まずは阪神の毎日杯。勝ったのは、ゴールドシップ産駒メイショウタバル。好スタートから淀みのないペースの逃げへ。前半1000mのラップは59秒6と重馬場としては速い流れに。直線に入っても、最内の馬場をスイスイと逃げ、後続を突き放します。2番手からパレスマリス産駒ノーブルロジャーと4番手からロードカナロア産駒ベラジオボンドの2頭が追いかけますが、差は開くばかり。メイショウタバルは、そのまま6馬身差をつけて圧勝。重馬場の勝ちタイムは1分46秒0。2着にはノーブルロジャー、クビ差の3着にベラジオボンド。
メイショウタバルは、これで3連勝で重賞初勝利。また重馬場の1分46秒0は優秀。しかも息を入れることなく1800mの消耗戦を圧勝しましたから、これから距離が伸びれば伸びるほど面白い存在になると思います。今から「菊花賞馬候補」と言っておいて良いかも。
2着ノーブルロジャーは、前走はマイル重賞を勝ち、今回は1800mの消耗戦を2着ですから、地力の高さを見せました。ただどちらかというとやはりマイラーですから、次走はNHKマイルCに向かう気がいたします。3着ベラジオオペラも地力ありと思いますが、賞金加算ができなかったことが痛いところ。
次は中山の日経賞。勝ったのは、キングカメハメハ産駒の5歳騙馬シュトルーヴェ。後方待機で脚を溜めます。逃げたマテンロウレオの前半1000mのラップは1分0秒0と流れる展開に。中盤の1000mも1ハロン12秒台前半で刻み、淀みのないペースで流れます。直線に入るとまず、最内で逃げ粘るマテンロウレオに1番人気ボッケリーニが並びかけますが、すぐに馬場の中央からシュトルーヴェ、大外からロードカナロア産駒クロミナンスとスクリーンヒーロー産駒マイネルウィルトスの2頭が猛然と襲い掛かります。シュトルーヴェが抜け出して1/2馬身差をつけて勝利。小雨の良馬場の勝ちタイムは2分31秒4。2着にはクロミナンス、3/4馬身差の3着にマイネルウィルトス、ハナ差の4着に逃げたマテンロウレオ。
勝ったシュトルーヴェは、嬉しい重賞初勝利。5歳になって本格化しました。今回のレースレベルは高く、次はGⅠレースでも面白い存在になると思います。
2着クロミナンスも7歳になって本格化しています。次走も狙い目だと思います。3着マイネルウィルトス、4着マテンロウレオともに、厳しい消耗戦で地力の高さを見せてくれました。
続いて中山のマーチS。勝ったのは、マクフィ産駒の5歳牡馬ヴァルツァーシャル。7番手追走で脚を溜めます。逃げたロゴタイプ産駒ミトノオーの前半1000mのラップは1分0秒8と平均ペースに。ミトノオーは4コーナー手前からロングスパートをかけて、直線に入ると後続を突き放します。これを外からヴァルツァーシャルが猛然と追込んで迫ります。ゴール手前で交わして1馬身1/4差をつけて快勝。ダート良の勝ちタイムは1分50秒7。2着ミトノオーから3馬身差の3着には、2番手からエスポワールシチー産駒ペイシャエス。
勝ったヴァルツァーシャルは、嬉しい重賞初勝利。オープン入りしてから壁にぶつかっていましたが、4歳秋から本格化。ここへきてGⅢを完勝しました。今日は斎藤新騎手の好騎乗も光っていたと思います。
2着ミトノオーは、マイペースで逃げる時の渋とさは抜群で、ここでも地力を見せました。今回は勝ち馬が強かった。3着ペイシャエスは地方GⅡGⅢで実績があるとおり、厳しい展開になればなるほど力が出せます。
そして春のスプリント王者決定戦、GⅠ高松宮記念。勝ったのは、ダークエンジェル産駒の5歳牡馬マッドクール。好スタートから3番手追走へ。逃げた香港のトロナド産駒ビクターザウィナーの前半3ハロンのラップは34秒8と重馬場としてもややスローな流れに。直線に入ると、逃げるビクターザウィナーは馬場の中央へ位置を変え、空いた最内からマッドクールが先頭に立ちます。マッドクールのすぐ後ろからナムラクレアが猛然と追いかけてゴール手前で並びかけますが、マッドクールがアタマ差凌いで勝利。小雨の重の勝ちタイムは1分8秒9。2着ナムラクレアから3馬身差の3着には、逃げたビクターザウィナー、1馬身1/2差の4着には2番手からウインカーネリアン、さらにハナ差の5着には、後方から追い込んできたロータスランド。
勝ったマッドクールは、重賞初勝利をGⅠで成し遂げました。昨秋のスプリンターズSはハナ差2着でしたので、あの時の悔しさも晴らした形。それにしても坂井瑠星騎手のコース選択は見事。第1の勝因はこれでしょう。自分は、すでに「日本のトップは坂井瑠星騎手なのかもしれない」と思いました。
2着ナムラクレアは、またも惜しい2着。位置取りが後ろ過ぎただけで、浜中騎手のコース選択は最高でした。3着ビクターザウィナーは、もしあのまま最内の1頭分のスペースで逃げ続ければ、この馬が楽勝していたと思います。これは中京の馬場特性を香港騎手だから分からなかったということ、そのスキを、咄嗟の判断で最内を突いた坂井瑠星騎手のファインプレイだったということでしょう。
1番人気で10着に敗れたルガルは、好位置を取れたにも関わらずの敗戦。まだまだ地力をつけてから、ということなのでしょう。また新進気鋭の西村淳也騎手にも苦い経験となりました。GⅠはそう簡単には勝てないと、競馬の神様が与えた試練だと思います。