五月の季語に、薫風と言う言葉がある。
我が、越後でも植物、木々は芽吹き、それぞれに美しい花を咲かせている。
遠くの山あいからは、全ての生き物の根源である聖なる水が雪解けとともに満を持して、我が郷にもやってきた。
代掻きを終わらせた田んぼには、満面に水が張られ風が吹くとキラリキラリと輝いている。
風がそよぐ。
花の甘い香り、新緑の爽やかな香り、水の澄んだ香り、そしてお日様の全てを包み込む香り。
これらが混じりあって、なんとも表現しがたい至福のひとときを私にプレゼントしてくれる。
忙殺されかかっている毎日ではあるが、今この時期、この瞬間にしか味わえないこと。
ほんの少しの時間でいいから、足も、手も、身体も止めてたたずんでみるのもいい。