昨日は、大雪山に登り自然を学ぶ「ひぐま大学」の8月講座「雨竜沼湿原」山行の日でした。
旭川市から深川市を経て米どころ雨竜町に位置する湿原には車で約2時間のドライブでしたが、湿原が位置するのは南暑寒岳(1296m)とその奥に暑寒別岳(1492m)を有する高原(850m)にあるので、そこまでの道路はかなり狭いことから大型バスは入れずマイクロバス2台での遠征でした。
無料で泊まれる南暑寒荘やキャンプ場、水洗トイレ、大きな駐車場がが整備された登山口から歩き始めると、まず最初に目にするのは巨大な岩のように見える円山(まるやま)853mです。この高さが湿原と同じレベルですから、登山口が標高545mの地点なので一気に300mを登ることを示唆する山です。
「標高差の割には簡単ではないな」と覚悟しながら歩き始めました。スタートからしばらくはなだらかな道が続き、歩き出して30分ほどでなかなか迫力のある白竜の滝が見られました。そこで少しだけマイナスイオンをいただいてからいよいよ急坂に入りました。
歩き始めは曇っていた空がこの頃には青空が広がり日差しも強くなって来たので結構堪え、「いつになったら湿原に着くのか」と念じながら歩くと次第に傾斜が緩んで来たと感じ始め、するとその先には広大な雨竜沼湿原が遂に現れました。これはちょっと感動ものでした。青い空の先には南暑寒岳、暑寒別岳がくっきりと見え、その足元に緑の湿原が悠々と広がっていました。
湿原入り口にあるテラスで休憩した後は湿原独特の木道を歩きこの日の目的地であった「雨竜沼湿原展望台」を目指しました。夏の湿原らしいエゾカンゾウなどは時期が終わっていましたが、木道沿いにはサワギキョウやエゾリンドウの紫、ミヤマアキノキリンソウなどの黄、ヤマハハコなどの白い花が見られ、皆が期待したこの湿原の固有種であるウリュウコウホネの黄色い花が300以上あると言われる池塘の中に可憐に咲いているのを見ることも出来ました。これまた感激でした。
ウリュウコウホネ
木道を歩きながら頭の中には「♫夏が来れば思い出す・・」と尾瀬を歌った「夏の思い出」が繰り返し巡っていました。湿原を見渡せると言う展望台までは少し急坂を登りましたが、そこで昼食休憩を取り下山となりました。
帰途は木道が時計回りの一方通行のため再び湿原と池塘を見ながら歩き、最後はまた急坂を3㎞に渡って難儀しながら下り登山口まで戻って来ました。「夏の思い出」の歌を歌った心境が良く分かるような山行の一日でした。