夫婦で新しい人生にトライしてます~日本編

15年ぶりにカナダから帰国。終の棲家と選んだ北海道美瑛町から日々の生活を綴ります。

北の大地が造る酒

2023-05-15 08:08:37 | 日記

昨日は、篠崎夫妻の訪問最終日で昼過ぎのフライトまでの短い時間でしたが行ってみたい場所がありました。それが旭川市にある男山酒造の資料館です。私達も初めてでした。

敷地に入るといきなり日本庭園があり期待が高まります。話には聞いていた大雪山からの伏流水を無料でいただける水汲み場も直ぐ分かる場所にあり、一人20リッターまでということで次々とたくさんのボトルを持ち込んで水を汲みに来ている人達がいました。私達もまずはその水を持参したペットボトルにいただきながら入館しました。

資料館は3階まであり、1階は商品の展示販売と試飲会場、2階は江戸時代からの男山の資料展示、3階は江戸時代の酒造り道具の展示となっていて、2階、3階のガラス窓からは酒の仕込み作業場が見えるようになっていました。酒の仕込みは冬の間の作業なので、今はそれが見られませんでしたが、これは是非その時期にも来たいものです。この資料館は年末年始以外年中無休で無料だということも嬉しいです。

先日こちらの会社が所有する山でカタクリの原生花園を見てきた際に「男山」という酒について少し歴史をチェックしていましたが、昨日の資料館での説明でなるほど謂れが良く分かりました。

江戸時代初期には北海道ではまだ酒造などが起こる環境ではなかったわけですが、その頃今の兵庫県伊丹で「木綿屋山本本家」が造った酒が男山の始まりでした。その時代に天下の名酒ともてはやされ北川歌麿の浮世絵などにも登場していましたが、灘での酒造りが主流になって明治の初めに廃業となり、その後は各地に男山を名乗る酒が現れたそうです。一方、開拓が進んだ北海道旭川市で明治32年(1899年)に酒造りを始めた「山崎酒造」が、山本本家の末裔から正式に男山の名称を受け継いだ昭和43年(1968年)に社名を男山株式会社を変更し、ここから旭川市の酒として「男山」が再スタートを切ったということでした。

この酒は過去の名声にしがみつくだけでなく積極的に販路を海外に広め、1977年からモンドセレクションなど国際コンクールに出品して金賞を撮り続けているというものです。なるほど、これからは北海道民としてこの酒を愛飲しなければならない気がして来ました。

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