浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

ハマース大躍進

2005年01月29日 | Weblog
 地方選挙第2弾の投票結果が出ました。ハマースの圧勝です。118の議席の内、75を勝ち取り、39議席に留まった最大与党ファタハを大きく引き離しました。  これは、大統領に選ばれたばかりのアッバース氏とっては、大きな衝撃でしょう。今回の選挙は、投票したのが約8万人(投票率約80%)であくまでも大票田であるガザ市やラファで今後行なわれる予定の選挙第3弾の前哨戦と考えられていましたが、これほどの大差が付 . . . 本文を読む

ガザで史上初の選挙

2005年01月28日 | Weblog
 昨年12月23日から順次行なわれているパレスチナ地方評議会議員選挙の第二回目の投票が27日、ガザ地区の一部で行なわれました。  第一回目の投票は西岸地区で行なわれ、急進派のハマースが306議席中109議席を確保していますので、お膝元のガザ地区でどれだけ票を伸ばすか注目されています。議席数118を9万人の有権者が決するという小規模の選挙ですが、これまでガザでは選挙が一切行なわれてこなかっただけに、 . . . 本文を読む

SAー18ミサイル

2005年01月25日 | Weblog
 イスラエルのハーレツ紙は24日、ロシアのプーティン大統領がシャロン首相に先週、シリアのアサド大統領と最新兵器であるSA-18ミサイル売却の取引はしないと約束した、と報じました。  アサド大統領は24日にロシアを訪問予定で、SAー18の売却を含む武器の購入が目的の1つであると言われていました。SA-18は持ち運びが簡単な上、シリアやレバノン内部からイスラエルの領土全てが射程距離にあるとされています . . . 本文を読む

ハマースの戦略

2005年01月24日 | Weblog
 イスラエルのモファズ国防相がイスラエル・ラジオに発言した「ハマースとジハードが停戦合意した」との情報は、パレスチナ自治区で大きな波紋を呼んでいます。  私の情報提供者Mによれば、確かに両組織の幹部は、「イスラエル軍が占領を止めれば考慮する」とはアッバース大統領に伝えたとのことですが、現段階では「ブッシュやシャロンからいかに有利な条件を引き出せるか、お手並み拝見」と距離を置いて見ているとのことです . . . 本文を読む

パレスチナ急進派 停戦合意か

2005年01月23日 | Weblog
 イスラエルラジオは23日、パレスチナのハマース及びジハードがアッバース大統領の和平工作に対し、1ヶ月間の停戦に合意したと伝えました。  この情報元は、モファズ・イスラエル国防大臣とのことですが、パレスチナ側からの正式な確認は得られていません。ただ、現地からの情報は、各武装グループが停戦に基本合意するのではないかと伝えてきています。その背後にある「事情」については今問い合わせ中ですが、大きな動きが . . . 本文を読む

アル・アクサ旅団が停戦合意

2005年01月22日 | Weblog
アル・アクサ殉教者旅団は22日、同グループがイスラエルへの攻撃を停止することを条件付きで発表しました。  これはアッバース大統領がガザ地区入りしてハマースなどの武装組織に直接交渉していた成果として発表されたものですが、この組織は元を質せばアッバース氏が所属するアル・ファタハの軍事部門です。アラファト氏が生存中にも事あるごとにこの組織をイスラエルとの交渉材料に使っていましたから、このグループが「停戦 . . . 本文を読む

イ軍、13歳の少年を射殺

2005年01月21日 | Weblog
 自治区北部のジェニン地区の村で20日、軍事封鎖をするイスラエル軍に抗議して投石をするパレスチナ住民にイスラエル兵が発砲、13歳の少年が殺害されました。  殺害されたサラハディン・アブ・モハサン君は、大勢の群衆の中でおもちゃの銃を持っていたとのことです。  イスラエル軍は、群衆の中に武装したものが紛れ込んでいたと主張、それを狙って撃ったものが少年に当たったのではないかと発表しています。しかし、イス . . . 本文を読む

犠牲祭とは

2005年01月20日 | Weblog
 犠牲祭(イード・アル・アドハ)は、イスラム教徒にとって断食月(ラマダーン)と並ぶイスラーム教徒にとって大きなお祭りです。犠牲とはこの場合、自分の欲望を犠牲にして、アッラーの教える道に従うという意味です。犠牲に捧げた肉(羊)は貧しい人々に振る舞い、残りを家族や親戚で食べます。  多くのイスラーム教徒は、この日に聖地メッカで祈りを捧げたいと、巡礼に訪れることを夢見ます。ハッジと呼ばれるメッカへの大巡 . . . 本文を読む

20日のパレスチナ

2005年01月20日 | Weblog
・イスラエル軍は20日早朝、西岸地区で17人のパレスチナ人を拘束  (ここ数日間で拘束者数は100人以上に上っています) ・アッバース大統領のガザにおける武闘派説得工作続く  (18日からこれで3日間連続です) ・自治区のパレスチナ人の多くが、軍事封鎖の中で明日、イード・アル・アドハ(犠牲祭)を迎え る予定 ・イ軍が群集に発砲、13歳の少年を殺害 . . . 本文を読む

アッバース氏 ハマースと交渉

2005年01月19日 | Weblog
 イスラエルのシャロン首相から「テロを止めさせない限り話し合いに応じない」と“三行半”を突きつけられて焦ったアッバース・パレスチナ自治政府大統領は18日、ガザ入りしてハマースの幹部と会談、説得工作に入りました。  会談の内容は入手できていませんが、恐らく自爆攻撃を含む過激な作戦の停止を呼びかけていると思われます。会談の数時間前にも自爆攻撃が行なわれ、数名の死傷者が出ています。  会議を終えて会場か . . . 本文を読む