ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2024年J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ

2024-04-30 16:01:20 | サッカー視聴記(J1)

<両軍スタメン>

  • 湘南は、田中聡がU-23代表に参加のため離脱中。
  • 札幌は言わずと知れた「オールコートマンツーマン」なため、守備時は荒野・スパチョークがそれぞれ一列下がっての4-4-2となり相手へのマークを合わせる。

最近の中継では、「6ポイントマッチ」というワードが安売りされているかのように良く使われるのが印象的であり。
しかし共に降格圏のクラブがぶつかり合うこの試合のような、生き残りを賭けた戦いでは最も相応しい表現になるでしょう。

目下4戦無敗の札幌ですが、僅か1勝(3分)なため最下位の状態を打破するには至っておらず。
自分は「ダイナミックプライシング」に批判的な立場ですが、その成績の伸び悩み故か、ゴールデンウィーク中にも拘らず12節(FC東京戦、5/6)のチケット料金も抑えられ。(自分が良く利用するバックスタンド(カテゴリー3)では4/29の時点で2,980円、前年観に行った時よりかなり安い)
まあGW最終日という事情もあるでしょうが、一抹の寂しさを感じる数字ですが、現場レベルで利益を呼び込むためには勝ち点を伸ばす事がまず第一であり。
この日の相手は湘南で、同一の勝ち点なうえに相手は水曜(4/24)にルヴァン杯2回戦・かつ延長戦を(アウェイで)戦っているという、状況的に有利なだけに勝ちたい試合となりました。

勝ち点が欲しいのはお互い様な状況を象徴するように、ロングボールを蹴り合いまずはセーフティに、という定番の入りに。
その中で前半2分、札幌はGK菅野のロングフィードが左奥に入ると、鈴木武がそれを入れ替わりで受け。
これに対する湘南の対応は(その後のパスワークにも)いかにも重そうで、コンディション面での不安が伺えるものでした。
ここは不発に終わるも、次の3分の攻撃で右CKを得た札幌、キッカー浅野のファーサイドへのクロスから鈴木武が叩き付けるヘディングシュートを放ち。(バウンドして枠外)
セットプレーの対応も今一つな雰囲気を醸し出します。(湘南はゾーン守備)

一方湘南の攻撃は、6分に鈴木雄の蹴り出しがブロックされるもこぼれ球を何とか繋ぎ、高橋が再びエリア内へ放り込み。
これがミスなのか、ゴールへ向かう予想外のボールとなり、GK菅野が弾いてCKと好機を生み出しましたが結局モノに出来ず。

10分を過ぎると、札幌が例によって、(前年の金子が居た時期のように)サイド奥へのロングパスを段々と通せるようになりペースを確保。
それでも12分、浮き球を収めにいった馬場の軽いトラップで平岡に奪われたりと、所々で現在のチーム状態を醸し出すような危ないシーンが生み出されますが。
しかしそれは湘南も同じで、パスミスを頻発させては札幌の攻撃を招くの繰り返しで流れを作れず。
生き残りを賭けた激しい戦いというよりは、共に瀬戸際に居る事を再確認させるような絵図を描きながら時間が進んでいきます。

それでも、展開的にはいち早く形を作り上げた札幌が優勢に立ち、スコアにも反映され。
21分、右サイドでの繋ぎの中、ポストプレイの体勢で受けた近藤が後ろから杉岡に倒されて反則。
右ワイドからのフリーキックですが、キッカーは馬場でクロスでは無く右ポケットへのミドルパスを選択すると、収めた浅野が奥を突いてマイナスのクロスと通常の流れのように攻め。
クリアされるも拾って二次攻撃、左サイドからドリブルを仕掛けるスパチョーク、青木のポストプレイを交える事で奥へ進入成功して低いクロス。
クリアされるも、スパチョークとのパス交換ののち中央へと走っていた青木が拾い、その流れのまま放たれたシュートがゴールに突き刺さります。

追う立場となった湘南ですが、一向にペースを上げられず。
25分に浮き球を収めたルキアンが入れ替わって前進する所を荒野に腕で倒されて反則、荒野に警告が出たのがまだしも優勢さを感じるものであり。
札幌のロングボールと比べ、アバウトな裏抜けorルキアンがDFを背負った状態で収めなければならないものばかりなため、サポートも遅くセカンドボールを繋げられないのも差を感じる要素となりました。

それでも31分、攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスを成功させ、平岡の奪取から拾ったルキアンスルーパス→池田左奥からクロスという攻めで左CKに。
クロスのクリアが小さくなった所を、拾ったキムミンテがシュート(ブロック)と、セットプレーから矢を放ち。

しかし札幌も33分、ゴールキックから短く繋ぐ組み立てで、距離感の長いパスでプレスをいなした末に右から前進とビルドアップに成功してCKに持ち込み。
湘南はビハインドな状況もあり、ボールポゼッションによる攻めも試みられていたものの何も起こせずにいたため、どの局面でも札幌に上回られたかのように陥っていたでしょうか。

そしてセットプレーでもそれを見せ付けます。
40分、敵陣でボール奪取した駒井が、前進する所を平岡に倒されて反則・警告。
これで得た右サイドからのFK、キッカー浅野の上げたクロスをファーサイドで鈴木武が合わせヘディングシュート、GK馬渡がセーブするもさらに右CKに。
またも上がった浅野のクロス、今度は中央で近藤が合わせてのヘディングシュート。
例によって湘南は彼への対応が甘く、GK馬渡の飛び出しも遅れた結果ゴールに突き刺さります。
ロングボール・地上での組み立て・セットプレーとそれぞれ相手を上回った札幌、貴重な追加点を挙げました。

順調な札幌でしたが、好事魔多しで45分、宮澤が腰を痛めた事で続行不可能となってしまいます。
これは37分の時点でルキアンとの接触で痛めたもので、プレーを続けていたものの再度の接触で限界が訪れた格好に。
しかし倒れ込んだと当時にアディショナルタイムに突入していたため、交代は見送りそのままピッチに復帰した宮澤。
そのため目安の+4分からさらに長引いたAT、湘南も何度か攻め上がったものの、フィニッシュは放てず。
札幌は無事にやり過ごし、前半終了となりました。

当然の如く札幌はハーフタイムで動き宮澤→家泉へと交代し、家泉はこれがJ1初出場。
一方巻き返さなければならない湘南も必然的に動き、奥野・池田→山田・福田へと2枚替えを敢行します。

湘南ボールのキックオフでスタートした後半。
その攻撃で湘南は約40秒間もボール保持に勤しみ、キムミンテが裏へのロングパスを織り交ぜたりもしましたが結局実らず。

そして前半同様に繰り広げられる札幌の攻撃。
後半4分には対角線のロングボールをエリア内右角で近藤が受け、スルーパスに追い越した浅野がシュートするもオフサイドで無効に。
続く5分今度は右サイドで同一レーンでのパスワーク、細かく繋いで翻弄した末に、馬場エリア内へ縦パス→近藤ポストプレイ→浅野ダイレクトシュートという流れるフィニッシュ。(枠外)

追われる身でも攻勢を続け、傍らから見れば盤石といった札幌。
しかし8分、右CKを得たもののキッカー浅野のクロスが跳ね返されると湘南のカウンターに。
ルキアンの収めを経て平岡がドリブルで敵陣に切り込むという、伝説の撃ち合いとなった前年の柏戦(5-4)を思い起こすような被カウンター(小屋松が完全に裏を取ってドリブルシュートでゴール)になりかけましたが、何とか戻って平岡の可能性の薄いミドルシュートに留めます。(GK菅野キャッチ)

危険な兆候が見られたものの、直後の9分でした。
GK菅野から地上で繋ぎ、湘南のハイプレスをいなしきって前進に成功するというポゼッションスタイルの神髄。
右から前進ののち中央へ持っていき、馬場→スパチョーク→青木と繋いでアタッキングサードへ進入すると、左ハーフレーンからカットインの末にミドルシュートを放った青木。
頭でブロックにいったキムミンテの跳躍も空しく、ゴール右へと豪快に突き刺さるゴラッソで3点目を叩き出します。
青木のマルチゴールの活躍ぶりで、ここまではまさに勝利の絵図しか浮かばない……という札幌の状況でした。

これで窮地となった湘南。
最終ラインに降りてビルドアップの基点となる山田を軸に、反撃体制を作らんとしますがそれも些細な抵抗に終わり。
逆に地上からの繋ぎでも、12分に札幌はゴールキックを短く繋ぐ姿勢から、家泉が持ち運びののちミドルパス→中央でスパチョークフリックで前進。
そしてまたも青木がチャンスエリアに切り込み、左ポケットから中央へパスを出した末に鈴木武がシュート(枠外)と優勢を保ちます。

依然として攻撃権を支配したままの札幌、今度は前半とは逆に右→左への対角線へのロングパスを中心とし、それを受けるスパチョークの切り込みを目立たせるなど横軸を幅広く使う攻め。
それを凌ぎながらの体制作りを余儀なくされた湘南、ベンチワークで打開を図り。
16分に平岡→石井へ交代すると、22分には阿部→畑へと交代。
これにより湘南は3バック(右から大岩・キムミンテ・杉岡)へシフトする事に。

しかし変化した事で、「オールコートマンツーマン」の札幌も、合わせるように(守備時に)3-4-2-1としてマークを合わせる作業を余儀なくされ。
そしてその間も無い22分、右に開いた大岩へのケアが間に合わず、パスワークを経ての鈴木雄のロングパスが前線のルキアンに収まり。
防ぎにいった馬場がルキアンの入れ替わりでかわされると、右ポケット奥を取ってのグラウンダーのクロスに、大外から中央へ入り込んでいた畑が脚で合わせシュート。
ゴール左隅に突き刺さり、この1点が文字通り反撃の狼煙となります。
なおこの際に、ルキアンに対しデュエルにいった馬場が肘打ちを頭部に喰らう格好となり負傷、そのためVARチェックが挟まれるも反則無しとなり。(馬場は止血ののち、キックオフ後に復帰)

