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Now+here Man's Blog

Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

Flair Jibing in front of CHOCOBANANA

2006-07-12 11:30:18 | story
昔サファー艇に乗ってると人が集まってきた。
なんで集まってきたと思う?
走ってないからだ。
セイルアップしてインサイドでヒヨヒヨして足のつくところにいたからだ。
それに海水浴場でやってたからだ。
海水浴エリアから海水浴客が泳いで近づいて来るんだ。
当時はウインドサーフィンは画期的なカッチョいいスポーツで注目されてたんだ。

集まって来る人のタイプは決まっていた。
ヤクザか若い女の子だ。

ヤクザは結構海が好きだ。
ある意味、北島三郎ちっくで漁場に似合う。
背中にハイビスカスの刺青でもして欲しいものだ。
セドリックあたりが多くてバックウインドウに家紋なんかが貼ってある。
何故か田舎の海には、サーファーよりも露店でチョコバナナ売ってるタコ入道野郎がしっくりくる。
不思議だね。特に日本海には!

で、彼らは必ずウインドを貸してくれ、とか、乗せてくれ、と言って近寄ってきた。
『流されても俺は責任持てないよ』というとだいたいはソソクサ去っていった。
一度乗ってるの見せてくれと言われて、そいつらの前で華麗なフレアジャイブをした。
知ってる?フレアジャイブって。オイラは得意だったんだ。(レイルジャイブより!)

彼らは『おおおお!』といって、オイラとオイラの友人を海の家の座敷に招待してくれた。
海の家って畳敷きが当たり前だった。海の家『平野屋』とかだ。
『ツネラルドハウス』なんていう洒落た名前は見たことない。
好きなもの食え!って言われてイカの姿焼きを頼んだ。
その中の一人と結構気があって、後日飲みに行った事もあった。


オイラは小学校低学年のときイジメラレっ子だった。
オイラはお坊ちゃんで、ガキというよりお子様的雰囲気が強かったのだ。(きっと)
クラス中の男子に囲まれて殴られ蹴られ、ついでにウンコもらして泣きながら帰ったことがある。
囲まれたことよりウンコもらしたことが悲しかったな。
坂道で転んで、膝をすりむいた。
お袋が風呂に入れてくれた。ケツにこびりついたウンコを洗い流すと凄くケツがヒリヒリする。
そのウンコが足を伝い膝の傷に染みて、今度は膝がヒリヒリする。
もうこんなのイヤだ!と心の中で叫んだ。
殴られてウンコもらす生活は、も・う・い・や・だ!
オイラはそのウンコ事件を機に脱糞、いや発奮し、強い子に変わった。
オイラをいじめたリーダー格を呼び出してボコボコにしたんだ。
そいつは泣いてオイラに許しを乞うたけど、オイラは容赦しなかった。
その後クラスのオイラに対する態度は豹変した。
オイラはケンカに素質があるなんて勝手に思ってしまった。
死んだ親父に殴り方をよく教わったからだ。
まず目を潰せ!それでひるんだらボディーだ!そんなことを教えたメチャクチャ親父だった。
立場は逆転し、オイラは弱気を守り強気を挫く4年3組のヒーローになった。

女の子をいつもいじめる奴がいて、ある日オイラはそいつに鉄拳を浴びせた。
その女の子はオイラの大好きな女の子だったのだ。
オイラはそいつを許すことができず、会うたびに殴ったり蹴飛ばしたりするようになった。
やがてそいつは高校を中退してモノホンになった。

で、話戻り、オイラがウインドをキッカケにヤッ君と飲みに行った帰り、
そのモノホン君とばったり道で会った。
ボッキーが出張で行ったことのある『カワバタ』という繁華街だ。
オイラは覚悟した。やられるって。
モノホン君は眉毛がなく大仏のようなパンチパーマだった。
モノホン君はオイラに向かい深々とお辞儀をした。

何故かというと、モノホン君のいじめた女の子とオイラはロマンスだったからだ。
(もうとっくにその時点でロマンスは終わっていたけどね、オイラがウインドする前だ。)

モノホン君はオイラの隣にやはりモノホンのヤッ君がいることと、
その女の子とオイラが付き合ってるのを風の便りで知ってたんだろう。
また殴られると思ったんだろうな。


ふと、そんな懐かしいことを思い出した。
これもウインドにまつわる話だ。

次回は、サーファー艇に寄って来た人たち、女の子偏だ。

Drive My Car 3

2006-07-05 11:00:26 | story


会社でもフィットネスに行ってる奴がいるんだけど、そいつから聞いた話だ。
気になる女性がいて、アプローチしたいけどなかなかキッカケがつかめない。
走ったり、腹筋やったりしてる人に話しかけるのはとても難しい。ほとんど無理だ。
唯一話のできる場所。それは水飲み場。そこで勝負をかけるそうだ。
『なるほど!』と思った。
でもそこで、短時間でデートに誘いメアドを聞き出すのは結構メンドくさい。
そこで断られると後が続かない。オイラ流ではない。恥ずかしいし!

