【富山市四方（とやましよかた）】
北陸電力の火力発電所の大きな煙突と八重津浜海水浴場がある富山市郊外の町。
春には富山湾の深海から「ホタルイカ」が産卵のために浅場にきて、いわゆるホタルイカの身投げで浜辺に大量に打ち上げられることでも知られる。
その四方の閑静な住宅街の片隅にそれはあった！
エイトラーメン
【立ち並ぶ住宅とはおよそ場違いな看板とユニットハウス】
なんと、この鋼鉄製の箱が店舗なのだ！
外観をみてみると『KOMATSU』のプレートが付いています。
いまは社名が変更になって製造も中止となっていますが建設機械のコマツの子会社が製造販売していたユニットハウスです。
KOMATSUユニットハウス（現株式会社システムハウスR&C）→こちら
少し前まで射水市などでパキスタン人やロシア人が中古車の販売店として使っていたユニットハウス。
中古なら射水市国道8号線沿いに販売店がある→こちら
コマツハウスの中古4坪タイプなら45万円くらいか？
要するに仮設で移動可能なので固定資産税がかからないというメリットがあってかなり普及したという経緯がある。
最近流行りのコンテナハウスはオシャレな店舗→こちら
もあって、時代の先駆けだったのかも知れませんね（笑）
そのユニットハウス２戸を連結、道路側には仮設のトイレ。入口は側面にとってあります。
【店内は当然細長く】
手前の箱には厨房が造られ、
厨房と客席を仕切る壁には大量のお品書きの短冊と共に、ボトルキープが美しく陳列されており、その対比が絶妙でもあります。
この雑然とした空気感が隠れ家的でもあり、我が家の居間のようでもあり、テレビを観ながら晩酌する気分ですごく居心地がいい（笑）。
奥の箱はゆったりくつろげるスペースとなっています
【店名の由来は？】
『エイトラーメン』なのか？
『ラーメン・焼き鳥 居酒屋エイト』なのか？
『ラーメン・とんかつ・焼き鳥・コロッケのエイト』なのか？
店内のお品書きを見る限り、もはやラーメン屋さんではなく後者のほうが当を得ていると言えよう！
『エイト』の由来を訪ねてみた。
冒頭にも書いたが四方（よかた）には八重津浜（やえづはま）という県内最大の海水浴場があり、精肉店経営時代の夏場には『海の家』を出店していたそうだ。そこでラーメンやサイドメニューを経験したことが現在に繋がっているわけだが、勘のいい読者なら既にお気付きの通り、八重津浜の「八」＝「エイト」というのが一つ。
そしてもう一つの意味は
奥様のお名前が「八重子」さん。そうです、八重津浜の八重子さんで縁起のいい「八」を店名にしたのです。
じつは私の義母も「八重子」と申しまして、今年の6月に他界したことを店主に告げると、なんと店主の奥様も今年の春にお亡くなりになったとか(;^ω^)
何と言う奇遇！これはもう他人とは思えない親近感をお互いに覚え、目頭が熱くなったのを感じました(>_<)
【11月5日】
最初に伺った日は女子会真っ最中！
ちょっと照れながら横に座らせてもらいました。
女子たち（昔のｗ）は初対面の私にも親切で危うくナンパされそうになりましたが（笑）
一人一皿に一個ずつ「たこ焼き」をちょこんと乗せおしゃべりに興じている姿がなんともオチャメでした（笑）
ラーメンメニューを探していたら「ラーメン」と「豚もつラーメン」の２種類をようやく見つけることができました。
先ほど『絆』で「もつ煮込みみそラーメン」を食べたところなので、食べ比べにちょうどいい思いそれを注文しました。
豚もつラーメン 800円（税込み）
醤油ラーメンと間違えたかな？と思うくらいにシャバっとしたスープ。よくよく味わってみれば赤味噌っぽいと言えなくもないが（笑）
しかし、後を引くシビレる旨味に翻弄される。
あっつ！スープの写真が無いのは、レンゲが無かったから。
今思い出しました、カバンにマイレンゲ持ってたのに～(;^ω^)
こちらの「もつ」は小腸の内側に着いた脂がシッカリあって言ってみれば「白コロ」のような感じで、先ほどの『絆』のとろけるような「もつ」とはだいぶ趣が違う。
もつ臭い匂いもあって、マニアにはたまらない逸品。噛み応えがシッカリあって、滲み出る脂も凄い！