まだ2点差で焦る必要の無い札幌ですが、26分に2枚替えを敢行しスパチョーク・鈴木武→高尾・小林へと交代。
これにより高尾が最終ラインに入る事で馬場がボランチ・駒井がシャドーとなり、後ろを強化する格好の采配に。
しかしターゲットの鈴木武が居なくなった事の方が高く付き、以降陣地回復が出来ずに湘南に押し込まれる流れへ突入します。

一方の湘南の攻撃体制は、4バック時と同様に山田が最終ラインに降りてのビルドアップから、大岩が前に出て攻撃に拘るという右肩上がりの姿勢に。
この可変を加えた事で、札幌ディフェンスもマークの受け渡しをするか否かで混乱状態に陥った感があり、ロクにプレスを掛けられずとなります。

30分最終ラインから左で前進する姿勢から、畑の斜めの縦パスを境に中央→右へと展開して右奥を取る湘南。
戻し→奥へのパスで隙を窺いながらの福田のクロスが上がった末に、ルキアンのヘディングシュートが放たれ。
GK菅野がセーブし、その眼前まで上がっていた大岩がすかさず足で詰めたものの、これもGK菅野が至近距離で防ぎ。
何とか凌いだ札幌ですが、34分には湘南のパスワークの最中に福田をアフターで倒してしまった青木(アドバンテージで流される)が警告を受けるという具合に、守備時の立ち遅れ感は否めず。

直後の35分に、札幌は左スローインを受けた駒井がキムミンテに倒され反則、左サイド深めからのFKと落ち着きの時間を得ます。
しかしここからの攻めの流れが議論の対象となるもので、クロス→高尾ヘディングシュート(キムミンテがブロック)ののちも、クリアボールを拾って保持に努める札幌。
左サイドで荒野・小林・駒井の3人がひたすら繋ぐという、典型的なトライアングルでのパスワークで時間を掛けたものの、最後は荒野の雑なクロスがカットされて湘南のカウンターを招く事に。
このパスワークの中身が、レイオフやフリックなど小じゃれた技を交えるものだったので、余裕を見せている暇など無いはずという批判の的となった感がありました。(個人的には、荒野はダイレクトでは無く奥へ切り込んでからクロスを上げるべきだったかと)
このカウンター、山田のロングパスにルキアンが走り込み、拾われるも家泉からルキアンが奪い返して好機に持ち込む湘南。
そして上がってきた大岩が右からクロスを上げ、1点目のシーンの如く畑が脚で合わせシュート。
GK菅野が足でセーブし、茨田が詰めてのシュートも家泉がブロックと、またも寸での所で凌ぐ札幌。

しかし度重なる被決定機で消耗の激しさも窺え、ついに決壊したのが40分。
細かな繋ぎにより敵陣でポゼッションを確保する湘南、左から畑が仕掛けると見せかけて中央を選択し、茨田のミドルパスがエリア内へ。
これを上がっていた大岩が前へ落とすと、綺麗に家泉の裏を取る形となって頭から跳び込んだ福田が低い位置でヘディングシュート、ゴールネットを揺らします。
ゴールへの執念を形で表し、とうとう1点差に詰め寄った湘南。

キックオフの前に札幌は最後の交代を敢行。
青木→キムゴンヒへと交代し、一度は失ったターゲットの補充に掛かり。(小林がシャドーに・近藤が左WBに・浅野が右WBに回る)
しかし何ら効果は無く、重ねられる湘南の攻勢に、いつの間にやらスタミナ切れの様相をさらけ出していたのは(コンディション面の不安を抱える湘南では無く)札幌の方となりました。

そして完全にムードが変わったのが43分の湘南の攻撃、ルキアンへのロングボールのセカンドボールを拾っての左サイドを突く攻め。
一度目のクロスが防がれ、尚も杉岡が浮き球を拾い奥に切り込まんとした所に、クリアにいった小林の足が杉岡の顔に入る事態となり。
たまらず反則・警告となるものの、これでいきり立った湘南サイド(数では分が悪いサポーターも声を張り上げる)により、尚も苛烈な攻撃が展開される事となります。
それをいなすだけの技量・余裕は、既に札幌には無く。

そのまま突入したAT、右サイドから切り込む湘南、鈴木雄が福田とのワンツーで奥を取ってクロス。
ニアで大岩が合わせにいくその手前で中村が辛うじてヘッドでクリアと、悠々と前進を許しながらも必死に凌ぐ札幌ですが、右CKで継続。
するとキッカー杉岡のクロスを中央ややニア寄りで茨田がフリックし、ファーの鈴木雄に収まりそのままシュート。
札幌は完全に足が止まってしまったという格好で、ついに同点となります。

それでも+6分のAT(ゴール時点では+3分)故に、慌てて攻め上がる札幌。
キムゴンヒが左サイドをドリブルし奥を突き、そのままカットインでエリア内に進入するも、キムミンテの反則気味のアタックで止められて実らず。(反則も無し)

結局最後は意気上がる湘南の攻撃に。
ロングパスの跳ね返りを拾った福田がドリブルで切り込み、中央からミドルシュートが放たれましたが、既に湘南サイドも体力を切らしていたかこのフィニッシュは威力が足りずGK菅野がキャッチして終わり。
3-3で試合終了の時を迎え、湘南にとっては価値ある勝ち点1となりました。

逆に、悔やんでも悔やみきれない試合となった札幌。
流れ的にもクローザーの不在ならびに、そもそもクローズのマネジメントがしっかりなされているのかどうかという問題を浮き彫りにするものであり。
加えて宮澤の負傷交代が、さらにそれを加速させそうな予感も孕ませますが、この窮地からの脱却は果たせるかどうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ Jリーグ(J1)へ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J2リーグ第12節 水戸ホーリーホックvs藤枝MYFC

2024-04-29 16:01:44 | サッカー視聴記(J2)

※前回の水戸の記事はこちら(9節・群馬戦、0-0)
※前回の藤枝の記事はこちら(4節・岡山戦、0-1)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(山口戦、2-1)退場(警告2度)となった前田椋が出場停止。
  • 井上がJ3・宮崎へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。

<藤枝スタメン>

  • 川島が累積警告により出場停止。
  • その川島は前節(徳島戦、0-1)負傷交代し、詳細が発表され全治4週間との事。
  • 負傷離脱していたアンデルソンが復帰し、今季初のベンチ入り。

2年目となるJ2生活で、その壁にぶつかる形となっている藤枝。
順位もさる事ながら、ここまでわずか4得点と「超攻撃」を名乗るにはとても物足りない数字となっており。
前回観た時はかなり前ですが、放送席(解説=南雄太氏)によるとそれ以降も攻撃のスタッツ自体は素晴らしい数字を残しており、後は決定力といった内容の事。
果たして得点により立ちはだかる壁をぶち破る事が出来るか……と、思わず聞き飽きるようなワーズを並べてしまう状況ですがどうなるか。

川島の出場停止and負傷により、必然的に最終ラインを弄るという苦境に塗れ。
その中で目を惹く名前は今季初スタメンのウエンデルで、体型的(190㎝・87kg)にもフィジカルに特化した感じのいかにも助っ人といった存在。
そんな選手をどう使うかという所でしたが、やはりその長所を生かすような立ち回り。
即ち攻撃時に彼を高目に上げ、ゴールキックなり疑似カウンターなりでのロングフィードのターゲットとする手法を目立たせ。

慌ただしい時間帯である立ち上がりを、そんな流れでやり過ごそうとした藤枝ですが、その間に襲い掛かる水戸の攻撃。
前半3分の水戸、こちらも寺沼をターゲットにしたミドルパスからセカンドボールを繋いでの攻めで、新井晴の左からのクロスがクリアされるも尚も繋ぎ。
そして長尾がミドルシュートを放たんとした所を西矢にチャージされ、反則・警告となるとともに、良い位置(ほぼ中央から)での直接フリーキックを得ます。
これをキッカーの位置に居た黒川が軽く蹴り出し、長尾がシュートと変化を付けたものの、結局は壁を直撃と実らず。

水戸の攻撃に対し、藤枝は守備でもハイプレスにはいかずと、全体的に様子見の意識が高かったでしょうか。
0-0で前半をやり過ごしたい、といった影のプランが伺えたものの、それは果たす事が出来ず。
迎えた14分、最終ラインからのロングパスを、こちらもウエンデル同様システマティックに高い位置を取る右サイドバック・村田が受けて奥からクロス。
クリアされるも尚も拾い、黒川のスルーパスから再度クロスを上げる村田、ファーサイドで安藤がヘディングシュートを放ち。
これが左ゴールポストに当たるも、跳ね返りを詰めた大崎がゴールネットを揺らし、先制点が生まれます。
ここまでビルドアップで殆ど阻害を受けなかった水戸、その流れでゴールに辿り着く事に成功しました。

これで追う立場を強いられた藤枝、降りてパスを受ける梶川を主体に、スルーパスで裏を突かんとする意識を高めますがさしたる成果は上げられず。
頼りたい榎本の突破力も、19分に小笠原の対角線のロングパスを受けたのちワイドで切り込まんとした所、村田のディフェンスに阻まれるという具合に封じられ活かせません。
逆にリードした事で気を良くした水戸の、村田・黒川が主体となっての右サイドアタックが冴え渡り。
先制点のシーン然り、右肩上がりの最終ラインから、残っていた大崎が「偽SB」として振る舞い急所を突いて来るのも脅威だったでしょうか。