まずは世間話をいかに充実させるかだ。
共通の話題はフィットネスなんだけど、筋肉がどうのこうのを話すのはオシャレじゃない。
一歩間違うと、トレーニングオタクに思われてしまう。不本意だ。
『こないだジムでさ~、トレーニングオタクに声かけられちゃって~、キモイよね~、ハラ出てるくせに!』
ボンキュッパさんがこんなことを職場で他の同僚に話していたらオイラ的にはダサダサだ。

雑誌ターザンに載ってる様な、女性が気になることを話題にするといいかもね。
女性の体型は25歳までに基本ができて、35歳に作られた体型でバアサンまでいってしまう。
35歳でバアサン準備なのか。。。。男は40でジイサンレディーポジションか。。
だからその歳になるまで真剣に運動しなかった人は、まさにメタボリック老化まっしぐらか。。。

あとはコラーゲンやペプチドの話か。興味を引き出すのは大変だけどね。
食い物屋の話も効果的だろうな。
鎌倉や江ノ島や葉山あたりの食い物屋の話を出して食いつけばOKだ。
アフアフとかオヘオヘとかアハアハなんていうハワイアンの店に連れて行けばいい。
だいたい南の島の食い物はまずい。
魚介類なんて北海道のスネ毛にも及ばない。
でもデートではハワイアンに行くものだ。
ダサダサの日本人カップルが、コテコテの日本人ウエートレスに接客される。
店内ではハワイ民謡が流れている。
あれは腰の力が抜けるメロー民謡だ。民謡にはお囃子がつきものだ。お囃子してるし。
民謡酒場で日本酒飲むのと、ハワイアンレストランでチチ飲むのは同じ部類なんだよな。
まあ、そんことはどうでもいい。
その嘘っぽい雰囲気に気のついた女性なら本物なのか!?!?
いやいや、オイラならハードロックカフェに行くね。あそこは大好きだ。
オイラ的にはハードロックカフェ好き女がいいな。

彼女たちがオパイペローンや出産マシンアッハーンや汗ツーッONウナジでオイラを誘惑してもすぐには飛びつかない。
ここでおとなの男の余裕を出さなくてはいけない。

『これ飲むと身体が楽になってダイエット効果があるよ』と言ってアミノバイタルを渡す。
実際効果があるのでオイラに信用ができる。次はペプチド顆粒を渡す。
最後は媚薬を渡すか!『今飲め、ここで飲め、すぐ飲め!』はぁ、はぁ、はぁ。無理です。

とにかく簡単には誘わない。
誘わないうちに彼女たちには彼氏ができました。めでたし、めでたし!
ち、違うっていうの!

こうすることにした。
メモ攻撃だ。学校の下足ロッカーにバレンタインチョコが入っている喜びと同じだ。
『放課後、体育館の裏で待ってます』これはドキドキする。
爽やかに、だ。

『ボンキュッパさんへ
今日はトレーニングですね。お疲れ様です。
僕はウインドサーフィンで怪我をしてしまい、今日はトレーニングできません。
なので君に会えないのでこのメモをワイパーに挟んでおくことにしました。
明日水曜日△△で食事しませんか?
すごく行きたい店で、是非ご一緒したいなと思ったんだ。
都合よければメールくれませんか?
それと前に話していたデイジーとトリスタンのCD焼いたので渡します。
○×△@oppai.ne.jp』

ごめんなさいメールなら仕方ない。
じゃ、今度いつかね!と爽やかな返信をする。それでOK。

ポイントはウインドの怪我だ。
ダブルの波に巻かれ、3キロ沖から泳いで帰ってきたことにしよう。
生命力を感じさせるのがポイントだ。
君のことはオイラが守るぜ的なね。いや~ん、最高!

もしデートお誘いが成功したらのことを考えて先の準備を怠ってはいけない。
オイラがまずすることはフェラーリのアクセサリー店にいって、
オイラの安車のキーをフェラーリ仕様にすることだ。
さりげなくさりげなーくテーブルの上に置く。
『今日はお酒を飲むから車で来なかったけど、今度はドライブしようよ。
今夜はあまり飲まないよ。だって、キミに、酔・い・た・い・からね。』
い、い、言えるのか?引かないか?引くだろうよ!でも言ってみてえ!

