たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『木靴の樹』シナリオ(20)

2017年09月29日 17時31分32秒 | 映画『木靴の樹』
(フランス映画社発行のパンフレットより引用しています。)

*紡績工場の外(夕)

 夕べの鐘が鳴る。小さな灯をつけた荷馬車が、若い男女の一段と共に通る。

*ポプラの並木道

 マッダレーナの前にステファノがあらわれる。

ステファノ「こんばんわ!」

マッダレーナ「びっくりしたわ」

ステファノ「どうして?」

マッダレーナ「なぜここに?」

ステファノ「君に会いたくて」

マッダレーナ「それなら、毎晩集会で会ってるわ」

ステファノ「それとは違う。みんなの中で会うのと、2人だけで会うのは違う」

マッダレーナ「今夜も寒いわ」

ステファノ「いや、水はもう凍っていない。もうすぐ聖母月がやってくる。君にキスがしたい」

 沈黙が流れる。2人の横顔。

マッダレーナ「そんなこと、だしぬけに言ってもだめよ。さよなら」

ステファノ「では、さよなら」

 期待は裏切られたが、恋心を打ち明けた喜びは大きい。マッダレーナを見送るステファノの顔は、心なしか晴れやかだ。


*バティスティの家・台所(夜)

 ミネクがノートをひろげ、勉強している。兄の姿をのぞきこむトゥー二。


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