医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美しきガイア 43

2008年10月04日 06時20分45秒 | Weblog
 行動主義心理学では、人間は環境情報に対する反射によって生きている、と主張するそうです。

 アフォーダンスは、一時デザイン業界ではやりましたが、知覚は主体的ではなく、環境から引き出される、というそうです。

 アフォーダンスとは知覚心理学者ギブソンが提唱し、affordとは与えるということですから、環境がヒトに与える意味、ってことでしょうか?

 で、椅子は座られることをアフォードし、取っ手はつかまれることをアフォードする?

 実際座れるなら、本人が座りたくなくても、座れるというアフォーダンスがあることになる。

 座れそうだ、座れなさそうだ、という感覚は、実際にはアフォーダンスではなく、その人の主観による知覚されたアフォーダンスになるので、厳密には異なるそうです。

 


 また、認知心理学では、リベットの実験があり、僕たちの脳が指を動かそうと意図するよりも前に、実は無意識のスイッチが入り、脳内の活動が始まる、それから動かそうと意識する、ということを立証したそうです。




 で、ロボット工学や、コンピュータの理系の世界では、MITのブルックスが「サブサンプション・アーキテクチャ」を提唱、サブサンプション・アーキテクチャとは「包含」を意味し、反射行動を組み合わせて複雑な行動を取らせることに成功、と。

 「自律分散システム」を唱えたMITのミンスキーは人工知能の父と呼ばれ、前野氏に近いそうです。

 つまり、集中管理システムVS「自律分散システム」=自律組織化ということで、例の無意識によるボトムアップですな。

 また、「創発システム」という考えが起こり、創発システム≒ゲシュタルトだそうで、複数の要素が有機的に関係し合って、相互作用を通して全体としてまとまった機能を発現している要素の集まりのこと・・・みたいっス。

 脳とは遅い素子の並列演算、一方コンピュータは早い素子の直列演算で、少ない数の素子が一秒間に数ギガ回(数十億回)の計算を行うもので、双方向性理論とは、順モデルと逆モデルをつないだ計算だそうです。

 前野氏は「意識」とは、無意識下に生じている非常に膨大でかつ並列的な計算を、非常に単純化されたウソの直列演算で近似することであるといえると主張します。