モツの他にちゃんとｗ チャーシューが2枚も入っているのが良心的ですね(^^)/
モチっとした中太麺は縮れが入ってスープの絡みが良い。
地元の渡辺製麺は長崎ちゃんぽんのお店でも使っていましたね。
【11月8日】
エイトラーメンを理解するには1回では足りません。
なのでいきなりの再訪。
この日は気になっていたサイドメニューとデフォのラーメンを検証することにします。
前回訪問時女子たちが食べていた
たこ焼き （8ヶ入り）400円（税込み）
お皿にちょこんと乗っていて、ソースの匂いが嗅覚を直撃！こりゃどうしても食べたいと記憶に刷り込まれてしまいました（笑）
表面はカリッとして中はとろり～、ちゃんとタコも入っています。
とんかつソースか中濃ソースのような酸味が食欲を刺激する、独特の味。鰹節とか青のりとか余計なものを一切排除した潔いたこ焼きでした。
メニュー写真がとってもユニークな
ハリケーンポテト 150円
なぜか螺旋状にカットしてあるポテトフライで、串にぶっ刺してあります。
最初はポテトチップスを串刺しにしてあるもんだと思っていましたが外はカリカリ、中はほっこりしたポテトで揚げたて熱々で旨い！
ちょっとしたおやつにも良いし、ビールのあてにも最高です。
そしてデフォのラーメンは大・中・小の3段活用！
ラーメン 中600円（税込み）
鶏ガラ清湯の澄み切った、あっさりしたスープは適度に化調も効いて痺れる旨さ。
薄口醤油ですがほんのり甘みもあって飲んだ〆には最高ですね。
（この日もマイレンゲの事など忘れてる）なのでレンゲにスープの画像はありません(;^ω^)
チャーシューもちゃんとあります。
噛み応えのある肉肉しいチャーシューです。
麺は前回の「豚もつ味噌ラーメン」と同じワシっとした中太縮れ麺。
ズバズバ啜ると旨い！
帰りには店主が柿をもいできて持たせてくれました。
コミュニケーションって大切ですね(^^)/
【11月9日】
遂に今週3回目の訪問となりました。粘着取材ですね(;^ω^)
この日はラーメンが目的ではなく
もの凄く気になっていた「和牛モモ肉のたたき 800円より」のPOP
店主は元精肉店を営んでいたとか。
なので肉のメニューが多いのですね。昔の馴染みで精肉の仕入れも可能と言う訳です。
その店主が現在の場所に移転してきたのが20年前。
現在70歳後半だというから、60歳を目前に転業するとはなかなか勇気がありますね。
和牛モモ肉のたたき 800円（税込み）
何グラムで800円だったのか訊くの忘れましたが、食べやすい厚みで10キレほどが皿に盛りつけられて出てきました。
中心部をレアにして表面を焼くのはなかなか難しいですが、いい火加減だったようですね。
つけタレはニンニクを溶いたポン酢。刻みネギをのせて噛みしめると牛の旨味が広がりました。
もう一つの肉料理
豚の角煮 500円（税込み）
角煮と言えばコロッとした塊を想像していましたが、こちらは厚みのあるチャーシューみたいな感じですね（笑）
豚バラ煮豚が正しいかも
肉と脂の層がはっきり分かれ柔らかく煮込まれていますが、トロトロというほどでもなく適度に食感が楽しめます。
葱や一味をかけると一層旨くて、こりゃあ朝からお酒が濃しくなりますよね。
冷蔵庫の水飲み放題（笑）
お好きなグラスに注げば晩酌気分です（笑）
実にユニークなお店でした。
そして短い言葉でしたが会話をすることでいろんなストーリーが明らかになり、3回通った甲斐がありました。
御年78歳。
奥さまを亡くされて落胆する心境と気力の衰えは察するに余りあるところがあります。
仕事に打ち込んで寂しい気持ちを晴らして、お客さんと会話することが絶対良いことだと確信しています。
どうかお元気でとお声掛けし、暖簾を後にしました。
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【お店情報】
お店のWebページは→こちら
お店（店主）のTwitterは→こちら
店名；エイトラーメン
住所；富山県富山市四方荒屋2039-6
電話：076-435-1320
営業時間；10：00～22：00
定休日；なし（不定休）
駐車場；あり
地図；
