深め右サイドで奥山がボール奪取、エリア内へこぼれたボールを拾った吉尾がそのままシュート。
GK阿部がセーブしてコーナーキックに逃れたものの、その右CK、キッカー吉尾は変化を付けグラウンダーでエリア手前へ。
これを高江がダイレクトで斜めの縦パスをエリア内へ入れると、佐野がコースを変えるように合わせ、ニアサイドを破ってゴールに突き刺さるボール。

綺麗な形で先制した後も、町田はペースを掴んだまま離さず。
再開直後の41分にも、右サイドで吉尾のスルーパスから、走り込んだドゥドゥの中央へのパスを受けた安井がエリア手前からシュート(右サイドネット外)とフィニッシュに繋げ。
以降も何度もドゥドゥが裏を突く攻撃を敢行するのに対し、新潟は好機を作る事すらままならず。
結局アディショナルタイムにCKを一本得たのみで推移し、町田1点リードのまま前半を終えます。

試合を締め直したい新潟、ハーフタイムに1枚交代。
田上→堀米へと代え、キャプテン・堀米の投入でそれを果たさんとしたでしょうか。

その効果の通り、後半開始から押し込む新潟。
前半のうちに投入された三戸とともに左サイドを打開のカギとし、後半3分には左サイドをドリブルで前進する三戸、切り返してのカットインから自らシュートにいったもののディフェンスに遭い撃てず。
5分には三戸の左への展開から堀米がダイレクトでクロス、ファーサイドに上がったボールをロメロ・フランクが折り返し。(GK福井キャッチ)
ゴールに近付くシーンが増えてきたものの、フィニッシュに辿り着くには後一歩といった所。

一方の町田は6分GK福井のフィードからの攻撃、佐野のフリックを受けた安井が裏へと浮き球を送り、走り込んで受けたドゥドゥがドリブル。
そしてエリア内を突いてシュートを放ちましたが、並走した新潟・舞行龍がブロックで防ぎ。
後半もファーストシュートを放ち、町田ペースになる予感をはらませたものの、以降も新潟が主導権を握ります。

序盤からハイペースなサッカーを見せていた町田でしたが、それによりプレッシングも弱まりが目立っており、労せずしてボールを支配する新潟。
新潟自身も、前半に比べて選手間の距離を広く取るビルドアップで、町田のプレッシングをかわす姿勢を取り始め。
9分には左サイドの堀米から、斜めの縦パス→ポストプレイの連続でサイドを変えると、右サイドで藤原がドリブルでエリア内右を突き。(奥に切り込んでクロスにいくもブロックされる)
この好機を活かしたい所でしたが、今度は町田のゴール前の守りを崩すのに難儀するシーンが目立つ事となり。
サイドから前進してクロスを上げにいってもブロックに阻まれる等、町田ディフェンスの粘りの前に決定機を作れず。
一難去ってまた一難とはこの事で、相変わらずフィニッシュに辿り着く事は出来ません。

町田は前線のパワーダウンが否めず、偶発的にしか好機を作れない時間が長く続きましたが、迎えた23分。
最終ラインからボランチ経由で左サイドへ展開、高江のエリア内への縦パスをドゥドゥがヒールでポストプレイ、そのまま安井との細かい繋ぎ(ディフェンスに遭うも繋がる)を経て抜け出すドゥドゥ。
前進するGK阿部をループシュートでかわしてゴールゲット、劣勢の最中に貴重な追加点を齎したドゥドゥ。
これでお役御免となり(鄭大世(チョンテセ)と交代・同時に吉尾→太田へと交代)、パワー補填のための交代を図った町田。

一方新潟も同等のタイミングで、ロメロ・高→谷口・島田へと2枚替え。
ペースは掴むもののどうシュートまで繋げるか、という状態で、谷口のチャンスエリアでのプレーに期待が掛かります。(三戸が右SHへシフトし、谷口が左SHに入る)
それでも流れは変わらぬまま、27分に町田・安井が新潟・高木との交錯で痛んだタイミングで飲水タイムに。(安井は無事に復帰)

