金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【セブン&アイHDに買収提案!】 日本の資本市場にとって、これは序章に過ぎない・・‼

2024-08-23 00:47:43 | 金融マーケット

 

 セブン&アイHDに買収提案したカナダのアリマンタシォン・クシュタールは8月19日、拘束力のない友好的な提案をしていると発表しました。M&A(合併・買収)巧者として知られ、過去には仏カルフールの買収に乗り出したこともある先です。次なる拡大戦略として世界に8万5000店あるセブンイレブンに目を付けた様子。

 それにしても、時価総額で5兆円を超えるセブン&アイに海外から買収提案が為されるとは、日本の資本市場には大きな衝撃が走るニュースでありました。ただ、ある意味、これは予想された事態であり、当然の成行きと見る市場関係者は多いと申し上げておきましょう。

 

 

 当blogでは、現在の日本の資本市場が、1990年代の北米の資本市場に酷似していると再三申し上げてきました。「資本効率化」「ROE経営」「選択と集中」などが叫ばれて、激しいスピードで変化していった1990年代の北米資本市場ですが、その時の象徴的な現象が「活性化するM&Aマーケット」でありました。

 日本で言えば「武田薬品」クラスの北米を代表的薬品会社に対して、連日TOBの発表が為されて、それをきっかけに1日で株価が倍になる銘柄が続出する・・それが1990年代の北米でありました。

 一度変化が始まると、そのスピード感は日本とは比べものにならないのが北米市場これが株式市場のダイナミズムそのものであり、1990年~2000年の10年間で、北米株価指数が5倍にも上昇した原動力でありました。

 

 「同じことが今、日本の資本市場で起きようとしているだけ」であります。世界の投資家のお金が日本の株式市場に集まろうとしていますが、彼らのスピード感はこれまでの日本の常識を超えるものだとお考え下さい。そして、日本の金融当局や経済産業省としても、ある程度の「激震」は覚悟のうえで、現在の資本市場改革を推し進めていますから、めったなことでは、資本市場に介入して「資本効率化」の流れを止めることはしないと思います。

 

 まだまだ、この動きは序章に過ぎません。

 今年中には、もっと大きなサプライズだってあるかもしれませんよ・・!

 

 


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