三日月ノート

日々の出来事を気ままに。

【読了】株式会社 タイムカプセル社 — 十年前からやってきた使者

2021年04月10日 16時14分46秒 | 書籍

「10年後の自分に対して手紙を書く」そのこと自体は新しい話しではないけれど、転居などでその手紙が届かない人を探しだし、わざわざ届けに行くというストーリーは今までにない気がします。

手紙を届けてもらう登場人物は皆、中学卒業の時に10年後の自分に宛てて手紙を書いた25歳。
それまでの生き方や選択してきたことに対する後悔、将来に対する不安などを抱え、行き詰まり感を抱いている人たちです。

そういった人たちが、過去の自分からもらった手紙によって新しい一歩を踏み出す力をもらったり、未来への小さい光を感じて進み始めるのですが、「未来は変えられるけど、過去は変えられない」という一般的な認識を再考させられる物語がちりばめられています。

過去の体験が自責の念をもたらし、自分の成長を阻んだり前に進む障害になったりすることは少なくないと思います。
でも、「あの体験があったから今の自分がある」と思えたとき、変えられなかったはずの(認めたくない)過去が別の意味を持ち始め、それまでの人生を含め自分自身を肯定することができるようになるのかもしれません。

(手紙を)届ける側が若干説教臭い気もしましたが、全般的に共感できる物語でした。

株式会社 タイムカプセル社 — 十年前からやってきた使者
喜多川泰 著
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン(Kindle版)
評点:★★★☆☆(3/5点)


ところで、1年近くブログの更新をしていなかったようです。
最近は短文投稿SNSで済ませていることもあり、短くまとめた文章は書けるけど、まとまった長さの文章を書くことが億劫になっているフシがあります。
これからはたまにこちらにも投稿してみようと思います。



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