昨夜から雨が降りそうで降らない落ち着かない空の下、東京宝塚劇場の千穐楽公演は無事に終わったようです。ライブビューイングのチケットに外れたわたしは、5月29日の大劇場千穐楽の思い出し日記を昨日に続いて書こうと思います。
『幕末太陽傳』の終盤、佐平次、おそめ、高杉晋作の三人で歌ったのは「朝陽の向こう」という歌でした。
「佐平次 きらめく星がきえてゆき
静かに夜が明ける
かわした言葉も 笑顔も
全て遠い夢の跡
高杉晋作 きらめく海の あの果てに
何かが待っている
はるかな未来は輝き
今目覚めを待つ
おそめ 数えきれない
思い出をこの胸に
抱きしめたら
その空へ飛び立とう
高杉晋作 遠く 遠く はるか遠く
空の彼方
何かが待つ
まだ見ぬ冒険が
佐平次 軽く 軽く どこまでも
今 走り出す
新しい夜明けの道を
三人 遠く 遠く はるか遠くへ
あの朝陽の向こうへ
今 旅立とう」
脚本・演出の小柳先生の、退団していくトップコンビへの惜しみない哀惜と愛を感じる歌詞。人も組織も生き物でどんなことにも必ず終わりはある。終わりは同時に新しい出会いの始まりであると信じたい。新しい道に踏み出していくのは勇気がいるけれど、人にはその勇気がある。怖れずに自分を信じて歩き出していきたい。わたしの場合はいい思い出ではないけれど、こうして気がついたら新しい道へと踏み出すことがどうにかできている。観客の背中も押してくれている歌でした。
ショー『Dramatic"S"!』で、早霧さんがぽろぽろと涙を流されていたのは、「絆」という場面でした。トップになってから、この言葉を大事にされてきているそうで、早霧さんが歌いながら組子の顔をひとりひとりみつめていきました。トップが客席に背を向けるかたちになっていましたが、男役の細い背中が沁みました。全員が淡いグリーンの衣装で素敵でした。
サヨナラショーも咲妃さんとのデュエットダンスが多くて、リフトなど大きな振りはほとんどなかったと思うのですが雰囲気が素敵で、美しい場面の連続でした。お二人を応援してきたファンはこんなところにときめきを感じてこられたんでしょうね。背景の大階段には、早霧さんの名前が白く浮かび上がっていて雪みたいで雰囲気をさらに美しく盛り上げていました。スタッフさんの愛を感じました。4回目のカーテンコールだったでしょうか。二人で舞台袖に出てきたとき、早霧さんが「わたしばっかり話しているのでなにか言うことはないですか」と咲妃さんに振ると咲妃さんが「わたしの愛する人のイニシャルはS、早霧せいなさんです」と言い、早霧さんが「そうくるとは思わなかった、こうして手のひらのうえでころがされて三年」と返していました。宝塚に存在する男役優位というジェンダーの中で対等であり続けた二人にファンは魅力を感じてきたのかなと思いました。
早霧さんが、「望海率いる雪組をどうかどうかよろしくお願いします」と挨拶されたとき、望海さんがたぶん誰よりもあつく誰よりもあったかい笑顔で早霧さんを見つめていました。その表情をしっかりと映し出してくれたカメラマンさん、グッドジョブ!!
