【余禄】:沖縄慰霊の日を前に…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【余禄】:沖縄慰霊の日を前に…
沖縄慰霊の日を前に、県内の多くの学校では平和学習が行われる。恩納(おんな)村立安富祖(あふそ)小学校では10日、高学年生が地元にある慰霊碑「第二護郷隊(ごきょうたい)之碑」などを訪ねた
▲「護郷隊」は戦時中に陸軍が編成した二つのゲリラ部隊で、10代半ばの本島中北部の少年を中心に召集された。第二隊の拠点は恩納岳に置かれ、69人が落命した。戦闘で負傷し、息絶える少年たちは「アンマー(お母さん)、アンマー」と口にしたという。野戦病院では、歩けなくなった少年兵が軍医に銃殺されたとの証言もある(川満彰著「陸軍中野学校と沖縄戦」)
▲地上戦があった沖縄でも、体験をどう語り伝えていくかが課題になっている。児童たちの説明役を務めた恩納村史編さん係の瀬戸隆博さん(56)は「二度と沖縄を戦場にしないために、身近なところから戦争の構造を学ぶ。地域での取り組みが一層、重要になります」と語る
▲動員された女子生徒らが亡くなった「ひめゆり学徒隊」の悲劇を伝える「ひめゆり平和祈念資料館」は、高校生らが友人などに「伝える側」になるためのワークショップを実施している。展示を見るだけでなく、意見交換を通じて生徒らが平和への意識を高めることを期待している
▲「どれだけの人が苦しんだか。まだ知らない人に教えていきたい」。護郷隊の碑を訪れた後に児童が記した感想である
▲米軍基地問題の根源には沖縄戦の惨禍がある。体験と記憶をどのように継承していくか。沖縄だけでなく、国民全体が共有すべき課題だ。
元稿:毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余禄】 2024年06月23日 02:02:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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