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月蝕歌劇団公演「静かなるドン」に舞台のコミック化を観る

2006-09-10 08:51:13 | 映画・音楽・・・パッケージ・メディア
久しぶりに月食歌劇団の舞台、「静かなるドン」を、ザムザ阿佐ヶ谷で観た。

戦後焼け跡で’想像力’を発揮した寺山修司
「天井桟敷」の流れを汲む月蝕歌劇団
公演リストを見ながら思い出せば
文学、TV、コミックと、舞台の社会背景の違いに気がつく。


制服向上委員会との競演には、TVの影響を強く見たが、
この「静かなるドン」は、漫画サンデーに連載中の新田たつおのコミックを原作
2回目の舞台だ。

物語の背景
寺山修司には、戦争・戦後の引用がつよかったが、
今はもう東西冷戦以後久しく、やくざ・マフィアが戦いの象徴、

せりふ・ことばに、
寺山修司の文学を背景にした毒気はなく、
ステレオタイプの言葉どおりのコトバが、コミカルに接続される。

演技・振り付け
月蝕歌劇団で様式化された振り・踊りが、
TVに親しんだ身体で、コード化され、パターン化され、
判りやすく組み込まれてゆく、三坂さんらしい振り付け。

ストーリー
原作のコミックを読んでいないので、
やくざ・会社、男と女、・・・・・
東京・大阪・香港・アメリカなどの社会・・・・
などの個別の意味や繋がりに、重さは感じない。

音楽
懐かしい猥歌・歌謡曲・エレキのロックが
脱臭・脱色されて聞きやすい。
ゲーム音楽の軽さまでには至っていない。

新宿は花園神社界隈の猥雑さなどを引きずった、
あの月蝕歌劇団の妖しさは、スモークの多用に反して明るくて、
闇は、週刊サンデー連載コミックの来週までのインターバル、

舞台構造から、社会背景・セリフ・ストーリー・振り・踊りまで、
コミックらしく感じられ、面白く観終わった。

東京公演は、今日・明日まで、その後は大阪天王寺へ廻る。

あの闇に怪しく浮かび揺れる群舞の手灯りが、
ろうそくからライトに変わってしまったのは、
消防法による管理がより徹底してきたのか、時代の変化なのだろうか?


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