谷口が入った事で、鈴木は右サイド寄りの意識でチャンスメイクに徹するのかな……と考えていましたが、以降は鈴木の方がフィニッシュに辿り着き。
31分、右サイドからのFKで、島田の低いクロスをニアサイドで合わせた鈴木。(枠外)
久々のシュートとなった新潟、その後も最終ラインからドリブルでの前進も交えて押し込み。
37分には千葉の縦パスから、三戸・福田・島田が中央で細かく繋いだのち、受けた鈴木が右へと流れシュート。
しかしGK福井のセーブに遭いゴールならず。

微かに良い流れを得た新潟、38分に高木→高澤へと交代し、4-4-2へと移行。(鈴木・高澤の2トップ)
更なる攻勢を掛けようとしたものの、高木が退いた影響かペースを失ってしまい。
町田の前線の守備に嵌ってしまうシーンが再度膨れ上がる事となります。
41分に平戸・安井→平河・長谷川アーリアジャスールへと2枚替え、さらに前線の運動量を補填しに掛かった町田。
43分には佐野のボールカットから高江がスルーパスを通して好機、クロスがクリアされた所を拾った高江がエリア内に進入してシュート。(ブロック)
44分にも太田のボール奪取から、長谷川アーリアがすかさずロングシュートを放つ(GK阿部セーブ)など、細かく繋ぐ新潟とは対照的な攻撃でシュートを重ねていき。

そしてATへと突入し、新潟の反撃の機運は一向に高まらぬまま終了間際を迎え。
最後に藤原のボールカットから好機を迎えた新潟、左ハーフレーンで三戸が前進し、カットインの姿勢からシュート体勢を作り。
しかし描かれたシーンは、プレスバックに入った太田のために、三戸・太田両者が交錯して倒れ込むなか試合終了の笛が鳴り響くという惨劇となってしまい。
0-2で試合終了となり、町田のダブル達成となった今季のこのカード。

かくしてシーズン終了となった新潟、新たな舵を切るに辺り、新監督にはコーチだった松橋力蔵氏に内定
アルベルト体制のサッカーの継続と、その課題の改善という観点からしては妥当な内部昇格でしょうが、初の監督業故その実力は未知数であり。
来季も昇格争いに絡むチーム力を維持する事は出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 ファジアーノ岡山vsジェフユナイテッド千葉

2021-12-14 13:46:33 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(40節・京都戦、0-0)
※前回の千葉の記事はこちら(31節・群馬戦、1-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(13節、千葉 4-2 岡山)

ともに無敗を12戦続けているチーム同士の対戦と、昇格も降格も無関係なカードながら、最後を締めるに相応しいマッチングとなりました。
J.League Data Siteの出場記録で並べられた結果でも、黒い丸が全く見られないのは壮観であり。岡山 千葉 

そんな好成績を齎した、岡山・有馬賢二監督は既に今季限りでの退任が発表されている状態です。
2017~2018年オフの大幅な選手入れ替えから1年経った所での就任、チームに安定感を齎した末に1年目にいきなり昇格争いに絡むも、それで期待値が高まってしまった感もあり。
故障者続出に悩まされる中、辛抱を重ねて今季後半で強豪に引けを取らないチームへと持ち上げてきました。
しかしここで監督交代となる事で、再度やり直しになってしまう懸念が拭えずのオフを迎える事となり。
既に上門の個人昇格の噂で持ち切りとなるなど再編成は避けられず、果たして来季は現在の上昇機運を持ち越せるかどうか。

