先週に続いて、「卒業」と「人事異動」の季節ならではの思い出の名曲、その3であります。
本日取り上げますのは、『春の歌』スピッツです。
【春の歌】スピッツ
重い足でぬかるむ道を来た トゲのある藪をかき分けてきた
食べられそうな全てを食べた
長いトンネルをくぐりぬけた時 見慣れない色に包まれていった
実はまだ始まったとこだった
「どうでもいい」とか そんな言葉で汚れた
心 今放て
春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
平気な顔でかなり無理してたこと 叫びたいのに懸命に微笑んだこと
朝の光にさらされていく
忘れかけた 本当は忘れたくない
君の名をなぞる
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
歩いていくよ サルのままで孤り
幻じゃなく 歩いていく
春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
春に再出発をする、若者たちを奮い立たせる名曲です。
理想を持ちながら選んだ道だったけど、目の前にある現実と衝突しながら、藻掻いて、藻掻いて、自分の本音を抑制しながら、何とか生き抜いている若者たち。やっと「トンネルを抜け出した」と思ったら、また、新たな試練が待ち受けている。
理想として描いた世界とは異なる職場で、ひとしきり藻掻いたあと、新たな異動先も、また未知の不安が広がる世界。
そんな旅立ちを前にする若者たちに向かって、原点の理想を失わずに、前に向かって真っすぐ突き進め!と、勇気を与え奮い立たせる歌であります。
スピッツの草野マサムネさんは、『ロビンソン』『チェリー』などの大ヒットから10年後の2005年に、この『春の歌』を作っています。一説によると、デビュー時に草野マサムネさんが目指していた音楽は、THE BLUE HEARTS の『人にやさしく』だったそうです。
藻掻いて、藻掻いて、ようやく辿り着いたスピッツの10年目。理想とする『人にやさしく』を頭に想い浮かべながら、草野マサムネさんが自分に向けて作った曲が、この『春の歌』だったのではないかと思います。
春に再出発をする、ワタクシのようなおじさんにも、勇気を与えてくれる名曲であります。