やりたい形は見えているので、後はそれを噛み合わせたい藤枝。
26分、GK北村の右へのフィードから攻撃を組み立て、新井泰から今度は逆の左へフィード。
受けたウエンデルから、榎本との二段構えでの前進で左奥を突く攻撃でクロスに辿り着き。(ウエンデルクロス→ファーで平尾落とすも撃てず)
高い位置取りのウエンデルを巧く活かせた事で徐々に好循環が生まれ。
28分には榎本が出足良く中盤でパスカットし、ここから一気に奥まで切り込んだ事でコーナーキックに持ち込むと、CK攻勢へと突入。
クリアされた後も二次攻撃と、長らく押し込んだものの結局モノに出来ず。

しかしその中で、寺沼がウエンデルとの空中戦で痛み、頭部から出血する事態が発生してしまい。
治療を経てピッチ外から復帰した寺沼ですが、そのフィジカルが徹底チェックに遭う存在なのは相変わらずで、負傷により冴えを無くしてしまった感があり。
32分にはロングボールを受けにいくも、小笠原に(腕で)抑え込まれてカットされると逆に藤枝の攻撃に、左サイドでの繋ぎを経て西矢が一気に右ポケットへロングパス。
受けた大曽根からのクロスに跳んだのはウエンデル、合わずにクリアされるも小笠原がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、大分藤枝へと傾いて来た流れ。
それに伴い、38分に新井泰が長井と交錯して反則となると、先程の負傷の事もあり寺沼がヒートアップして一触即発の状態を招くなど苛立ちを隠せなくなる水戸サイド。

次第にハイプレスの意識を高める藤枝により、GK春名のロングフィードで回避を余儀なくされるなど、水戸は攻撃自体でも流れを掴めない状態に。
その間に得点したい藤枝ですが、やはり決定力不足の暗雲を完全には振り払えず。
アディショナルタイム、西矢がエリア内へのロングパス一本で裏を突いた所、走り込んだ矢村がダイレクトで合わせボレーシュートを放ちますが枠を捉えられず。
チームが好調ならば、こうしたフィニッシュもゴールか、それに準ずる結果(GKのセーブとか)を叩き出す事も可能でしょうがそこまでの流れは無く。

結局1-0のまま前半が終わり。
ハーフタイムでの交代はともに無く、迎えた後半はリードしている水戸が先にペースを掴み。

後半2分、左サイドで持った新井晴がパス&ゴーで裏へのミドルパスを奥で受けてカットイン。
そしてポケット奥からグラウンダーのクロスを入れ、安藤が中央で合わせたもののゴール右へ僅かに外れ。

この決定機逸に加え、4分にはGK春名がフィードを長井にぶち当ててしまうというミスから藤枝の好機に。(スルーパスに走り込んで榎本が左奥からクロスも繋がらず)
これで流れを失ってしまった水戸、6分には反則(長井のアフターチャージ)で藤枝の右サイドからのFKとなり、攻め立てる藤枝。
一旦途切れるも中盤で西矢が奪い返し、左サイドでの繋ぎを経て新井泰がアーリークロスを送ると、裏抜けのように走り込んでファーで合わせたのは大曽根。
前半終盤のような、鮮やかな裏を取ってのフィニッシュをついにゴールに繋げて同点に追い付きます。

尚もミスの流れを引き摺る水戸に対し、押せ押せの状態に入る藤枝。
守備ではハイプレスで流れを作らせず、流動的な攻めで敵陣でサッカーを展開と、やはり前半は様子見・体力温存の意味合いが強かった感があり。

特に広範囲で動き回りパスを引き出す梶川が効いている印象で、彼の動きにより他選手の位置取りも変わるという流動性を齎し。
9分には右サイドでの繋ぎで、大曽根の裏へのミドルパスを受けたのは本来逆サイドの榎本で、入れ替わりでポケット奥を突きに掛かる(クリアされCKに)という具合。

11分には最終ラインからのビルドアップ、間で受けた西矢の左へのパスを受けたウエンデル、そのままドリブルで一気に敵陣へ。
左ハーフレーンから切り込まんとしましたが、村田と交錯する形で阻まれてしまい(反則無し)この攻撃は実らず。
初スタメンで攻撃に厚みを齎す異色の存在となり得た彼ですが、13分にお役御免となり。
併せて2枚替え、復帰したてのアンデルソンの投入に踏みきった須藤大輔監督。(ウエンデル・平尾→山原・アンデルソン、中川創が左センターバックに回り山原が中央に)

藤枝の独壇場という展開を何とか断ち切りたい水戸。
しかし直後の14分にも、村田が上がっての攻撃を遮断され、そのスペースを突かれる攻撃を許す(梶川のスルーパスから矢村がクロス)など一向に変えられず。
それを「采配で強引に変える」思惑からか、15分にこちらも動き長尾・黒川→高岸・落合へと2枚替え。

しかしそれが果たされる事は無く、投入されたアンデルソンのボールキープ力をしっかりチームに還元する藤枝のペースは尚も続きます。
そして18分、藤枝のビルトアップに対しFWがハイプレスを掛けた水戸ですが、山原の右への展開でいなされると大曽根が斜めの縦パスを中央へ。
これを矢村がスルーパス気味のポストプレイで前へ送ると、彼に喰い付いた事で完全にアンデルソンに裏を取られた水戸ディフェンス、右ポケットからダイレクトで放たれたシュートがゴールに突き刺さり。
我慢の展開の果てに乱れた水戸の組織力を突く形で、とうとう逆転した藤枝。

逆に追う立場となってしまった水戸。
直後のキックオフでは、高岸の蹴り出しが前に出て来た矢村にブロックされるなど、どうにも流れが悪いままであり。
そのまま、お互い蹴り合いの様相がしばらく続いたのち、先に動いたのは藤枝ベンチ。
22分に大曽根→シマブクへと交代します。

窮地の水戸は、ここから新井晴の突破力を前面に押し出す事を選択し、早速の23分にスルーパスを左ポケットで受けてカットインシュート(枠外)と脅かし。
するとポジション的にまともに相対する事となったシマブク、25分に彼のドリブルを反則で止めてしまった事で警告を受け。
セットプレー(左ワイドからのFK)となりましたが、ここが勝負所と言わんばかりに2枚替えを敢行する水戸サイド。(大崎・寺沼→甲田・久保)

ここからFK→CK2本とセットプレー攻勢を掛けた水戸、ゴールに向かうクロス→GK北村がパンチングで逃げるという流れを2度繰り返し。
それが途切れると、大崎の抜けた左SBには長井が・さらにボランチには落合が回り、さらに長井が最終ラインに固定化される事で攻撃時は殆ど3バックのような状態に。
村田が右ウイングバック・新井晴が左WBのように振る舞うという、水戸のシステム変更がお披露目されます。
他方、藤枝は警告が付いたシマブクを気に病み、直後から榎本と左右入れ替えというポジションチェンジを敢行するに至り。

それでも最後は新井晴頼みという流れは変わらず、29分に甲田のスルーパスを受けたのち、再びエリア内を突いてのカットインシュートでゴールを狙うもGK北村がセーブ。
ここからCK3本とまたもセットプレー攻勢、いずれもミドルシュートを放って終わるも決められず。
勢いが出て来た水戸ですが、それでも押し迫る時間。(32分に安藤→草野へと交代)

一方藤枝も37分に梶川→河上に交代と、最後の交代は水戸の方が速く動く格好に。(新井泰が一列上がりシャドーに)
しかし水戸の流れを堰き止められずと、それに従うように展開までひっくり返ったようであり。
38分ボランチに降りた落合から組み立てる攻撃、一度はパスカットに遭うも繋ぎ直し。
そして長井縦パス→高岸フリックで(逆を突かれた小笠原のスリップもあり)前に出ていた落合に渡ると、そのまま中央からミドルシュート。
グラウンダーで狙いすましたボールがゴール右隅へと突き刺さり、新井晴の力から一変したかのような、技での得点が齎されます。

同点に追い付いた水戸でしたが、それを喜ぶ時間はあまりにも短く。
ややもすると雑になりがちな終盤の攻防を経て、流れを掴んだのは藤枝の方でした。
41分右深めからのスローイン、投げられたボールをアンデルソンがフリックで浮かせてエリア内を急襲し、矢村が走り込んでボレーシュート。
GK春名にセーブされるも右CKで継続すると、キッカー・シマブクのニアへのクロスを跳ね返せず(フリックにいった小笠原も触れずに)中央のアンデルソンに収まり。
そして放たれたシュートがゴールネットを揺らし、この日2度目の勝ち越し点を挙げたアンデルソン。
負傷からのド派手な快気祝いをチームに齎しました。

同点から一転、というよりは、そこから雑になってしまった事からも浮つきを抑えられなかった感じの水戸。
気を取り直して攻め直すも時間はATに突入、5-4-1のブロックで自陣を固める藤枝に対し取れる手段は少なく。
ひたすら敵陣でボールを繋いで隙を窺いますが、長井がミドルシュートを2本放ったのみで崩せません。

結局最後は藤枝が敵陣でサッカーを繰り広げる絵図となり、時間を使った末に試合終了に。
2-3と、得点力不足を跳ね返す展開で勝利を収めた藤枝。
ここでも、これを良薬として以降攻撃力を取り戻せるか……と月並みな事を述べて締めたいと思います。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ 準決勝第2戦 横浜F・マリノスvs蔚山現代FC

