3月5日（日）に新潟県新潟市の『新潟グランドホテル』で行われた棋王戦五番勝負の第3局は、後手番の渡辺明棋王が174手で大激戦を制して1勝2敗としました。
戦型は、第1局第2局に続いて角換わり。序盤から後手番の渡辺棋王の構想力が功を奏してリードを奪っていきます。藤井聡太五冠は挽回を焦ったか、少し攻め急いだ感有り。その間に渡辺棋王のリードが広がります。終盤に入ると、藤井五冠が広い選択肢を用意して防御線を強化した結果、渡辺棋王が攻めあぐねる展開に。これを受けて、藤井五冠の大逆転勝ちか？と思われた瞬間、終盤最強棋士による、まさかの「詰め逃し」が発生。ラストは渡辺明棋王の寄り切り勝ち。
途中、自らの『詰め逃し』に気づいた藤井五冠の悔しがり様が、対局中継でも話題になるほどでした。藤井五冠と言えども、人間だということ。
第4局は、栃木県日光市の『日光鬼怒川スパホテル三日月』で行われます。第4局は、渡辺明棋王の先手番です。勝負をタイに持ち込めるのか、それとも藤井五冠の最年少六冠達成となるか、注目したいと思います。
なお、藤井五冠は、3月8日（水）には、広瀬章人八段とのA級順位戦プレーオフが待っております。第81期名人戦での挑戦権を賭けた闘いです。そして、その直後の11日（土）12日（日）には、羽生永世七冠との王将戦七番勝負第6局と続きます。
藤井五冠の『タイトル八冠への道』は、やはり簡単な道のりではありませんね。
