夢をかなえるゾウ3(ブッラクガネーシャの教え)水野敬也
インドのゾウの形をした神ガネーシャが、さえない若者を巻き込んで繰り広げる抱腹絶倒の物語の3作目です。前2作も文句なしに面白い作品でしたが、3作目もサイコーでした。
このシリーズは単なる小説ではありません。関西弁をしゃべる個性的な神ガネーシャが、若者に夢をかなえさせるために、さまざまな課題を出し、人間的に進歩・向上させていくという啓発書なのです。その課題はきわめて具体的なのでわかりやすく、私たちがすぐに実践できそうなものばかりです。例えば「目的を誰かに宣言する」「一度自分のやり方を捨て、うまくやっている人を徹底的に真似る」「合わない人をほめる」「今までずっと避けていたことをやってみる」「余裕のないときにユーモアを言う」など。これらを実践することで、人はヒントを与えられたり、困難の中で鍛えられたり、考え方が変わっていったりするのです。
また、アドバイスの中には、ガネーシャが教え導いたという偉人たちが多く紹介されます。エジソン、モーツァルト、ジョン・レノン、ゴッホなどの生き方や言葉が印象的です。
さて、今回の主人公は、夢を持ちながらも努力できず、だらだら生きている若い女性「私」。現状に不満を持ち、夢想にふける「私」が、運をつかもうと悪徳商法で買った像がもとで、ガネーシャはペンダントを奪われてただのゾウになってしまいます。ペンダントを取り返そうと、釈迦と貧乏の神が呼ばれ、ペンダントを奪った稲荷の一派と争うことになります。その手段は、稲荷一派がガネーシャの像を売り、ガネーシャたちが稲荷の像を売って、売上高を競うもの。ガネーシャが負ければ、ガネーシャはずっとゾウのまま、「私」は一生稲荷の召使いです。
勝負をしていく中で、ガネーシャはさまざまな課題を出して「私」を成長させていきます。稲荷一派はひたすら利益追求しか考えませんが、「私」はガネーシャから客本位の商売哲学を叩き込まれ、何のために働くのか、どうしたら楽しく働けるのかなどを学んでいきます。また、「私」はあこがれていた園山さんと仕事をすることもできて、告白する決意を固めます。果たして、勝負の結果は……? 「私」の恋の行方は……? 意外な結末は泣けます。
一番印象に残るガネーシャの言葉を引用して終わります。「成功するだけが人生やあれへん。夢かなえるだけが人生やあれへん。自分は(あなたは)別にここで頑張るのやめたってええんやで。(中略)この世界はな、自分がどこまで『知る』かを、自分で決められるようにできてんねん」
こんなに面白くてためになる本はほかにないと思います。私だったら文部科学省推薦図書にします。
インドのゾウの形をした神ガネーシャが、さえない若者を巻き込んで繰り広げる抱腹絶倒の物語の3作目です。前2作も文句なしに面白い作品でしたが、3作目もサイコーでした。
このシリーズは単なる小説ではありません。関西弁をしゃべる個性的な神ガネーシャが、若者に夢をかなえさせるために、さまざまな課題を出し、人間的に進歩・向上させていくという啓発書なのです。その課題はきわめて具体的なのでわかりやすく、私たちがすぐに実践できそうなものばかりです。例えば「目的を誰かに宣言する」「一度自分のやり方を捨て、うまくやっている人を徹底的に真似る」「合わない人をほめる」「今までずっと避けていたことをやってみる」「余裕のないときにユーモアを言う」など。これらを実践することで、人はヒントを与えられたり、困難の中で鍛えられたり、考え方が変わっていったりするのです。
また、アドバイスの中には、ガネーシャが教え導いたという偉人たちが多く紹介されます。エジソン、モーツァルト、ジョン・レノン、ゴッホなどの生き方や言葉が印象的です。
さて、今回の主人公は、夢を持ちながらも努力できず、だらだら生きている若い女性「私」。現状に不満を持ち、夢想にふける「私」が、運をつかもうと悪徳商法で買った像がもとで、ガネーシャはペンダントを奪われてただのゾウになってしまいます。ペンダントを取り返そうと、釈迦と貧乏の神が呼ばれ、ペンダントを奪った稲荷の一派と争うことになります。その手段は、稲荷一派がガネーシャの像を売り、ガネーシャたちが稲荷の像を売って、売上高を競うもの。ガネーシャが負ければ、ガネーシャはずっとゾウのまま、「私」は一生稲荷の召使いです。
勝負をしていく中で、ガネーシャはさまざまな課題を出して「私」を成長させていきます。稲荷一派はひたすら利益追求しか考えませんが、「私」はガネーシャから客本位の商売哲学を叩き込まれ、何のために働くのか、どうしたら楽しく働けるのかなどを学んでいきます。また、「私」はあこがれていた園山さんと仕事をすることもできて、告白する決意を固めます。果たして、勝負の結果は……? 「私」の恋の行方は……? 意外な結末は泣けます。
一番印象に残るガネーシャの言葉を引用して終わります。「成功するだけが人生やあれへん。夢かなえるだけが人生やあれへん。自分は(あなたは)別にここで頑張るのやめたってええんやで。(中略)この世界はな、自分がどこまで『知る』かを、自分で決められるようにできてんねん」
こんなに面白くてためになる本はほかにないと思います。私だったら文部科学省推薦図書にします。
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