浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

人権活動家 釈放

2005年12月31日 | Weblog
 ガザ地区南部で29日、訪問中の両親と共に武装グループに誘拐されていた、人権擁護団体の英国人女性スタッフ、ケイト・バートンさん(25)が30日、無事釈放されました。  犯人グループは釈放前、マスコミにヴィデオ・テイプを送りつけ、英国政府がイスラエルに対してパレスチナ政策を変更するよう働きかけろと要求していました。  しかし、このグループの主張は、パレスチナでも受け容れられておらず、多くの指導者や組 . . . 本文を読む

買出し急ぐ住民

2005年12月30日 | Weblog
 自爆攻撃のあったトゥルカレムの街は今、イスラエル軍の「報復」を恐れる市民達であわただしい動きが見られます。  与党ファタハの事務所は、当面自主閉鎖され、パレスチナ警察の警察官達は制服から私服に着替えるように指示されました。市民達は、イスラエル軍による町の「軍事封鎖」を恐れて、午前中に食料などの必需品の買出しを急いで済ませました。街は、今日が休日ということもあり、商店も早々と昼前には店じまいしてし . . . 本文を読む

英国人権活動家 誘拐

2005年12月29日 | Weblog
 ガザ地区南部で人権擁護団体の英国人女性スタッフ、ケイト・バートンさん(25)と彼女の両親が29日、7人の武装グループに誘拐されました。  ケイトさんはガザ地区で活動してきましたが、両親にその活動振りを紹介しようと本国から呼び寄せ、車で案内しているところだったとのことです。  今のところ、3人を誘拐したグループからは何の発表もされていません。  約1週間前にもオランダ人とオーストラリア人が誘拐され . . . 本文を読む

バルグーティよ、お前もか

2005年12月29日 | Weblog
 与党アル・ファタハからの分派宣言をしていたグループが28日、前言を撤回して来月に予定されている議会選挙に挙党一致体制で取り組むと発表しました。  既報の通り、ファタハの若手指導層がイスラエルの獄中にある有力指導者、マルワン・バルグーティ氏を担ぎ上げて新党設立を宣言してからというもの、アッバース大統領は懐柔策に奔走、「バルグーティ・グループ」にこれまでにない妥協を提示して党の分裂の回避に努めました . . . 本文を読む

パレスチナ自治区 半ば無法状態に

2005年12月28日 | Weblog
 西岸地区とガザで27日、約60名の武装グループが、選挙管理事務所など4カ所を占拠して、与党ファタハの選挙人名簿の作成の仕直しと「仕事寄こせ」との要求を自治政府に突きつけました。  武装グループたちは、自治政府とファタハに関係している者たちで構成していると見られていますが、警察はただ傍観しているだけで、駆けつけた治安部隊も現場を遠巻きにして、グループの指導者との話し合いを持つ事を優先しました。   . . . 本文を読む

西岸地区入植地に新たな住宅建設

2005年12月27日 | Weblog
 イスラエル各紙は26日、政府が西岸地区の入植地における住宅建設のための入札を公募していると報じました。  住宅数は、2ヶ所を合わせても228戸と、これまでのものに比べれば小規模ですが、これはあきらかに米国主導の和平案「ロードマップ」に違反するものです。イスラエル政府が入植地の拡大を許可する時の常套手段ですが、国際社会が他の問題に目を向けている時に強行してしまいます。今回もパレスチナ側の政治的混迷 . . . 本文を読む

自治政府崩壊の危機

2005年12月26日 | Weblog
 イスラエル政府はこのところ混迷を深めるパレスチナ自治区の状況を危機的なレヴェルにあるとして、様々な局面に備えての対策に入りました。  お伝えしているように、アッバース大統領とクレイ首相は、急速にその支持を広げるハマースと、与党ファタハから分裂したバルグーティ・グループの人気の前に完全に求心力を失ない、空中分解寸前の状況に置かれています。  皮肉なことに今、イスラエル政府内部に故アラファト氏を再評 . . . 本文を読む

クレイ首相 選挙不出馬

2005年12月25日 | Weblog
 パレスチナ自治政府のクレイ首相は24日、来る1月25日の議会選挙に立候補しないと明らかにしました。そして、さらに議会選挙の延期をすべきとの考えも私見として述べました。  これは、イスラエルが自治政府に対して、ハマースの選挙参加阻止を要求したことに抗議してのものです。イスラエルの存在そのものを認めないハマースの国政参加を警戒するシャロン政権は、東エルサレム(アラブ人居住区)におけるパレスチナ人の投 . . . 本文を読む

ガザで外国人誘拐事件

2005年12月22日 | Weblog
 ガザ地区で21日、2人の外国人が武装グループに誘拐されましたが、約8時間後、無事釈放されました。  誘拐されたのは、オランダとオーストラリアに国籍を持つ2人で、ガザ地区の外国人学校の校長と副校長です。そして、誘拐劇を演出したのは、パレスチナ人民解放戦線(PFLP)でした。  誘拐の際も釈放する時もPFLPはプレス・レリースを出しており、その目的を拘束されている仲間の釈放に置いていた事が分かってい . . . 本文を読む

シャロン首相 緊急入院

2005年12月19日 | Weblog
 シャロン首相は18日、エルサレムからテル・アヴィヴに移動中、車の中で体の不調を訴え緊急入院したとのことです。  主治医の発表では、軽い脳卒中とのことですが、その後一部のメディアが「シャロン氏のみに何か生じた場合」との想定で、政治の仕組みを紹介したことから「病状は深刻」との憶測も生まれましたが、首相周辺の情報からは危険を示唆するものは出てきていません。 . . . 本文を読む