たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『エリザベート』の思い出(3)

2015年04月18日 22時57分12秒 | ミュージカル・舞台・映画
いいものに心を満たされる時間も少しずつ増やしていきつつ、少しずつ少しずつ自分を信じる気持ちを取り戻し中。なぜかみんな大丈夫だと言ってくれるのですが、私自身がまだ大丈夫が見えてこない、でも無理に動く時ではないのでいろいろと整理しつつやっているこの頃です。

レミゼの初日の幕が開いてなんとダイジェスト映像には、かつてのガブ君が登場していてびっくりしつつ、「民衆の歌」を聴くとエネルギーをもらえて、素晴らしい楽曲に役者がそろったミュージカルの舞台はやっぱりいいものだとあらためて思います。

こちらもまた耳に残る素晴らしい楽曲ぞろいの『エリザベート』のガラコンサートのDVDを久しぶりに観ました。宝塚でかつての役を演じた人たちが集結した奇跡のような2012年のコンサートの映像。雪組バージョンは特に心躍ります。残念ながら生では観ていません。

96年の日本初演。一路さんトート、花ちゃんシシィ、ゆきちゃんフランツ、いしちゃんルキーニ。16年の歳月を経ても変わらないではなく、さらに厚みをもっていて、初演の時の空気感もよみがえってきます。
一路さんのサヨナラ公演。どうやってチケットをとったのか思い出せませんが二回は観たと思います。
96年の6月東京宝塚劇場でした。妹とのお別れから二年にならない時でした。
エリザベートを黄泉の国へと誘いにくるトートという死の象徴が主役の舞台をみて大丈夫なんだろうかと思いながら足を運んだ記憶があります。
華やかにみえる宮廷生活の中でみんな何かにがんじがらめにからめとられている孤児なハプスブルグ家の人々。その中で自由人であろうともがき続けるエリザベート。最後はルキーニに暗殺されて天に召されるという重いストーリィですが、トートが歌うのはロック調の曲が多くて、ロングブーツをはいた一路さんトートは、イギリスのロックシンガーのようなカッコ良さでした。

「宝塚の初演でトートを演じた一路真輝は、その4年後の東宝版初演では自らエリザベートを演じ、男性の演じるトートと一緒に舞台に立った。彼女はこれによって、同じミュージカルで男性主役と女性主役の両方を体現するという、世界で他に類のない可能性を獲得したのだった。」(2012年5月-6月帝国劇場公演プログラムより)

一路さんはその後コンサートでも、トートとシシィの両方を自由自在に行き来しながら何度も演じられています。雪組初演の舞台は、きっと演じられた方々にとっても観客にとってもずっと宝物。

この頃はまだ娘役としてのキャリアがあさかったはなちゃんが体当たりで体現したシシィ。
ルドルフ亡きあと、棺にすがりついて「ママは自分を守るためあなたを見捨ててしまった」とすがりつき、トートに一緒に連れて行ってほしいと頼むと、トートは「おまえはまだ私を愛してはいない、死は逃げ場ではない」と拒みます。この場面が特に印象的でした。

三度目となる東宝版の舞台では、これまで男役出身の人が演じてきたシシィを、娘役出身の二人のはなちゃんが演じます。どんなふうにシシィを体現するのか・・・。

写真は2012年の舞台から春野さんシシィとマテさんトート。げきぴあから転用しています。


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