浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

G8外相会議

2005年06月24日 | Weblog
 ブリュッセルでの支援会議を終えた「G8」は23日、場所をロンドンに移して中東和平を話し合う外相会議を行ないました。イスラエルとパレスチナの両首脳と会い、サウディ・アラビアも訪問していたライス国務長官が話の中心になったようです。ただし、今回の外相会議は、来月スコットランドで行なわれる予定のG8首脳会議の事前調整の色彩が濃いものですから決定的な決め事がされたわけではないでしょう。 . . . 本文を読む

クレイ首相に銃撃

2005年06月23日 | Weblog
 クレイ首相は22日、訪問先のバラータ難民キャンプで戦闘員達を集めて説明会を開いていたところ、中に招じ入れられなかった戦闘員達が建物に向かって発砲、現場周辺は一時騒然となりました。  クレイ氏と同行していた数名の閣僚の身に危険は及びませんでしたが、かつてこのような事態になったことはなく、自治政府内に衝撃が走っています。  現場を離れたクレイ氏はその後、記者団の取材を受け、強気を装っていたようですが . . . 本文を読む

首脳会談 不調に終わる

2005年06月22日 | Weblog
 イスラエルとパレスチナの首脳会談が21日、エルサレムのシャロン首相の公邸で行なわれました。  多くのマスコミは、ライス米国務長官の「調停外交」の後だけに、和平に進展があるのではと注目していましたが、この欄で予測したようにライス長官の残した成果はなにもなく、首脳会談も2時間で終わってしまいました。  同行したクレイ首相の側近の話では、両者の主張は全くかみ合わなかったとのことです。西岸地区のカルキリ . . . 本文を読む

クラーンへの冒涜 武装攻撃の引き金に

2005年06月21日 | Weblog
 西岸地区のトゥルカレムの近くの路上で20日、イスラエル人が運転する車が武装勢力の攻撃に遭い、1人が死亡、もう1人が軽傷を負いました。  事件後、「イスラーム聖戦」が実行声明を出し、20日の攻撃がイスラエルの刑務所における「クラーン(コーラン)への冒涜」への復讐だとしました。報道によると、パレスチナ人収容者の取調べの際に、目の前でクラーンが破り捨てられたとのことです。  トゥルカレムの事件から数時 . . . 本文を読む

ライス長官 “順調な?”中東外交

2005年06月21日 | Weblog
 ライス国務長官はイスラエルとパレスチナ首脳との会談を終えると19日、隣国ヨルダンに入り、アブダッラ国王と会談、そしてその足でエジプトに向かいました。そして20日、ムバラク大統領と会談をしています。  この日程を見る限り、順調な「中東行脚」という感じがしますが、それはすなわち、中東和平に何ら進展が見られなかったとことを意味すると取っていいでしょう。イスラエル、パレスチナ双方に大きな歩み寄りが見られ . . . 本文を読む

イ軍に攻撃

2005年06月20日 | Weblog
 ライス国務長官が中東和平の進展を図る中、19日、ガザ地区でイスラエル軍に対してパレスチナ組織が対戦車砲と自動小銃で攻撃を行ない、イスラエル兵3人が死傷しました。  攻撃後、「イスラム聖戦」と「アブ・リシュ旅団」と名乗るグループが実行声明を出しました。声明によると、イスラエルがガザからの撤退を予定しながら、ガザ南部のエジプトとの境界線を撤退後も管理するために改築工事を行なっていることに抗議するもの . . . 本文を読む

ガザで武装攻撃

2005年06月20日 | Weblog
 ライス国務長官が中東和平の進展を図る中、19日、ガザ地区でイスラエル軍に対してパレスチナ組織が対戦車砲と自動小銃で攻撃を行ない、イスラエル兵3人が死傷しました。  攻撃後、「イスラム聖戦」と「アブ・リシュ旅団」と名乗るグループが実行声明を出しました。声明によると、イスラエルがガザからの撤退を予定しながら、ガザ南部のエジプトとの境界線を撤退後も管理するために改築工事を行なっていることに抗議するもの . . . 本文を読む

女王のように振舞う ライス長官

2005年06月19日 | Weblog
 17日にイスラエルに到着したライス国務長官は、イスラエル政府幹部と会談することなく、自治政府があるラマッラを訪れ、アッバース大統領に会いました。会談の中でライス長官は、アッバース大統領が就任以来、懸案であった内政改革、特に治安関係機関の民主化に力を入れてきたことを評価、“お褒めの言葉”を授けたようです。  そのような書き方をしたのは、会談中、ライス長官がまるで女王さまのように振る舞い、アッバース . . . 本文を読む

ライス長官中東訪問

2005年06月18日 | Weblog
 中東和平の調停の役割を帯びたライス米国務長官は先程、アイルランドでの給油を終えてイスラエルに向かいました。長官を乗せた特別機はまもなくエルサレムに到着する予定です。  入植地からの撤退という国内世論を2分する方針を打ち出しているシャロン政権は、今回のライス訪問を“定期的”なものと捉えていますが、こちらも世論が2分しかかっているパレスチナのアッバース大統領は、ライス長官の訪問を難局打開に導こうと熱 . . . 本文を読む

旗を掲げたら逮捕!

2005年06月17日 | Weblog
 エルサレムにあるイスラエル最高裁の前で16日、パレスチナの旗を掲げていたイギリス人がイスラエル警察に連行されたとの情報が入ってきました。その英国人は、イスラエルに「隔離壁」を作るための土地を奪われたパレスチナ農民を支援する平和活動家達のひとりで、この日行なわれた裁判の支援に現場に駆けつけていたものです。幸い、英国人は数時間後に釈放されたとのことです。  イスラエルはまだこんなことをやっているので . . . 本文を読む