花組から移籍した望海さんが次期トップ。お披露目作品はロベスピエールの役だそうで、画像を拝見するとほんとに美しくって演技も歌も安定している方なので楽しみです。こうして新陳代謝を繰り返しながら、宝塚の舞台はあらたな夢を生み出し続けていくんですね。観客にとっては現実を忘れさせてくれる薔薇の花束。明日からまたつらい一週間が始まってしまいます。今は二週間後の花組公演を楽しみになんとか生き延びていきます。
オタクにしかわからない内容、長々と失礼しました。
(宝塚ジャーナルから転用しています。)
(ツィッターからの拾い画です。)
蛇足、全く宝塚とは関係ないことですが、ちっそくしそうな部屋から逃れてこれを書いているカフェで学生たちが期末試験らしくチャラ坊やチャラ女子が普段やらない勉強を必死にしています。自分たちどんだけ恵まれているのか知らないんだよねー、当然だと思っている、ある意味哀れなり、知らないだろうけれど普通がいちばんむずかしいんだよー、ありがたいこと環境にいるんだよー、教えてあげたい気持ちにかられるなり。なにもいいませんけどね・・・。
『幕末太陽傳』の終盤、佐平次、おそめ、高杉晋作の三人で歌ったのは「朝陽の向こう」という歌でした。
「佐平次 きらめく星がきえてゆき
静かに夜が明ける
かわした言葉も 笑顔も
全て遠い夢の跡
高杉晋作 きらめく海の あの果てに
何かが待っている
はるかな未来は輝き
今目覚めを待つ
おそめ 数えきれない
思い出をこの胸に
抱きしめたら
その空へ飛び立とう
高杉晋作 遠く 遠く はるか遠く
空の彼方
何かが待つ
まだ見ぬ冒険が
佐平次 軽く 軽く どこまでも
今 走り出す
新しい夜明けの道を
三人 遠く 遠く はるか遠くへ
あの朝陽の向こうへ
今 旅立とう」
脚本・演出の小柳先生の、退団していくトップコンビへの惜しみない哀惜と愛を感じる歌詞。人も組織も生き物でどんなことにも必ず終わりはある。終わりは同時に新しい出会いの始まりであると信じたい。新しい道に踏み出していくのは勇気がいるけれど、人にはその勇気がある。怖れずに自分を信じて歩き出していきたい。わたしの場合はいい思い出ではないけれど、こうして気がついたら新しい道へと踏み出すことがどうにかできている。観客の背中も押してくれている歌でした。
ショー『Dramatic"S"!』で、早霧さんがぽろぽろと涙を流されていたのは、「絆」という場面でした。トップになってから、この言葉を大事にされてきているそうで、早霧さんが歌いながら組子の顔をひとりひとりみつめていきました。トップが客席に背を向けるかたちになっていましたが、男役の細い背中が沁みました。全員が淡いグリーンの衣装で素敵でした。
サヨナラショーも咲妃さんとのデュエットダンスが多くて、リフトなど大きな振りはほとんどなかったと思うのですが雰囲気が素敵で、美しい場面の連続でした。お二人を応援してきたファンはこんなところにときめきを感じてこられたんでしょうね。背景の大階段には、早霧さんの名前が白く浮かび上がっていて雪みたいで雰囲気をさらに美しく盛り上げていました。スタッフさんの愛を感じました。4回目のカーテンコールだったでしょうか。二人で舞台袖に出てきたとき、早霧さんが「わたしばっかり話しているのでなにか言うことはないですか」と咲妃さんに振ると咲妃さんが「わたしの愛する人のイニシャルはS、早霧せいなさんです」と言い、早霧さんが「そうくるとは思わなかった、こうして手のひらのうえでころがされて三年」と返していました。宝塚に存在する男役優位というジェンダーの中で対等であり続けた二人にファンは魅力を感じてきたのかなと思いました。
早霧さんが、「望海率いる雪組をどうかどうかよろしくお願いします」と挨拶されたとき、望海さんがたぶん誰よりもあつく誰よりもあったかい笑顔で早霧さんを見つめていました。その表情をしっかりと映し出してくれたカメラマンさん、グッドジョブ!!
花組から移籍した望海さんが次期トップ。お披露目作品はロベスピエールの役だそうで、画像を拝見するとほんとに美しくって演技も歌も安定している方なので楽しみです。こうして新陳代謝を繰り返しながら、宝塚の舞台はあらたな夢を生み出し続けていくんですね。観客にとっては現実を忘れさせてくれる薔薇の花束。明日からまたつらい一週間が始まってしまいます。今は二週間後の花組公演を楽しみになんとか生き延びていきます。
オタクにしかわからない内容、長々と失礼しました。
(宝塚ジャーナルから転用しています。)
(ツィッターからの拾い画です。)
蛇足、全く宝塚とは関係ないことですが、ちっそくしそうな部屋から逃れてこれを書いているカフェで学生たちが期末試験らしくチャラ坊やチャラ女子が普段やらない勉強を必死にしています。自分たちどんだけ恵まれているのか知らないんだよねー、当然だと思っている、ある意味哀れなり、知らないだろうけれど普通がいちばんむずかしいんだよー、ありがたいこと環境にいるんだよー、教えてあげたい気持ちにかられるなり。なにもいいませんけどね・・・。