開始直後の前半1分、スローインからの流れでボールを収めたミッチェル・デュークが右からカットイン、中央まで流れた所で千葉・田口に倒され反則、早々に直接フリーキックを得ます。
中央右寄り・エリアからやや手前という好位置で、これをキッカー石毛が直接シュートを放つと、壁を掠めてゴール右へ外れるボールとなり。
好試合の予感をはらむゲームが、直接FKでの幕開けとなった事が全ての元凶だったでしょうか。
尚、続く右CKでもキッカー宮崎智クロス→ニアで河野フリック→中央で安部ボレーシュート(枠外)とフィニッシュに繋げた岡山。

上々の入りを見せた岡山がそのままペースを掴む試合展開となりますが、目立ったのが、千葉ディフェンスの削りを受けて岡山選手が倒れ込むシーン。
7分に上門がチャンミンギュに、9分に石毛が高橋に倒されるなど、目下反則ポイントで断トツトップをひた走る千葉らしい振る舞いに苦笑せざるを得ないという絵図になります。

一方の千葉も、12分に櫻川ソロモンのドリブルが岡山・パウリーニョにスライディングで倒されて反則、直接FKの好機を得ます。
ほぼ中央からですがエリアからかなり遠目という位置ながら、キッカー田口は直接シュートを放ち、ワンバウンドしてゴール左を襲うもGK梅田がセーブ。
ともに直接FKで見せ場を作った立ち上がり。

攻撃機会を多く作り流れを手繰り寄せていた岡山ですが、25分の攻撃。
右サイドで河野のスルーパスにデュークが走り込んで受け、カットインでエリア内を突くもチャンミンギュの伸ばした足に止められてこぼれ。(反則無し・これは妥当)
石毛がそれを拾おうとし、千葉・高橋のクリアをブロックする形になるも勢い余って高橋に削られてしまい。
さらにこぼれ球を拾いにいったパウリーニョが千葉・サウダーニャに倒されてしまうという、3連続で相手のチャージで倒れる流れが描かれる事となりました。
激しく削られた石毛が立ち上がれないまま、前半の飲水タイムに入る措置が取られ。
不安視されたものの、無事に以降もプレーを続けた石毛。

ピッチサイドから有馬監督が主審にクレームを付けるシーンも見られるなど、不穏な空気が流れ始める岡山。
第2クォーターは流れが見事に変わり千葉ペースとなり、千葉の姿勢に対抗せんとしたのも拙かったのか、岡山サイドの反則も顕著になり始めます。
そしてそのFKから好機を作る千葉、39分には左サイドからのFK、田口のクロスからのこぼれ球をチャンミンギュがボレーシュート。(ブロック)

そして前半終了間際に先制点に繋げた千葉ですがここもFKからで、44分に右サイドでのパスワークを経て、ボールキープするサウダーニャが岡山・安部に倒されて反則。
そして右サイド・エリアからやや手前でのFKとなり、キッカー田口の中央へのクロスをチャンミンギュが合わせにいき、左へこぼれた所に末吉が走り込んでシュート。
岡山・徳元のブロックでコースが変わったのもありゴールに突き刺さり、FKだらけの試合展開をモノにした千葉。

アディショナルタイムを迎え、スローインから好機を作り同点を狙う岡山。
左からのスローインを石毛が直接ヘッドでエリア内へ送り、その跳ね返りを自らシュートにいった石毛。(千葉・小林がブロック)
度重なる相手のチャージにも屈しない姿勢を見せましたが、ゴールは奪えないまま前半終了を迎えます。

共に交代無く後半開始を迎え、千葉が今季から取り組んでいる、最終ラインからの繋ぎによる攻撃で岡山ディフェンスを翻弄しに掛かり。
後半2分右サイド奥でスルーパスを受けたサウダーニャから、細かく繋いで中央で受けた田口が前進する所を岡山・白井に倒され反則。(白井に警告)
中央右寄り・エリアからやや手前という、前半早々の岡山と似た位置からのFKで、キッカー田口は当然の如く直接狙い。
ゴール左を襲ったボールをGK梅田がセーブしますが、こぼれ球をさらに(高橋が?)シュートと蜂の巣状態に持ち込む千葉。
これをゴール寸前で岡山・徳元がブロック、跳ね返りが櫻川に当たってゴールに向かうも、またも徳元がかき出し。
しかし櫻川が今度はキッチリ反応したヘディングで押し込み、ゴールネットを揺らして2点目に辿り着き。
またもFKからと、この日を象徴するゴールとなりました。