2024-04-27 16:24:47 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 選手の表記はyahooスポーツナビに準拠。
  • 韓国・蔚山文殊サッカー競技場(フットボールスタジアム)で行われた第1戦は、1-0で蔚山の勝利。
  • スタメンでACL仕様の背番号の選手はポープ(本来は1)・マテウス(11)・ロペス(10)の3名。

マリノスベンチメンバー=GK飯倉 GK白坂 エドゥアルド 加藤蓮 加藤聖 井上 水沼 吉尾 山根 天野 宮市 村上

前回のACLの記事 -ラウンド16第2戦・甲府 vs 蔚山


ともに、週末のリーグ戦(4/20)を順延させて挑む事となった世紀のキックオフ。
1戦目はホームの蔚山の勝利となったものの、スコアは1点差のため、マリノスサイドにもチャンスは十二分に残されている。
かくしてマリノスのホーム(横浜国際総合競技場)に、平日かつ悪天候ながら16,098人の観衆が集まる事となりました。

順調に勝ち抜いてきた蔚山ですが、その最中に監督の洪明甫(ホンミョンボ)氏が、代表チームの新監督にまつり上げられそうになり。
日本においては、千葉の監督であったイビチャ・オシム氏の半ば引き抜きともとれる就任が今でも記憶に残りますが、その悲劇は他国でも無縁では無いといった所でしょうか。
現在代表監督は黄善洪(ファンソノン)氏が勤めているとの事ですが、依然として代行の立場故に今後どうなるか。

それはさておき、マリノスが追いかける立場で始まったこの試合。
まずはトータルスコアで同点にすべく、縦に速い攻めを仕掛けるマリノス。
前半4分に松原の裏へのミドルパスでマテウスが抜け出し、カットインで右ポケットを突いてシュートしますがオフサイドで無効となり。

一方の蔚山の立ち上がりは、ロングボール主体での組み立てで、必然的に前掛かりとなるマリノスの背後を突く意識を高め。
それ自体には成功したものの、怒涛ともいえるマリノスの押し込みに尻込みしてしまったでしょうか。
8分にマリノスの攻撃をエリア内で切った蔚山でしたが、ここでイギュソンはクリアでは無く持ち上がりを選択し、その結果マリノスのゲーゲンプレスで奪われる事に。
右ワイド深めという絶好のショートカウンターになりかけますが、奪ったマテウスのクロスは中央のロペスに僅かに合わずクリアされ。
普段はボールポゼッションに長けている(と思われる)チームだけに、それを捨てきる事が出来なかった感があり。

ここから攻撃権を独占するマリノス、迎えた13分。
上島の縦パスを受けた植中、倒されながらもポストプレイで繋いで右ワイドからマテウスが前進。
そして切り返しから中央へパス、ロペススルー→ナムテヒで急所を突きに掛かり、ディフェンスに遭うもエリア内へこぼれた所を拾ったのは植中。
GKの眼前まで迫って放たれたシュートがゴールネットを揺らし、待望の先制ならびに同点弾に辿り着いたマリノス。
先程倒れた所からの立ち直りが早かった植中へ転がったボールに、ファンソッコ・キムヨングォンのJリーグになじみ深いセンターバックコンビがお見合いしてしまった事が高く付いた蔚山。

完全に対応の面で明暗分かれたという先制点で、早期に追い付いたマリノスは勢いに乗り。
前線の助っ人3人(マテウス・ロペス・エウベル)のコンビネーションもさる事ながら、それに気を取られると他選手がゴールを襲い。
16分には右サイド奥をマテウスが取り、ポケットへの横パス(クロスでは無い)を受けた植中、自分で狙わずにポストプレイで後方へ。
そしてミドルシュートを放ったのは榊原(ゴール上へ外れる)と、選手全員が得点を狙いにいく事で攻撃サッカーの神髄を発揮します。

その後、両チームとも相手コーナーキックからのカウンターというシーンを1度ずつ作り、落ち着くと思われた試合展開。
しかし21分、蔚山が敵陣で繋いでいる最中にエウベルがプレスバックでボール奪取。
すかさずトランジションとなり立て直す蔚山ディフェンスに対し、榊原から受け直したエウベルも右へ展開し、遅攻に入ると思われましたがマテウスはロングパスを左サイド前線へ送るという具合にあくまで速い攻めを繰り出し。
そしてそれが実り、パス&ゴーで上がっていたエウベルがこのパスを受け、中央で溜めを作ったのち託されたロペスがミドルシュート。
ブロックされたこぼれ球をマテウスが繋ぎエウベル→マテウスと経由し、またも溜めを作ったのちエリア内のロペスへ送られるパス、それに応えて再度シュート。
ゴールネットを揺らし、今度は助っ人3人の綺麗なコンビネーションで逆転弾に辿り着きました。

これで攻めなければならなくなった蔚山ですが、その流れは決して良くなく。
一度マリノスの縦パス→フリックをカットして好機に持ち込む(24分、左からイギュソンがカットインからクロスも合わず)も、それだけに終わり再び繰り広げられるマリノスの攻勢。
縦パス・スルーパスを駆使して素早くアタッキングサードを突き、途切れてもすかさずのゲーゲンプレスで奪取し二次攻撃と、ホームの環境も手助けし完全に自身のペースに持ち込みます。
27分には相手のクリア気味のパスをカットした植中、そのまま右ポケット奥へ切り込んでマイナスのクロス。
ロペスのポストプレイを経てエウベルが中央からシュートを放ちましたが、ゴール右へ惜しくも外れ。

まだまだ得点の気運は十分で、それをモノにしたのが30分でした。
蔚山が後方から縦パス→フリックで運ばんとした所を、送られた先で畠中がカットして反転攻撃に入るマリノス。
ナムテヒの1タッチパスに入れ替わった植中、そのまま前進を経てミドルシュートを放つと、強烈にゴール右上へと突き刺さるボール。
前半のみの3得点で、勝利へのムードを最高潮へと持ち上げます。

一気に窮地に追い込まれた蔚山、反撃の手立てが欲しい状況。
31分、キムヨングォンの対角線のロングパスから、ターゲットのオムウォンサンを越えて流れたボールをソルヨンウが拾った事で好機。
ここからスルーパスに走り込んだオムウォンサン、角度の無い所からクロス気味に強烈なシュートを放ち、GKポープが何とかセーブ。
多少強引なやり口を突破口としましたが、これで得た右CK、キッカー・イドンギョンはサインプレーでグラウンダーでのクロスを選択。
これをソルヨンウがスルーと意表を突いたはずが、あろう事かロペスにカットされてマリノスのカウンターとなってしまいます。
ロペスのドリブルで敵陣に持ち込み、並走して彼のパスを受けたマテウスが左から対角線のミドルパスをエリア内へ送り、エウベル折り返し→ロペスでゴールを狙うもクリアされて撃てず。
未だ流れが悪いといった蔚山、その後マリノスのプレッシングによりプレス回避もままならず(サイドに出されたボールが直接タッチを割る、33分)と、このままでは無残にも逆転敗退といった状況であり。

ベンチはそれを強引に采配で変えに掛かり、上記のミスの直後にイギュソン→ダリヤン・ボヤニッチへと交代します。(同ポジション)
すると早速、35分に再びキムヨングォンの対角線のロングパスからの好機で右CKに持ち込み。
今度は素直にクロスを上げたイドンギョン、ニアサイドを突いたボールにサレスがヘッドで合わせ、フリックでは無い強烈なヘディングシュートがGKポープの腕を弾いてネットを揺らします。
1点を返し、マリノスの流れを断ち切る事に成功した蔚山。

すると投入されたボヤニッチも本領を発揮し、37分に中盤でのパスカットから好機に持ち込み。(左からエリア内へスルーパス、走り込んだルドヴィグソンのクロスにイドンギョンが走り込むも僅かに合わず)
マリノスもその直後に植中のミドルシュート(ゴール左へ外れる)でゴールを脅かすなど、点の取り合いの雰囲気が高まった所で、事件は発生します。

それを齎したのは再びボヤニッチで、ドリブルからのスルーパスで完全に裏を取り、受けたオムウォンサンが右ポケットへ切り込み。
これをスライディングで阻みにいった上島ですが、オムウォンサンが切り返した事により、ボールを開いた右腕に当ててしまいハンドを告げる笛が鳴り響きます。
誰が見てもPKなのは言うに及ばずですが、同時に決定機阻止andボールにチャレンジしていないという一発退場を告げる赤いカードが突き出される事態に。
これには納得出来ずに紛糾するマリノスサイド、「中東の笛」というワードが思い起こされる事となりましたが、嘆いても判定は変わらず。
すかさず、ピッチ脇で戦術ボードを広げて指示を送っていたハッチンソンコーチが警告を貰う(異議か、この指示出しが対象となったか)という具合に二次的な被害も齎され。

結局このPKは、チームに流れを齎したボヤニッチがゴール右へと決め、2点目を挙げてたちまちトータル同点に。
依然スコア的には開始時より浮上しているマリノスですが、数的不利でここからどうするかという課題が新たに突き付けられました。
急場として、4-4-1のフォーメーションで松原がセンターバック・榊原が右サイドバックを務める事で凌ぎを図り。

そしてこの機を逃さず、長期となったアディショナルタイム(+7分)で攻勢に入る蔚山。
再度キムヨングォンの対角線のロングパスからの好機で、右奥での繋ぎを経て中央からイドンギョンのミドルシュートがゴールバーを直撃。
その後も押し込み続け、エリア内へのパスに駆け込んだイドンギョンが永戸に倒されるもノーファールに終わったり、CKも3本得るなど相手のお株を奪う猛攻を仕掛けます。
しかし耐え凌いだマリノス、何とか3-2のまま前半を終わらせ。

