浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

ジハード、ハマースの政治参加

2005年03月30日 | Weblog
 PLO(パレスチナ解放機構)は29日、ガザ市で執行委員会を開きました。  執行委員会には初めて対イスラエル強硬派グループ「イスラーム聖戦」が参加しましたが、参加を予想されていたもう1つの強硬派「ハマース」は“技術的な理由”で参加しませんでした。  ハマースの幹部の1人であるマハムード・アルザハル氏が前日、PLOへの参加表明をしていただけに、ハマース内部で異変が起きたのかと現地では様々な憶測が飛ん . . . 本文を読む

入植地撤退計画国民投票案否決

2005年03月29日 | Weblog
 イスラエル国会は28日、ガザ地区撤退計画を含む2005年度政府予算案審議を開始しました。この審議では、先にシャロン政権から発表された、ガザからの軍の撤退及びガザ地区にある全ての入植地の撤退に関連する予算が話し合われます。  同じ日、ガザ地区撤退計画に反対する右派勢力から提出されていた国民投票法案が賛成39、反対72の反対多数で否決されました。これで計画が事実上の承認を得たことになります。ただ、最 . . . 本文を読む

イスラエル軍 一部撤退開始

2005年03月21日 | Weblog
 イスラエル・パレスチナ停戦合意を受けて、パレスチナ自治区を軍事占領してきたイスラエル軍が順次撤退を始めました。先週、東部の町ジェリコから引き揚げ、治安維持を自治政府に託したばかりですが、21日には北西部のトゥルカラムを引き渡す予定です。  それに先立ち、イスラエル軍は20日、トゥルカレムとラマッラ一帯の“ゲリラ狩り”を行なっています。往生際が悪いとはこのことで、これに対してパレスチナ武装グループ . . . 本文を読む

ヨルダン国王 首脳会議を欠席

2005年03月21日 | Weblog
 21日から開催されるアラブ連盟首脳会議に先立って、外相級会議が20日、アルジェリアの首都アルジェで開かれました。  外相級会議は主にヨルダンのアブダッラ国王から18日に提出された和平提案についての話し合いに終始したようです。  しかしながら、ヨルダンのムルキ外務大臣から唖然とさせられる発表がされました。アブダッラ国王が他に所要があるため、首脳会議に参加できないというのです。首脳会議に欠席を表明し . . . 本文を読む

ヨルダンの和平提案

2005年03月20日 | Weblog
 ヨルダンのアブダッラ国王が来週アルジェリアの首都アルジェで開かれる予定のアラブ連盟首脳会議を前にして提出したイスラエルとの和平提案が、アラブ世界で論議を呼んでいます。  アブダッラ国王は、前に進まない和平交渉を動かすために、アラブ連盟加盟諸国が、イスラエルの占領地からの撤退を後回しにしてイスラエルと国交正常化したらどうかと呼びかけています。  ヨルダンは、エジプトと並んでイスラエルと国交を結んだ . . . 本文を読む

ベイルートで爆破

2005年03月20日 | Weblog
 レバノンの首都ベイルートで19日、自動車に仕掛けられた爆弾が爆発、10人近くの負傷者が出ています。爆発現場は、東ベイルートとのことですから、キリスト教マロン派教徒が多く住む地域です。  これは、シリア軍のレバノンからの撤退問題と何らかの関連性があると思われます。事件直後、この地区を地盤の1つとするピエール・ジュマイエル議員が「だからシリア軍が必要なんだ」とのコメントを出したことを見ても、複雑な背 . . . 本文を読む

ハマースとファタハ間に緊張

2005年03月15日 | Weblog
 パレスチナではここのところ、与党である「アル・ファタハ」と急進派である「ハマース」との間で緊張が走っています。  ファタハの場合は、穏健派から自爆攻撃をも辞さない過激派まで幅広い支持者を有しています。一方、ハマースは、国際的には過激な自爆攻撃だけが注目されていますが、宗教活動のみならず、福祉や教育にも地道に力を入れ「草の根」的な成長を遂げてきており、最近は地方自治に関わって、これまで常に支配的な . . . 本文を読む

シリア軍完全撤退へ

2005年03月13日 | Weblog
 中東訪問中のラーセン国連中東特使は12日、シリアを訪問、アサド大統領から同大統領がレバノンに駐留するシリア軍を完全撤退させるとの約束を取り付けました。  これは、ラーセン特使が会談後に声明を発表したもので、詳しい撤退日程についてはラーセン特使から報告書を受け取ることになっているアナン事務総長から週明けにも発表されると見られています。 . . . 本文を読む

国連大使 今日シリア入り

2005年03月12日 | Weblog
 ラーセン国連特使は11日、ムバラク・エジプト大統領との会談を終え、12日にはシリアを訪問、アサド大統領にシリア軍のレバノンからの撤退を求める予定です。  ラーセン特使は、欧米やアラブ諸国、それにアラブ連盟事務総長からの支持を取り付けたと見られており、レバノンからの完全撤退を求めるものと思われます。さらに、その要求が「最終通告」付きとの情報もあり、アサド大統領の包囲網が狭められた感があります。 . . . 本文を読む

危ぶまれる停戦合意

2005年03月11日 | Weblog
 イスラエル軍の精鋭空挺部隊が10日未明、パレスチナ自治区のトルカラム市近郊の村に侵攻、1人のパレスチナ人活動家モハメッド・ハズネの家を取り囲みました。イスラエル軍によると、ハズネは2月25日に起きたディスコ爆破事件に関与していた人物で、パレスチナの急進グループ「イスラーム聖戦」に属していたとのことです。  ハズネは、イスラエル軍の発表では、再三の降伏勧告にもかかわらず降伏することなく空挺部隊に発 . . . 本文を読む