すっかり良い流れを失ってしまった岡山。
相手の反則まがいのプレーに冷静さを失ったという展開で、このまま終わるのは余りにも格好が悪く。
8分に早くも動き、徳元→イヨンジェへと交代します。(上門がFW→左サイドハーフに回る)
千葉の、田口を中心としたクオリティ高いパスワークでの攻撃を掻い潜り、何とか反撃体制を作りにいきます。
17分には宮崎智彦をスライディングで倒してしまった福満が反則・警告を受け、再び千葉の反則が膨らみ岡山ペースとなる、という予感をはらませ。

しかしその矢先の18分、千葉のカウンターが炸裂します。
右サイドで福満の縦パスを収めた櫻川がボールキープ、彼から受けたサウダーニャがドリブルで前進し、そのまま中央方面へと流れてミドルシュートが放たれ。
GK梅田がセーブするも、エリア内左へこぼれたボールに末吉が走り込み中央へ横パスを出し、見木が合わせてネットに突き刺し。
ポストワークの櫻川・推進力のサウダーニャという、ストロングポイントがしっかり噛み合った末の追加点となりました。

ホームでの最終戦であり、何とか反撃したい岡山。
直後に宮崎智・パウリーニョ→木村・濱田へと交代、今季の定番である、濱田を中央センターバックとする3-4-2-1へとシフト。
イヨンジェとデュークが共存する中で、1トップにはイヨンジェの方が入り、流れを変えようとします。
しかし22分には再び千葉・サウダーニャが、3点目の場面と似た位置からダイレクトでシュートを放つ(枠外)など、変わらぬまま飲水タイムが挟まれます。

第4クォーターで3点差と、既に大勢が付いたともいえる状況。
千葉サイドも交代カードを切っていき、27分に末吉・サウダーニャ→安田・船山へと交代。
岡山の反撃に対し、フィニッシュシーンを作らせずいなしていき、36分には福満→米倉へと交代。
契約満了での退団が決まっている安田、サブからも外れる事が多くなってきた米倉を投入と、最終戦らしい雰囲気を醸し出し。

そんな千葉の隙を突かんと、39分に放たれた上門のミドルシュート(GK新井章)を切欠に、最後の反撃を試みる岡山。
41分にはGK梅田のフィードを左サイドでデュークが収めて前進、エリア内左へのスルーパスに走り込んだ木村から低いクロスが入ると、ファーサイドで走り込んだ河野が合わせますが枠を捉えられず。

0-3から動かないまま43分には双方選手交代、千葉が小林・見木→檀崎・矢田へと交代。
一方の岡山はGK梅田・河野→GK椎名・廣木へ交代と、GK交代も絡めての2枚替え。
椎名は13年間在籍した末の契約満了での退団、リーグ戦では7年ぶりの出場と、花道のような流れでピッチに立ちました。

千葉は小林が退いた事で、3-3-2-2(3-1-4-2)のような形へ移行。
この守備緩めのようなシフトが拙かったのか、岡山の攻勢が激しくなりATを迎える事となります。
そして左サイドのスローインから、クリアボールをヘッドで前へと運び、拾った石毛からのパスを受けたイヨンジェが中央へと流れシュート。
豪快にゴールネットを揺らし、1点を返した岡山。