そしてハーフタイムで2枚替え、エウベル・ナムテヒ→エドゥアルド・山根へと交代。
CBの補充により、松原・榊原が元の位置へ。
ロペス・マテウスの2トップとした4-3-2へとシフトし、アンカーは最初は榊原でしたが、後半途中から山根へとポジションチェンジ。

これで攻撃姿勢を保ちたかったマリノスですが、やはり数的優位を存分に活かす蔚山。
いきなりの後半2分、ロペスのポストプレイをデュエルで阻止したファンソッコから攻撃を仕掛け、右ワイドをソルヨンウ・ボヤニッチの2人で攻略した末に右ポケットへ切り込み。
ソルヨンウの戻しをダイレクトでシュートしたボヤニッチ、GKポープの左足を掠めてゴール右へと突き刺さるボール。
同点ならびに再逆転のゴールに沸き上がる蔚山サイドでしたが、オフサイド確認のVARチェックの時間が採られた事で雰囲気は一変。
ボールには関与せずも、オフサイドポジションかつGKポープの視界内に居たルドヴィグソンの存在が映像に映し出され。
重大な局面という事で、OFRまで入るという念入りな確認を経て、告げられるオフサイド判定。
マリノスはまさに命拾いの格好となりました。

それでも一向に好機に持ち込めず、蔚山がボールを握る事でひたすら耐え凌ぐ展開を余儀なくされるマリノス。
7分にはスルーパスに走り込んだチョミンギュのペナルティアークからのシュートをGKポープがセーブ。
11分にも右サイドでの細かな繋ぎを経て、ポケット奥を取ったイドンギョンのシュートをGKポープが上半身でセーブと、次第に守護神の集中力も高まりを見せてきたのが救いだったでしょうか。

17分に縦パスを受けたロペスが反則を受けたというタイミングで、ここまで好機すら皆無(後半)のマリノスはベンチが動き植中→加藤蓮へと交代。
すると直後の18分、敵陣でパスを繋ぎ左へ展開すると、永戸が左ポケットへ切り込んで上げられたクロスがファーサイドへ。
これをマテウスがヘディングでネットに突き刺し、不利を跳ね返す追加点、と思ったその直後にオフサイドを告げる笛が鳴り響きます。
(VARチェックもあっさり終わり)無情にもノーゴールとなり、ぬか喜びを強いられたのち、再び繰り広げられる蔚山のポゼッション。

蔚山は2CB+アンカー(サレス)という後方を貫き、中央を固めるマリノスに対しサイドの人員を増やす事であっさりとアタッキングサードに進入。
しかしそこからの崩しには難儀し、単純なクロスのみではゴールどころかマリノスのカウンターの機会も増えかねないため、ショートパスでポケットを突きにかかる攻めを中心に。
それでもフィニッシュはクロスからヘディングシュートが2発(23分・24分)と、揺さぶった末に上げられるクロスは相手も対処に難儀するものであり。

そんな流れを貫く蔚山、24分にFWの2枚替えを敢行します。(チョミンギュ、イドンギョン→マルティン・アーダーム、イチョンヨン)
この後は積極的に降りて受けるイチョンヨンにより、ポゼッションはより強固なものとなりますが、反面ボックス内での好機はやや減少傾向となり。
29分に左サイド奥からルドヴィグソンがマイナスのクロス、これをペナルティアーク内でイチョンヨンが合わせシュートするも榊原がブロック。
32分にはクロスのクリアボールを拾ったボヤニッチがミドルシュートを放ちましたが、これもエドゥアルドがヘッドでブロックと、ディフェンスも堅さを発揮するマリノス。

36分にマリノスが2枚替え(マテウス・榊原→宮市・水沼)を敢行すれば、続く37分に蔚山も2枚替え。(サレス・オムウォンサン→コサンボム・キムミヌ)
蔚山はやはり単純なクロスを避けたい思いが強く、39分の左CKではショートコーナーを経て、ボヤニッチがカットインからミドルシュート。(宮市がブロック)
続く40分にもアーダームがミドルシュートを放つ(ゴール左へ外れる)など、遠目から狙うシーンが増幅。
しかしそれではゴールを奪えず、やはりポケットを突かなければビッグチャンスはやって来ず。
迎えた42分、左サイドでのパスワークからコサンボムがポケットへスルーパス、受けたルドヴィグソンがグラウンダーでのクロス。
脚から跳び込んだキムミヌが合わせたそのシュートは左ポストを直撃し、その後も繋いだものの追撃出来ずと、またも決定機を逃します。

それでも一向にマリノスの反撃機会は訪れず、41分に裏へのロングボールから、ロペスのヘディングシュートが生まれた(枠外)のが唯一の矢となり。
最終盤には、宮市が一列(左サイドハーフに)降りて4-4-1の形を取り始めるなど、守備意識を高めるに至ります。

突入したAT、蔚山もクロスの割合を増やすなど、時間内でどれだけ好機を作るかという意識へシフト。
ほぼセンターフォワードとしての振る舞いに徹して来たアーダームも2本ヘディングシュートを放つなど、見せ場を膨らませましたがゴールを割る事は出来ず。
結局、あれだけスコアが動いた前半とは打って変わって、ノーゴールのまま後半の終了を迎えました。

トータルで3-3故に、延長戦突入の運びとなり。
相手の猛攻を耐え凌いだマリノスですが、あと30分追加された事でどうなるか。

始まった延長前半(以下延前)、早速の延前2分に蔚山は左ワイドを突いてから戻しを経て中央へ。
そしてミドルシュートを放ったのはCBのキムヨングォン(GKポープセーブ)と、意表を突くとともに、数的優位が織り成す総員攻撃体制を見せ付けます。

対するマリノスも、4分にミドルパス攻勢で敵陣に切り込み、遮断されるも相手のパスミスもあり好機。
しかし加藤蓮の左ポケットへのスルーパスに宮市が反応できずと、やはり苦しさは隠せません。

すると5分に蔚山ベンチが追加されたカードを使い、ルドヴィグソン→ケルヴィンへと交代。
マリノスの堅守により膠着する展開の中、左ワイドからの彼の仕掛けで打開を図りに来ます。

9分、マリノスは珍しくゴールキックを短くリスタートさせ、畠中縦パス→水沼フリック→ロペスで好機を狙い。
これは蔚山に阻まれるも、直後にクリアが逆方向に向かうミスとなり、右ポケットに駆け込んだ水沼がダイレクトでクロス。
しかしこれがクリアされ改めて蔚山のカウンターと慌ただしい流れになるも、期待通りにワイドでボールを持ったのちにカットインを仕掛けるケルヴィン。
放たれたシュートはエドゥアルドがブロック、浮いたボールをヘッドで合わせんとするもGKポープに抑えられて実らず。

しかし可能性があったのはこの入って間もない時間帯で、次第にマリノスも対処した事で再び膠着状態。
即ち蔚山がボールポゼッションを繰り広げるも、ゴールは割れないという状態に。

マリノスも15分に、永戸→天野へと交代し6枚目を使いきり。(加藤蓮が左SBに回る)
そしてそのまま終了した延前。
僅かなインターバルの間に、戦術ボードを広げて選手に確認させるマリノスベンチ。
しかしその輪に主審が入り込むと、監督のハリー・キューウェル氏に警告を突き出す事態となります。
詳細は不明ですが、前半のPKシーンでのハッチンソンコーチの事象同様に、ピッチ脇に戦術ボードを広げる行為が癇に障ったのでしょうか。

ともかく始まった延長後半。(以下延後)
その入りで早速好機に入る蔚山、右ポケット角での攻防のなかソルヨンウが加藤蓮に倒されるも、拾って継続させた末にボヤニッチがシュート。
ブロックを掠めて枠外となるも、ここでVARが介入。
加藤蓮の反則か否かで、またもPKかという懸念が頭を過るマリノスサイドですが、ノーファールに終わり命拾いします。

何とか一糸を掴みたいマリノス、延後3分に蔚山を最後方に追い詰めるプレッシングに持ち込み、天野が左ワイド奥でボール奪取に成功。
そしてポケットへのパスを受けた水沼がシュートするもGKチョヒョヌがセーブし、乾坤一擲の勝ち越し点とはいきません。
長らく守備機会の無かったチョヒョヌ、急に訪れた危機でしたが見事に防ぎ。

その後のCKもモノに出来ずに終わると、当然のように再度突入する蔚山の攻勢。
8分左からのイミョンジェのクロスが跳ね返されるも、コサンボムが空中戦を制して継続。
密集のなかの繋ぎを経てケルヴィンの左からのカットインに持ち込むと、放たれたシュートはGKポープの腕を掠めて左ポスト外側を直撃。
肝を冷やしたマリノスサイドですが、この際にポープが足を攣らせてしまい倒れ込み、GKの負傷という事で2分程ブレイクとなり。
当然交代は出来ず、ポープが起き上がり左CKで再開すると、またもグラウンダーでのクロスにイミョンジェが合わせるというサインプレー。
今度はシュートが放たれ、コース上のキムヨングォンが触りコースを変える二重攻撃で、GKポープがセーブしたこぼれ球にキムミヌが詰めてシュート。
ゴールネットを揺らしとうとう勝ち越しか、と思われましたがオフサイドとなり、またも幻に終わります。

度重なる被決定機に、とうとうマリノスサイドはこの後5バックシステムへとシフト。
山根が右SBに回り、センターバックは右から松原・エドゥアルド・畠中という並びになります。
GKポープも痛みを堪えながら、ラインアウトで途切れれば再度倒れ込むなど、時間とともに頭も使うプレーでチームに落ち着きを還元し。(ある時はわざと脛当てを落とすというプレーもあったらしい)