ドライブ予定が成立してもダイジョウブだ。
車を廃車したことにする。
『134を走っていたら前方に子ネコを発見したんだ。
急に停止してオカマを掘られた。フェラーリにはヘッドレストからエアバッグが出るんだよ。
車は廃車にしたけど、僕は平気さ。』
これで決まりだ。この話でボンキュッパさんのオパイはオイラの優しさにドキドキして5センチおおきくなる。
『あなたが多少怪我してでも、フェラーリに乗りたかったわ』って思われたらどうしよう。。

オイラは飲むと凄くふざけたくなる。
ついつい村上ショージをしてしまう。
『ウェルカム、腕噛む、 どこ噛むねん!』
『長州、チャーシュー、皆の衆!』
『なんやそれそれ、脇も剃れ!』
こういうことを言わないように気をつけなくてはならない。

A Boy Meets Many Girls 2

2006-06-30 23:47:52 | story
運動を漫然と行なうならしない方がマシだ。疲れるだけなんだね。
運動するときは活躍している筋肉に集中する。それが重要なんだ。

人間は、基本行動には意識を集中するものだ。
ウンチするときどうだろう。肛門括約筋に全ての意識が集中されているはずだ。
ウンチのとき、仮に1時間前に親が死のうが大失恋しようが、括約筋にのみ意識がいっている。
だから全ての人の括約筋は鍛えられているということなんだ。
括約筋の弱い人というのはあまり聞いたことがない。
オナラと同時に出ちゃったのは括約筋とは関係ない。あれは気の緩みである。

ウインドのときはどうだろう。
恐らく丹田だけだ。オーバーになると広背筋に意識が行くはずだ。
それが意識できない人はたぶん『どんくさい』君や『すっとこどっこい』さんのはずだ。

前置きが長くなった。

フィットネスに足を閉じて、大腿部の内側を鍛えるマシンがある。
その反対、開いて、大腿部の外側を鍛えるマシンもある。
想像してくれ。出産用のベッドに似てるんだ。
あんなに足を上に上げないけど、レディーポジションはそんな感じだ。

人間は前後方向の力には案外強いが、横方向には弱い。
腹の出てる人は横の腹筋が弱いんだ。足もそう。
横が弱いということに人はすぐに気付く。
特に女性は弱い。
だからその足閉マシンは女性に人気がある。
ずばり、キュ~ッと挟んで欲しくなる。
オイラが思ってるのではなく、世間一般論に違いない。あんたもキミもお前さんもだ。
ごめん、ちょっと思い出した。オイラの知り合いの女性は彼氏が彼女のことをお前さんって呼ぶらしい。
で、自分のことをアチキって言うんだってさ。江戸時代かよ!
何度注意してもなおらなかったらしい。
『お前さん、今日可愛いよ』『お前さん、お前さんだけだよ!アチキには!』
バカ丸出しだな。おかっぴきみたいだな。会ったことないけど!

話を戻そう。
だいたいの人は足を閉じる筋力が衰退してるため、いざマシンを動かすと、足がプルプル震える。
眉間にしわが入り、困ったチャンの顔になる。
マシントレーニングの長所はそこだけに意識がいくことだ。
他の言い方をすると、本人は意識集中のため自分の世界に入ってしまうんだ。

今日はそのマシンに女性3人が代わる代わる挑戦していた。
ボンキュッバーンとサンアロハとオパイさんだ。
みんな、ワナワナ震えて、その困った顔はすごくやばい。
ギューッと両脚を締付け、一気に解放したときの安堵の表情はまさにあの顔つきになる。
彼女たちは瞬間自分の世界に入り込む。それって凄くエロイのだ。
そのときスタジオ中、時間が止まってしまう。
少年も青年もオッサンもちらちらちらちら彼女たちを見てる。
ランマシンで走ってるオッサンはベルトの上から転げ落ちそうになった。

オイラはそのときサーフパドルマシンでゲッティンアウトをイメージしていた。
チューブの端にグリップがついてあるサーフ用のトレーニングマシンだ。
そのサーフマシンと出産マシンは対面になっている。
オイラの視線の行く先は、出産マシンのコカーン部だ。
『うおおおおおおおお!』オイラはそこ目がけて大パドルする。
気持ちだけはそこに行ってるのだ。