その後も千葉を押し込み、最後のCKではGK椎名も前線に上がっての攻撃、キッカー石毛は中央にクロス。
椎名も跳ぶ中、その後ろで合わせた安部の叩きつけたヘディングシュートがボールを襲うも、バウンドしてゴールバーに当たってしまい。
その跳ね返りが椎名の方へ向かうも、倒れていたため収められず、GK新井章が抑えた所で試合終了の笛が鳴り。
無敗の流れのままシーズンを終えたのは千葉となりました。

勝利で締めくくった千葉ですが、本当の大団円はJリーグアウォーズ。
ぶっちぎりの反則ポイント(69でワースト、次点の京都は37)で終えた報いは、千葉以外の21チーム全てにフェアプレー賞が与えられるという結末となりました。
激しいデュエル・フィジカルコンタクトというのは、ストーミングスタイルの栃木や秋田の十八番ですが、それとは別な「足を刈る」というような反則が顕著だった千葉。
この日もそんな印象は拭えずの試合で、相手のペースを乱すという副産物は付いたものの、それがチーム成績好調の要因であるならばどう褒めて良いのか解らず。
尹晶煥(ユンジョンファン)監督の続投が決まっている来季、果たしてその針は何処へ振れていくでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第42節 栃木SCvsFC琉球

2021-12-13 18:16:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(39節・長崎戦、0-3)
※前回の琉球の記事はこちら(38節・金沢戦、2-1)

今季途中で監督交代となった琉球、以降成績的には7戦で1敗のみ(2勝4分)と持ち直し。
一方志半ばでクラブを去る事となった樋口靖洋前監督は、去り際に「監督業は3年が賞味期限」という旨のコメントをしたとの事。
それが波紋を呼んだかどうかは定かで無いですが、リーグも終焉を迎えるに辺り、今季限りで退任となる3年目の監督が各クラブ目立つようになりました。
岡山・有馬賢二監督や甲府・伊藤彰監督に続き、栃木も田坂和昭監督の退任が発表される運びに。

田坂氏最後の試合となったこの日の試合、放送席でも「栃木のスタイルを定着させた田坂監督」と盛んに語られる事となりましたが、今の「ストーミング」スタイルに行き着いたのは偶然の産物かもしれないという見方もあり。(というか自分がそうです)
2019年の厳しい残留争いの果てに、FWにヘニキ(現山口)を置くという常人離れの発想を生み出し、それにより徹底した肉弾戦・ロングボールへの傾倒という現在のサッカーの礎が築かれた末のJ2残留。
これが「田坂氏のサッカー=ストーミング」という概念を定着させ、現在に至っている訳であり。そもそも解説・播戸竜二氏は栃木のJ2復帰年を1年間違えている風でしたが

過去に一度経営難に陥り、それまで優良な助っ人選手を集めてJ2中位をキープしていたのが、緊縮財政を余儀なくされたのが栃木というクラブ。
この日の試合中にも何度も「もっと攻撃的に」という声が放送席では上がっていましたが、それが出来るクオリティのある選手を集められれば苦労はしない、という側面抜きには語れず。
理想と現実の挟間に難儀する中で、何とかJ2に生き残り続けている栃木の存在は立派なサッカークラブの姿でもあります。
もちろん「ストーミング」スタイルを貫くに辺っての犠牲も決して少なくなく、この日のベンチに上田・面矢・菊池といった、ベンチ外が続いていた選手が揃って入った辺りがその贖罪にも感じられ。(菊池は前節から復帰・出場)
既に前節で残留を決めた栃木、様々な感情が渦巻く最終戦をホームで迎える事となりました。

立ち上がりは琉球がボールを支配して押し込むという、「琉球がボールを持つ」「栃木がボールを持たせる」のどちらともいえるような流れが描かれます。
GK田口がエリア外へと位置取る最終ラインの形からのビルドアップから、ミドルパスを前線へ繋いで好機を作らんとしますが、シュートまでは辿り着けず。

