深緑色の水をたたえた「聖なる泉 セノテ」。カスティージョから歩くこと数分、この泉はあります。1911年、この泉から人骨(21体の小児、13体の成人男子、8体の女性)、そして黄金細工やヒスイが発見されました。
そう、ここは生け贄の泉・・・
直径60メートル、高さ20メートルのこのセノテはユカタン半島最大の規模だとか。近くに立って見たけれど、とても大きかった!夜の暗闇の中で、この泉のほとりにたたずんでいる自分を想像して、怖くなってしまいました。川や海もそうだけど、暗闇の中の水ってすごく怖くありませんか?もっとも生け贄の儀式は昼間に行われたのでしょうが。「仄暗い水の底から」という邦画を思い出しちゃいました。内容はまったく関係ないですけれど・・・
当時、マヤの人々は、この泉の底に雨の神「チャック」が棲むと信じており、干ばつや疫病が流行すると、わざわざ遠い地方からでも巡礼に訪れて、生け贄や財宝を投げ入れたそうです。しかも、しかもですよ!池に突き落とされた(突き落とされるなんてやっぱり怖い)生け贄たちは必ず蘇り、財宝も必ず戻ってくると信じられていた為、村人達はすすんで財宝を投げ入れ、生け贄になる事を名誉にさえ思っていたんだとか。私なら名誉に思うどころか、生け贄になる位なら、村八分になってでも逃げ出しただろうな~
水底から発見された出土品の一部がメリダのユカタン人類学博物館に展示されていて、写真を撮ってきたので、今度またお見せいたします。
どこなのかよく分からなかったのだけれど、現在も泉のあたりには、生け贄が投下された祭壇跡が残っているそうです。
きゃ~~~
立ち泳ぎが得意な人は、朝投げ落とされても夕方まで生き残れたのでしょうか。あるいは、投げ落とされるときにマジックショーのように手足を縛られていたのなら、生き残るために縄抜けの技術が必要だったのでしょうか。