浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

隔離壁建設へGOサイン

2004年11月24日 | Weblog
 イスラエル最高裁は24日、エルサレム郊外のパレスチナ住民から出されていた「隔離壁」の建設見直しの訴えを退けました。隔離壁は、町の中心部を突っ切る形で建設される予定で、親族や友人が引き離される可能性があります。また住民が仕事に行くにも支障が出るとされています。
 最高裁の判断は、即隔離壁の建設を意味するものとみられ、またここでもパレスチナ社会の分断がなされてしまいます。このこと一つ取って見ても、イスラエルがパレスチナとの和平交渉で「痛みを伴う」妥協をするはずがない事が分かります。あるとすれば、ガザからの撤退のように、事前に不当な占領をしておき、まるで痛みを分かつかのように、それを交渉の材料に使うやり方でしょう。

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