浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

地方選挙続報

2005年09月30日 | Weblog
 29日に行なわれた地方選挙は、約1000の議席の内、104議席を争うものでした。選挙管理委員会によれば、未だ最終的な数字は確定していないものの投票率は81%と高率を保ったようです。  選挙結果は、与党ファタハが61議席と安定多数を保ったものの、急進派で知られる宗教組織のハマースが28議席を獲得しています。他の15議席は、PFLPや共産党などの旧来の政治組織が分けています。  今回の選挙は、直前に . . . 本文を読む

地方選挙でハマースが躍進か

2005年09月30日 | Weblog
 昨年末から始まっているパレスチナの地方議会選挙の第3ラウンドが行われました。  今回は、1月に行なわれた2回目の選挙よりも与党ファタハが得票を減らし、急進派のハマースがさらに票を伸ばすと見られています。直前の世論調査では、ハマースが30%を超える支持を獲得しています。  毎回のことですが、また選挙後にファタハによる不正投票行動が明らかになるでしょう。ファタハ内部のハマースの台頭への警戒感は年々強 . . . 本文を読む

ヒズボラーがFBIの調査に難色

2005年09月30日 | Weblog
 レバノンに本拠を置くシーア派組織ヒズボラー(神の党)は28日、FBIがレバノンの人気女性TVアンカーパーソン(ニュースキャスター)メイ・シェディアクさんの爆弾テロ事件の捜査に乗り出したことを非難しました。  アッサフィール紙が伝えるところによると、ヒズボラーの幹部は匿名を条件とする取材に応じた中で、米国政府のレバノンへの内政干渉に強い懸念を示したとのことです。  ただ、ヒズボラーは、シリアとイラ . . . 本文を読む

女性アンカーパーソン暗殺未遂続報

2005年09月29日 | Weblog
 25日に愛車に仕掛けられた爆弾で手足をもぎ取られたニュース・アンカーパーソン、メイ・シェディアクさんに同情する空気が高まる中、FBI(アメリカ連邦捜査局)の捜査官3人が28日、現場を検証しました。  これは、事件に隣国シリアが関与したのではないかと言われている状況から考えますと、単純な捜査協力というよりも米国のシリアへの圧力と考えられます。  ジュニエというのは、首都ベイルートから北に車で30分 . . . 本文を読む

止まぬ互いの攻撃

2005年09月28日 | Weblog
 ハマースやイスラム聖戦機構などの13のイスラム組織は27日、ガザからの対イスラエル攻撃停止で合意しました。しかし、その後も数発のロケット弾がガザからイスラエル側に撃ち込まれました。  それに対してイスラエル軍はパレスチナ側に対して、空からミサイル攻撃をする一方、陸から戦車で砲撃を加えました。シャロン政権のことですから、たとえパレスチナ側からの攻撃が一部のはねっかえりグループによるものと分かってい . . . 本文を読む

レバノン女性キャスターへのテロ

2005年09月27日 | Weblog
 レバノンの人気女性TVアンカーパーソン(ニュースキャスター)メイ・シェディアクさんが25日夜、ジュニエ市内で愛車に仕掛けられた爆弾で手足それぞれ一本を失う重傷を負いました。  シェディアクさんは政治問題に積極的に発言することで知られるジャーナリストで、当日の番組でも隣国シリアのレバノンへの内政干渉を痛烈に批判していました。その内容は強烈で、番組を見ると、歯に衣着せぬの喩え通り、シリアをレバノン要 . . . 本文を読む

シャロン首相への“不信任案”否決

2005年09月27日 | Weblog
 与党リクード連合中央委員会は26日、ネタニエフ元首相から出されていたシャロン氏に対しての事実上の不信任案を51.3% 対 47.6%という僅差で否決しました。  ネタニエフ氏は、シャロン政権が実施したガザからの全面撤退に猛烈に反発、シャロン氏に対抗して党首になるべく党首選を11月に早めようとするものでした。ネタニエフ氏は超タカ派でなる政治家で、強硬派で知られるシャロン氏の政策にすら同調することな . . . 本文を読む

混乱続くガザの境界線

2005年09月17日 | Weblog
 ガザ地区とエジプトとの境界線が無秩序状態になっていることは既報ですが、17日朝、バスを連ねてパレスチナ人警察官数百名が秩序回復のために現地入りしました。ただ、現場はノンビリした雰囲気が今朝も漂っているとのことで、まだ数日は現在の状態が続くものと見られています。  ガザ地区は、パレスチナと言っても西岸地区とは微妙に違う文化や習慣を持っています。どちらかと言えば、エジプトの影響を強く受けており、住民 . . . 本文を読む

クレイ首相に不信任の動き

2005年09月16日 | Weblog
 15日までに16人の議員がクレイ首相の不信任決議を求める動議を議会に提出してパレスチナ政界が動揺しています。  不信任決議を求める声は、先日のムスターファ・アラファト氏の暗殺に関係していると現地情報は伝えてきています。同氏の暗殺は未然に防げたという声が少なくなく、動議を出した議員達はクレイ氏の治安面における失政が最悪の事態を招いたとしています。  これについては私も判断に困ります。両者を昔から良 . . . 本文を読む