オイラの選択基準は決定された。表情だ。表情で決めることにした。
たぶん今見せている顔はその時の表情と一致するはずだ。
これはとても重要なんだ。そこで幻滅はしたくないんだ。
『あなた熊の胆でもなめたんですか~?』みたいな女性はたくさんいる。実際叩きたくなる。
一部の女性のあのときの変な顔は男が浮気をする理由の2位に挙げられている。
日本データリサーチ株式会社の統計結果だ。
女を振る1位は料理がまずいことだ。
男が浮気をしないためには裸エプロンで旨い料理を作る。
これには男100人中全員が賛成する。
株式会社ジャパンマリッジサービスの会報に載っていた。

オイラはボンキュッパーンさんに95点をあげた。
女性には歳の取り方がある。それがとても高い次元にある。
こういう人は50になっても魅力を失わない人だ。しかもデルモ体型だ。
体温計のメーカー名じゃない。
サンアロハさんは70点だ。まだまだ若いのでこれからいくらでも教育訓練できる。

オッパイさんは50点。困った顔が少し憎らしい感じがしたんだ。
愛や恋があっても憎たらしい顔は何年たっても憎たらしい。

第一段階として選出をさせて頂いた。
第二段階はアプローチだ。
コンパで携帯のメアド聞き出すのとはわけが違う。
おとなの男の技量が出るはずだ。。。
相手はおとなの女だ。


こんな子が

こんなんに座って


A Boy Meets Many Girls

2006-06-30 00:35:48 | story
通っているフィットネスのマシンが油圧から空圧になった。
どういうことかというと性能がよくなったのだ。
性能が良いというのは、楽に効率よくトレーニングできるということなんだ。
油圧は健康増進。空圧はまさに筋肉製造腹筋ワレワレ。
どおりで今まで筋肉痛がなかったわけだ!
今日なんてたいした量こなしてないのに筋肉が悲鳴を上げている。
腹が凹むのは今日からだっちゅうことか。。。。(ーー;)

今週から若い女性が大量に押し寄せてきた。OH、YES!
きっと暑くなったからだ。
暑い→海だ→水着だ→痩せなくちゃ!
実に簡単な理由だ。

『このマシンどうやって使うんですか?』
オイラに聞いてくる。
オイラはそれなりのウエアと褐色の肌でトレーニングエキスパートに見えるのか!!
はっ!まわりは黙々身体を動かしていて、オイラだけボ~っとしていたからか。。。

『このボタンでエアーを入れるんだよ。で、背中を反って背筋でバーを押すんだ。
最初はお辞儀してごらん。(お、おっぱいが!!!おおおおおおおおおおお!のぞいてる!)』
『いや~ん、重いわ~。数値が5なのにーぃ!』
『僕に代わってごらん。こうやるんだよ。』
オイラの背筋はモーグルで鍛えられている。数値を70にした。
いや70になってしまったのだ。ボタン押しすぎて!
下げるわけにもいかない。オイラは渾身の力で背筋を反らせた。
なんとなんとかバーを動かした。
『すっごーい!パチパチ!!』


オイラが床でストレッチしてると、今度は違う女性が話しかけてきた。
30半ばくらいのボンキュッボーンだ。チチチッ!その笑顔は今のオイラにはやばいぜ、ベイビー!
『マシンのトレーニング順番ってあるのかしら?教えてくれますか?』
『いいですよ。(モッチローン、教える教えるオシエマーッス!!!)
太いメインの筋肉からやっていくと効果ありますよ。腹筋、背筋、脚をメインに。
それから腕などの遠いところを仕上げるんです。そうすると効果ありますよ。』
『そうするとあなたみたいにシェイプされるんですか?』
ええええええ!!君はオイラを抱きしめたいんですか!!!勝手に思うのは勝手勝手!

どうしたんだオイラ!いやいや、これは偶然だ。
オイラはロビーでバームを飲む。
今日はランマシンで6キロも走ったのだ。汗がナイアガラの滝のように流れた。
あまりの汗が恥ずかしくてロビーに移動したんだ。他の女性が来た。
『こんにちわ。先週、道ですれ違いましたよ。ウインドのキャリアつけてますよね。
ウインドサーファーなんですね!いいですよね、ウインドって』
はっ!オイラの後を追っかけてロビーに来たな!ロビーナッシュ!
『君はウインドするの?』
『いいえ。江ノ島で見たことがあったの。波で飛ぶんですね。凄いスピード!やってみたいの』
珍しい。普通の女の子は浮かんでるウインドしか見たことないもんだ。
だめだ~。オイラはヘイスイマーじゃないから、ビギナーお相手は無理だ。