そして4度目のATに突入し、その頭でマリノスが好機、一度は途切れるも天野のパスカットで継続と良い流れ。
右ポケットからロペスのクロスが上がり、ファーサイド奥で宮市が脚から跳び込みましたが惜しくも合わず。
これでマリノスの攻撃は完全に打ち止めとなり、反転直後の蔚山の攻撃、右からのクロスが流れたのち左ポケット奥で持ったケルヴィンがマイナスのカットイン。
そして中央からシュートが放たれ、松原がブロックした跳ね返りをさらにコサンボムがシュートと連撃を浴びせるも、これもセーブして防いだGKポープ。
チームが苦境の中、完全なるヒーローというような働きを見せます。

そして試合終了、ならびにPK戦突入を告げる笛が鳴り響き。
ここまで来れば数的不利は無関係となり、選手レベルでもいかに一対一を制するかという戦いに。
先行を取った蔚山ですが、ゴールサイドはマリノスサポーター側で行われる事となり。

先陣を切ったのはCFのアーダームで、利き足方向の左へ強烈なシュートを放ち、GKポープは反応するも届かず。
一方のマリノスもCFのロペスが務め、こちらは持ち前のフェイントから、利き足とは逆の右へと蹴り込んでGKの逆を突き。
対照的なエースのキックながら、ともに成功で幕を開けました。

2本目、蔚山はケルヴィンが中央上部へ強く蹴り込んでゴール。
水沼は右足で右へと蹴り込んで逆を突きゴール。
3本目、コサンボム・松原ともにGKの逆を突いて決めるという具合に耐久戦は続き。

そして4本目、蔚山はイチョンヨンが務め。
ケルヴィン同様に中央へのシュートを選択するも、動じなかったGKポープがこれを弾き。
ストップかと思われました、威力を殺しきれずゴールに突き刺さります。
惜しかったマリノスサイドですが、天野がしっかりGKの逆を突いて決め、同点のまま5本目へ。

運命の最後(かどうかは判らないが)のキッカー、蔚山はキムミヌ。
利き足とは逆の右方向へ、グラウンダーで大事に蹴る事を選択したキムミヌ。
しかし読みきったGKポープがこれをセーブし、雄たけびを上げます。
威力的にもやや物足りず、悔やまれるキックだったでしょうか。

そしてマリノスはエドゥアルド。
左足でゴール中央へと蹴り込み、ネットに突き刺さった事で決着。

これで「チャンピオンズリーグ」と釘打たれて(2003年より)以降、初の決勝進出を果たしたマリノス。
移行して間も無い時期が丁度2003~2004年の連覇時と被っていただけに、この大会を制する事を誰よりも渇望していたと思われますが、長い年月を経てついに実現する時が来たでしょうか。

サッカーランキング にほんブログ村 サッカーブログへ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J3リーグ第3節 福島ユナイテッドFCvs大宮アルディージャ

2024-04-25 16:00:38 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 福島のホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

4-3-3による攻撃サッカーを貫いている今季の福島。
その成績は芳しくなく、得点力も目を見張るものは無いという現状で、成果が表れているとは言い難く。
自分が観たのは開幕節(岐阜戦、1-4)で、その際も中盤で針谷を軸とした地上でのパスワーク主体の攻めには見るべきものはありましたが、結果は大敗。
守備時も4-3-3のままという、客観的なバランスの悪さはこの日も健在で、「とにかくスタイルを強固なものにする」信念の方が上回っていると言って良いでしょう。

対する大宮は、「1年でのJ2復帰」を半ば至上命令としているような今季。
放送席の談でも、「どう勝つかを第一に考える」というニュアンスの長澤徹監督の発言が聞けるという具合に、とにかく結果が求められる状況であり。
その姿勢に偽り無く、開幕から9戦無敗(6勝3分)で首位を走っています。
勝利、そしてJ2昇格への執念は、その数字を見るだけでも伝わって来るものであり。

そんな両者の、信念と執念がぶつかり合う好試合、とは言い過ぎか。

キックオフから、大宮は左サイドで泉の推進力を活かした攻撃を繰り広げ。
それを凌ぎながら、得意の中盤でのパスワークによる攻めに入りたい福島でしたが、大宮の圧をまともに受けてしまい果たせません。
前半3分にゲーゲンプレスの末に、浦上が前に出て左サイドでボール奪取、ここから泉・藤井の持ち上がりにより好機。
以降も、5分にパスミスを拾われワンタッチで繋がれた末に右サイドを突かれ。(下口が奥からマイナスのクロス)
6分にはフィードで逃げようとした所を泉にブロックされ、またも攻撃を浴び。(中央からシルバがミドルシュート、枠外)
続く7分には、GK吉丸のロングフィードを跳ね返されて再度大宮の攻撃(敵陣でパスワークも、エリア内への浮き球パスをクリア)と、ボールロストのフルコースといった流れを描いてしまい。

得意手を塞がれる形となった福島は、8分に森に対する反則で村上が警告を受けたのを境に、大宮に倣うように森の突破力を活かす手法に活路を見出し。
10分には秋山の相手ロングパスのカットから、左サイドで受けた森が奥に切り込んでクロス、ニアで矢島がヘッドで合わせ。(枠外)
それに伴い周囲も好循環を得たか、15分にはGK吉丸がプレッシャーに来た杉本をフェイントでいなした(右を切りに来た杉本を見て左へ切り返す)のちの繋ぎ。
低いフィードを矢島が収めたのち、左への展開でまたも森の前進に持ち込むと、奥を取った森はカットインの姿勢から小さい浮き球をエリア内へ送るという変化。
これを左ポケットを取っていた大関が受けるも、収められずに終わる惜しい攻め。

こうした攻撃により、徐々に信念ともいうべき中盤でのパスワークの姿勢も見られるようになる福島。
しかし22分に再びパスミスで(浮き球パスを直接藤井にぶち当ててしまう)大宮の攻撃となり、右からの杉本のクロスが上がると、ファーサイドに走り込んだ泉がフリーでボレーシュート。(枠外)
依然として大宮の強度が壁として立ちはだかり。

そして26分シルバの持ち上がりにより攻める大宮、彼の小島へのパスがズレた所で、拾いにいった石川が山田と交錯し両者倒れてしまい。
山田の反則・警告となるも、ダメージが大きいのは山田というギャップが生まれる事となりましたが、これにより齎されたのはエリアから直ぐ近くという大宮にとっては絶好の直接フリーキック。
場所も中央からと、狙わない理由は無いという程の位置でしたが、キッカー泉の直接シュートはゴール上へと外れ惜しくも決められません。

ホッとした福島ですが、その後大宮のプレッシャーの前に前進すら難しくなる時間帯に。
最終ラインにまで執拗に掛けられるプレッシングに、先程警告を貰った山田は特にナイーブになってしまった感があり。
33分に詰められて慌てて出したバックパスが強くなり、GK吉丸が受けきれず大宮のコーナーキックと、絵的にもそのビルドアップの硬さが伺えました。
この辺りは、各クラブを転々として現在福島に居る(その流れで相手の大宮にも在籍)という経歴にも示されているでしょうか。

そして一気に大宮ペースへと移り変わる展開。
34分に左サイドでのパスワークを経てクロスが上がり、下口の折り返しが杉本に当たってズレるも、藤井のポストプレイで繋いだ末に小島がミドルシュート。(堂鼻が前に出てブロック)
尚もこぼれ球を繋いで右からクロスの連続と攻め立て。
35分には村上が前に出てのパスカットから、ショートカウンターでエリア内を突いて左CKに持ち込み。
ここからニアにクロス→浦上フリックという定番の流れで、ディフェンスに遭った所をシルバがミドルシュート(前方の藤井に当たり枠外)と、立て続けにゴールに迫ります。

そんな劣勢の福島を尻目に、自身も最終ラインから繋ぐ姿勢を見せ始める大宮。
特に40分には、最終ラインが持った際に、相手ボランチを切る姿勢の矢島に対して小島が中央から動かずにピン止め。
そしてその脇をパスワークで抜くという具合に、相手の前線をいなす立ち回りでも上回らんとします。(その後ロングパスを左奥で受けた泉がクロス)
得意手でも相手より劣るという状態に陥らせる事で、心を折りに掛かるというのはまさに勝利への執念が感じられる一幕であり。

結局その流れのまま、ゴールは生まれずとなった前半戦。
福島は40分にパスワークで前進するも、その際も中央を避け、左サイドで秋山・大関・森の3人によるものであり持ち味は発揮できず。
この時に杉本が(大関への)アフターチャージで(アドバンテージの末に)警告を受けたのがまだしもの事であり。

劣勢感がありありの福島でしたが、ハーフタイムでの交代は無し(大宮も無し)と、あくまで信念を曲げない姿勢を貫き。

しかし展開的には変わらず、一重に大宮が押し込み続ける立ち上がり。
やはり4-3-3のまま守備を行う福島、前から行った際にウイングが中央寄りとなってしまうので、それを突かれてサイドに運ばれる不安を常時抱える苦しさがあり。
それを防ぐにはサイドバックが前に出て前進を阻むしかない状態ですが、この日のような圧され気味の中では難しく。

そして後半5分、GK笠原のロングフィードからの攻めで、セカンドボールを拾ったのち左から前進。
杉本がドリブルで奥を突き泉に託すという具合に、サイドで人数を過多にする攻めで福島に数的不利を押し付けた末に、上がった泉のクロスをファーサイドで石川がヘディングシュート。
GK吉丸が辛うじて腕に当て、左ポストを叩いて跳ね返るボールを何とかクリアし、寸での所で防ぎます。

