浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

クレイ首相 イスラエル非難のポーズ

2004年11月26日 | Weblog
 クレイ首相は25日、中国政府特使との会談後記者団に対して、イスラエルが「ロードマップ」を果たして真剣に実行しようとしているか疑問の声を上げました。  「イスラエルがやっていることは、入植地問題に関しても、『アパルトヘイト(南アフリカの人種隔離政策)』壁にしても、また(パレスチナ人幹部の)暗殺も、ガザからの撤退の代償として考えているとしか思えない」とクレイ氏は強くイスラエルを非難、その一方で「アメ . . . 本文を読む

パレスチナニュース

2004年11月26日 | Weblog
 11月25日の「パレスチナニュース」です。  ・故アラファト氏のお抱え医師のクルディ氏は、フランスの医療団の診察記録がパレスチナ側に手渡された今も毒殺説を信じる旨を記者団に語っています。  ・パレスチナ自治区を訪問中のイギリスのストロー外相は25日、クレイ首相と会談する予定です。 EUのソラナ外務部門担当が25日、ハマス指導部と会談しました。これが何を意図したものであるかは現段階では情報が入って . . . 本文を読む

シャロン、シリアの和平提案を拒否

2004年11月25日 | Weblog
 シリア訪問中のラーセン国連中東特別調整官がアサド大統領から「無条件でイスラエルと話し合う用意がある」との提案を引き出したのを受けて、シャロン首相は24日、「何も目新しいものがない」として退けました。  両国の間には、パレスチナ問題があるだけではなく、イスラエルが67年戦争以来占領し続けているゴラン高原を巡る領土(治水)問題があります。2000年には、当時のバラク首相の提案をシリア側が蹴っており、 . . . 本文を読む

隔離壁建設へGOサイン

2004年11月24日 | Weblog
 イスラエル最高裁は24日、エルサレム郊外のパレスチナ住民から出されていた「隔離壁」の建設見直しの訴えを退けました。隔離壁は、町の中心部を突っ切る形で建設される予定で、親族や友人が引き離される可能性があります。また住民が仕事に行くにも支障が出るとされています。  最高裁の判断は、即隔離壁の建設を意味するものとみられ、またここでもパレスチナ社会の分断がなされてしまいます。このこと一つ取って見ても、イ . . . 本文を読む

“大した話ではない”ある少女の非業の死

2004年11月23日 | Weblog
 これは大した話ではありません、恐らく。というのは、事件が起きた時も日本の新聞では目立たない扱いでしたから。そして、22日に主犯が起訴されたとの記事も、各新聞社のインターネット版を見ましたが、どこにも出ていません。だから、「大した話」ではないのでしょう。  でも、私には確信があります。この記事が皆さんに広く読まれるべきであると。日本の新聞も、このニュースが欧米のマスコミで大きく扱われれば、「後追い . . . 本文を読む

アラファト氏の医療記録

2004年11月23日 | Weblog
 故アラファト氏の主治医による治療記録報告書がスーハ未亡人とアラファト氏のおいでパレスチナ自治政府国連代表のアル・キドワ氏に手渡されました。  558ページに及ぶ報告書を全て見たわけではないし、医療の専門家の立場ではないと前置きした上で、キドワ氏は22日、「テストの結果では、毒物に関する情報はない」と発表しました。ただキドワ氏は、報告書に死因に関しての明確な記述がないことも明らかにしています。それ . . . 本文を読む

イスラエル パレスチナ幹部を暗殺

2004年11月22日 | Weblog
 アル・ファタハ(PLO最大の政治組織)の軍事組織の幹部と他の2人が21日、議長府のあるラマッラの路上で、イスラエル特殊部隊によって暗殺されました。暗殺された幹部はモハメッド・ガッサンで、アル・アクサ旅団の指導者の一人です。  特殊部隊は、議長府から出てきた3人が乗る車を追跡した後、射殺した模様です。アラブメディアによれば、何の抵抗もない3人を射殺したとしています。また、イスラエルのメディアも暗殺 . . . 本文を読む

欧米各国閣僚 パレスチナ入り

2004年11月22日 | Weblog
 アラファト議長の死後、パレスチナ和平の動きが急速に活発化していることはお伝えしている通りですが、バーンズ米中東担当補佐官が21日、クレイ首相、ファトゥーフ自治評議会議長との会談をした後、明日、パウエル国務長官が現地入りする予定です。  それに続いて、今週中に独仏の閣僚がパレスチナ自治政府幹部と会談し、来週には英露の外務大臣のパレスチナ入りが予定されています。 . . . 本文を読む

今日も少年が凶弾に斃れていく

2004年11月21日 | Weblog
 PLO議長も選ばれ、パウエル国務長官による中東和平への動きも再開する中、パレスチナでは相変わらず、インティファーダ(民族蜂起:石による革命)の炎は消えていません。  20日も自治区各地でインティファーダが起きました。西岸地区の主要都市ナブロスでは投石するパレスチナ人に対し、イスラエル軍が実弾で鎮圧を図り、15歳の少年2人を殺害しました。また、ガザのラファでは、60代の男性と2人の子供を含む4人が . . . 本文を読む