三日月ノート

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医療機器:生物学的安全性試験

2018年03月13日 17時09分35秒 | 薬事
医療機器の承認申請を行う時、新たに日本に参入するメーカーにとって一番のハードルは生物学的安全性試験かもしれません。

血液・体液に接触(直接・間接問わず)する原材料がある場合は、日本で承認されている原材料と同一であることが証明できなければ基本的に生物学的安全性試験は免れません。

しかも高額で、体内に埋植する医療機器だと試験の項目も多くなるので1千万円くらいかかることも。

そして同一性の確認といっても、他社の原材料情報は申請書類を開示しても、ちょっと前に流行った「のり弁」状態で、肝心な所が見られません。

なので結局試験をやるしかない。

かなり昔、原材料のマスターファイルを作ろうなんて動きもあったのですが、業界(メーカー)の反発が大きく立ち消えになってしまいました。

行政で原材料の情報をプールしておいて、前例があるかないかだけでも確認できれば、不要な試験はやらなくて済むんですけどね。
もちろん同時にウサギやラット、マウスなど、試験で犠牲になる動物たちも少なくなるわけですし。

個人的な意見ですが、新規性の高い原材料は別として、一般的なポリエチレンの原材料情報を隠したところでどうなの?とは思いますが。

ところで先日、申請資料作成&翻訳の機会も多い生物学的安全性試験に関する書籍を2冊購入しました。

医療機器生物学的安全性試験/勝田真一著/情報機構』←なかなか良かったのでシリーズものの下記の書籍も購入。
医療機器生物学的安全性試験Q&A集/勝田真一著/情報機構

各試験項目の要点や考え方、陽性反応の場合はどう考えるかなど、なかなか有用な情報が入っています。

価格が価格なので、翻訳だけに携わる人には必要ないかなと思いますが、薬事申請関連のお仕事をしているかたにはかなりお薦めな書籍です。