この流れで攻撃に転じたい福島。
8分にはようやく中盤でパスワークによる前進に持ち込みましたが、前に出てパスを受けた針谷がトラップミスで終了。
ならばと10分、最終ラインから堂鼻縦パス→大関縦パスという流れで受けた針谷、今度はミドルパスを森に送り彼の前進に託す攻め。
その森がポケットを取った事で左CKに繋がるという具合に、苦しい前半の際の攻め手も組み合わせて好機を生み出し。
このCKから、ニアに入ったクロスのこぼれ球を堂鼻がシュート、ブロックされるも尚も繋いで左ワイドから森がカットインシュート。
GK笠原にセーブされるも、理想とは多少異なる立ち回りによるフィニッシュの連続でムードが上がる福島サイド。
やはり信念を貫いて無残な結果に終わるよりも、執念で最後まで抗う方がずっと良い、といった所でしょうか。

そうした信念・執念のせめぎ合いによる展開。
その影響か前半で既に3度警告が出ていましたが、後半も16分。
下口のミドルパスを受けた藤井、その落下点で堂鼻にすぐさま奪われたものの、追走して奪い返し。
その際に後ろからチャージする格好となった堂鼻が反則・警告となり、前半の流れは継続していたという事を如実に示す結果となりました。
ここは正直流れの中で生まれてしまったような絵図なので、これにカードを出すのはどうかと思いましたが……

水を差された格好の福島でしたが、それによるマイナスの影響はほぼ無く。
以降はようやく中盤3人が係わるショートパス攻勢と、本来の得意手を見せ始め。
18分に左ワイドで長らく繋ぐ上畑・針谷・森の3人、そして中央の大関を中継としてエリア内へと出されるスルーパス。
これは遮断されるも針谷がダイレクトでミドルパス、右奥で松長根が受けて尚も継続と、大分パスワークで押し込めるようになってきました。(その後右奥で針谷がトラップミスで途切れ)
それでも、24分中盤での右スローインから、受けた矢島のポストプレイで中央から素早く運び。
そして森のミドルシュートが炸裂(ゴール上へ外れる)という具合に、フィニッシュが生まれるのはパスワーク以外での攻め手からでしたが。

均衡した展開のなか最初にベンチが動いたのは福島で、上記の森のシュートの直後に、その森を退ける交代策。(清水と交代、同時に矢島→塩浜へと交代・樋口がセンターフォワードに回る)
これを見た大宮サイドも、間もない26分に動き。
シルバ・泉・藤井→中野克哉・泉澤・シュヴィルツォクへ3枚替え、投入した選手はいずれも一騎当千の猛者らしきネームバリューと、昇格を目指すクラブ故の層の厚さを見せ付けます。
尚この交代により、市原を右SBとした4-4-2へとシフトした大宮。(左SBに下口、ボランチは小島・石川)

結果的に、この交代の駒が試合を動かす事となり。
27分、小島のスルーパスを右ポケットで受けた中野克が、前進ののちシュート(GK吉丸セーブ)と早々にゴールを脅かし。
29分にも、左ワイドで縦パスを受けたシュヴィルツォクが、カットインに杉本とのワンツーも交えエリア内を急襲した末にシュート。
大関のブロックによる跳ね返りを更に自身で追撃するも、これも堂鼻がブロック。
投入された選手の矢玉により、再度劣勢の色が強まってきた福島。

そして30分、ここもシュヴィルツォクが小島とのワンツーの末にエリア手前からシュート(ブロック)と、短期間で3本目となるシュヴィルツォクのフィニッシュでCKに持ち込んだ大宮。
この左CK、ショートコーナーから泉澤の切り込みで奥からクロスと目線を変える攻めで、ファーに上がったボールを浦上がヘディングシュート。
GK吉丸がセーブするも、跳ね返りをすかさず市原が詰め、堂鼻のブロックで防がれた所を再度自ら押し込んだ市原。
ひっきり無しに放たれるフィニッシュによりとうとう決壊と、まさに執念が齎した大宮の先制点となりました。

追い掛ける立場となった福島。
尚も続く大宮の攻勢を何とか凌ぐと、34分に押し込んだのち、大宮の縦パスを松長根が前に出てカット。
ここから細かく繋ぎ、塩浜の右ポケットへのスルーパスに走り込んだ松長根のグラウンダーのクロスが入ると、ニアサイドで樋口がヒールで合わせてのシュート。
これがゴールへ向かったものの、ライン寸前で中野克がブロックと紙一重で防がれてしまい。
尚も秋山・上畑がシュートに持ち込むもそれぞれブロックに阻まれ、非常に惜しい逃し方となってしまいました。

するとチャンスの後にピンチが待っており。
直後のCKからの攻めを防ぎカウンターに持ち込む大宮、右ワイドで拾ったシュヴィルツォクの裏へのミドルパスを受けた泉澤がドリブルに入り。
細かいタッチでプレッシャーを与えながら、エリア手前から放たれたシュートが、松長根のブロックに当たった末にループの軌道でゴールへ吸い込まれます。
展開的にも、相手を奈落の淵へと突き落とすような追加点に。

それでも諦めは許されない福島、キックオフの前に大関・樋口→城定・澤上へと2枚替え。
38分、素早い繋ぎから左サイドで前進し、清水がカットインからシュート気味にクロスを送るもブロックされてCKに。
しかしこの左CKから、キッカー針谷のクロスに対し中央で山田が跳び、越えたその奥で堂鼻が合わせてのヘディングシュート。
潰れによる綺麗な二段攻撃を決め、1点を返す事に成功します。

これで水を得た魚のように攻め上がる福島。(40分に上畑→加藤匠人へと交代)
大宮も依然として前からいく姿勢は崩さずも、シュヴィルツォクが入った前線の規制が今一つで、悠々ビルドアップを果たしていきます。
そして43分、右ワイドで受けた松長根がカットインからのクロス、これをファーサイドで清水が合わせヘディングシュート。
しかし枠を捉えられず、結局これが福島最後のフィニッシュとなりました。

その後は45分に大宮も最後の交代。(市原・石川→貫・高柳)
逃げきり体制と思われましたが、それでも隙あらばプレッシングからボール奪取にいく姿勢は変わらず。
しかもそれが機能し始め、中々運べない状況に陥った福島、というアディショナルタイムの攻防となります。
そして最後までゴールを狙う姿勢を崩さなかったシュヴィルツォクのシュート(ブロック)がこの試合最後のフィニッシュに。

1-2のまま試合終了となり、無敗継続を果たした大宮。
敗れた福島も道中、信念の中に執念も感じる戦いを演じましたが、力及ばずという結果に終わり。
両面が巧くミックスされ、実を結ぶ時は来るでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J3へ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2024年J2リーグ第11節 V・ファーレン長崎vs横浜FC

2024-04-24 16:14:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(9節・熊本戦、4-3)
※前回の横浜FCの記事はこちら(7節・仙台戦、1-2)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 水曜(4/17)にルヴァン杯2回戦(磐田戦、1-0)が挟まる。その試合からの連続スタメンは誰も居らず。櫛引・加藤・増山・笠柳が途中出場。
  • 6節(甲府戦、1-1)で負傷交代した飯尾の詳細が発表され、4/4に手術実施して全治6~8ヶ月との事。
  • 前節(徳島戦、6-1)負傷交代した新井一はベンチ外。
  • ユース所属の宇佐川・西村・宮崎が2種登録選手となり、前節から登録される。

<横浜FCスタメン>

  • 林がJ3・宮崎へ育成型レンタル移籍となり、前節(藤枝戦、2-0)をもって登録抹消。
  • 負傷離脱していたガブリエウが復帰し、前節の途中出場を経てこの日スタメンに復帰。
  • ユース所属の庄司・高橋友矢・前田が2種登録選手となり、今節から登録される。

同じ地方(九州)という事で、同時開催の大分同様に悪天候の中での試合となった長崎のホーム・トランスコスモススタジアム長崎。
当然ながらドーム設備は無いので、その水分が戦局を左右する状況となり。
パッと見、遠目からは判らなかったものの、バックスタンド側のサイド(主に中盤の位置)ではボールが転がると激しい水しぶきが上がる状態のピッチ。
これにより(あくまで一部分ですが)、地上でのビルドアップの際にはボールが止まるという懸念を抱えながらの試合となりました。

その、地上でのビルドアップを展開する長崎。
入りこそ、センターバックから右サイドへ送られるパスは、水しぶきを上げながらもしっかりと転がりモヨマルコムに渡るなど影響は小さく。
それでもピッチ状態を考慮してか、前半7分にはモヨマルコムが自陣からドリブルを仕掛け、多少強引ながら2人剥がした末に右ポケットへ切り込み。
奥からのクロスは流れるも、逆サイドで拾って継続の末に、米田のクロスをファーサイドで合わせたモヨマルコム。
そのヘディングシュートはGK市川にキャッチされたものの、雨もなんのそのという推進力を見せ付けました。
思えば2分の最初の長崎の好機も、米田が自陣からドリブルを仕掛けてのもの(その後グラウンダーでクロスが防がれコーナーに)であり、両SBの躍動がカギとなりそうな予感を膨らませ。

しかし止まない雨によりピッチ上の水分も増大し、その結果ショートパスが止まるという絵図が見られ始めるバックスタンドのサイド。
長崎は15分に、最終ラインでの繋ぎでその事態に見舞われ危うく奪われかけたものの、何とか事前に危機を防ぎ冷や汗。

