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映画『鉄コン筋クリート』、亜細亜の複雑性の街・人・愛の夕暮れ

2007-07-24 05:44:33 | 映画・音楽・・・パッケージ・メディア
『鉄コンン筋クリート』 を観る。

『ALWAYS 三丁目の夕陽』をピュアにしたような映画

弱さの暴力で支配してきたヤクザも、
幼さの暴力で守りあってきた少年も、
罪の境界を守ってきた刑事も、
「子供の城」のための街の解体・建設とともに、
人が関わりあってきた街が、消費の街へと変わりゆく、
街の夕陽を観ているようだ。

線で描かれたこの宝街の懐かしさ、複雑さは何なのだろう?
電信柱、絡み合うような電線、雑多な建物、人のいない廃墟、
この街に取り残された眼差しに、
絡み合う描画のきめ細かさがいとおしい。

あの長崎沖の炭鉱の島、軍艦島でさえ、生産の目的を失うと、
つぎはぎの街も、這い回り、汗をした人と人の関わりの記憶が蘇る。

亜熱帯林から生まれた複雑性、
縁もゆかりもない人同士が弱さを分かち合い
多様な心の共存を認め合い、
植物のような離れられない根を絡み合わせた
亜細亜の生き様


原作は、松本大洋
監督は、マイケル・アリアス

原作 士郎正宗 監督 押井 守の『イノセンス』
一元的な目でアジアの豊饒を描いたのに比して、
このアニメは、少年のように、躍動しながら、切なく、
亜細亜の多様性の共存を見つめている。

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