あいらのひみつ箱

2006年の年明けとともにジュリーに堕ちました。日の浅いファンが 勝手な思いを書き連ねるゆるいブログです。

ロンリー・ウルフ

2009-01-06 17:50:02 | シングルレビュー
A:ロンリー・ウルフ
作詞:喜多條忠/作曲:大野克夫/編曲:後藤次利
B:アムネジア
作詞・作曲:りりィ/編曲:後藤次利
(1979年9月21日発売)


この曲、すごくカッコイイです。痺れます。
あちこちのじゅりサイトでも音楽性の高さ、歌唱の素晴らしさが絶賛されております!
なのに売れなかったそうです・・・どこを見てもそう書いてあります。
売れなかった、売れなかった、って。
どんだけ売れなかったのか調べてみましたが正確な数字が出てこない。
己の検索能力の無さが嘆かわしいです・・・10万枚以下だったことは確かなようです。

作詞の喜多條忠氏、じゅりのシングル曲では初めての方だと思うんですが、
調べてみたところ

かぐや姫の「神田川」「妹」
キャンディーズ の「やさしい悪魔」「暑中お見舞い申し上げます」

などを作詞されている方だそうで、なかなかヒットメーカーでおられるようです。
上記の曲とロンリー・ウルフが同じ作詞家、なんかとっても意外な感じがしませんか?

この時、ギャルがよっぽど嫌で、阿久さんの詞をいったん離れることにしたんでしょうか。
そして、これ(のセールスの不調)が無ければTOKIOの電飾パラシュートは無かったと
よく言われますよね。

ミーティングでプロデューサーの加瀬さんが「TOKIO」をシングルカットしようと言ったのに
じゅりがどうしても「ロンリー・ウルフ」がいいと言ったそうですが、
じゅりはきっと(反動で)こういうバラード系を歌いたかったのだろうと思います。

曲構成はAメロ+A´メロ(前半は同じなのでBメロとは言えないような)+サビ
のちょっと変わったタイプ。
ピアノ、ストリングスでアレンジは全体的にシック、
最後のサビの繰り返しから、やおらキュイーンなギターが熱演です。

サビの最後の

男の影は ロンリーウルフ~

のとこででなぜかキラリラリラリ~ンとか、
以外に電子音的なものが多用されております。


しかし、こんなにいい曲なのに何で売れなかったのか(←しつこい
大きなお世話なんですが、そこの所を私なりに分析してみることにしました~。
(あなたの解釈はおかしい、などのマジな反論はヤメテネ。ジョークですから。)

まず、イントロ。この始まり方、意表を突いていて硬派でかっこいいんですが、
歌謡曲的な視点で見るとキャッチーさに欠けるかも。
やはりヒットする曲には「イントロが短めでキャッチー」なことって
重要なことのような気が致します。音楽性とは関係ないでしょうが。

イントロ頭から歌い出しまでの長さ、「ロンリー・ウルフ」は25秒です。
参考までに、じゅりの「売れた曲」と比べてみますと、

「危険なふたり」は14秒
「勝手にしやがれ」は6秒
「ダーリング」は21秒   ←ですがアップテンポなので長く感じないですね。
「ストリッパー」は12秒

バラード系でも
「時過ぎ」は14秒です。

それに、それぞれイントロ番長がはっきりしていて耳を捉えます。

「危険なふたり」「ストリッパー」「時過ぎ」はギター
「勝手にしやがれ」はピアノ
「ダーリング」はサックス

歌いだしまでの長さはバラードの場合8小節以内が歌謡曲ヒットの法則かも
しれませんねっ。(←んな訳ない


でもカッコイイせっかくのイントロ変えたくないですよね。
でも、一等賞をねらうじゅりだもの、セールスも大事・・・
・・・・そこでカリスマプロデューサー:あいらからのアドバイス!!(←何やねん

ずばりビジュアルです。
エロいカッコで渋い歌を歌う。
そう、「サムライ」の戦術ですよ!
めちゃめちゃエロいファッションでシッブーくウルフを歌う!これでどうよ?
早速タケジと衣装の打ち合わせ・・・・はい?


・・・・あ、今加瀬プロデューサーに瞬殺で却下されました・・・


つ、次にじゅりの声。この曲では甘さを封印して渋く歌っています。
ただ、じゅりのファンは圧倒的に女性ですからね。
しかもやっぱり美貌と甘い歌声にうっとりしたいというのが第一にあるわけで、
このジャケ写といい、渋い歌声といい、そういった要素は満たしてなかった
のかもしれません。

実際歌っている映像でも、もちろん美貌はそのままですが、
じゅりにしては珍しくアウトロー的な雰囲気が漂っているんです。
じゅり本人は嫌でも、女装メイクのギャルのほうが27万枚売れた。
じゅりに求められていたのはこっちだったってことでしょう。

アウトローが好きならエーちゃんとかショーケンとか松田優作とか?
いろいろいますもんね。

一言で言えばイメージじゃないってことだったのではと思います。
ショーケンが歌いたがったという話は有名ですよね。
彼のほうがイメージ的にはあっていたかも知れません。


しかし今となってみれば、一連のヒット曲とは違う魅力を味わえる、
後追いファンにとって「嬉しい驚き」の一曲ですね。