これを好機と見た横浜FC、その後ハイプレスの意識を高めた事で、長崎はひたすらGK原田のフィードによるプレス回避を強いられます。
その結果、このフィードの跳ね返しによりペースを掴み始める横浜FC。
22分にはンドカの跳ね返しを拾った伊藤、そのままミドルシュートを放ち、GK原田がセーブし何とかCKに逃れ。
当然、福森の控える横浜FC相手ではCKは更なる絶好機を与えるのと同義であり、上げられるクロスに肝を冷やすという展開に。

結局20分台で横浜FCが得たCKは3本でしたが、いずれもシュートには繋がらずとなり。
苦しい時間帯を脱した長崎は、雨対策として本格的にロングボールを使ってのビルドアップを混ぜ始め。
34分櫛引のロングパスからセカンドボールを繋いでの攻撃、左サイドへの展開を経て笠柳がワイドで持ち。
カットインかクロスかの二択という所でクロスを選択した笠柳、ファーに上がったボールに増山が脚から跳び込んだもの僅かに合わず。
これで好循環を呼び込めたか、続く35分には横浜FCが敵陣でパスワークを展開するも、福森のパスミスを拾った事でカウンターに繋ぎます。(ジェズスのスルーパスにエジガルが走り込むもンドカがクリア)

迎えた37分、敵陣に押し込んだ状態から最終ラインで繋ぎ、田中縦パス→ジェズス受けて右へ→モヨマルコムドリブルで奥を突き。
上げられたクロスはクリアされるも米田が拾って逆サイドから……と、7分のシーンのような流れですが、米田のスルーパスに駆け込んだ加藤がスライディングでクロス→クリアを拾ったモヨマルコムが右からクロスとさらに続くクロス攻勢。
その最中に中央で増山がンドカのチャージを受けて倒れ込んだ事で、一瞬横浜FCサイドも意識を止めてしまったのが運命の分かれ道となったでしょうか。(試合を止めるべくのアピールをした選手も居た)
3本目のクロスで、ニアで跳んだ笠柳(ここにGK市川が跳び出すも触れられず)を越えたボールに、ファーサイドでエジガルが脚で合わせてゴールネットを揺らします。
分厚い攻撃をモノにした長崎、無敗(3節以降)を保つべくの先制点を挙げました。

やや納得し難い失点となった横浜FC。
その負の感情か、得点シーンの際に倒れ込んでいた増山は、その後も横浜FCサイドのスライディングを受けて倒れ込むシーンを幾度も発生させてしまい。

しかし当然ながらそんな態度(あくまで偶然でしょうが)が好循環を齎す事は無く、以降前半終了まで長崎の独壇場という試合展開になり。
水分の少ない左サイドで地上から前進し、幾度も好機を作り。
そして何度もCKに繋げるなど、先程の横浜FCのお株を奪う流れに持ち込みます。

45分、笠柳のスルーパスに走り込んだ加藤、先制のシーンと同じような左ポケット奥の位置でのクロス。
それを防がんとしたGK市川がかわされた横浜FC、撃たれれば失点という場面でしたが、大外に流れたため収めたエジガルは撃てず。(その後戻しからモヨマルコムがシュートもブロックされる)
失点により文字通り崩壊の危機といった横浜FCでしたが、何とか1-0のまま凌いで前半を終わらせます。
そしてハーフタイム、巻き返しを図るべく2枚替えを敢行。(中村拓・小川→村田・カプリーニ)

迎えた後半、村田の投入により山根が右ウイングバックへと移った横浜FC。
後半1分、ガブリエウ→ユーリ→カプリーニと助っ人3人で繋いだ末に左の村田へ展開し、奥へ切り込んでクロスが上がり。
早速投入された選手により齎されたこの好機、クリアボールを拾った井上を経由しカプリーニのシュートで締められます。(ブロックされCKに)

これでペースを掴んだ横浜FC、長崎の逃げのロングフィードを跳ね返して好機を作るなど、前半の良かった時間帯を思い出すかのように押し込み続け。
3分には再び村田が左からクロス、合わずに流れるも逆の右からガブリエウが今度は手前から角度を付けてのクロスがゴールへ向かい。
ニアでユーリがフリックに入った事もあり際どいボールとなりましたが、GK原田が惑わされずセーブして防ぎ。
6分には長らく敵陣右サイドでパスを繋ぎ、カプリーニのエリア内のロビングで乱戦に持ち込み。
クリアされるもエリア内にパスを送るの繰り返しを経て、高橋利がシュートしましたがこれも防がれ。(ブロック→GK原田キャッチ)

このまま同点まで辿り着きたい所でしたが、8分には自陣での繋ぎのミスでボールロスト。
これでショートカウンターに持ち込む長崎、エジガルが秋野とのワンツーで左ポケットに切り込み、反転ののちシュートを放ちましたがGK市川がセーブし何とか防ぎ。

これにより正気を取り戻した長崎。
横浜FCは前半よりも一層プレッシングの圧を強め、長崎の2CB+アンカーに対し1トップ・2シャドーがキッチリ嵌めにいく体勢を作り上げ。
それに対しても、唯一フリーマンのGK原田のパス出しや、エジガルが自陣に降りてのポストワークを絡める事でプレス回避の精度を高めます。
14分、降りてきた笠柳への遊びのパスののち、櫛引縦パス→エジガルポストプレイ→ジェズススルーパスと本命の繋ぎで右奥を突き。
受けた増山が溜めを作ってクロス、ファーで合わせにいった笠柳は撃てずも、こぼれ球をエジガルがシュート(GK市川キャッチ)してゴールを脅かし。

長崎のリードを広げるべくのプレッシャーにより、横浜FCも矛が鈍ってきたでしょうか。
12分にカプリーニが右からのカットインでシュートレンジに持ち込んだものの、クロスかシュートか中途半端なキックとなってしまい、ゴール左へと外れ。(もしかするとコントロールショットにも見えましたが)
その後もボールポゼッションは高まるものの、クロスに辿り着くのがやっとという攻めを繰り返し。
(19分に長崎は笠柳→松澤へと交代)

その均衡を崩しにいったのが、やはり福森の悪魔の左足。
22分、中央へとミドルパスを送った福森から、高橋利の落としで一気にエリア内を突く攻撃。
これは跳ね返されるも、拾ったユーリの前進を反則で止めてしまったエジガルにより、絶好の直接フリーキックを得ます。
当然ながら蹴るのは福森(一応右足の山根もキッカーの位置に)で、この中央やや左寄り・エリアから近くの位置で放たれたシュートが壁を越えてゴール左へ。
しかし落ちきらず僅かに上へと外れてしまい、モノに出来ず終わりました。

冷や汗を掻いた長崎サイド、26分にジェズス・エジガル→澤田・フアンマへと2枚替え。
同時に横浜FCも、井上→中野へと交代します。

攻撃的な中野がボランチの位置に投入された事で、一層の攻めの姿勢を見せた横浜FC。
しかしそれが良い方向に流れるとは限らず、長崎の好機が続きます。
28分にモヨマルコムがミドルパスをカットしたのち縦に素早く前進、スルーパスに走り込んだ澤田が放った右ポケットからのシュートがゴールポストを直撃。
30分には裏へのロングパスを収めたフアンマを、防ぎにいったンドカが激しく寄せるも、結局フアンマの前進をオブストラクション気味に阻み倒してしまった事で反則・警告。
これで通算4枚目で次節出場停止と被害も広がりますが、当面考える事はこの試合で勝ち点を得る事のみであり。

突破力を発揮し辛いボランチに入った中野ですが、33分にはロングパスを左奥で受けた村田からの戻しを受けると、カットインからの直進でポケットへ切り込み。(その後対応されクロスは上げられず)
村田の推進力に慣れられた感があったのを打破する切り札になり得ると思われましたが、その後は良くも悪くもボランチに徹して目立たず。
ならばと右に回った山根を活かさんと攻めますが、折角奥を取ってもそのクロス精度は今一つな山根により、これもフィニッシュに繋がる事はありません。
38分にはカプリーニとスイッチ気味でのパス交換を経て奥へ切り込んだ山根、シュートのように強く速いクロスをゴール前へ送り。
これをGK原田がパンチングでCKに逃れるという具合に、精度よりも思い切りの良さを前面に出した方が好結果に繋がるかのようでした。

次第に村田からの左での攻撃は尻すぼみとなり、それに釣られるように福森が上がって受ける事も減り。
(ンドカの反則以降)10分以上も攻撃機会を独占した横浜FCでしたが、それにより決定打に欠けゴールに辿り着けず。
そして終盤、気持ちが切れるかのように打って変わって長崎ペースへ。
敵陣深めでの左スローインによる攻防で、止めようとした山根が連続で反則を犯してしまうなど、焦りによりプレーを止めてしまい時間も進む結果を招き。
それを尻目に長崎は45分に最後の交代。
加藤・秋野→山田・瀬畠へと2枚替え、同時にその2人をドイスボランチとした4-2-3-1へとシフトします。

その山根の反則により、さらにFKからコーナーでキープに入るという具合に逃げ切り体制に。
何とかその流れを切った横浜FCは、左ポケットを取ったカプリーニにより左CKに持ち込み。
キッカー福森のクロスにンドカがヘッドで合わせたものの、撃ちきれず浮いてしまいモノに出来ません。

結局これが横浜FC最後の好機となり、1-0のまま試合終了に。
勝利した長崎、この日は自慢の攻撃力は影を潜めたものの、それでも接戦を制する形でチーム力を発揮。
これで4連勝・9戦無敗と、順調に昇格すべきチームへと育ってきた感がありますが、今後の展開は如何に。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする