ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2023~24AFCチャンピオンズリーグ ラウンド16第2戦 ヴァンフォーレ甲府vs蔚山現代FC

2024-02-22 16:01:57 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

・↓のピンク色の選手は、ACL用の背番号となっている選手。通常は今津=5・鳥海=10・ゴンザレス=11。
・甲府はウタカ、蔚山はイドンギョンがトップ下のようにも見える。つまりどちらも4-2-3-1の節がある布陣。

甲府ベンチメンバー=GK渋谷 孫大河 山本 荒木 井上 飯田 武富 林田 水野 三平 アダイウトン

前回のACLの記事 =ラウンド16第1戦・蔚山vs甲府(3-0)


アウェイでの第1戦を、0-3という結果で終えてしまった甲府。
勝ち抜けは現実的に言って厳しい状況となりましたが、泣き言を漏らす訳にはいかず。

「未来に繋げる」、そんな言葉の意味が2通り、というのはまさにこういう状態でしょうか。
奇跡的に逆転して勝ち抜けたのならば文句無し。
そうならなかった場合にも、内容で周囲を唸らせる事で、これから始まるリーグ戦に良い形で繋がる事にもなる。
「ゼロか1か」というデジタル思考に陥り易い人間の性ですが、こうした選択肢は常に持っておきたい所。
それでもホーム(といっても新国立競技場)に集まった5ケタの観衆(15,932人)を観て、「舞台は整った」と思ってしまうのはサッカーファンの性か。

一方余裕が出来た蔚山は、前試合から半数を入れ替えたスタメンで、キムジヒョン以外の4人はいずれもが途中出場した選手。
特に江坂をボランチで起用した辺り、開幕までまだ余裕がある状況(Kリーグは3/1に開幕との事)で試運転を兼ねたものだったでしょうか。

試合が始まると、早速蔚山は3点のリードを活かさんと、ボール保持を重視するサッカーを展開。
つまりは最後方からのビルドアップですが、ここで前試合のドイスボランチのコンビを崩した影響が表れたか、その内容は今一つ。
背水の陣の甲府のプレッシャーを受けて、ロングボールを蹴らされる場面が膨らみます。
試合前に注目の1人として名前が挙げられていた(解説=坪井慶介氏)コサンボムも、相方(イギュソン)の存在あってこその巧みなプレーといった感じで、江坂との息が合っていない風に映り。

そうした隙を突かんとする甲府。
立ち上がりから攻撃権を支配し、前半8分に敵陣でのカットからファーストシュート(宮崎がミドルシュート・枠外)に辿り着き。

アップセットを起こす雰囲気は十分でしたが、同時に知らず知らずのうちに前掛かりになってしまっていたでしょうか。
11分ソルヨンウのミドルパスがイドンギョンに合わずに流れるも、その奥でアーダームが落とすと、ひたすら喰い付くディフェンスが格好の餌食になるという絵図を描くのみとなり。
裏抜けを許し、イドンギョンのポケットへのスルーパスに走り込んだオムウォンサンのシュート。
これは左ポストを直撃するも、跳ね返りをしっかり詰めていたキムジヒョンがシュートしてゴールネットを揺らします。
早々に先制、もとい点差を広げられてしまった甲府。

しかし蔚山もビルドアップを阻まれる事が目立ち、先制したといっても苦し紛れの浮き球のパスのズレが繋がるという偶発性の高い組み立て。
さらに直後の12分、キャプテンのキムギヒに故障が発生してしまうアクシデント。
筋肉系トラブルらしく担架で運ばれる事態となり、すかさずファンソッコを投入します。

これで最終ラインにも不安定さが顔を覗かせる蔚山。
止む無くこの後は、コサンボムが最終ラインに降りて3枚で回す場面が目立つ事となります。
イドンギョンが降りる事で上手く3-2の状態を作りつつ、高く位置取るサイドバックから運ばんとする姿勢を取り。

流れ自体は依然として変わらず、さしたる好機を作れない蔚山ですが、ボール保持は安定性を増し。
甲府のボール奪取を受ける事は激減したため、既に4点差もある状態でこれで良いといったサッカー。

追う甲府にとっては焦りを増幅させかねない展開で、前試合同様サイドからアーリークロスを上げるのが関の山に。
特にこの日起用された小林のいる左サイドが深刻で、奥にまで切り込める突破力は無く、一列前の宮崎も常時カットインを狙うタイプの選手なため早々にその状態に陥っていました。

そんな流れを変えたのが35分で、中盤でのウタカのボール奪取から、ゴンザレスがロング気味のシュートを狙い。
これが枠を捉えGKチョヒョヌが辛うじてセーブというフィニッシュで、文字通りの号砲となり。
直後に鳥海のボールキープが(コサンボムの)反則を生み、中央やや右からのフリーキックで、キッカー佐藤はファーへ放り込みを選択。
今津の落としがウタカに繋がり、近距離でのシュートチャンスとなりましたが、放たれたウタカのシュートは右へ逸れてしまい決められません。

しかしここから決定機を重ねる甲府。
前試合の「少ない決定機をモノに出来ず」という状態の攻撃からは一変した辺り、流石はホームが齎す力と言うべきでしょうか。

38分、木村が中盤から左ハーフレーンを持ち上がると、一気にポケットまで進入してそのままシュート。
GKチョヒョヌが足でセーブとこの決定機も防がれましたが、尚も怒涛の攻撃は続き。
39分にはついに蔚山のビルドアップに対し、ファンソッコから左サイド深めでゴンザレスが奪う状況を作ります。
そしてエリア内中央へパスを送ると、ウタカがワントラップからシュートしたものの、戻ったイドンギョンがスライディングでブロック。
こぼれ球を尚も宮崎が拾いシュートしますがこれもキムヨングォンがブロックと、ゴールまで最接近しながらも後一押しが出来ません。

40分台に突入すると、蔚山が落ち着きを取り戻し敵陣でポゼッションを高める時間帯に。
そして45分、先制点のシーン宜しく、浮き球パスがターゲット(キムジヒョン)を越えてアーダームがポストプレイというパターンから決定機。
受けたキムジヒョンがドリブルからスルーパスを送ると、オムウォンサンがエリア内でGKと一対一という場面が出来上がります。
しかしGK河田は落ち着いて立ちはだかり、放たれたシュートを身体でセーブして絶体絶命の危機を凌ぎ。

これで再び流れを変えた甲府はアディショナルタイム。
左サイドから木村が中央へ縦パス、ゴンザレスのポストプレイがスペースへ出た所に、猛然と走り込んだ佐藤がミドルシュート。
江坂のブロックでコースが変わるも、GKチョヒョヌはこれもファインセーブ。
直後に関口のミドルシュートもセーブしたチョヒョヌ、隙を見せません。

結局0-1のまま前半が終わり。
ハーフタイムで両チーム動きを見せ、甲府は宮崎→アダイウトンに交代。
一方の蔚山はコサンボム→イギュソンへと交代、奇しくも前試合でのドイスボランチのコンビ同士で交代する事となりました。

最初の好機は後半2分で蔚山、これもカウンターによるもの(左ワイドをキムジヒョンがドリブルからクロス)と、甲府の前掛かりを突きに掛かるのは変わらず。
それでも直後の3分、前線でボールを収めにいった所でアーダームとオムウォンサンが激突してしまい、マンシャが拾って甲府が反転攻勢。
木村がアダイウトンとのワンツーで前進、中央のウタカへラストパスが通る好機となりましたが、放たれたシュートはキムヨングォンがブロック。

ここから再び甲府の攻勢が始まり。
しかし守護神の好守に応えたか、蔚山も中央を固め始め。
6分に鳥海がミドルシュート(GKチョヒョヌキャッチ)、7分に関口がミドルシュート(キムヨングォンがブロック)と、遠目からのフィニッシュに比重が置かれてアタッキングサードを攻略できず。

痛烈な甲府のプレッシングを受け、ビルドアップもままならない蔚山。
最終ラインの一列後ろ、つまりGKチョヒョヌから組み立てる事で安定感を得ようとします。
12分チョヒョヌ→ファンソッコから右サイドの持ち運びで、ソルヨンウがキープする所に、パスコースを切りながら立ちはだかる佐藤。
しかしその背中側でイドンギョンが前にズレ、ソルヨンウのパスを受けるという具合に、局面で巧さを発揮するのは流石という他無く。

この蔚山の立ち回りを経て、再びペースダウンを強いられる甲府。
16分に交代カードに手を付け、鳥海・ゴンザレス→武富・三平へと2枚替え。
ウタカ・三平のコンビとなった事で、ハッキリと4-2-3-1の形を取り始めます。

直後のコーナーキックから、小林とアダイウトンが立て続けにミドルシュートを狙いますが実らず。(前者はブロック・後者は枠外)
やはり守備に意識を置いた相手に対し、崩しのクオリティが今一つという甲府の攻撃。
その中で今後武器になりそうなのが、ボランチ起用されている木村の存在でしょうか。
前半の意表を突いた縦突破しかり、セオリーから外れた仕掛けは相手にとって脅威を一つ増やすものとなりそうです。

21分にその木村が、CKからクロスの跳ね返りをダイレクトでミドルシュート、これはゴール右へと惜しくも外れ。
直後の22分には、ヘディングの連続でウタカに渡ると、エリア内へ切り込みシュート。
しかしこれもGKチョヒョヌがセーブと防がれ。
ミドルシュートを繰り返しながら、相手の綻びを突いてウタカに渡すという流れは出来ていましたが、どうしてもモノに出来ません。

23分に木村→林田、29分に佐藤→飯田へ交代し、カードを使いきる篠田善之監督。
この最後の交代で、関口が最終ラインに入って3バックとなり、林田がアンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトしたでしょうか。(飯田は右ウイングバック)

必死に攻め続ける甲府ですが、その後惜しいシュートシーンは影を潜めるなど攻め疲れの様相が見え始め。
そして甲府の交代が止んだのち、蔚山もカードを使いきり31分にキムジヒョン・イドンギョン→ルドヴィクソン・キムミヌへと2枚替え。(既に19分にアーダーム→チョミンギュへと交代済み)
結果的に、1戦目のスタメンを順次投入という流れになります。

そして終盤も近くなり、1点も奪えていない甲府は焦りも現れます。
37分、GKチョヒョヌがロングフィードを送ると、クリアボールを江坂が拾うもボールはこぼれ。
しかしマンシャがこれをクリアミスして空振り、江坂が拾い直し右ポケットを突く事態となり。
そしてマイナスのクロスにキムミヌが走り込むという所で関口がクリアと、瀬戸際で何とか凌ぎます。
続く38分にはイミョンジェの前進からのミドルシュートを、ウタカがプレスバックして撃たせずと、ここに来て守備に奔走される形にもなり。

何とか蔚山の攻勢を凌いだ甲府、42分に左スローインからの組み立てを経てアダイウトンが左ポケットへスルーパス。
走り込んだ武富はさらに中央へ横パスを送り、待ち構えていたウタカは一旦ディフェンスに遭うも、こぼれ球を自らシュート。
ブロックに当たり左CKとこれも防がれましたが、同時に(イミョンジェの)ハンドか否かのVARチェックが挟まれます。
結果はノーファールも、これで一息ついたのが良かったでしょうか。
キッカー小林の中央へのクロスを、三平がヘディングで合わせてゴールネットを揺らします。
苦労を重ねてようやく奪った1点、既に勝ち抜けは極めて困難となっていましたが、重すぎる1点に違いなく。

それでも蔚山のやる事は変わらず、ボールキープ重視での攻撃を繰り広げながら、甲府が前掛かりとなってきた隙を突くスタイル。
ATに入っても不変であり、カウンターでオムウォンサンがドリブルでエリア内を突く好機を生み出します。
ここはエリア内で今津が反則気味に防いで事なきを得た甲府。
しかし再び薄い後方を突かれる場面が訪れ、クリアボールを拾ったルドヴィクソンがドリブルから右へ展開、キムミヌ→ソルヨンウ→オムウォンサンと繋いでポケットを素早く突き。
そしてダイレクトでグラウンダーのクロスが送られると、キムジヒョンが合わせて仕上げ、ゴールネットを揺らします。
勝ち越しに成功した蔚山、これでこの試合単体での勝利も濃厚となり。

諦めずに攻める甲府でしたが、最後に得たCKで、GK河田が前線に上がるという姿勢を最後まで見せるのみに留まり。
そして試合終了の笛が鳴り、1-2で決着。
同時に、2戦合計1-5という結果で、蔚山のベスト8進出並びに甲府の敗退が決定する事となりました。

一言で言えば、残念な結末に終わった甲府。
それでも内容的には、シュート数25本という圧巻の数字を残したこの試合。
1戦目での完敗の残像は払拭していたと言っても良く。
チームの成長を確かめつつ、開幕戦に繋げる流れは積み上げられたでしょうか。

サッカーランキング にほんブログ村 サッカーブログへ


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TV観戦 FUJIFILMスーパーカ... | トップ | DAZN観戦 2024年J1リーグ第1... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2024-02-22 20:50:46
蔚山がロングボールを蹴っていたのは狙い通りだということは選手達がコメントしています。
はなから甲府が前がかりになることをわかった上でのカウンター狙いに徹したと。
1戦目とはそもそも戦い方を変えてきてたんですよ蔚山は。
彼らの意図通りの試合結果だと思います。
コメントありがとうございます (コロ)
2024-02-23 10:06:04
ボール支配率は1戦目同様高かったので本文のような印象だったのですが、言われてみればその通りですね。
となると甲府としては、前半のうちに得点して蔚山のプランを乱したかったでしょうが、果たせなかったのが致命的でしたね。(それでも点差的に厳しそうですが)

コメントを投稿