たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2018年『1789バスティーユの恋人たち』_二度目の観劇でした

2018年04月28日 23時32分13秒 | ミュージカル・舞台・映画
 帝国劇場で夜の部を観劇、当日券といっても二週間前にインターネットで予約した当日券枠の補助席。幕が開いてすぐに客席袖の扉からペイロール伯爵と部下たちが登場して舞台にあがっていくのですが、背もたれに背中をつけていたら触れたのは岡さんペイロールのマントだったかな。ふわっとしました。岡さん、捕らえられたロナンへの鞭さばきにさらにみがきがかかって迫力のペイロール。今日もこかったです。あのマントと髭が似合うのは岡さんしかいないかも。


 Wキャストは、ロナン:加藤和樹さん オランプ:神田沙也加ちゃん  マリー・アントワネット:龍真咲さん でした。


 龍さんは宝塚時代を含めて初見。男役をやっていた方とは思えない可愛らしさと母性に溢れたアントワネットでしたが、カーテンコールの最後にはけていくとき、加藤さんロナンを手招きした仕草がめっちゃ男前でかっこよかったです。10年以上かけて創り上げてきたものが体にしみついて何気にでてしまうところがファンの方には嬉しいんじゃないかな。華やかさにあふれた凰稀さんアントワネットとはまた違う雰囲気で、王太子を亡くしたことで自分の愚かさに気づき、フランス王妃として生きていく心をかためたあとの潔い強さが素敵でした。

 休憩をはさんで3時間の舞台ですが、とにかく盛りだくさんで登場人物が多いし、物語の進行が早いので、ダンスパフォーマンスがすごいなあと思いながら集中しているとあっという間。二週間前に観劇したときはまだ初日が開いた間がなかったからか、物語の進行とアクロバティックなダンスシーンの連続とがかみあっておらず、なんとなくまだばらつきがある感じがしましたが、折り返しを過ぎた今日は、あのシンプルだけどすごい迫力感を生み出している大きな可動式の壁というんでしょうか板というんでしょうか、舞台セットともうまくかみあってきていて流れが自然になっていました。全体の熱量がすごくってエネルギーに満ち溢れた舞台でした。観始めるとやみつきになって何度でも観たくなります。終演後に客席をできるときの、観客のだれもがなんともいえない満たされた感のベールをまとっている感じがします。擦り減った心のエネルギーをチャージすることができました。一週間後にもう一度あります。今度は徹平君ロナン。加藤さんロナンは見納めでした。ペイロールに撃たれてしまう最後はやっぱり切なくって、ロナンの生き様がなんとも切なくって涙。農民という身分に生まれたロナンがペイロールに父親を射殺されたのをきっかけにパリに出て行き、革命家たちと出会い、投獄され、王族たちと敵対し、オランプと恋に落ちるも、フランス革命の大きな契機となったバスティーユを陥落に導くも命を落とすという、激動の時間を歩むことになった、短くも一生懸命に生き抜いた人生。こわいもの知らずになって、アルトワ伯のことを、相手にとって不足はないという加藤さんロナンの響きが何故だか好きです。最後の最後まであきらめてはいけないというメッセージをくれた感。また何カ月もかけてゆっくりと思い出していけるといいかな。

 再演で落ち着いてみると、ソレーヌのパン屋襲撃の場面は違和感が否めなかったかな。ソニンさんと女性ダンサーたちの熱演がすごいだけに、もう少し違う流れでの組み込み方もあったのでは、っていう印象になったのは残念。

 三浦さんロベスピエールは、古川さんロベスピエールとはまた違うひんやり感と熱量とがいいバランスで、またロベスピエールにはまってしまいそうです。

 シャルロット役の子役ちゃんは今回も歌うまだし出番も多くて、一幕最後は舞台の真ん中に立って幕が降りる重要な役所なのを堂々たる役者ぶりですごいなと思いました。

 忘れないうちに思いつくまま書いてみました。あと一回。また上演されるかもしれませんがダンスシーンが多いことを考えるとこのキャストはもうないのではと思います。アクロバティックなダンスを繰り広げるダンサーたちほんとにすごい。カーテンコールでも二回転?したりしてすごい。『ミス・サイゴン』でもドラゴンダンサーですごいダンスを披露していた方とかロミジュリのダンサーとかいらっしゃってほんとにすごいの。舞台との出会いも一期一会。この世にいる間にしか観ることができないのだと思うとやめられません。ロッカーに預けた荷物を出しながらふと思いました。これまでの時間よりもこれからの時間の方が少ないのは間違いないのだから今しかないのだと。

 カフェで早い夕食をすませたあと帝劇に向かう前にキャトルレーヴで一枚だけ『ポーの一族』の舞台写真を購入。宝塚はよくできていてさりげなく商売上手で次回花組の東京公演のチラシにはさんでビニール袋に入れてくれました。ほんとにうまいなあと感心しました。9月公演のチラシ。その時までわたし生き延びていられるのかわかりません。ここまでこうがんばったら次はこうなる、こんだけお金は入ってくるっていう見通しが全く立ちません。生き延びていられるのかもほんとにわかりません。気がつけばすっかり年をとっただけで、働く見通しは結局全く立たない人生となってしまいました。いつどんな舞台があるかを軸に生き延びていきますかね。悪夢から解き放たれた、プラスのエネルギーに満ちた土曜日となりました。満足度たかし、めでたし、めでたし。

 写真は二年前の帝国劇場内です。



 

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