本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

俳優 亀岡拓次【映画】

2016年02月17日 | 【映画】


@テアトル新宿


安田顕氏の活躍が目覚しいですね。
以前から、NACSで知ってはいたのですが、
本格的に映像作品でお姿を拝見するようになり、
その佇まいとか、空気感がものすごくツボで、
今ではかなり大好きな俳優の1人です。

---------------------------------------------
亀岡拓次(安田顕)は、37歳独身。
脇役俳優としてどんな役にもはまることから、
仕事の依頼はひっきりなし。
しかし、なかなか名前を覚えてもらえない。
私生活では、安い居酒屋を飲み歩くことが
もっぱらの楽しみという地味な日常を送っている。
そんなある日、ロケ先で知り合った飲み屋のおかみ・安曇を好きになる。
さらには、世界的に著名な人物からオーディションに呼ばれることになり……。
---------------------------------------------

ストーリーも雰囲気も、すごく好きな映画でしたが、
凹凸が少ない分、少し長めに感じたというのが正直な感想です。

とはいえ、
監督の前作「ウルトラミラクルラブストーリー」がさっぱり理解できなかった私には、
本作の方が分かりやすくてありがたかったです。


あっちは、ファンタジー要素が強かったけど、
本作は、どちらかと言うと現実的。


とっつきにくい個性を抑えめに、とも見て取れますが、
個人的には、いい感じに大衆に向けにシフトしつつ、
作品の持つ雰囲気は、女性監督特有のやさしさが感じられます。


日常描写が丁寧なのは、もちろんですが、
何よりもその中に居る安田氏の存在感が素晴らしい。
彼ありきの作品であることは、まあ言うまでもないですね。


リアルの彼と少し重なりますが、
脇役としてどんな役にもハマリ、世間からの認知度は薄くても、
そのジャンルの人からは一定の評価を得ている、という。
最近の安田氏は、世間からの認知度も上がっているので少し違うかもしれませんが、
真に重宝され、息の長い俳優さんて、こういう人だよなあ、と思います。
役作りは完璧、というか、そこそこ当て書きされているんだろうなと思っていたら、
原作あるんだ、これ。なんというナイスキャスティング!
麻生久美子は、「ラブ&ピース」でも書きましたが、
本当に、どんなタイプの女性を演じても、絶妙にキュート。
今回の安曇さんも例に漏れず。
男性目線での魅力もさながら、
この人じゃ仕方ない、ドンマイ亀岡さん。と、
女性目線にも思わせる嫌味の無さが良いです。

それと、脇を固める俳優陣もものすごくツボを抑えてます。
新井浩文に、染谷将太に、山崎努とか。ズルイよねー、ほんと。



特筆するような目立つ作品でもないですが、良作です。
何よりも、安田顕ファンには堪らないかと。


"役者ありき"の作品なので、
観客側からしたら、はまる人とはまらない人の温度差があるかもしれませんが、
それでも私が鑑賞した日はかなり混んでいたので、
安田氏の認知度と人気は、ここからまた上がるんだろうなと思います。


今後の活躍にも、また期待。