すると前半9分にGKオビ・パウエル・オビンナのロングフィードから好機を掴む栃木、矢野→山本とヘディングで前へと繋ぎ、エリア内右から有馬がクロス。
ニアサイドで植田が合わせにいき、こぼれた所を矢野がシュート。(枠外)
13分にもクリアボールを拾ったのち右サイドで繋ぎ、黒﨑の低いクロスをニアサイドで植田が合わせる(ブロック)など、栃木らしい攻撃でフィニッシュを重ね。

平常運転を見せる栃木ですが、如何せんボール運びはアバウトなためペースを握れるかどうかは運に左右されやすく。
一方しっかりと繋ぐスタイルの琉球も、最終ラインを2枚にしたり3枚にしたりと変化を加えますが、栃木の前線のプレスを中々かわせず。
共に攻撃機会を作れずに時間が進む事も多く、その後は20分の琉球のコーナーキック攻勢ぐらいが見せ場(2本目で跳ね返りを茂木がボレーシュートにいくもミート出来ず)となり、24分に飲水タイムが挟まれます。

明けた後も概ね同様の流れで、30分に琉球は右サイドで縦パス攻勢で前進、清武のクロスが流れるも逆サイドで沼田がダイレクトで折り返し。
これを清武が合わせにいくも撃てずと、中々フィニッシュに辿り着けない琉球。
一方の栃木もアバウトな攻撃は相変わらずで、フリーキックは自陣からでもGKオビンナを活かしての放り込みを選択と、その姿勢にブレは無く。
37分にはこぼれ球を乾がラフに前方に送り、矢野が合わせにいったこぼれ球を植田が拾い、エリア手前からシュートするもゴール右へと外れ。

琉球は栃木の球際の激しさにも苦労し、目立つのはチャージを受けた選手が倒れ込むシーン、といった状況。
しかし43分にGK田口のロングフィードから、池田を越えたボールを拾った清武がミドルシュート(枠外)と初シュートに辿り着き。
すると44分、縦パスを受けにいった清武が栃木・小野寺にスライディングで倒される(小野寺に警告)、栃木にとっては球際の強さが仇となったFKの好機。
かなり手前からという位置でキッカー清武の放り込みから、2度の跳ね返しを経て福井がボレーシュートにいくも、これがエリア内の金井に収まってしまい金井がキープするも撃てず。
終盤は栃木をインスパイヤしたかのような琉球の攻撃シーンが見られましたが、結局0-0のまま前半を終えます。

共にハーフタイムで交代は無く、始まった後半は栃木が左サイドでロングスローを入れる体勢に。
しかし溝渕がフェイントで近いスローに変え、受けた佐藤がクロスを入れる(GK田口が直接キャッチ)など、あの手この手を見せ始めます。

後半も栃木のプレッシングに苦しむ琉球、6分には自陣からのスローインをダイレクトパスの連続で前へと運び。(清武の右からのクロスがブロックされCKに)
しかしその最中に富所が栃木・佐藤のアフターチャージを受けて倒れ込むという具合に、多少の痛みを堪えながらの攻撃を余儀なくされる展開となります。

その主たる要因である栃木のサッカーですが、時には自身にも牙を向く諸刃の剣となり。
12分に右サイド奥からのスローインを繋ぎ、矢野のクロスを頭で合わせにいった植田。
しかし琉球・福井との競り合いで頭部同士接触してしまい、両者倒れ込む事態が発生。
福井は無事に起き上がるも、植田はここで交代の運びとなりピッチを退く事となりました。(大島と交代・同時に山本→畑へと交代)

このシーンで大分時間が進み迎えた19分、栃木がロングスローから好機。
左から溝渕が投げ入れ、跳ね返されるもここからクロス攻勢を掛ける栃木、畑が左サイドから2本目のクロス。
中央で柳が胸トラップすると、佐藤が落とした所を受けて左足を振り抜き。
ゴールネットに突き刺さる、セットプレーの柳の面目躍如というようなゴールを決めました。
トラップしたボールを自ら収めたくなるであろう場面でしたが、あえて佐藤に任せたのが大きかったでしょうか。