『ところでサンアロハっていうお店知ってますか?江ノ島の。』
きたきたきたーーーーーーー!
お嬢さん、オイラを誘ってマスカット???
冷静になれ、オイラ!しっかり選ぶのだ!
走り方が悪い女はダメだ。汗がドロドロしてるのもダメだ。

次回へ続く。。。


こんな感じやそんな感じやあんな感じだ

はっ!30半ばってこの中にはいないやん。。。

Chapter9   A New Kid In Town

2006-04-12 15:33:51 | story



僕はあの娘に手紙を書いた。決して読まれない手紙だ。
彼女の母親は彼女が小さなときに他に男をつくって蒸発してしまった。
彼女のトラウマ的な深い傷はやがて僕にとっても深い傷となった。
混乱は混乱を招き、傷はやがて溝となった。
世の中には取り返せないことがらがある。しょうがないことがある。
そう自分に言い聞かせないと呼吸すらうまくできなくなってしまう。
結局のところ、手紙というのは自分に対して書く行為だと思った。
書いた後にそう思った。自分を癒す行為なのだと。
完璧な文章など無い。完璧な絶望が無いようにね。


前略
元気ですか?
僕は新しい街にやってきました。(いや、街はそのままで僕が新しくなったのかな?)
波乗りの街です。海へ続く坂道のある街です。君がよく知っている坂道だ。
僕は毎日規則正しく目を覚まし、朝は波乗りをしてから会社に行きます。
風がある日はウインドもします。ウインドはいまだに続けているんだよ。
時々は友人と酒を飲みに行くこともありますが、たいていはこの部屋に戻り、
パスタを茹でてネットサーフをやったり、このような形で自身の記録をとっています。
ビールの量は幾分減ったように思います。
海は本当に僕をリラックスさせてくれる。
僕は「海でなら死んでもいいや。すごく気持ちがいいもん」と、思ったりしてしまいます。
でも大丈夫。もちろんそんなに簡単に僕は死なない。

経験した死別や離別から、孤独や死の恐怖は前ほど僕を襲わなくなりました。
それを感じることもあるけれど、なんとか折り合いをつけてやっています。
そして君から奪ってしまったもの、君を傷付けてしまったことについて心から詫びなければなりません。
いろいろなものが僕の前を通り過ぎていきました。もちろん君の前もね。
そうやって失ってしまったものを、よく夢にみます。
たいていは別れてしまった彼女のことや死んでしまった人たちの夢です。
目覚めたときにひどく悲しい思いをします。
まだあきらめのいい大人にはなりきれてないのですね。
それを引き止めることもせずに、なくしてしまったものをひどく悔やむ。
僕は往生際の悪い人間だ。やれやれ。

僕の当面の目標は、自分自身を好きになることです。
それは僕自身が誰かに愛される条件のひとつだから。
足を止めないように、振り向かないように、前だけを見て走り続けること。
君がどこかで自分自身のために何かしらの努力をしているのと同じように、
僕も自分のためにいろいろやってみています。いつか胸を張って君に会うために。
(もう二度とあえない事は分かっているのだけれど、僕はそうやって生きていきたい)

そして、きっとそれが何らかのかたちで報われることがあったときに、
僕はやっと、僕が何を本当に欲しいのか、分かるような気がします。
そしてその後に、それを手に入れるための、僕の中で本当の人生がまた始まるんだ。
人間が生きていく意味はそこにあることが最近わかりました。

君は(あるいは僕を愛した別の人間)僕の何を愛したのだろう? 
そして僕は(あるいは君は)なぜそれを捨ててしまったのだろう?
僕たち(僕と、君と、僕を通り過ぎた人々と、君を通り過ぎた人々)は
一体どこに辿り着くんだろう?

失ってしまったものをもう一度手に入れることは非常に難しい。
それでも、僕は連続ドラマの最終回で時々やる、
後日談(「何年後ー」というテロップが入る)がすごく好きです。
離れていった友人、ハッピーエンドになったカップル、そんな人たちの何年後かの映像。
彼らはドラマの本筋の中よりも、何百倍も幸せそうに見える。

僕はいつも君と歩いた海へと続く坂道を思い出します。
ロングボードを頭に乗せて笑いながら歩いた日の当たる坂道です。
坂道を下り切ったところにはきっといいことがある。

そして僕はさっきのドラマの最終回の後日談を夢に見るんだ。
僕たちの素敵な未来を祈って。