年金ふわふわ

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支給開始年齢のさらなる引き上げ?

2013年06月13日 | 新聞連載記事
報道によれば、今月3日に開かれた社会保障制度改革国民会議は、老齢年金の支給開始年齢のさらなる引き上げを検討すべき、との認識で一致したということです。

老齢厚生年金の支給開始年齢は、既に65歳へ引き上げられつつあります。以前は60歳、あるいは60歳前から支給されましたが、今年度60歳になる1953(昭和28)年度生まれの男性は、61歳支給です。

支給開始年齢は若くなるにしたがって1歳ずつ遅くなり、今年度の年齢でいうと、男性は52歳以下、女性は47歳以下の方は65歳支給です。
今のところ決まっているのはここまで。国民会議ではこれをさらに66歳、67歳へと引き上げることを検討するのでしょうか。

国民会議は昨年の8月、自民・公明・民主の三党が合意した社会保障制度改革推進法によって設置されたものです。会議の意見が必ず実現するとは限りませんが、政府は年金・医療・介護などの制度改革について国民会議の意見を踏まえ法制上の措置を講ずるとされています。

では、今の社会は支給開始年齢引き上げを受け入れることができるでしょうか。今年4月の法律改正によって、希望者は60歳以後も年金支給開始年齢まで雇用されることになりましたが、これは60歳前と同じ賃金が保証されるものではありません。
また、いったん職を離れた高齢者が再就職するのは容易ではありません。支給開始年齢引き上げを検討するのであれば、一方においてそれを可能とする環境を整備しなければなりません。


★中日新聞生活面掲載「みんなで年金」から

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