その後も守備での出足の良さから好機を作る栃木、22分にこぼれ球に反応した黒﨑がすかさず縦パス。
受けた矢野からの戻しを畑がロングパスで裏を突き、走り込んだ黒﨑が前へ出たGK田口をかわすも、トラップが大きくゴールラインを割りモノに出来ず。

このままペースを掴み続けるかに見えましたが、ブレイク寸前で落とし穴に嵌ってしまいます。
24分の琉球の攻撃、最終ラインでの繋ぎから右に開いた風間宏希がロングパス、栃木がクリアしきれなかったボールを池田が拾って継続。
風間兄弟を加えてのパスワークから、茂木とのパス交換で中央へと流れる姿勢からヒールパスする池田、それを受けた風間宏矢がエリア内右を突いてクロス。
そしてファーサイドで清武が頭で合わせて仕上げ、細かいパスワークを綺麗に同点弾に結び付けました。
同時に飲水タイムが採られ、1-1の同点で第4クォーターを迎える事に。

文字通りに息を吹き返した琉球、28分には岡﨑のロングパスを沼田が落とし、エリア内左で受けた茂木が前進して奥からシュート。
GKオビンナにセーブされるも左CKとなり、キッカー清武のクロスの跳ね返りをサイド茂木がシュート(ゴール上へ外れる)と、前半あれだけフィニッシュに辿り着けなかったのが嘘のようにシュートを放ち続けます。
その流れに乗るかのように、29分に1トップとして赤嶺が投入されます。(茂木と交代、清武がFW→トップ下へシフト、池田がトップ下→左サイドハーフへシフト)

そして30分、ここも右サイドでパスを繋ぐ琉球、金井が風間宏矢とのワンツーからエリア内右でクロス。
クリアされて右CKとなり、キッカー清武の中央へのクロスを沼田が合わせにいくもエリア内右へとこぼれ、すかさず反応した福井から折り返し。
これが選手に当たるも中央へと流れ、赤嶺が放ったシュートがネットに突き刺さり。
投入されて僅か2分で勝ち越しゴールを齎した赤嶺を中心に、逆転を果たした琉球の歓喜の輪が生まれました。

一転して追う立場となってしまった栃木。
33分に菊池と上田を(有馬・小野寺と交代)、41分に面矢を投入(溝渕と交代)、久々に(菊池は除く)ピッチで観る事となります。
そして41分に流れの中で柳が前線に上がり、左サイドからの佐藤のクロスが流れた所を拾った柳、そのままカットインしてエリア内右からシュート。(枠外)
以降パワープレイの様相で前線へと残り、面矢がセンターバック・大島が左サイドバックに回る体制へシフト。
一方の琉球も43分に風間宏矢→鳥養(既に引退発表済)、45分に清武→上原慎也と残っていた交代枠を使い、アディショナルタイムへ。

琉球を押し込んだのちのロングスローと、栃木らしさ全開といった攻勢を掛ける栃木、面矢が投げ入れたロングスローは実に4度に昇り。
しかしシュートを放てないまま最後のスローインとなり、ここは短いスローを面矢が受けて左からクロスと変化を付け。
これが実ったか、右から黒﨑の2度目のクロスの跳ね返りを佐藤がダイレクトでシュートと繋がるも、枠を捉えられず。
そして同時に試合終了の笛が鳴り、1-2で勝利に辿り着いた琉球。
殊勲の赤嶺はシーズン終了後に引退が発表されたとあり、最後にゴールという結果を残してピッチを去る事となりました。

一方、田坂氏のラストゲームは残念ながら敗戦という結果に終わった栃木。
この特異ともいえたサッカーを引き継ぐのは並大抵の事では無く、誰が監督の座に就き、どんなサッカーをする腹積もりなのか。
そしてそれがクラブに生き残りを齎す選択となるのか、興味津々なオフとなる事でしょう。

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