浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

レバノンに停戦は訪れるか

2006年08月14日 | Weblog
 即時停戦とレバノン南部への国際部隊の投入を決めた国連安保理決議を、イスラエル、レバノン双方が受け入れたことで、1ヶ月近く続いた戦闘が間もなく(14日のグリニッジ標準時間午前5時)をもって休止されることになった。  戦闘は週末も続き、双方に新たな犠牲が出た。ただ、先週末は、イスラエル側、特にレバノン領内の占領軍に被害が目立ち、土曜日だけで24人のイスラエル兵が戦死している。時間を追って増強された . . . 本文を読む

レバノン政府 米仏に反発

2006年08月08日 | Weblog
 レバノンにおける戦闘停止を話し合う国連安保理は、米仏が決議の内容で合意をしたものの、レバノン政府からの猛烈な抗議によって暗礁に乗り上げた。  米仏の合意内容は、イスラエル、ヒズボッラー双方に停戦を迫り、戦力引き離しのための国際部隊を送るというものだが、それに対してレバノン政府が不公平だと反発している。  レバノン政府は、イスラエル軍の撤退が先決だとして抗議、それに対してアラブ諸国も後押しをす . . . 本文を読む

27日目の戦闘 

2006年08月08日 | Weblog
 イスラエル軍は8日、レバノン南部においては地上軍による攻撃を、東部のシリア国境沿いの村々へは空軍機からミサイルと爆弾攻撃を投下して50人以上の命を奪ったようだ。レバノン政府の発表では、その大部分が非戦闘員だとのことだ。  7日、レバノンのハリーファ保健相はロイター(英)通信に対して、イスラエル軍によるレバノン側の死者が925人、行方不明者が75人になったと述べている。死者の約3分の1が13歳未 . . . 本文を読む

26日目の戦闘 続報

2006年08月07日 | Weblog
 6日の戦闘は夜になっても続き、イスラエル側に15人、レバノン側に12人の犠牲者が出た。  犠牲者の数もさることながら、レバノンの被害状況を地図に落としたものを見たが、道路や橋の破壊が徹底的に行なわれている。これでは、レバノンの人たちの市民生活はズタズタだ。住民は避難しようにも車で移動できないし、小さな町や村への物資の輸送もままならない状況だ。ここまで破壊する権利がイスラエルにあるはずはない。 . . . 本文を読む

26日目の戦闘

2006年08月07日 | Weblog
 ヒズボッラーからのロケット攻撃は6日もイスラエルに向けて続けられ、現地の夕方までに約160発の着弾が確認された。ロケット攻撃によるイスラエル側の犠牲者は11人で、戦闘が始まって以来、イスラエル側の被害としては最も多い数字となった。イスラエルのレバノンへの攻撃も収まる気配はなく、レバノン側に10人の死者をもたらした。  イスラエル国内の空気は、ヒズボッラーの予想以上の強さに「国家の危機」をアピー . . . 本文を読む

被害者はベドウィン族

2006年08月06日 | Weblog
 ヒズボッラーのロケット攻撃は5日になっても治まるどころか、逆に激化している。  現地からの情報では、夕刻までに約170発のロケット弾がイスラエル領内に着弾したとのことだ。その内、130発は午後4時からの1時間に集中した。  ロケット攻撃を被弾した母子3人が死亡、老女一人が着弾の衝撃で心臓麻痺を起こして他界したということだ。  被弾した母子は、ガリラヤ湖西のベドウィン族の一家だという。その情 . . . 本文を読む

ガザへの空爆続く

2006年08月06日 | Weblog
 イスラエルのガザへの空爆で5日、10代半ばの姉弟と戦闘員一人を殺害した。他に10名近くの住民が負傷しているという。  空爆は、ガザ地区にあるラファ難民キャンプへの地上軍の進軍を助けるために行なわれたようだが、住民の怒りを買うことはあっても、イスラエル政府の狙いである、住民を恐怖に陥れて反戦気運を盛り上げさせることは不可能である。  ガザ地区では毎日、犠牲者を弔う葬式が行なわれており、住民の反 . . . 本文を読む

激化するイスラエルの攻撃

2006年08月05日 | Weblog
 イスラエル軍は4日、レバノンの首都ベイルートとその周辺への空爆を強化する中、レバノン東部の村にある農場施設を誤爆、少なくとも28人の農民を殺害した。イスラエル側によると、施設はヒズボッラーの武器庫との情報があったとのことだが、現場の映像を見た限りでは、何の変哲もない農場である。  それにしても、イスラエル政府の空爆は狂気の沙汰としか思えない。これを国家テロと言わずして、なんと形容しよう。これま . . . 本文を読む

ガザへの空爆

2006年08月03日 | Weblog
 「世界の目」がレバノンに注がれる中、イスラエルのパレスチナへの攻撃は続き、3日朝にもガザ南部へ空爆が行なわれ、8人のパレスチナ人が殺された。  イスラエル側の発表では、その内一人が少年だとのことだが、パレスチナ側は2人が少年であったと主張、双方で意見が食い違っている。  これは、ラファ空港近くでイスラエル軍の戦車群(約50台)にパレスチナ武装勢力が奇襲攻撃を行なった際、イスラエル空軍機が援護 . . . 本文を読む

ヒズボッラーの潜在能力

2006年08月03日 | Weblog
 イスラエルの攻撃再開に合わせるかのようにヒズボッラーはイスラエル領内へのロケット攻撃をステップ・アップさせた感がある。  戦闘が始まって3週間、ヒズボッラーは1日におよそ数十発から100発のロケット弾をイスラエルに撃ち込んで来た。それを、昨日は200発以上撃ち込んでおり、これまでの爆撃でヒズボッラーの7割から8割の砲撃能力を破壊したとしていたイスラエル軍部の面目を潰す結果になった。また、3日に . . . 本文を読む